いつかこの恋こいを思おもい出だしてきっと泣ないてしまう

幼おさないころに女手おんなでひとつで育そだててくれた母ははを亡なくした杉原すぎはら音おん（有村ありむら架か純じゅん）は、育そだての親おやである林田はやしだ雅彦まさひこ（柄本えもと明あきら）・知恵ちえ（大谷おおや直子なおこ）夫妻ふさいのもと、北海道ほっかいどうのさびれた町まちで暮くらしていた。雅彦まさひこは音おとを家政かせい婦ふ扱あつかいし、寝ねたきりになった知恵ちえは音おとの介護かいごがなければ暮くらせない状態じょうたいだった。音おとは、「あきらめること」を教おしえ込こまれてきたため、そんな状況じょうきょうをただただ受うけ入いれて生いきていた。
曽田そた練ねり（高良こうら健吾けんご）は東京とうきょうの運送うんそう会社かいしゃで引ひっ越こしの仕事しごとに就ついていた。福島ふくしまで、農業のうぎょうに従事じゅうじする祖父そふ・健二けんじ（田中たなか泯）に育そだてられた練ねりは、人ひとを疑うたがうことを知しらない。健二けんじがだまし取とられた畑はたけを買かい戻もどすために上京じょうきょうした練ねりは、運送うんそう会社かいしゃの先輩せんぱいたちからひどくこき使つかわれ、毎日まいにちへとへとになるまで働はたらいていた。給料きゅうりょうは安やすく、貯金ちょきんなどできないまま、古ふるぼけたアパートで苦くるしい生活せいかつを送おくっている。そんな練ねりには日向ひなた木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）という恋人こいびとがいた。練ねりのアパートに日常にちじょう的てきに泊とまっている木き穂ほ子こは、何なにかとだまされがちで借金しゃっきんを作つくってしまう練ねりに金かねの工面くめんもしていた。練ねりは、困惑こんわくしながらもそれを拒絶きょぜつすることができない。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）が東京とうきょうに来きてから1年ねんが過すぎた。雪ゆきが谷大塚やおおつか駅えきから徒歩とほ20分ぶんの古ふるいアパートを借かりた音おとは、介護かいご施設しせつ『春はる寿ことぶきの杜もり』で働はたらき始はじめる。出勤しゅっきん前まえと帰宅きたく途中とちゅう、音おとは駅前えきまえに立たって練ねり（高良こうら健吾けんご）を探さがしていたが、あの日ひ以来いらい、一いち度ども会あえずにいた。
練ねりは、出勤しゅっきん前まえにひとり暮くらしの静恵しずえ（八千草やちぐさ薫かおる）の家いえに立たち寄よるのが日課にっかだった。静恵しずえの家いえは練ねりや晴はれ太ふとし（坂口さかぐち健太郎けんたろう）らのたまり場ばになっており、練ねりは庭にわの手入ていれなどを手伝てつだっていた。そこで練ねりは、デザイナーになる夢ゆめをかなえるために上京じょうきょうしてきた幼おさななじみの小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）を晴はれ太ふとしに紹介しょうかいする。
引ひっ越こし作業さぎょう中ちゅう、練ねりたちは、荷物にもつの中なかにあったビンテージのスピーカーを壊こわしてしまう。先輩せんぱいの佐引さびき（高橋たかはし一生かずお）がいい加減かげんな扱あつかいをしたせいだった。だが、柿谷かきだに運送うんそう社長しゃちょうの嘉美かみ（松田まつだ美由紀みゆき）は、スピーカーを設置せっちした練ねりにその弁償べんしょうを命めいじる。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）は練ねり（高良こうら健吾けんご）と再会さいかいを果はたす。音おとは、練ねりから携帯けいたい電話でんわの番号ばんごうを教おしえてもらっていた。
木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）は、練ねりのために調理ちょうり器具きぐや食器しょっき、部屋へやのカーテンなどを買かいそろえる。練ねりの部屋へやを訪おとずれた木き穂ほ子こは、勤務きんむしている広告こうこく代理だいり店てんで自分じぶんの企画きかくが通とおった、と報告ほうこくする。練ねりは、それを聞きいて喜よろこんだ。
ある日ひ、音おとは、勤つとめている介護かいご施設しせつ『春はる寿ことぶきの杜もり』で再ふたたび朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）と顔かおを合あわせる。朝陽あさひは、本社ほんしゃから派遣はけんされてこの春はる寿ことぶきの杜もりで働はたらくことになったのだという。夜勤やきんを終おえ、静恵しずえ（八千草やちぐさ薫かおる）の家いえに立たち寄よろうとした音おとは、木き穂ほ子こと一緒いっしょにいる練ねりに出会であう。練ねりは、付つき合あっている人ひと、と言いって木き穂ほ子こを音おとに紹介しょうかいした。音おとと別わかれた後のち、練ねりは、「俺おれだけを見みてくれないかな」といって木き穂ほ子こに交際こうさいを申もうし込こむ。木き穂ほ子こは、気持きもちは嬉うれしい、と応こたえるが・・・。
一方いっぽう、小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）は、晴はれ太ふとし（坂口さかぐち健太郎けんたろう）に連つれられて、ヘアサロンやセレクトショップを訪おとずれる。その際さい、小夏こなつは、晴はれ太ふとしから“儲もうかるバイト”を紹介しょうかいしてもらう。

練ねり（高良こうら健吾けんご）は、退院たいいんすることになった木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）に会あうために病院びょういんを訪おとずれる。木き穂ほ子こは、迎むかえに来くる母親ははおやと一緒いっしょに、しばらくの間あいだ帰省きせいすることになっていた。木き穂ほ子こは、不倫ふりん相手あいてとはもう会あわないと練ねりに約束やくそくする。練ねりは、そんな木き穂ほ子こを温あたたかく受うけ入いれる。
音おと（有村ありむら架か純じゅん）は、朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）が心配しんぱいするほど働はたらき詰づめだった。ある日ひ、仕事しごと帰がえりの音おとはバスの中なかで練ねりと会あった。しかし、彼かれの態度たいどは何故なぜかそっけなかった。
柿谷かきだに運送うんそうの給料きゅうりょう日び、佐引さびき（高橋たかはし一生かずお）は、加持かじ（森岡もりおか龍りゅう）や練ねりから金かねを借かりようとしてトラブルを起おこす。手取てどりが減へり、小学校しょうがっこうに入学にゅうがくする息子むすこの養育よういく費ひが払はらえないらしい。
一方いっぽう、小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）は、モデル事務所じむしょからスカウトされたことを練ねりや晴はれ太ふとし（坂口さかぐち健太郎けんたろう）に報告ほうこくする。契約けいやく金きんをもらえて、青山あおやまにマンションも借かりてくれるのだという。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）は、朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）に誘さそわれて屋上おくじょうへ行いく。朝陽あさひが用意よういした望遠鏡ぼうえんきょうで一緒いっしょに星ほしを見みるふたり。そこで朝陽あさひは、僕ぼくのことを好すきになれば両りょう想おもいをあげられる、と彼女かのじょに気持きもちを伝つたえる。
小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）が練ねり（高良こうら健吾けんご）に思おもいを寄よせていることを知しる晴はれ太ふとし（坂口さかぐち健太郎けんたろう）は、その恋こいをかなえてあげる、とい出いだす。晴はれ太ふとしは、練ねりが地元じもとに帰かえりたくなるようにすればいい、と小夏こなつに助言じょげんした。
音おとは、仕事しごと帰がえりのバスの中なかで練ねりと出会であう。練ねりは木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）と一緒いっしょだった。音おとはバスを降おりた練ねりと木き穂ほ子こが腕うでを組くんで歩あるいていく後姿うしろすがたをせつなく見みつめる。
練ねりたちがアパートに着つくと、部屋へやの中なかには小夏こなつと晴はれ太ふとしがいた。そこで小夏こなつは、会津あいづで暮くらす練ねりの祖父そふ・健二けんじ（田中たなか泯）が転倒てんとうしてケガをしたことを伝つたえる。練ねりは、商店しょうてん街がいもなくなってしまったために健二けんじが買かい物ものにも苦労くろうしていることを知しり、ショックを受うける。

27歳さいになった音おと（有村ありむら架か純じゅん）は、介護かいご福祉ふくし士しの資格しかくを取とり、いまも『春はる寿ことぶきの杜もり』で働はたらいている。元もと同僚どうりょうの朋子ともこ（桜井さくらいユキ）、今月こんげつで契約けいやくが切きれる美織みおり（林田はやしだ岬みさき優ゆう）と食事しょくじに出でかけた帰かえり、静恵しずえ（八千草やちぐさ薫かおる）の家いえに立たち寄よった音おとは、そこで木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）と再会さいかいする。木き穂ほ子こは、3年ねん前まえに会社かいしゃを辞やめていまはデザイン系けいの事務所じむしょで働はたらいているのだという。木き穂ほ子こは、音おとが練ねり（高良こうら健吾けんご）ではなく、朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）と付つき合あっていることを知しって驚おどろく。実じつは音おとも木き穂ほ子こも、小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）や晴はれ太ふとし（坂口さかぐち健太郎けんたろう）らとともにこの家いえで練ねりと会あったのが最後さいごだった。木き穂ほ子こは、練ねりの携帯けいたい電話でんわに電話でんわをしてみた。しかし、その番号ばんごうはもう別べつの持もち主ぬしに変かわっていた。
朝陽あさひと食事しょくじに出でかけた音おとは、派遣はけん先さきでトラブルに巻まき込こまれた玲美れいみ（永野ながの芽め郁いく）の相談そうだんに乗のってやってほしい、と彼かれに頼たのむ。朝陽あさひは、困惑こんわくしながらもそれに応おうじ、その代かわりと言いって音おとをパーティーに誘さそう。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）は、朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）からプロポーズされる。しかし音おとは、朝陽あさひが差さし出だした指輪ゆびわを受うけ取とることができない。朝陽あさひは、そんな音おとに、返事へんじはいますぐでなくてもいい、と告つげる。音おとは、帰かえろうとしていた朝陽あさひに、練ねり（高良こうら健吾けんご）と会あったことを切きり出だす。朝陽あさひは、練ねりには助たすけてもらったことがあるから力ちからになってあげたい、という音おとの思おもいを受うけ入いれるが・・・。
別べつの日ひ、音おとは、柿谷かきだに運送うんそうの佐引さびき（高橋たかはし一生かずお）に会あいに行いく。そこで音おとは、練ねりの祖父そふ・健二けんじ（田中たなか泯）が他界たかいしたときのことを教おしえられる。健二けんじは、入院にゅういんしていた病院びょういんを抜ぬけ出だし、駅えきで倒たおれていたところを発見はっけんされたのだという。
練ねりのオフィスへと向むかった音おとは、静恵しずえ（八千草やちぐさ薫かおる）が会あいたがっていることを彼かれに伝つたえた。続つづけて、愛犬あいけんのサスケのこと、佐引さびきのこと、そして健二けんじのことを話はなし出だす音おと。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）のアパートに木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）がやってくる。木き穂ほ子こは、いま恋人こいびとからプロポーズされるのを待まっているのだという。以前いぜん、一度いちどプロポーズされたが忙いそがしくてスルーしてしまったらしい。木き穂ほ子こは、プロポーズされたら何なにも考かんがえないでOKしなければいけない、と音おとにアドバイスする。
練ねり（高良こうら健吾けんご）は、小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）を連つれて静恵しずえ（八千草やちぐさ薫かおる）の家いえに身みを寄よせ、再ふたたび柿谷かきだに運送うんそうで働はたらき始はじめる。柿谷かきだに運送うんそう社長しゃちょうの嘉美かみ（松田まつだ美由紀みゆき）や、先輩せんぱいの佐引さびき（高橋たかはし一生かずお）、加持かじ（森岡もりおか龍りゅう）らは、そんな練ねりを手荒てあらく歓迎かんげいする。
仕事しごと帰がえりのバスで練ねりと一緒いっしょになった音おとは、サスケに会あうために静恵しずえの家いえに立たち寄よる。小夏こなつは専門せんもん学校がっこうの制作せいさくがあってまだ帰かえっていなかった。その際さい、練ねりは、観覧かんらん車しゃの近ちかくにあったピアノが聞きこえる店みせを探さがしたが見みつからなかったことを音おとに話はなし、「今度こんど探さがしに行いきませんか？」と続つづけた。そんな練ねりに、音おとは、朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）からプロポーズされたことを告つげ・・・。

「杉原すぎはらさん、好すきです」。音おと（有村ありむら架か純じゅん）のアパートを訪おとずれた練ねり（高良こうら健吾けんご）は、彼女かのじょへの思おもいを伝つたえた。が、練ねりの気持きもちに応こたえて音おとが話はなそうとしたとき、そこに朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）が現あらわれる。練ねりは外そとで朝陽あさひと話はなしがしたい、と提案ていあんするのだった。
別べつの日ひ、仕事しごとを終おえた練ねりが家いえに戻もどると、小夏こなつ（森川もりかわ葵まもる）が会津あいづの母親ははおやと電話でんわで話はなしをしていた。電話でんわを代かわった練ねりは、亡なき祖父そふが残のこした種たねを使つかって育そだてた大根だいこんが収穫しゅうかくの時期じきを迎むかえたから手伝てつだいにこないか、と誘さそわれる。するとそこに、木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）がやってきた。木き穂ほ子こが練ねりに語かたり始はじめた言葉ことばとは。

音おと（有村ありむら架か純じゅん）と練ねり（高良こうら健吾けんご）は互たがいのことを好すきであるという気持きもちをあらためて確認かくにんした一方いっぽうで朝陽あさひ（西島にししま隆弘たかひろ）はあらためて音おとに2人ふたりで幸しあわせになろうと訴うったえる。木き穂ほ子こ（高畑たかはた充たかし希まれ）はそんな音おとと練ねりの2人ふたりが自分じぶんの気持きもちに正直しょうじきに生いきてくれるよう2人にんそれぞれに会あって懇願こんがんしていた。
そんな中なか、音おとは自分じぶんの心しんを決きめ、練ねりに会あって話はなしをすることを決意けつい、2人ふたりは会あう約束やくそくをする。約束やくそくの日ひ、音おとはなかなか時間じかんになっても現あらわれない。練ねりに会あいに行いく途中とちゅうの駅えきで音おとは奈良ならから東京とうきょうに出でてきたばかりの少女しょうじょに出会であう。鞄かばんをとられてしまったという少女しょうじょ、明日香あすか（芳よし根ね京子きょうこ）を助たすけるために音おとは騒動そうどうに巻まき込こまれてしまい病院びょういんに運はこばれる。
音おとが病院びょういんに運はこばれたと聞きいて駆かけつける練ねり、朝陽あさひ、木き穂ほ子こら。音おとにいったい何なにが起おきたのか。
朝陽あさひは音おとの鞄かばんの中なかから音おとが書かいたと思おもわれる手紙てがみを見みつける。朝陽あさひは、この手紙てがみの中なかには音おとが練ねりと朝陽あさひのどちらを選えらんだのか答こたえがあるのではないかと考かんがえる。木き穂ほ子こは朝陽あさひに音おとを信しんじて祈いのっているよう伝つたえるのだった。
駅えきで音おとと出逢であい助たすけてもらった少女しょうじょ、明日香あすかも病院びょういんにかけつける。音おとが大変たいへんなことになっていることを知しりショックを受うける。音おとの命いのちは、そして練ねり、朝陽あさひ、木き穂ほ子こ、小夏こなつ、晴はれ太ふとしの行ゆく末すえにどんな未来みらいが待まっているのか。