鎌倉かまくら後期こうき成立せいりつの仏教ぶっきょう説話せつわ集しゅう『沙すな石せき集しゅう』は、一度いちど完成かんせいした後のちも、無住むじゅう自身じしんによる二に度どの大だい改訂かいていと後人こうじんによる改変かいへんによって、記述きじゅつに差異さいのある伝つて本ほんが多数たすう存在そんざいしている。本文ほんぶんの成なり立りつ ...

鎌倉かまくら時代じだい、尾張おわり国長くにおさ母はは寺てらの無住むじゅうによって編纂へんさんされた『沙すな石せき集しゅう』。無住むじゅう最さい晩年ばんねんの著作ちょさく『雑談ざつだん集しゅう』より『沙すな石せき集しゅう』への理解りかいを深ふかめる。

鎌倉かまくら時代じだいの僧そう無住むじゅうが、多方面たほうめんに及およぶ好奇心こうきしんと無類むるいの博識はくしきにより集あつめた仏教ぶっきょう説話せつわ集しゅう。中世ちゅうせいの庶民しょみん生活せいかつ、修行しゅぎょう僧そうの実態じったい、地方ちほうの珍めずらしい話はなしが巧たくみな語かたり口くちで描えがかれている。『徒然草つれづれぐさ』、 ...

本書ほんしょは、日本にっぽん中世ちゅうせい文学ぶんがくの代表だいひょう的てき作品さくひん、『沙すな石せき集しゅう』と『徒然草つれづれぐさ』との両りょう書しょにおける儒家じゅか典籍てんせき・道家みちや典籍てんせき及および仏教ぶっきょう典籍てんせきの受容じゅようの様相ようそうを綿密めんみつに考察こうさつしたものである。儒道じゅどう典籍てんせきの受容じゅようにつ ...