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IAEA報告書は「処理水の海洋放出」を承認していない。中国を「非科学的」と切り捨てる日本の傲慢 | Business Insider Japan

IAEA報告ほうこくしょは「処理しょりすい海洋かいよう放出ほうしゅつ」を承認しょうにんしていない。中国ちゅうごくを「科学かがくてき」とてる日本にっぽん傲慢ごうまん

福島第一原発 処理水 タンク

福島ふくしまけん大熊おおくままち東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしまだいいち原発げんぱつ敷地しきちところせましとなら処理しょりすい保管ほかんタンクぐん。8がつちゅうにも海洋かいよう放出ほうしゅつ開始かいしされる見通みとおしだ。

REUTERS/Kim Kyung-Hoon

福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ発生はっせいした、いわゆる処理しょりすい詳細しょうさい後述こうじゅつ)を海洋かいよう放出ほうしゅつするちかづいている。

日本にっぽん政府せいふやメディアは、国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん(IAEA)が「国際こくさいてき安全あんぜん基準きじゅん合致がっちしている」とした調査ちょうさ報告ほうこくしょ(7がつ4にち)によって、海洋かいよう放出ほうしゅつ安全あんぜんせい正当せいとうせいしめされたかのように主張しゅちょうする。

だが、この報告ほうこくしょに、海洋かいよう放出ほうしゅつ方針ほうしんを「推奨すいしょうするものでも承認しょうにんするものでもない」との記載きさいがあることに、どれほどのひと注意ちゅういけているだろう。

報告ほうこくしょで「お墨付すみつきをた」とし、地元じもと福島ふくしま漁民ぎょみん市民しみん団体だんたい中国ちゅうごく太平洋たいへいようとうしょこくなど海外かいがい反対はんたいを「科学かがくてき」「外交がいこうカードにしている」などとめつけるのは、あまりに傲慢ごうまん態度たいどではないか。

報告ほうこくしょ提出ていしゅつまでの経緯けいい

まずは「処理しょりすい問題もんだいかえろう。

2011ねん福島ふくしまだいいち原発げんぱつ事故じこでメルトダウン(炉心ろしん溶融ようゆう)をこした原子げんしには、そのかく燃料ねんりょう構造こうぞうぶつけてかたまった「燃料ねんりょうデブリ」を冷却れいきゃくするため、現在げんざい毎日まいにち大量たいりょうみず注入ちゅうにゅうされている。

燃料ねんりょうデブリにれてこう濃度のうど放射ほうしゃせい物質ぶっしつふくんだ「汚染おせんすい」は、原子げんし建屋たきのやなが地下水ちかすい雨水あまみずざりうことで、あらたな汚染おせんすい発生はっせいさせている。

現在げんざいは、汚染おせんすいふくまれる放射ほうしゃせい物質ぶっしつを「核種かくしゅ除去じょきょ設備せつび(ALPS)」で浄化じょうか処理しょりしており、除去じょきょ困難こんなんなトリチウムをのこしつつ、それ以外いがい放射ほうしゃせい物質ぶっしつについて規制きせい基準きじゅんたしたものを、日本にっぽん政府せいふは「(ALPS)処理しょりすい」とんでいる。

処理しょりすいは1000あまりのタンク(やく137まんトンぶん)に保管ほかんされている。

東京電力とうきょうでんりょくはこのタンクが2024ねんには満杯まんぱいになると計算けいさんし、処理しょりすいのトリチウム濃度のうどくに規制きせい基準きじゅんの40ぶんの1を下回したまわるように海水かいすいうすめ、海底かいていトンネルをつうじて沖合おきあいやく1キロさき放水ほうすいこうからうみなが計画けいかくてた。

日本にっぽん政府せいふは2021ねん4がつ東京電力とうきょうでんりょく作成さくせいした「処理しょりすい海洋かいよう放出ほうしゅつかか放射線ほうしゃせん影響えいきょう評価ひょうか報告ほうこくしょ」と、原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかいによる海洋かいよう放出ほうしゅつ計画けいかく審査しんさプロセスが、IAEAの安全あんぜん基準きじゅん整合せいごうしているか確認かくにんもとめた。

そして冒頭ぼうとうでもれたように、IAEAは7がつ4にち海洋かいよう放出ほうしゅつ計画けいかくが「国際こくさいてき安全あんぜん基準きじゅん合致がっちしている」とする内容ないよう調査ちょうさ結果けっか公表こうひょうし、どう機関きかんのグロッシ事務じむ局長きょくちょう岸田きしだ首相しゅしょう報告ほうこくしょ提出ていしゅつした。

IAEA グロッシ事務局長

7がつ4にち首相しゅしょう官邸かんてい岸田きしだ首相しゅしょうみぎ)に調査ちょうさ報告ほうこくしょ提出ていしゅつした国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん(IAEA)のグロッシ事務じむ局長きょくちょう

Eugene Hoshiko/Pool via REUTERS

中国ちゅうごくなどが反対はんたいする「論理ろんり

処理しょりすい海洋かいよう放出ほうしゅつたいしては、全国ぜんこく漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい(JF全漁連ぜんぎょれん)や地元じもと福島ふくしま漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあいをはじめ、市民しみん団体だんたいつよ反対はんたいしてきた。

さらに、IAEAの調査ちょうさ報告ほうこくしょ公表こうひょうけ、中国ちゅうごく太平洋たいへいようとうしょこくからも反対はんたいこえがり、外交がいこう問題もんだい発展はってんしている。

まずは中国ちゅうごく主張しゅちょうみみかたぶけよう。

こうひろしちゅう日大にちだい使駐日ちゅうにち大使館たいしかん報道ほうどうかんは7がつ4にち記者きしゃ会見かいけんで、海洋かいよう放出ほうしゅつ反対はんたいする理由りゆうつぎのように列挙れっきょした。

  1. 日本にっぽんがわ周辺しゅうへん近隣きんりんこくなど利益りえき関係かんけいしゃ協議きょうぎせず、一方いっぽうてき決定けっていした原発げんぱつ事故じこしょうじた汚染おせんすいうみ放出ほうしゅつした前例ぜんれいはない
  2. 各国かっこく原発げんぱつから汚染おせんすい排出はいしゅつしている」との日本にっぽん主張しゅちょうについて、排出はいしゅつしているのは冷却れいきゃくすいであり、事故じこけた炉心ろしん接触せっしょくした汚染おせんすいではない
  3. ちた炉心ろしん直接ちょくせつ接触せっしょくした汚染おせんすいには60種類しゅるい以上いじょう放射ほうしゃせい核種かくしゅふくまれ、そのおおくには有効ゆうこう処理しょり技術ぎじゅつがない

大使たいしはそのうえで、「日本にっぽんはただちに海洋かいよう放出ほうしゅつ計画けいかく中止ちゅうしさせ、国際こくさい社会しゃかい真剣しんけん協議きょうぎし、科学かがくてき安全あんぜん透明とうめいで、各国かっこくみとめられる処理しょり方式ほうしき共同きょうどう検討けんとうすべき」と主張しゅちょうした

中国ちゅうごく政府せいふ反対はんたいけ、特別とくべつ行政ぎょうせいである香港ほんこん食品しょくひん衛生えいせい管理かんり当局とうきょくは7がつ12にち放出ほうしゅつ実際じっさいおこなわれれば、福島ふくしま東京とうきょうふくむ10都県とけんからの日本にっぽん水産物すいさんぶつ輸入ゆにゅう禁止きんしすると発表はっぴょう

さらに、中国ちゅうごく税関ぜいかん当局とうきょく日本にっぽん水産物すいさんぶつたいする放射ほうしゃせい物質ぶっしつ検査けんさを7がつから厳格げんかく鮮魚せんぎょなどの輸出ゆしゅつ停止ていししていることがかり、放出ほうしゅつ問題もんだいにちちゅうあいだ外交がいこう問題もんだいへと発展はってんした。

放出ほうしゅつ開始かいしまえ対抗たいこう措置そちたともうつ中国ちゅうごく対応たいおうについて、日本にっぽんでは「中国ちゅうごく政府せいふ処理しょりすい問題もんだい利用りようしているのではないか、との疑念ぎねんきんない」との社説しゃせつや、「処理しょりすい問題もんだい科学かがくてき議論ぎろんはな外交がいこうカードとしている」といった政府せいふ関係かんけいしゃ見方みかた紹介しょうかいする記事きじなど、メディアが「日本にっぽん政府せいふ応援おうえんだん」としてたいちゅう非難ひなんあおっている。

だが、放出ほうしゅつ反対はんたいしているのは中国ちゅうごくだけではない。

韓国 海洋放出 抗議デモ

7がつ8にち韓国かんこく首都しゅとソウルで、国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん(IAEA)のロゴがえがかれた巨大きょだいなバナーをいて日本にっぽん処理しょりすい海洋かいよう放出ほうしゅつ抗議こうぎする市民しみんたち。

REUTERS/Kim Hong-Ji

オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアなどの太平洋たいへいようとうしょこく加盟かめいする「太平洋たいへいよう諸島しょとうフォーラム(PIF)」は、IAEAが報告ほうこくしょ公表こうひょうする直前ちょくぜんの6がつ26にち、プナ事務じむ局長きょくちょう声明せいめい発表はっぴょうした。

笹川ささかわ平和へいわ財団ざいだん主任しゅにん研究けんきゅういん塩澤しおざわ英之ひでゆき抄訳しょうやくによれば、「放射ほうしゃせい廃棄はいきぶつその放射ほうしゃせい物質ぶっしつ」の海洋かいよう投棄とうきは「太平洋たいへいようとうしょこくにとって、おおきな影響えいきょう長期ちょうきてき憂慮ゆうりょをもたらす」ため、「代替だいたいあんふくあらたなアプローチが必要ひつようであり、責任せきにんある前進ぜんしんみちである」と、プナ事務じむ局長きょくちょう海洋かいよう放出ほうしゅつ反対はんたいする態度たいど表明ひょうめいした。

なお、日本にっぽんかんぜん首相しゅしょう時代じだいの2021ねん7がつ太平洋たいへいよう地域ちいきの19カ国かこく地域ちいき首脳しゅのうと「だい9かい太平洋たいへいようしまサミット(PALM9)」をオンラインでひらいている。

かんはそのさい、「権威けんい主義しゅぎとの競争きょうそうなどあらたな挑戦ちょうせん直面ちょくめん」しているとして、中国ちゅうごく脅威きょうい対抗たいこうする結束けっそくびかけたが、太平洋たいへいようとうしょこくがわ同意どういられず、議論ぎろん海水かいすいめん上昇じょうしょう海洋かいようゴミ、かく廃棄はいきぶつなど汚染おせん物質ぶっしつ対策たいさく集中しゅうちゅうした。

サミット首脳しゅのう宣言せんげんには、太平洋たいへいよう諸島しょとうフォーラムの加盟かめいこく地域ちいきが「海洋かいよう放出ほうしゅつかか日本にっぽん発表はっぴょうかんして、国際こくさいてき協議きょうぎ国際こくさいほうおよ独立どくりつ検証けんしょう可能かのう科学かがくてき評価ひょうか確保かくほする」のが優先ゆうせん事項じこうであるとの文言もんごんまれた。

報告ほうこくしょ海洋かいよう放出ほうしゅつ推奨すいしょう承認しょうにんもしていない

そもそも、今回こんかいのIAEAによる調査ちょうさ報告ほうこくしょを、海洋かいよう放出ほうしゅつ安全あんぜんせい正当せいとうせい保証ほしょうするものとみなしていいのか。

もっと注意ちゅういしなければならないのは、報告ほうこくしょなかに「処理しょりすい放出ほうしゅつ日本にっぽん政府せいふ決定けっていすることであり、その方針ほうしん推奨すいしょうするものでも承認しょうにんするものでもない」と明記めいきされていること。政治せいじてき判断はんだんとして海洋かいよう放出ほうしゅつおこなうべきかどうかについて、報告ほうこくしょ一切いっさい判断はんだんしていないのだ。

政府せいふ説明せつめいやメディア報道ほうどうせっしたおおくの国民こくみんは、このてん誤解ごかいしてはいないだろうか。

IAEAのグロッシ事務じむ局長きょくちょうはNHKとのインタビュー(7がつ7にちで、つぎのようにかたっている。

日本にっぽん政府せいふ処理しょりすいをどうあつかったらよいかいてきたわけではなく、基本きほん方針ほうしん評価ひょうかしてほしいという要請ようせいだった。政治せいじてきにいいかわるいかをめたわけではなく、放出ほうしゅつたいする日本にっぽんみそのものを調査ちょうさした」

また、原子力げんしりょく依存いぞんしない社会しゃかい実現じつげんをうたう認定にんていNPO「原子力げんしりょく資料しりょう情報じょうほうしつ」の関係かんけいしゃは、筆者ひっしゃにこう説明せつめいする。

「IAEAの報告ほうこくしょは、汚染おせんすい海洋かいよう放出ほうしゅつ正当せいとうする内容ないようではありません。放出ほうしゅつ設備せつび性能せいのう保管ほかんタンクない処理しょりすいふくまれる放射ほうしゃせい物質ぶっしつ環境かんきょう影響えいきょうなどを評価ひょうかしただけです」

原子力げんしりょく資料しりょう情報じょうほうしつは7がつ6にち発表はっぴょうした声明せいめいで、以下いかのように指摘してきしている。

  1. IAEAの安全あんぜん審査しんさ範囲はんいには、日本にっぽん政府せいふがたどった正当せいとうプロセスの詳細しょうさいかんする評価ひょうかふくまれていない
  2. 汚染おせんすい海洋かいよう放出ほうしゅつはい作業さぎょうのみに適用てきようされる利益りえきであり、漁業ぎょぎょう観光かんこうぎょう住民じゅうみん生活せいかつ海外かいがいへの影響えいきょうふくめた社会しゃかい全体ぜんたいとしての利益りえきをもたらすものではない
  3. 海洋かいよう放出ほうしゅつ社会しゃかいてき合意ごういれていないことは全漁連ぜんぎょれん福島ふくしまけんいざりれん放出ほうしゅつ反対はんたい決議けつぎや、太平洋たいへいよう沿岸えんがん諸国しょこくから懸念けねんがっていることからもあきらか。国際こくさい基準きじゅん基本きほん原則げんそくのっとれば、海洋かいよう放出ほうしゅつ正当せいとうされない

問題もんだいをすりえる自民党じみんとう幹事かんじちょう

自民党じみんとう茂木もきさとしたかし幹事かんじちょうは7がつ25にち記者きしゃ会見かいけんで、海洋かいよう放出ほうしゅつ批判ひはんする中国ちゅうごくについて、「科学かがくてき根拠こんきょもとづいた議論ぎろんおこなうようつよもとめたい。中国ちゅうごく放出ほうしゅつされている処理しょりすい濃度のうどはさらにたか」と反論はんろんした。

しかし茂木もき態度たいどは、ちた原発げんぱつ炉心ろしん直接ちょくせつ接触せっしょくした汚染おせんすい処理しょりしたみず史上しじょうはじめて海洋かいよう放出ほうしゅつするという事実じじつ無視むしし、放射ほうしゃせい物質ぶっしつふくまれる濃度のうど問題もんだいにすりえているように筆者ひっしゃにはみえる。

市民しみん団体だんたいからは「タンク貯蔵ちょぞうされているみずの7わりちかくには、トリチウム以外いがい放射ほうしゃせい核種かくしゅ全体ぜんたいとしての排出はいしゅつ濃度のうど基準きじゅん上回うわまわって残存ざんそんしている」との指摘してきもある。放水ほうすいまえ処理しょりするにせよ、指摘してきたいする確認かくにん追加ついか調査ちょうさもないまま、中国ちゅうごく主張しゅちょうを「科学かがくてき」とめつけることのほうが、科学かがくてきではないのか。

編集へんしゅうちゅう

「タンク貯蔵ちょぞうされているみずの7わりちかく」との指摘してきについては、市民しみん団体だんたい指摘してきしているだけでなく、日本にっぽん原子力げんしりょく文化ぶんか財団ざいだんが「原子力げんしりょく総合そうごうパンフレット2022年度ねんどばん」のなかで、つぎのように説明せつめいしている。

事故じこから2ねんごろまでは、ALPSの設備せつび導入どうにゅう検討けんとうしている段階だんかいであったため、セシウム以外いがい放射ほうしゃせい物質ぶっしつ除去じょきょできていないこう濃度のうど汚染おせんすいがあり、その時期じきはタンクに貯蔵ちょぞうするさい放射ほうしゃせい物質ぶっしつ濃度のうど基準きじゅん下回したまわることを優先ゆうせんしていたため、環境かんきょう処分しょぶんするための基準きじゅんたしていない処理しょり途上とじょうすいもタンクに貯蔵ちょぞうされています。

これらは、処分しょぶんするための基準きじゅんたされるまで浄化じょうか処理しょりされますが、そのあいだタンクに貯蔵ちょぞうされています(保管ほかんちゅうみずやく7わり)」

代替だいたいあんふくさい検討けんとう

IAEA報告ほうこくしょは、海洋かいよう放出ほうしゅつ以外いがい選択肢せんたくしについては一切いっさいれていない。中国ちゅうごく指摘してきするように、東京電力とうきょうでんりょく日本にっぽん政府せいふ海洋かいよう放出ほうしゅつ以外いがい代替だいたいあん考慮こうりょした形跡けいせき見当みあたらない。

しかし、専門せんもんからは「大型おおがた堅牢けんろうタンクでの保管ほかん」や「モルタル固化こか」などの選択肢せんたくし提示ていじされている。

海洋かいよう放出ほうしゅつ実施じっしした場合ばあい放出ほうしゅつ開始かいししてからもつづける汚染おせんすい放射ほうしゃせい物質ぶっしつ総量そうりょうがどこまでふくがるのか、環境かんきょうへの負荷ふか未知数みちすうであることも今後こんごおおきな問題もんだいとしてのこされている。

8がつにも開始かいしされるという海洋かいよう放出ほうしゅつはいったん中止ちゅうしし、代替だいたいあんふくさい検討けんとうすべきだろう。

香港 水産物 輸入 スーパーマーケット

日本にっぽんからの輸入ゆにゅう水産物すいさんぶつあつか香港ほんこんのスーパーマーケット店頭てんとう様子ようす香港ほんこん食品しょくひん衛生えいせい管理かんり当局とうきょくは、海洋かいよう放出ほうしゅつ実際じっさいおこなわれれば、福島ふくしま東京とうきょうふくむ10都県とけんからの水産物すいさんぶつ輸入ゆにゅう禁止きんしすると発表はっぴょうしている。

REUTERS/Tyrone Siu

最後さいごに、今後こんごたいちゅう関係かんけいれておきたい。

日本にっぽん政府せいふはバイデン政権せいけん誕生たんじょう以来いらい台湾たいわん問題もんだい中国ちゅうごく軍事ぐんじ抑止よくしする安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくさい優先ゆうせんし、たいちゅう関係かんけい悪化あっか一途いっとをたどってきた。

海洋かいよう放出ほうしゅつ決定けっていしたことで関係かんけい悪化あっか加速かそくしたうえ日本にっぽんがわ先端せんたん半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうちたいちゅう輸出ゆしゅつ規制きせい強化きょうかし、軍事ぐんじ抑止よくしつづいて経済けいざい安保あんぽでも中国ちゅうごく排除はいじょうごき、にちちゅう関係かんけいは「まけのスパイラル」におちいりつつある。

アメリカと中国ちゅうごく対立たいりつ衝突しょうとつ発展はってんしないようブリンケン国務こくむ長官ちょうかんをはじめ高官こうかん相次あいついで訪中ほうちゅう首脳しゅのう交流こうりゅう再開さいかいけた対話たいわパイプを維持いじしているが、一方いっぽう岸田きしだ政権せいけんたいちゅう外交がいこう展望てんぼうとパイプの欠如けつじょいなめない。

中国ちゅうごく経済けいざいはコロナでの経済けいざい封鎖ふうさみからの回復かいふくりょくよわく、いまならにちちゅう双方そうほう経済けいざい関係かんけい強化きょうかするモチベーションがある。「まけのスパイラル」におちいらぬよう、関係かんけい改善かいぜんけた手当てあてが必要ひつようだ。

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