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ネイチャー誌し「どんな理論りろんも疑うたがえないほど特別とくべつではない」と認みとめる

Casey Luskin
March 9, 2012

Rome La Sapienza大学だいがくの理論りろん物理ぶつり学者がくしゃGiovanni Amelino-CameliaがNatureに「どんな理論りろんでも疑うたがえないほど特別とくべつではない」という、思慮しりょある論説ろんせつを発表はっぴょうしている。これは、ニュートリノが光ひかりより速はやく進すすむとされた、最近さいきんの発見はっけんをめぐる小競こぜり合あいを扱あつかっている。彼かれが言いうとおり、ニュートリノは光ひかりより速はやく進すすむことはできないことが分わかった。しかし同時どうじに彼かれは、この主張しゅちょうを論駁ろんばくすることは、理論りろん物理ぶつり学がく共同きょうどう体たいにとって有益ゆうえきなことであったと述のべている――

このあり方かたは、基礎きそ物理ぶつり学がく共同きょうどう体たいをして、先行せんこう条件じょうけんである実験じっけん結果けっかが「確立かくりつされた」法則ほうそくに疑問ぎもんを呈ていする場合ばあいの、正ただしい扱あつかい方かたを論ろんぜしめる、よい刺激しげきとなった。（この場合ばあい、それは多おおくの物理ぶつり学者がくしゃが、特別とくべつに大切たいせつにしている法則ほうそく、つまりアインシュタインの特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんであった。）

これらの物理ぶつり学者がくしゃは、特殊とくしゅ相対そうたい性せいという彼かれらの最もっとも貴重きちょうな理論りろんの一ひとつに疑問ぎもんを投なげかけることに、開ひらかれた態度たいどを取とったと見受みうけられる。アインシュタインの理論りろんはこのテストに傷きずつくことなく残のこった。しかし彼かれらが、特殊とくしゅ相対そうたい性せいが間違まちがっているかもしれぬという可能かのう性せいを考慮こうりょし、意味いみのあるやり方かたでこれをテストしようとしたという事実じじつそのものは、大おおきな意味いみを持もつ。彼かれは続つづけて言いう――

我々われわれの法則ほうそくを、先行せんこう条件じょうけんである実験じっけんを根拠こんきょにしてでも、疑うたがってみるということは健全けんぜんなやり方かたである。我々われわれは、次つぎの基礎きそ物理ぶつり学がくの革命かくめいがすぐ鼻はなの先さきまで来きていて、今いまは安全あんぜんに我々われわれの頭脳ずのうの届とどかないところにあるが、それは次つぎの真しんに革新かくしん的てきな実験じっけんによって掴つかめるような範囲はんい内ないにあるものと、想定そうていしなければならない。

そこで問題もんだいは、多おおくの生物せいぶつ学者がくしゃが「特別とくべつに大切たいせつにしている」理論りろんとは何なにかということだ。明あきらかにそれは進化しんか論ろんである。しかし、自然しぜん選択せんたくとか共通きょうつう祖先そせんといった、進化しんか論ろんのコア教義きょうぎに疑義ぎぎを唱となえる意欲いよく的てきな生物せいぶつ学者がくしゃを称揚しょうようする、このような論説ろんせつを、かつてNatureで目めにしたことがあっただろうか？　一いち度どもない。それどころかNatureは、いかに「科学かがく者しゃは自然しぜん選択せんたくによる進化しんかを実質じっしつ的てきに確立かくりつされた事実じじつとして扱あつかうことができる」かを、大胆だいたんに宣言せんげんしている（リンク）のである。

物理ぶつり学がく共同きょうどう体たいに見みられるような、基本きほん的てきな問といかけを許容きょようする、開ひらかれた心こころ構かまえと意欲いよくが、生物せいぶつ学がく共同きょうどう体たいには大おおきく欠かけているように見みえる。