話題わだいの“音声おんせい定額ていがく”はどれだけお得とくなのか：定額ていがく制せいを分析ぶんせきする（1/2 ページ）

[坪山つぼやま博ひろし貴たか，ITmedia]

　PHSのウィルコムに続つづき（3月がつ15日にちの記事きじ参照さんしょう）、ボーダフォンも導入どうにゅうを決きめた（4月がつ20日はつかの記事きじ参照さんしょう）「音声おんせい定額ていがく」サービス。大方おおかたの予想よそうを上回うわまわる早はやさで導入どうにゅうが始はじまり、注目ちゅうもくを集あつめているが、どんなユーザーがお得とくに使つかえるのだろう。加入かにゅう条件じょうけんや利用りよう状じょう況きょうなどの要素ようそを踏ふまえつつ、分析ぶんせきしてみよう。

いずれも“同どう一いちキャリア内ない”が前提ぜんてい

　ウィルコムとボーダフォンの“音声おんせい定額ていがくの共通きょうつう点てん”は、自社じしゃキャリア同士どうしの通話つうわに限定げんていされる点てんだ。条件じょうけんをそれぞれピックアップすると次つぎのようになる。

• ウィルコム

　発信はっしん側がわが「ウィルコム定額ていがくプラン」で、通話つうわ先さきがウィルコムである

• ボーダフォン

　発はつ着信ちゃくしん共どもにボーダフォン利用りよう者しゃで、同一どういつの家族かぞく割引わりびきに加入かにゅう。さらに発信はっしん側がわが「家族かぞく間あいだ通話つうわ定額ていがく」に加入かにゅうしている

　ウィルコムの音声おんせい定額ていがくは、ウィルコムユーザーとの通話つうわが多おおい個人こじんや法人ほうじんにメリットがあり、ボーダフォンは家族かぞく間あいだでの通話つうわが多おおい場合ばあいにメリットがある。

　キャリアから見みれば、ほかのキャリアへのアクセスチャージ（他社たしゃのネットワークの利用りよう料金りょうきん）が発生はっせいしないことが前提ぜんていになる。ウィルコムについては依然いぜん、NTT地域ちいき会社かいしゃから借かり受うけているISDN回線かいせんへのアクセスチャージが残のこる地域ちいきも多おおいが、基地きち局きょくから先さきのIP化かを進すすめることでNTT地域ちいき会社かいしゃへのアクセスチャージを減へらすことも前提ぜんていになっている（3月がつ15日にちの記事きじ参照さんしょう）。

料金りょうきん面めんで見みた音声おんせい定額ていがくサービス

　それでは料金りょうきん面めんでの違ちがいを見みていこう。ウィルコムの場合ばあい、音声おんせい定額ていがく利用りようは専用せんようの料金りょうきんプラン「ウィルコム定額ていがくプラン」に加入かにゅうする必要ひつようがある。月額げつがく2900円えんで、ファミリーパックを利用りようすれば、2回線かいせん目めからは月額げつがく2200円えんで利用りようできる。なお年間ねんかん契約けいやくや長期ちょうき利用りよう割引わりびきなど、ほとんどの割引わりびきサービスは適用てきようされない点てんには注意ちゅういが必要ひつようだ。

　ボーダフォンの場合ばあい、家族かぞくが互たがいに定額ていがくで通話つうわするためには、付加ふかサービス利用りよう料りょうとして、双方そうほうの回線かいせんに月額げつがく315円えんが必要ひつよう。基本きほん料金りょうきんとして比較的ひかくてきリーズナブルな「バリューパック」を家族かぞく内ない2人にんで利用りようした場合ばあい、ハッピーボーナス（2年ねん単位たんいの継続けいぞく契約けいやく）を適用てきようすれば主しゅ回線かいせんが3480円えん、副ふく回線かいせんが1739円えんとなり、これに315円えんずつ上乗うわのせすると、2回線かいせんで5919円えん／月つきとなる。

　さらにハッピーボーナスでは1年ねんのうち2カ月かげつ間あいだの基本きほん料金りょうきんが無料むりょうになるので、月額げつがく平均へいきんでは約やく5049円えんで家族かぞく間あいだでの定額ていがく通話つうわが可能かのうになる。これはウィルコムでファミリーパックを利用りようするより安やすい。さらに定額ていがく対象たいしょう外がいでも利用りようできる無料むりょう通話つうわ分ぶんが2回線かいせんで3150円えん／月つき分ぶんあるので、この分ぶんは確実かくじつにウィルコムよりお得とくといえる。