携帯けいたいでストリーミングテレビ視聴しちょう――Para.TV（1/2 ページ）

[杉浦すぎうら正武まさたけ，ITmedia]

　携帯けいたいでテレビを視みるといえば、通常つうじょう思おもいつくのは携帯けいたいにテレビチューナーを内蔵ないぞうして、映像えいぞうを受信じゅしんするサービス。実際じっさい5月がつ23日にちには、ボーダフォンに続つづいてKDDIもテレビケータイをリリースしているし（5月がつ23日にちの記事きじ参照さんしょう）、1セグ放送ほうそうへの準備じゅんびも各かくキャリアで進すすみつつある（5月がつ26日にちの記事きじ参照さんしょう）。だが、こうした放送ほうそうとは1線せんを画かくした「もうひとつの携帯けいたいテレビサービス」がある。

　携帯けいたい向むけストリーミングテレビ、というのがそれだ。携帯けいたいアプリとして再生さいせいプレイヤーをダウンロードし、IPパケットをストリーミングで連続れんぞく受信じゅしんして映像えいぞうを再生さいせいする仕組しくみ。5月9日にちには、メディアブレストがPara.TVの技術ぎじゅつを採用さいようして、この方式ほうしきでお笑わらい動画どうがストリーミング配信はいしんサービス「パケットテレビ」を開始かいししている（5月がつ10日とおかの記事きじ参照さんしょう）。

　両社りょうしゃの代表だいひょう、Para.TVの秋月あきづき徹とおる社長しゃちょうとメディアブレストの宮谷みやたに大社たいしゃ長ちょうに話はなしを聞きいた。

「Para.TVはほかのサービスより上うえ」

　携帯けいたいの専用せんようアプリを利用りようして映像えいぞう配信はいしんを行おこなう……という発想はっそう自体じたいは、実際じっさいにはそれほど珍めずらしいものではない。例たとえばドワンゴは「パケラジ」で、独自どくじアプリを利用りようし“携帯けいたい放送ほうそうサービス”を提供ていきょうするとうたっている。またjig.jpも、携帯けいたいでストリーミング動画どうがを閲覧えつらんできるアプリ「jigチャンネル」を開発かいはつしている（2004年ねん12月17日にちの記事きじ参照さんしょう）。

　しかし秋月あきづき氏しは、こうしたアプリより同社どうしゃのアプリ「Para.TV」のほうが優すぐれているとアピールする。「例たとえばドワンゴのアプリは、5秒びょうに1枚まい程度ていどしか画像がぞうが切きり替かわらない」。これは単たんなる紙芝居かみしばいに過すぎず、動画どうがとはいえないとの見方みかただ。

　jigチャンネルの技術ぎじゅつは比較的ひかくてきPara.TVに近ちかいが、秋月あきづき氏しは「jig.jpの本業ほんぎょうはブラウザ。こちらは504iの頃ころから動画どうがのノウハウが蓄積ちくせきしているから、簡単かんたんには追おいつかれない」と自信じしんを見みせる。

　具体ぐたい的てきには、フレームレートがjig.jpは「4fpsまで対応たいおう可能かのう」としているのに対たいし、Para.TVは最大さいだい6fpsに対応たいおうする。またビットレートもjig.jpが動画どうが84Kbps、音声おんせい16Kbpsとアナウンスしているのに対たいし。Para.TVは「音声おんせい32Kbps、映像えいぞうは80〜240Kbps」（同氏どうし）だという。

　この技術ぎじゅつにいち早はやく注目ちゅうもくしたのが、お笑わらい専門せんもん映像えいぞうコンテンツを保有ほゆうするメディアブレストだ。同社どうしゃの宮谷みやたに社長しゃちょうは「こういう技術ぎじゅつを待まっていた」と話はなす。

　同社どうしゃはCS番組ばんぐみの「MONDO21」にもコンテンツを提供ていきょうしており、その映像えいぞうの版権はんけんを持もっている。しかし、従来じゅうらいのサービスインフラでは30分ふんという尺しゃくの長ながい映像えいぞうを配信はいしんすることは難むずかしかった。苦肉くにくの策さくとしてドコモのVライブにより“FOMAにテレビ電話でんわ形式けいしきで配信はいしんする”という取とり組くみも行おこなっているが（3月がつ8日にちの記事きじ参照さんしょう）、これでは映像えいぞう品質ひんしつが回線かいせん交換こうかんの64Kbpsに固定こていされてしまう。

　「Para.TVのやり方かたなら、定額ていがくサービスに入はいっているユーザー向むけに、高画質こうがしつの映像えいぞうを長ながい時間じかん見みせられる」（宮谷みやたに氏し）。メディアブレストはPara.TVを導入どうにゅうして「パケットテレビ」を開始かいしすることで、公式こうしきサイトとしては初はじめて携帯けいたいストリーミング動画どうがコンテンツを実現じつげんした（5月がつ10日とおかの記事きじ参照さんしょう）。今後こんごは、年間ねんかん200ネタを配信はいしんする方針ほうしんだと宮谷みやたに氏し。

　「この方式ほうしきだと、通信つうしんの帯域たいいきをかなり使つかう。よくドコモが許ゆるしてくれた」（笑）