国史こくし跡あと鰐淵わにぶち寺てら境内けいだいのご紹介しょうかい

 鰐淵わにぶち寺てらの歴史れきし

　鰐淵わにぶち寺てらはもと鰐淵わにぶち山やまと称しょうし、智春ちはる上人しょうにんの開基かいきとされ「推古天皇すいこてんのうの勅願ちょくがん」により推古２年ねん（５９４）に開ひらけ創そうされたといわれます。寺てらの名前なまえは、浮浪ふろう滝たきで上人しょうにんが誤あやまって滝たき壺つぼに落おとした器うつわを「鰐わに（わに）」がくわえてきた、という伝承でんしょうから来きています。古代こだい、鰐淵わにぶち山やまは浮浪ふろう滝たきを中心ちゅうしんとした修験しゅげんの道場どうじょうであり全国ぜんこく的てきにも著名ちょめいな信仰しんこうの場ばとして発展はってんしました。１２世紀せいきに入はいると境内けいだいに堂塔どうとう・僧坊そうぼうが建たてられ、比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじの末寺まつじとして浮浪ふろう山さん鰐淵わにぶち寺てらが成立せいりつしました。かつては本尊ほんぞんを千手観音せんじゅかんのん菩薩ぼさつとする北きた院いんと、薬師やくし如来にょらいとする南みなみ院いんとに分わかれていましたが、室町むろまち時代じだいに両りょう本尊ほんぞんを並なべて祀まつる根本こんぽん堂どうを創建そうけんし、両院りょういんが統一とういつされました。また、杵築きつき大社たいしゃ（出雲いずも大社たいしゃ）の祭礼さいれいに参加さんかするなど、強つよいきずなを持もちながら大おおいに繁栄はんえいしました。戦国せんごく期きには尼子あまこ氏しや毛利もうり氏しの干渉かんしょうにより、寺領じりょうが減少げんしょうし、また江戸えど時代じだい前期ぜんきには杵築きつき大社たいしゃとの関係かんけいも途絶とだえてしまいます。以後いご、その規模きぼもやや縮小しゅくしょうしましたが、１４００年ねんもの長ながい歴史れきしを今いまに伝つたえ、数すう多おおくの文化財ぶんかざいが残のこされている山陰さんいん随一ずいいちの古刹こさつ、それが鰐淵わにぶち寺てらです。
     新緑しんりょくに包つつまれた鰐淵わにぶち寺てらの根本ねもと堂どう

鰐淵わにぶち寺てらのここがすごい！

中世ちゅうせいの姿すがたがそのまま残のこされています

鰐淵わにぶち寺てらは中世ちゅうせい（13～16世紀せいき）に最盛さいせい期きを迎むかえました。根本こんぽん堂どうなどの仏堂ぶつどうを取とり巻まくように，その下したの段だん一帯いったいには多おおくの僧坊そうぼうが建たち並ならび，多数たすうの僧侶そうりょが修行しゅぎょうしていました。今いまは本ほん坊ぼう（旧きゅう松本まつもと坊ぼう）が残のこるのみですが，境内けいだいには中世ちゅうせいからほぼ変かわらぬ姿すがたが残のこされています。 

古代こだいから活動かつどうが行おこなわれていました

11世紀せいき以前いぜんにさかのぼる古代こだいの須恵すえ器きが境内けいだい各所かくしょで見みつかっています。古文書こもんじょの記録きろくどおり，はるか昔むかしから信仰しんこうの場ばとなっていたようです。 

1400年としの法統ほうとうが受うけ継つがれています

鰐淵わにぶち寺てらは，時ときに歴史れきしのうねりにもまれながらも，1400年ねんの長ながきにわたり仏ふつの教おしえとともに寺宝じほうとして貴重きちょうな文化財ぶんかざいを守まもり伝つたえてきました。全国ぜんこく的てきにもきわめて稀まれな例れいといえるでしょう。

鰐淵わにぶち寺てらおすすめのスポット 

根本ねもと堂どう（こんぽんどう）

 最さい上段じょうだん中央ちゅうおうに大おおきくそびえる鰐淵わにぶち寺てらの根本こんぽん堂どう。千手観音せんじゅかんのん菩薩ぼさつと薬師如来やくしにょらい（いずれも秘仏ひぶつ）が本尊ほんぞんで，現在げんざいの建物たてものは18世紀せいきの建立こんりゅう。根本ねもと堂どうの右手みぎてには釈迦堂しゃかどう（17世紀せいき，鰐淵わにぶち寺てら最古さいこの建物たてもの）と鐘楼しゅろう（写真しゃしん右みぎ奥おく）が，左手ひだりてには常行つねゆき堂どうと摩ま多た羅ら神社じんじゃ（大社たいしゃ造づくり）が建たっています。

根本ねもと堂どう

浮浪ふろう滝たき（ふろうのたき）
 

鰐淵わにぶち寺てらは，かつて修験しゅげん者しゃの集つどう場所ばしょであり，その名なは全国ぜんこくに知しれわたっていました。その信仰しんこうの中心ちゅうしんが，浮浪ふろう滝たきです。滝たきの裏側うらがわに洞穴どうけつがあり，かつては蔵王ざおう権現ごんげんが祀まつられていました。そこに建たつのが蔵王ざおう堂どうです。滝たきは今いまもその神聖しんせいさを保たもち，そこに立たつ者ものを清浄せいじょうな雰囲気ふんいきに包つつんでくれます。途中とちゅう滑すべりやすいところがありますので、スニーカーなどで行いかれることをお勧すすめします。
 

　浮浪ふろう滝たき 

開山かいさん堂どう（かいさんどう）

根本ねもと堂どうとは離はなれた，小高こだかい丘おかの上うえに建たつ仏堂ぶつどう。阿弥陀如来あみだにょらいを祀まつります。18世紀せいきの建物たてものですが，19世紀せいきに改造かいぞうされています。右手みぎてには「開山かいさん智春ちはる上人しょうにん」と刻きざまれた開山かいさん塔とうがあります。
　開山かいさん堂どう
（それぞれの場所ばしょは、観光かんこう情報じょうほうリンク先さきhttp://www.izumo-kankou.gr.jp/683でご確認かくにんください。）
 

 鰐淵わにぶち寺てら関係かんけい情報じょうほうリンク先さき

鰐淵わにぶち寺てらの観光かんこう情報じょうほうが知しりたい方ほう→観光かんこう情報じょうほうリンク先さきhttp://www.izumo-kankou.gr.jp/683

鰐淵わにぶち寺てらの史跡しせきの内容ないようが知しりたい方ほう→国史こくし跡あと情報じょうほうリンク先さきhttps://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1447810718645/index.html

鰐淵わにぶち寺てらの詳くわしい文化財ぶんかざい情報じょうほうが知しりたい方ほう→埋蔵まいぞう文化財ぶんかざい報告ほうこく書しょダウンロード先さきhttp://sitereports.nabunken.go.jp/ja/19730