シャープのスマホが“法人ほうじんに強つよい”理由りゆう　パートナー連携れんけいと端末たんまつラインアップに秘策ひさくあり（1/2 ページ）

シャープのスマホといえば、一般いっぱん消費しょうひ者しゃ向むけというイメージが強つよいが、シャープは法人ほうじん事業じぎょうにも注力ちゅうりょくしている。シャープの法人ほうじん端末たんまつにはどのような特徴とくちょうがあり、法人ほうじん顧客こきゃくにどんなメリットをもたらすのか。

　シャープのスマホ、ケータイといえば、一般いっぱん消費しょうひ者しゃ向むけのイメージが強つよい。しかし今いま、シャープは法人ほうじん事業じぎょうに注力ちゅうりょくしているという。シャープはなぜ法人ほうじん事業じぎょうに力ちからを入いれることにしたのか。端末たんまつや機能きのうにどのような特徴とくちょうがあり、法人ほうじん顧客こきゃくにどんなメリットをもたらすのか。法人ほうじん事業じぎょうを展開てんかいするビジネスソリューション推進すいしん部ぶの担当たんとう者しゃに背景はいけいや強つよみを聞きいた。

個人こじん向むけと同おなじ端末たんまつを法人ほうじん向むけに提供ていきょうしているシャープ。写真しゃしんは「AQUOS sense 2」。法人ほうじん市場いちばでも、今後こんごの売うれ筋すじになることが期待きたいされる端末たんまつだ

スピーディーに対応たいおうできる体制たいせいに

通信つうしん事業じぎょう本部ほんぶ 営業えいぎょう統轄とうかつ部ぶ ビジネスソリューション推進すいしん部ぶ 部長ぶちょうの伊藤いとう賢次けんじ氏し

　携帯けいたい電話でんわ事業じぎょうに参入さんにゅうした1995年ねん以降いこう、美うつくしいディスプレイやカメラ、長時間ちょうじかんバッテリーなど、ユーザーが求もとめる機能きのうをいち早はやく導入どうにゅうすることで、シャープは長年ながねん、携帯けいたい電話でんわの取とり組くみで高たかい評価ひょうかを獲得かくとくしてきた。

　一方いっぽうでスマートフォンの法人ほうじん需要じゅようも高たかまってきていることはシャープも認識にんしきしており、法人ほうじん事業じぎょうにも注力ちゅうりょく。これを担になうのがビジネスソリューション推進すいしん部ぶだ。特徴とくちょう的てきなのは、大阪おおさかと東京とうきょうでは営業えいぎょう担当たんとう者しゃが、東広島ひがしひろしま市しでは端末たんまつ開発かいはつメンバーが参加さんかしていること。営業えいぎょうと開発かいはつに精通せいつうしたメンバーがいることで、「お客きゃくさまのお問とい合あわせにもスピーディーに対応たいおうできます」と、ビジネスソリューション推進すいしん部ぶ 部長ぶちょうの伊藤いとう賢次けんじ氏しは話はなす。

　端末たんまつはコンシューマー向むけと同様どうよう、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク向むけのものを提供ていきょうするが、共通きょうつう部分ぶぶんは通信つうしん事業じぎょう者しゃ3社しゃ横断おうだんでサービスを開発かいはつして業務ぎょうむ効率こうりつ化かに努つとめている。

4つの強化きょうかポイント

通信つうしん事業じぎょう本部ほんぶ 営業えいぎょう統轄とうかつ部ぶ ビジネスソリューション推進すいしん部ぶ（技術ぎじゅつ開発かいはつ）課長かちょうの角田つのだ錦にしき氏し

　では、どうやって法人ほうじん顧客こきゃくを獲得かくとくするのか。シャープは長年ながねん、コンシューマー向むけ端末たんまつを手掛てがけてきたので、「特別とくべつな法人ほうじん向むけ端末たんまつを作つくるのではなく、基本きほん的てきにハードウェアはコンシューマー向むけ端末たんまつと共通きょうつうで、ソフトウェアを工夫くふうして、法人ほうじん向むけ端末たんまつとしてうまく使つかってもらえるようなアプローチを取とることにしました」とビジネスソリューション推進すいしん部ぶ（技術ぎじゅつ開発かいはつ）課長かちょうの角田つのだ錦にしき氏しは言いう。

　こうした背景はいけいの元もと、今後こんごの強化きょうか策さくに挙あげるのが「法人ほうじん向むけ機能きのう対応たいおう」「サポート・プロモーション」「パートナー連携れんけい」「通信つうしん事業じぎょう者しゃ連携れんけい」の4つだ。

法人ほうじん端末たんまつを展開てんかいする上じょうでは、Google、MDMベンダー、通信つうしん事業じぎょう者しゃとの連携れんけいが重要じゅうようになる

　サポート、プロモーションの取とり組くみでは、法人ほうじん顧客こきゃく向むけサイト「AQUOS for Business」を開設かいせつした。シャープの法人ほうじん向むけサービスを紹介しょうかいし、商談しょうだん、ソリューション、法人ほうじん端末たんまつのスペックといった質問しつもんや要望ようぼうに応こたえる「ご相談そうだん窓口まどぐち」もサイト上じょうに用意よういした。

法人ほうじん向むけのWebサイトも開設かいせつした

　Androidプラットフォームを提供ていきょうしているGoogleとの連携れんけいも必須ひっすで、Googleが法人ほうじんスマホに求もとめる要件ようけんをクリアするのが望のぞましい（Googleの法人ほうじん端末たんまつ向むけプログラムについては後述こうじゅつ）。

　企業きぎょうが法人ほうじんスマホを社内しゃないに導入どうにゅうする際さい、業務ぎょうむで使つかうための設定せっていを一括いっかつで行おこなう「EMM（Enterprise Mobility Management）」というツールが必要ひつようになる。このEMMがシャープのスマホでしっかり動作どうさするか、EMMベンダーとも密みつに連携れんけいを取とる必要ひつようがある。

　そしてスマホを販売はんばいするのは通信つうしん事業じぎょう者しゃなので、通信つうしん事業じぎょう者しゃの営業えいぎょう担当たんとう者しゃが企業きぎょうに営業えいぎょうをかけていくことになる。「シャープがエンドユーザーさんに直接ちょくせつ販売はんばいするというより、通信つうしん事業じぎょう者しゃの営業えいぎょう担当たんとうさんに端末たんまつの特徴とくちょうを理解りかいしていただき、営業えいぎょう活動かつどうをしていただくことが目的もくてきです」（角田つのだ氏し）

　通信つうしん事業じぎょう者しゃにも独自どくじのビジネスパッケージがあり、そういったものと合あわせて販売はんばいされていく形かたちになることから、通信つうしん事業じぎょう者しゃとの連携れんけいも強化きょうかしながらソリューションを提供ていきょうしていく考かんがえだ。

Googleの「Android Enterprise Recommended」に対応たいおう

　端末たんまつのハードウェアはコンシューマー向むけと共通きょうつうだが、ソフトウェアのツールなどによって法人ほうじん向むけに対応たいおうさせようとしている。ここで重要じゅうようになるのが、Googleが2018年ねんから展開てんかいしている「Android Enterprise Recommended（以下いか、AER）」というプログラムだ。AERとは、Googleが「性能せいのう」「安全あんぜん性せい」など、法人ほうじん端末たんまつに求もとめる条件じょうけんを策定さくていしたもの。

　AERの特徴とくちょうは、大おおきく以下いかの2つがある。

• 法人ほうじん利用りように耐たえうるスペックを備そなえていること
• 常つねに最新さいしんのセキュリティ状態じょうたいを維持いじできること

　つまりAERに対応たいおうすることは、Googleお墨付すみつきの法人ほうじん端はし末まつであることを示しめす。

Googleお墨付すみつきの「Android Enterprise Recommended」に3モデルが対応たいおうした

　AERに対応たいおうするためのハードウェアスペックとして、Android OSのバージョン、メモリやストレージなどが規定きていされている。ソフトウェア面めんでは、初期しょき設定せっていをネットワークからワイヤレスで可能かのうにする「ゼロタッチ登録とうろく」への対応たいおうや、90日にち以内いないのセキュリティアップデート、OSバージョンアップのサポートなどが定さだめられている。

　セキュリティアップデートやOSバージョンアップへの対応たいおうは、快適かいてきな動作どうさ確保かくほやコストの面めんなどからハードルが高たかい部分ぶぶんもあるが、シャープは2018年ねん以降いこう、コンシューマー向むけ端末たんまつで2年間ねんかんに最大さいだい2回かいのOSバージョンアップを約束やくそくしており、「このために新あらたに取とり組くむようなことはなかった」（伊藤いとう氏し）と、一いち歩ほ先さきんじている。

　シャープ製せい端末たんまつは2018年ねん5月がつにドコモ向むけの「AQUOS sense SH-01K」がAERに対応たいおうしたのを皮切かわきりに、現在げんざいでは「AQUOS R2」「AQUOS sense 2」の3機種きしゅが対応たいおうしている。日本にっぽんメーカーの中なかでは早期そうきの対応たいおうとなる。

　AERに対応たいおうした端末たんまつは、Androidのエンタープライズ向むけサイトに掲載けいさいされている。AER対応たいおう端末たんまつを指名しめい買かいする企業きぎょうもあるため、「AERに対応たいおうすることで、より多おおくの企業きぎょうに法人ほうじんスマホを導入どうにゅうしていただけるチャンスになります」と角田つのだ氏しは期待きたいを寄よせる。今後こんごもAQUOS senseシリーズやAQUOS RシリーズはAERに対応たいおうさせる考かんがえだ。

提供ていきょう：シャープ株式会社かぶしきがいしゃ
アイティメディア営業えいぎょう企画きかく／制作せいさく：ITmedia Mobile 編集へんしゅう部ぶ／掲載けいさい内容ないよう有効ゆうこう期限きげん：2019年ねん3月がつ31日にち