Discovery Institute News

ＩＤ唱導しょうどう者しゃが公平こうへいなダーウィニストを称賛しょうさん

By: Doug Huntington
The Christian Post
June 25, 2007

インテリジェント・デザイン（ＩＤ）を唱導しょうどうするシンクタンクの科学かがく者しゃたちが、先週せんしゅう金曜日きんようび、あるダーウィニストが彼かれらの問題もんだいの多おおい概念がいねんについて書かいた記事きじに、称賛しょうさんを送おくった。

ニューヨーク州しゅうシラキュースにあるニューヨーク州立しゅうりつ大学だいがく「環境かんきょう科学かがくと森林しんりん」学部がくぶのJ. Scott Turnerは、「クリスチャン・センチュリー」紙しに論評ろんぴょうを寄よせ、彼かれの同僚どうりょうたちが、生命せいめいは「デザイナー」の生うみ出だしたものとするＩＤの考かんがえ方かたに対たいして取とる、反発はんぱつ一いち方ぽうのスタンスを批難ひなんした。

ＩＤ主導しゅどう者しゃの集団しゅうだんであるディスカヴァリー・インスティテュートの科学かがく者しゃたちは、このダーウィニストの論評ろんぴょうが、他たのダーウィニストにも作用さようして、ＩＤに対たいする頑かたくなな態度たいどを少すこしでも改善かいぜんしてくれることを期待きたいしている。

「望のぞむらくは、ターナー教授きょうじゅの批判ひはんが、他たのダーウィニストの心しんの琴線きんせんに触ふれて、ＩＤ学者がくしゃの学問がくもんの自由じゆうを求もとめる議論ぎろんに耳みみを貸かすように、働はたらいて欲ほしいものです」と、「ディスカヴァリー・センター」ウエブサイトのＩＤＥＡ（Intelligent Design and Evolution Awareness）センターの共同きょうどう創設そうせつ者しゃであるCasey Luskinは説明せつめいした。「ターナーが述のべているようなＩＤシンパに対たいする非ひ寛容かんようを考かんがえると、この琴線きんせんは奏効そうこうして欲ほしいのだが、奏かなでる人ひとに害がいが及およばないよう祈いのらざるをえません。」

ターナーのこの問題もんだいについてのスタンスははっきりしており、ＩＤ科学かがくには反対はんたいであるが、問題もんだい提起ていきに対たいして否定ひてい的てきなしっぺ返がえしのみが与あたえられていると指摘してきし、それは不当ふとうなことだと言いっている。そうでなく、科学かがくというものは、両方りょうほうの主張しゅちょうが共ともに議論ぎろんされるべきもので、一方いっぽうが完全かんぜんに黙だまらされるべきではないと主張しゅちょうしている。

「現今げんこんの学界がっかいは、一ひとつの退屈たいくつな知的ちてき単一たんいつ文化ぶんかであり、そこでは論争ろんそうでなく順応じゅんのうが規範きはんとなっている」と、このニューヨーク州立しゅうりつ大だい教授きょうじゅは書かいている。「ＩＤに対たいする反射はんしゃ的てき敵意てきいは、この織物おりものを切きり取とった一部いちぶである。ＩＤ批判ひはん者しゃのある者ものは、有害ゆうがいな思想しそう風土ふうどを憂慮ゆうりょするのでなく、人々ひとびとが彼かれらに自由じゆうに反論はんろんできるような思想しそう風土ふうどを憂慮ゆうりょするのである。

この一いち年ねんを通とおして、ＩＤ支持しじ者しゃが彼かれらの思想しそうを問とわれて、学問がくもんや科学かがくの公的こうてき機関きかんから深刻しんこくな被害ひがいを受うけたケースはいくつもある。

最もっとも新あたらしい公然こうぜんの事件じけんは、ＩＤ支持しじの立場たちばをとる『特権とっけん的てき惑星わくせい』の共著きょうちょ者しゃで天文学てんもんがく者しゃのギエルモ・ゴンザレスに関かかわるもので、彼かれはアイオワ州立しゅうりつ大学だいがくの終身しゅうしん在職ざいしょく権けん（tenure）を最近さいきん、拒否きょひされた。この［助すけ］教授きょうじゅは、きわめて高たかい学問がくもん的てき信頼しんらいを得えており、この大学だいがくで終身しゅうしん在職ざいしょく権けんを取とるのに要求ようきゅうされる査読さどくされた論文ろんぶん数すうを、はるかに上回うわまわる研究けんきゅう業績ぎょうせきをあげていた。（彼かれはアイオワ州しゅう立大りつだいの要求ようきゅうする15の論文ろんぶんを53上回うわまわる、68篇へんの論文ろんぶんを発表はっぴょうしている。）

彼かれはまた、学者がくしゃ間あいだでの科学かがく的てき影響えいきょう力りょくを測はかるスミソニアン／ＮＡＳＡなさ天体てんたい物理ぶつり学がくデータシステムによれば、彼かれの天文学てんもんがく部ぶの中なかで最高さいこう点てんをマークしている。

この大学だいがくの何人なんにんかの教授きょうじゅは、彼かれが終身しゅうしん在職ざいしょく権けんを拒否きょひされたのは、学生がくせいに教おしえたことすらない彼かれのＩＤ信仰しんこうが原因げんいんだとさえ言いっている。

「ギエルモ・ゴンザレスほどのすぐれた科学かがく者しゃに終身しゅうしん在職ざいしょく権けんが拒否きょひされたこの日ひは、科学かがくと学問がくもんの自由じゆうにとって大変たいへん悲かなしい日ひです」と、ディスカヴァリー・インスティテュート「科学かがくと文化ぶんかセンター」の副ふく主任しゅにんJohn D. West 博士はかせは語かたった。

ウエストの言いうところによると、アイオワ州立しゅうりつ大だい学長がくちょうのGregory Geoffreyは、ゴンザレスの権利けんり要求ようきゅうの訴うったえを退しりぞけ、「学問がくもんの自由じゆうは、アイオワ州立しゅうりつ大学だいがくにとって、イデオロギーのリトマス試験しけんほど重要じゅうようではないと、はっきり証言しょうげんしたのです。」

この論評ろんぴょうの中なかで、ダーウィニストのターナーは、ＩＤ唱道しょうどう者しゃを差別さべつ するこうした問題もんだいに触ふれ、いかに彼かれらが不当ふとうに扱あつかわれているかを論ろんじている。彼かれは進すすんで、リチャード・スターンバーグに対たいする敵対てきたい行動こうどう事件じけんに言及げんきゅうしている。スターンバーグはスミソニアン研究所けんきゅうじょで、科学かがく専門せんもん誌しProceedings of the Biological Society of Washingtonの編集へんしゅう長ちょうをしていたが、ＩＤ学者がくしゃの（査読さどくを経へた）論文ろんぶんを載のせたといって、同僚どうりょうから様々さまざまの迫害はくがいを受うけた。

ターナーはこう書かいている――「こうした出来事できごとを、考かんがえ違ちがいをしている少数しょうすう者しゃの行動こうどうだとして片付かたづけることができれば、気きが楽らくであろう。しかし、スターンバーグ迫害はくがい事件じけんを引ひき起おこしたような非ひ寛容かんようは、あまりにも通つう 常つねのことなのである。この研究所けんきゅうじょで示しめされた態度たいどは、ほとんど反はん宗教しゅうきょうヒステリーと言いってよいものだが、これはＩＤの中心ちゅうしんにある（たとえ間違まちがっていても）比較的ひかくてき穏当おんとうな考かんがえ方かたとは、とうてい釣つり合あいの取とれないものである。」

もう一ひとつの主要しゅよう点てんとして、ターナーは、ＩＤが教育きょういくに果はて すことのできる役割やくわりについて説明せつめいし、それは悪わるい理論りろんだとして、そう簡単かんたんに捨すて去さるべきものではないと言いっている。進化しんか論ろんは教室きょうしつにおいて教おしえられるべきだが、ＩＤもまた有益ゆうえきな長所ちょうしょをもっていて、それは全部ぜんぶが正ただしくはないにしても、よりバランスの取とれた科学かがくへ導みちびくものだと説明せつめいしている――

「インテリジェント・デザインは・・・科学かがくと進化しんかにおける唯物ゆいぶつ論ろんに対たいして、繰くり返かえし起おこってくる批判ひはんの一ひとつである。不幸ふこうなことに、多おおくの科学かがく者しゃにはこれが見みえず、ＩＤとは〈身みを隠かくした聖書せいしょ創造そうぞう論ろん〉にすぎないという粗野そやなカリカチュアをより好このむのである」と、このシラキュースの教授きょうじゅは付つけ加くわえる。「［しかし］ＩＤが快こころよく迎むかえられないのは、愚おろか者ものや無知むちな者ものがそれを支持しじするからでなく、目的もくてきを追放ついほうするネオダーウィニズムの原理げんりが、日ひに日ひに防衛ぼうえい困難こんなんになってくるように思おもえるからである。」