(Translated by https://www.hiragana.jp/)
学術誌「減災」|人と防災未来センター

学術がくじゅつげんわざわい

防災ぼうさい実務じつむしゃのための学術がくじゅつげんわざわい

 ひと防災ぼうさい未来みらいセンターでは中央ちゅうおう省庁しょうちょうをはじめとする行政ぎょうせい機関きかんやライフライン企業きぎょう研究けんきゅうしゃ方々かたがた支援しえんて、実践じっせんてきげんわざわい研究けんきゅう学術がくじゅつてき価値かち称揚しょうようし、同時どうじ実務じつむのニーズにもこたえることができるようなあらたなタイプの学術がくじゅつげんわざわい」を刊行かんこうしています。(ISSN 2185-8632)
最終さいしゅう更新こうしん:2011ねん1がつ17にち

1995ねんがつ17にち発生はっせいした阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさいでは「行政ぎょうせい対応たいおう限界げんかい」や「学術がくじゅつ研究けんきゅう成果せいか現場げんばげんわざわいにそのまま適用てきようできない」などのきびしい事実じじつきつけられ、実務じつむ役立やくだ研究けんきゅう必要ひつようせい痛感つうかんされた。

これを契機けいきに、従来じゅうらいげんわざわい対策たいさくでは希薄きはくであった「ひと」および「社会しゃかい」の部分ぶぶんにも焦点しょうてんて、くに自治体じちたいげんわざわい対策たいさく直接ちょくせつ役立やくだつという観点かんてんくわえた実践じっせんてき研究けんきゅう本格ほんかくしてきた。しかも、近年きんねん、スーパー広域こういき災害さいがいとなる東海とうかいあずま南海なみ南海なんかい地震じしんやスーパー都市とし災害さいがいとなる首都しゅと直下ちょっかがた地震じしん発生はっせい危惧きぐされるなど、わがくに社会しゃかい安心あんしん安全あんぜんおびやかすリスクがたかまるなか、実務じつむ直接ちょくせつやくつような実践じっせんてきげんわざわい研究けんきゅう必要ひつようせいがますますたかまっている。そして、おおくの研究けんきゅうしゃがこのような研究けんきゅう従事じゅうじすることがのぞまれる。

しかしながら、既存きそん専門せんもん領域りょういきべつ研究けんきゅう体系たいけいなかでは、せま意味いみでの学術がくじゅつ研究けんきゅう価値かちかん支配しはいてきであり、それはほとんどの場合ばあい自然しぜん科学かがく学術がくじゅつ評価ひょうか適用てきようされる。そして、それを使つか立場たちば、すなわち、被災ひさいしゃ観点かんてんからの研究けんきゅう成果せいか評価ひょうか無視むしされてきた。旧来きゅうらい学術がくじゅつ研究けんきゅう枠組わくぐみのなかで、研究けんきゅうのための研究けんきゅうとしか位置いちづけられないものがおおく、ここに既得きとくけんとして、既存きそん学問がくもん体系たいけい閉鎖へいさせいかべ直面ちょくめんしてきたのが阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさいかんする研究けんきゅうといえる。そこでは、被災ひさいしゃ視点してんがあらゆる災害さいがい過程かていにおいて、中心ちゅうしん位置付いちづけられた。しかしながら、実践じっせんてきげんわざわい研究けんきゅう従事じゅうじする研究けんきゅうしゃ成果せいか発表はっぴょうし、切磋琢磨せっさたくまする機会きかい十分じゅうぶんではなかった。

阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい記念きねん ひと防災ぼうさい未来みらいセンターでは、このような状況じょうきょうとセンター自身じしんのミッションである「災害さいがい文化ぶんか形成けいせい地域ちいき防災ぼうさいりょく向上こうじょう防災ぼうさい政策せいさく開発かいはつ支援しえんはかり、安全あんぜん安心あんしん市民しみんきょうはたらけげんわざわい社会しゃかい実現じつげん貢献こうけんする」ことにかんがみ、このたび、実践じっせんてきげんわざわい研究けんきゅう学術がくじゅつてき価値かち称揚しょうようし、同時どうじ実務じつむのニーズにもこたえることができるような、あらたなタイプの学術がくじゅつ雑誌ざっし創刊そうかんし、センターの専任せんにん研究けんきゅういんをはじめとする実践じっせんてきげんわざわい研究けんきゅう従事じゅうじしている専門せんもん研究けんきゅうしゃが、その成果せいかひろくかつかりやすく発信はっしんできるもうけることとした。

実践じっせんてき研究けんきゅうは、実務じつむしゃ現実げんじつ存在そんざいする問題もんだい解決かいけつしていくうえやくつことがのぞまれる。また、実践じっせんてき研究けんきゅうが、あたらしい科学かがく分野ぶんやとしての『実践じっせん科学かがく(Implementation Science)』と位置いちづけられ、学術がくじゅつてきたか価値かちけるために、あたらしい価値かち体系たいけい構築こうちくしたいとかんがえている。その結果けっか総体そうたいとしてのげんわざわい研究けんきゅう全体ぜんたいがバランスのとれた学問がくもん体系たいけいとなるものと期待きたいされる。また、わか研究けんきゅうしゃ育成いくせいにもつながるものとかんがえている。

こうした実践じっせんてき研究けんきゅう実務じつむめん学術がくじゅつめん両面りょうめんでの価値かち明確めいかく位置いちづけ、その研究けんきゅう成果せいか多方面たほうめんにわたって発信はっしんすることで、今後こんご実務じつむレベルでのげんわざわい対策たいさく貢献こうけんすることはもちろん、学問がくもんとしてのげんわざわいがく構築こうちくとさらなる発展はってんにも寄与きよすることをするものである。

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