降伏ごうぶく論ろん

【必読ひつどくポイント!】 一生懸命いっしょうけんめいという名なの幻想げんそう

いまの延長線えんちょうせん上じょうには成功せいこうはない

「一生懸命いっしょうけんめいやれば、必かならず報むくわれる」。プロ野球やきゅうの世界せかいに入はいった当時とうじの著者ちょしゃは、そう信しんじて血ちのにじむような努力どりょくを重かさねた。しかし、6年間ねんかんのうち試合しあいで打うったヒットはたった1本ほんだった。

「一生懸命いっしょうけんめい」は、結果けっかを出だす具体ぐたい的てきな方法ほうほうを真剣しんけんに考かんがえようとしない人ひとの幻想げんそうでしかないと、著者ちょしゃは主張しゅちょうする。

一生懸命いっしょうけんめいな人ひとは、周囲しゅういから高たかい評価ひょうかを得えることができる。仕事しごとに対たいする「姿勢しせい」が重視じゅうしされるキャリアの序盤じょばんでは特とくにそうだ。しかしキャリアを重かさねるにつれ、頑張がんばっているだけで結果けっかは出だせていないという厳きびしい現実げんじつが浮うき彫ぼりになる。にもかかわらず、本人ほんにんは現実げんじつを直視ちょくししたがらないし、周囲しゅういは本人ほんにんを腫はれ物もの扱あつかいするだけ。こうして、その人ひとは一生いっしょう、結果けっかを出だせないで終おわってしまう。

結果けっかを出だせるようになるには、「諦あきらめる」ことが肝心かんじんだ。「自分じぶんはこんなもんじゃない」という幻想げんそうにしがみついていまの延長線えんちょうせん上じょうで頑張がんばるのではなく、「自分じぶんは、こんなもんなのかもしれない」と降伏ごうぶくするのだ。それが、成功せいこうへの第一歩だいいっぽである。

考かんがえずにやる

言葉ことばで自分じぶんを変革へんかくする

gyro/gettyimages

結果けっかを出だせるようになるためには、自分じぶんの基礎きそ的てきな行動こうどう・思考しこう様式ようしきを変かえる必要ひつようがある。パソコンを最適さいてき化かするためにOSをアップデートするのと一緒いっしょだ。

著者ちょしゃはかつて、尊敬そんけいする経営けいえい者しゃに成功せいこうするための秘訣ひけつを聞きいたことがある。するとその人ひとはこう言いった。「とりあえず、1回かい電車でんしゃに乗のるのやめてみて。稼かせいでる経営けいえい者しゃ、大体だいたい電車でんしゃ乗のってないから、そこから真似まねしてみたら?」。面食めんくらう著者ちょしゃに、その経営けいえい者しゃは続つづけた。「もしかしていま、考かんがえてる? 考かんがえてる限かぎりは、永遠えいえんに成功せいこうすることはないよ」

私わたしたちは何なにかについて考かんがえる時とき、いままでと同おなじような意思いし決定けっていをしがちだ。この“慣性かんせいの力ちから”は日常にちじょう生活せいかつをストレスなく送おくるためには便利べんりだが、私わたしたちが変かわろうとする時ときは厄介やっかいだ。昔むかしの自分じぶんが、新あたらしく変かわろうとしている自分じぶんを引ひき戻もどそうとするからである。