10万円で映画『宝島』の製作に参加、フィリップ証券が「映画への投資の民主化＝セキュリティ・トークン化」で目指したこと

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごの沖縄おきなわ。米べい軍ぐんから生活せいかつに必要ひつような物資ぶっしを奪うばい、人々ひとびとに分わけ与あたえる「戦果せんかアギヤー」となったオン、グスク、レイ、ヤマコの4人にん。ある夜よる、最大さいだいの基地きち・嘉手納かでなの襲撃しゅうげきに失敗しっぱいし、皆みなの英雄えいゆう的てき存在そんざいだったオンは、謎なぞの戦果せんかとともに消息しょうそく不明ふめいとなる。オンの行方ゆくえを追おいながらも成長せいちょうし、それぞれの道みちを歩あゆみ始はじめる3人にん……。

いつしかバラバラになってしまった3人にんは、歴史れきし的てきな暴動ぼうどうの夜よる、再ふたたび嘉手納かでな基地きちで再会さいかい、ついにオンの行方ゆくえと彼かれが手てにした謎なぞの戦果せんかの真実しんじつへと辿たどり着つく。

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映画えいが『宝島たからじま』は、妻夫木つまぶき聡さとし、広瀬ひろせすず、窪田くぼた正ただし孝こう、永山ながやま瑛あきら太たいらが出演しゅつえん、『るろうに剣けん心しん』シリーズを手てがけた大友おおとも啓史ひろしがメガホンを取とり、直木賞なおきしょう受賞じゅしょう作さくである真藤しんどう順じゅん丈たけの「宝島たからじま」を実写じっしゃ化かする。配給はいきゅうは、東映とうえい／ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。2025年ねん公開こうかい予定よていの、製作せいさく費ひ12億おく円えんの大型おおがたエンターテイメント作品さくひんだ。

映画えいがに代表だいひょうされる映像えいぞうコンテンツは今いま、映画えいが館かんでの上映じょうえいはもちろん、その後ごのパッケージ化か、さらには世界せかい的てきな配信はいしんサービスでの展開てんかいなど、収益しゅうえき機会きかいが飛躍ひやく的てきに拡大かくだいしている。

映画えいがの世界せかいでは、低てい予算よさん作品さくひんが奇抜きばつなアイデアや表現ひょうげんでヒットを飛とばすケースも何なん年ねんかに一いち度どはあるが、実際じっさいにヒット作さくとなるのは、そのほとんどが、今回こんかいの映画えいが『宝島たからじま』のように（電通でんつう・ソニーピクチャーズのような）一流いちりゅうのスポンサーが大おおきな資金しきんを投とうじ、人気にんきの実力じつりょく派は俳優はいゆうを起用きようしてプロフェッショナルたちが経験けいけんとノウハウを結集けっしゅうする一大いちだいエンターテインメントビジネスだ。

セキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）で映画えいが製作せいさくへの参加さんかを実現じつげん

今いま、このエンターテインメントビジネスに参加さんかできる手段しゅだんがあることをご存知ぞんじだろうか？映画えいが『宝島たからじま』の製作せいさくに参加さんかした一員いちいんとして、映画えいがの最後さいごに流ながれるエンドロールに自分じぶんの名前なまえが乗のるとしたら？

新しんNISAがスタートし、株式かぶしき投資とうしがブームのようになっているが、映画えいがづくりに投資とうしできるとしたら？

大作たいさく映画えいがは現在げんざい、ほとんどが「製作せいさく委員いいん会かい」方式ほうしきで作つくられている。つまり、数社すうしゃが集あつまって資金しきんを出だし合あって、映画えいがを作つくっている。従来じゅうらいであれば、出資しゅっし額がくは1社しゃあたり数すう億おく円えんの単位たんいであり、映画えいがづくりに参加さんかしたくても個人こじん単位たんいでは到底とうてい、手ての届とどかない、夢ゆめのような話はなし。だが今いま、最新さいしんのテクノロジーを活用かつようすることで個人こじんが映画えいがづくりに参加さんかできるようになった。それが「セキュリティ・トークン（ST）」あるいは「デジタル証券しょうけん」と呼よばれる手法しゅほうだ。

セキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）とはなにかを説明せつめいするために、やや遠回とおまわりになるが、株式かぶしき投資とうしの世界せかいから考かんがえてみよう。

例たとえば、日本にっぽん中ちゅうで誰だれもが知しっているファッションメーカーの株価かぶかは、現在げんざい約やく4万まん円えん。だが、この会社かいしゃの株かぶを買かいたいと思おもっても、4万まん円えんで買かうことはできない。株式かぶしき投資とうしは「100株かぶ」単位たんいで行おこなうというルールがあり、この場合ばあい、購入こうにゅうに必要ひつようなお金かねは400万まん円えんということになる。

もちろん、インターネットやさまざまなデジタル技術でじたるぎじゅつが進歩しんぽし、ネット証券しょうけん会社かいしゃなどが登場とうじょうするなかで、そうした「古ふるいルール」は変かわってきている。数かず万まん円えんで変かえる株かぶも存在そんざいするし、投資とうし信託しんたくという手段しゅだんもある。今いまは、全ぜん世界せかいの株式かぶしきに投資とうしできるいわゆる「オルカン」が人気にんきなことは、株式かぶしき投資とうしに興味きょうみをお持もちの方ほうならご存知ぞんじだろう。

簡単かんたんに言いえば、株式かぶしき投資とうしの世界せかいもテクノロジーの進歩しんぽによって、ハードルが低ひくくなっているが、セキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）は、そうした動うごきをもっとダイナミックに、大胆だいたんに実現じつげんしたものだ。具体ぐたい的てきには、ブロックチェーンと呼よばれる最新さいしんテクノロジーを使つかって、数すう億おく円えん単位たんいだった映画えいがへの出資しゅっしを「10万まん円えん」単位たんいに小口こぐち化か、誰だれでも映画えいがづくりに参加さんかできるようにした。

映画えいがデジタル証券しょうけん　口座こうざ開設かいせつ募集ぼしゅう中ちゅう
募集ぼしゅう期間きかんは
2024年ねん7月がつ24日にち～2024年ねん8月がつ13日にち
詳細しょうさいはこちらから>>

ブロックチェーンのユースケース

ブロックチェーンと聞きくと、ビットコインなどの暗号あんごう資産しさん（仮想かそう通貨つうか）に関係かんけいしたテクノロージで「怪あやしいのでは？」と思おもう人ひともいるだろう。だが、ブロックチェーン、あるいは分散ぶんさん型がた台帳だいちょう技術ぎじゅつと呼よばれるものは、あくまでもテクノロジーであり、ビットコインなどの暗号あんごう資産しさんはテクノロジーによって具体ぐたい化かされたユースケースの代表だいひょう例れいに過すぎない。

ブロックチェーンを使つかって、今いま、幅広はばひろいユースケースが模索もさくされているが、実じつは日本にっぽんではすでに、不動産ふどうさん投資とうしに活用かつようされている。「不動産ふどうさんセキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）」と呼よばれる分野ぶんやで、これも従来じゅうらいであれば、数すう千せん万まん円えん、数すう億おく円えんが必要ひつようだった不動産ふどうさん投資とうしを最もっとも少額しょうがくなケースでは「10万まん円えん」単位たんいから可能かのうにしている。例たとえば、箱根はこねや京都きょうとのホテル、タワーマンション、物流ぶつりゅう施設しせつ、ショッピングモールへの投資とうしが可能かのうになっている。

映画えいが『宝島たからじま』へのセキュリティ・トークン（ST：デジタル証券しょうけん）を使つかった投資とうしは、ここ数すう年ねん、日本にっぽんで人気にんきが高たかまっていた不動産ふどうさんセキュリティ・トークンの「不動産ふどうさん」を「映画えいが製作せいさく」に置おき換かえたものとも言いえる。

映画えいがへの投資とうしは、エキサイティングで、ワクワクする世界せかいだ。もちろん、巨額きょがくの製作せいさく費ひをかけた大作たいさくが必かならずしもヒットするとは限かぎらない。だが、手元てもとに投資とうしに回まわせる資金しきんがあったときに、すべてを「オルカン」や不動産ふどうさんに投とうじるだけでは、どこかつまらなくないだろうか。資金しきんの一部いちぶを、少すこしリスクのあるものに投資とうししてみるのはどうだろうか。それが、今回こんかいの場合ばあいは「映画えいが」だ。

製作せいさく費ひの25％を個人こじん投資とうし家かから集あつめる

フィリップ証券しょうけんが販売はんばいするセキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）「映画えいがデジタル証券しょうけん・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND」は、映画えいが『宝島たからじま』の製作せいさく委員いいん会かいへの出資しゅっしをブロックチェーンを使つかって、小口こぐち化かし、主おもに個人こじん投資とうし家かに販売はんばいするものだ。

映画えいが『宝島たからじま』の製作せいさく費ひは約やく12〜13億おく円えん。そのうち約やく75％は製作せいさく委員いいん会かいに参加さんかする企業きぎょうなどが出資しゅっしし、残のこりの約やく25％、具体ぐたい的てきには募集ぼしゅう総額そうがくの3億おく6800万まん円えんをセキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）を使つかって個人こじん投資とうし家かから集あつめようとしている。

下したの仕組しくみは、かなり詳細しょうさいに書かいてあるので、一見いっけんしただけではわかりにくいが、一言ひとことで言いえば、映画えいが製作せいさく費ひの12〜13億おく円えんの25％の中なかに、あなたの資金しきんを投とうじることができる。

「映画えいがデジタル証券しょうけん・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND」の発行はっこう口数くちかずは3680口くち、発行はっこう価格かかくは1口くち10万まん円えん。申もうし込こみ単位たんいは1口くち以上いじょう1口くち単位たんい。つまり10万まん円えんで、映画えいがづくりに参加さんかできる。『宝島たからじま』の製作せいさく委員いいん会かいに参加さんかできるというわけだ。

ブロックチェーンのメリットについては、小口こぐち化か・24時じ間あいだ365日にち取引とりひきが可能かのう・改かいざんが不可能ふかのうなどが挙あげられるが、それらをまとめて、しばしば「金融きんゆうを民主みんしゅ化かする」と表現ひょうげんされる。今回こんかいのケースも「映画えいがへの投資とうしを小口こぐち化かした」と書かくと、どこか味気あじけないが「映画えいがへの投資とうしを民主みんしゅ化かした」と理解りかいすれば、夢ゆめはさらに広ひろがる。

30口くち300万まん円えんでエンドロールに名前なまえ

夢ゆめばかりでなく、実際じっさいの「投資とうし家か特典とくてん」も用意よういされている。限定げんていイベントへの招待しょうたいや脚本きゃくほんのプレゼントなどだ。さらに30口くち（300万まん円えん）の投資とうしで、エンドロールにあなたの名前なまえが記載きさいされ、あなたの名前なまえが全国ぜんこくの映画えいが館かんで流ながれることになる。

投資とうし期間きかんは2024年ねん8月がつ15日にちから2027年ねん5月がつ31日にちの3年ねん弱じゃく。映画えいが公開こうかいは来年らいねんだが、その後ごのビデオ化か、放送ほうそう権けんなどからの収益しゅうえきも見据みすえている。そうした長期ちょうき的てきな収益しゅうえきの管理かんり・分配ぶんぱいの管理かんりにもブロックチェーンが貢献こうけんする。

今回こんかい、「映画えいがへの出資しゅっしの民主みんしゅ化か」という日本にっぽん初はつとも言いえる事例じれいに取とり組くんだのは、フィリップ証券しょうけん。シンガポールに拠点きょてんをおくフィリップキャピタル・グループの日本にっぽん法人ほうじんで、その前身ぜんしんは1944年ねんに誕生たんじょうした成瀬なるせ証券しょうけんだ。

2002年ねんに同どうグループの一員いちいんとなったが、成瀬なるせ証券しょうけん時代じだいから地域ちいき密着みっちゃく型がた営業えいぎょうとグローバル展開てんかいが強つよみという。なお、東京とうきょう・兜かぶと町まちにあるフィリップ証券しょうけんの本社ほんしゃ屋やは1935年ねん施工しこう、兜かぶと町まち有数ゆうすうの「レトロな建物たてもの」として雑誌ざっしやテレビに登場とうじょうしている。

単たんなる収益しゅうえきではなく「新あらたな体験たいけん」を提供ていきょう

フィリップ証券しょうけんは7月がつ12日にちに「エンターテインメント系けいデジタル証券しょうけん（STO）記者きしゃ発表はっぴょう会かい」を開催かいさいし、今回こんかいの取とり組くみについて、代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうの永堀ながほり真しん氏しが説明せつめいした。発表はっぴょう会かいの内容ないようについては、別べつ記事きじで紹介しょうかいしている。

いくつか再掲さいけいすると、永堀ながほり社長しゃちょうはセキュリティ・トークンが実現じつげんし得える世界せかいでは、投資とうし家かは単たんなる収益しゅうえきを狙ねらった投資とうしではなく、今回こんかいの映画えいがへの投資とうしのような「新あらたな体験たいけん」と事業じぎょうへの「当事とうじ者しゃ意識いしき」を得えることができると指摘してき。一方いっぽう、事業じぎょう会社かいしゃにとっては、商品しょうひん企画きかくに共感きょうかんした人ひとたちが資金しきんを提供ていきょうすることで、リスクに挑戦ちょうせんしやすい状況じょうきょうが生うまれると述のべた。

つまり、あなたが映画えいが『宝島たからじま』に10万まん円えんを投資とうししたとする。その場合ばあい、映画えいが公開こうかいを楽たのしみにすることはもちろん、映画えいがについて友人ゆうじんに語かたり、SNSに投稿とうこうするはずだ。そうした『宝島たからじま』投資とうし家かであり、ファンの動うごきが草くさの根ねの動うごきとなって広ひろがり、映画えいがのヒットを後押あとおしすることになる。今いま、さまざまな商品しょうひん購入こうにゅうにおいて、消費しょうひ者しゃが最もっとも信頼しんらいするのは「クチコミ」と言いわれる。

映画えいがへの投資とうしのセキュリティ・トークン化か（デジタル証券しょうけん）は、そうした状況じょうきょうを生うみ出だすことにもつながる。これまで、クリエーターやアーティストを応援おうえんするファンは、作品さくひんの購入こうにゅうやファンクラブなどを通つうじて、いわば「一方いっぽう通行つうこう」で応援おうえんするだけだったが、セキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）を通とおした投資とうしは、ファンにも具体ぐたい的てきなリターンをもたらし得える。クリエーターやアーティストとファンの間あいだにWin-Winの関係かんけいが生うまれる。ブロックチェーン、さらにはブロックチェーンが支ささえるWeb3は「推おし活かつ」の新あたらしいカタチなどと言いわれるのはこのためだ。

「これをやるために入社にゅうしゃした」

（フィリップ証券しょうけん代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうの永堀ながほり真しん氏し）

説明せつめい会かいで、映画えいがへの投資とうしのセキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）化かの経緯けいいについて問とわれた永堀ながほり社長しゃちょうは「このようなビジネスにライフワークとして取とり組くみたいと以前いぜんから考かんがえており、3年ねん前まえにフィリップ証券しょうけんに入社にゅうしゃした目的もくてきもこのためだった」と答こたえていた。また「証券しょうけん会社かいしゃだけの力ちからでは絶対ぜったいに実現じつげんできないことなので、いろいろな方ほうと話はなしをする中なかで、2年ねん半はん前まえくらいに（映画えいが製作せいさくのノウハウを持もつ）クロスメディアの佐倉さくら社長しゃちょうと出会であい、話はなしを進すすめた。また当局とうきょくとも1年ねん半はんくらい対話たいわを続つづけ、ようやく実現じつげんした」とも述のべている。

とはいえ、不動産ふどうさんセキュリティ・トークンと比くらべると、やや不ふ確定かくてい要素ようその多おおい商品しょうひんになっている。パフォーマンスについては、「大作たいさく映画えいがの興行こうぎょう成績せいせきを過去かこ10年ねんぐらい全部ぜんぶ見みたうえで、それなりのパフォーマンスは出だせるのではないかと判断はんだんした。ただし、この10年間ねんかんの例れいを見みても、興行こうぎょう成績せいせきの良よいものはそれこそ数すう倍ばいになり、良よくないものは元本がんぽん割われもある。なので、想定そうていパフォーマンスは資料しりょうにはあえて記載きさいしていない」と語かたった。

「映画えいがデジタル証券しょうけん・フィルムメーカーズプロジェクト1 – HERO’s ISLAND」の販売はんばいがスタートしたばかりではあるが、今後こんごの予定よていについて「投資とうし家かと事業じぎょう会社かいしゃがお互たがいに双方向そうほうこうで、今いままでになかったWin-Winの何なにかができるかもしれないということに対たいして、どんどん取とり組くんでいきたい。ただ実じつは映画えいがでは2作さく目め、3作さく目めみたいな話はなしは進すすんでいる。この座ざ組ぐみで継続けいぞくしていろいろなことに取とり組くみ、フィリップ証券しょうけんという会社かいしゃが投資とうし家かの皆様みなさまから見みたときに、他たとはちょっと違ちがった形かたちで、人生じんせいに彩いろどりを添そえるみたいなサービスを継続けいぞくして提供ていきょうできるように取とり組くんでいきたい」とセキュリティ・トークン（デジタル証券しょうけん）に取とり組くむ意義いぎとスタンスを明あきらかにしていた。