「Galaxy Fold」の日本にっぽん発売はつばいは？　Noteと統合とうごうの可能かのう性せいも？　サムスンDJコー氏しを直撃ちょくげき（1/3 ページ）

[石野いしの純じゅん也，ITmedia]

　サムスン電子でんしジャパンが3月12日にち、東京とうきょう・原宿はらじゅくに同社どうしゃの旗艦きかんショーケースとなる「Galaxy Harajuku」をオープンした。同日どうじつにはサムスン電子でんしモバイル部門ぶもんCEOのDJコー氏しが来日らいにち。一部いちぶ報道陣ほうどうじんに、Galaxyシリーズの製品せいひん戦略せんりゃくを語かたった。2月のUNPACKEDで発表はっぴょうされた「Galaxy Fold」を投入とうにゅうした狙ねらいや、「Galaxy S10」シリーズでライナップを拡大かくだいした理由りゆうなどが、コー氏しから明あかされた。主おもな一いち問もん一いち答とうは次つぎの通とおりだ。

折おりたたみスマホは今後こんごも継続けいぞくするのか

――　Galaxy FoldをUNPACKEDで発表はっぴょうしましたが、この形状けいじょうは今後こんごも継続けいぞくしていくものなのか、一過いっか性せいのものなのか、サムスンとしてはどう考かんがえているのでしょうか。

コー氏し　サムスンは、Galaxy Noteを開発かいはつした会社かいしゃであることはご存ぞんじかと思おもいます。当時とうじは3.8型がたや4型がたほどのスマートフォンが中心ちゅうしんでしたが、もっと大おおきな画面がめんを提供ていきょうし、没入ぼつにゅう感かんのある体験たいけんを追求ついきゅうした上うえで、ペンを搭載とうさいしてスマートフォンを進化しんかさせ、新あたらしい体験たいけんを作つくり出だすことができました。このNoteのペンは、日本にっぽんのワコムと共同きょうどうで作つくり出だしたものです。その後ごの流ながれを見みても分わかる通とおり、Galaxy Noteは大だい画面がめんをメインストリームにするきっかけになりました。Galaxy Noteを発売はつばいした後のち、大だい部分ぶぶんのメーカーがこれに追従ついしょうしています。

　Galaxy Foldは、人ひとが片手かたてで使つかえる最大さいだいのサイズは6〜7型がただと考かんがえたところからスタートしています。サムスン側がわもいろいろと悩なやみましたが、Galaxy Note以上いじょうに大おおきな画面がめんを提供ていきょうするには、やはり折おりたたむしかない。この折おりたたみを実現じつげんするには、非常ひじょうに多おおくの技術ぎじゅつが必要ひつようでした。バッテリーやヒンジのメカニズム、さらにディスプレイを20万まん、30万まん回かい開閉かいへいしても問題もんだいないようにするために、さまざまな課題かだいがありました。

　ディスプレイを外側そとがわに出だす形かたちで折おりたためるようにすることも検討けんとうしましたが、内側うちがわに折おりたたむのが正ただしい方向ほうこうだと考かんがえ、最終さいしゅう的てきにこの形かたちにしています。なぜ内側うちがわに折おりたたむのかという質問しつもんがたびたびありますが、それは以前いぜん発売はつばいされていた携帯けいたい電話でんわが、なぜ内側うちがわに折おりたんでいたのかを説明せつめいすれば十分じゅうぶんでしょう（笑）。

　ただし、これがメインストリームになるには、技術ぎじゅつ的てきな革新かくしんも必要ひつようになります。今いまの段階だんかいでお話はなしできるのは、これがメインストリームになるというより、Galaxy Foldを好このむお客きゃくさまもいるということです。Galaxy Noteを発売はつばいしたときも、最初さいしょの3〜4年ねんは、大だい画面がめんのために購入こうにゅうしたという方ほうがたくさんいましたが、Galaxy Note8の段階だんかいでは、Sペンがあるから使つかうという方ほうが確実かくじつにいることを確認かくにんしています。

――　開発かいはつ者しゃ向むけ会議かいぎで発表はっぴょうした後のち、UNPACKEDで正式せいしき発表はっぴょうになりましたが、その狙ねらいを教おしえてください。

コー氏し　実じつはディスプレイの開発かいはつまで含ふくめると、Galaxy Foldは8〜9年ねん前まえからスタートしています。覚おぼえている方ほうがいらっしゃるかは分わかりませんが、昨年さくねん（2018年ねん）11月の開発かいはつ者しゃ向むけ会議かいぎで、「One UI」を発表はっぴょうする際さいに、Galaxy Fold（の一部いちぶ）を発表はっぴょうしました。新あたらしいフォームファクターや、4：3のアスペクト比ひを利用りようする上じょうで、無理むりのないものにするためには、サードパーティーやアプリ開発かいはつ者しゃがコンセプトを知しらなければならないと思おもったからです。3画面がめんを同時どうじに駆動くどうする部分ぶぶんは、1年ねん前まえからGoogleとも協力きょうりょくしてきました。一般いっぱん的てきに、開発かいはつ者しゃ向むけ会議かいぎとUNPACKEDで繰くり返かえし発表はっぴょうする必要ひつようはないかもしれませんが、Galaxy Foldは折おりたたみということで、2回かい発表はっぴょうしています。

――　Galaxy Foldの具体ぐたい的てきな利用りようシーンを教おしえてください。

コー氏し　UNPACKEDでもお見みせしましたが、画面がめんの左側ひだりがわでYouTubeを再生さいせいしながら、右側みぎがわでチャットしつつ、下したの画面がめんでオンラインショッピングをするといった使つかい分わけができます。ミレニアル世代せだいやアーリーアダプターは、PCのような機能きのうも望のぞんでいます。20代だいのユーザーには、Galaxy Foldでタイピングを体験たいけんしてもらいましたが、これも楽らくに使つかうことができます。

　自分じぶんは朝あさ運動うんどうするとき、ランニングマシンの上うえに端末たんまつを置おき、番組ばんぐみを視聴しちょうしています。一般いっぱん的てきなスマートフォンを使つかうより、Galaxy Foldを広ひろげて見みた方ほうがよりいい視聴しちょう体験たいけんになるからです。タブレットを使つかえばいいのでは……という意見いけんもあるとは思おもいますが、出張しゅっちょう中ちゅうにスマートフォンとタブレットの両方りょうほうを持もち歩あるく必要ひつようがなくなり、Galaxy Foldだけでよくなります。Galaxy Foldは、マルチメディア、ゲーム、プロダクティビティ、ハイクオリティーなサウンドなど、全すべてを統合とうごうしたものだと考かんがえています。

Galaxy NoteとFoldが統合とうごうする可能かのう性せいも

――　従来じゅうらいのフラグシップモデルにGalaxy Foldが加くわわり、さらに今年ことし（2019年ねん）は価格かかくを抑おさえた「Galaxy S10e」も登場とうじょうしました。秋あきにはGalaxy Noteもあるかと思おもいます。バリエーションが広ひろがっていますが、これはなぜなのか、今後こんご統合とうごうしていく可能かのう性せいがあるのかを教おしえてください。

コー氏し　UNPACKEDでお話はなししたように、消費しょうひ者しゃのニーズは多様たよう化か、高度こうど化かしています。それぞれの製品せいひんが誕生たんじょうした背景はいけいも異ことなり、例たとえばGalaxy Foldは新あたらしいフォームファクターや、スマートフォンの新あたらしいカテゴリーに焦点しょうてんが当あてられています。一方いっぽうで、Galaxy S10eは市場いちばからの多様たような要求ようきゅうに対応たいおうするために作つくられたものです。韓国かんこく、米国べいこく、欧州おうしゅうでは、Galaxy S10 5Gも発売はつばいします。

　さまざまな要求ようきゅう全すべてに対応たいおうするのは、非常ひじょうに大変たいへんなことですが、お客きゃくさまに愛あいされる製品せいひん、ブランドになるためには、市場いちばとお客きゃくさまの声こえにこたえていかなければなりません。それがサムスンのやるべきことだと考かんがえています。ちなみに、Galaxy Noteを1つのフォームファクターに統合とうごうすることも、考慮こうりょの対象たいしょうになっています。

――　統合とうごうとは、どういう意味いみでしょうか。

コー氏し　例たとえば、Galaxy Foldにペンを入いれれば、Note化かすることができます。ただしこれはアイデアの段階だんかいで、今いまの技術ぎじゅつでは難むずかしい。あくまで検討けんとうしている段階だんかいです。

――　ズバリ、日本にっぽんにGalaxy Foldを投入とうにゅうする可能かのう性せいはあるのでしょうか。

コー氏し　Galaxy Foldを日本にっぽんに投入とうにゅうするため、現在げんざい、パートナーであるキャリアとの調整ちょうせいを行おこなっています。グローバルで物量ぶつりょうが限かぎられているので、全ぜん世界せかいのキャリアに提供ていきょうできるわけではありませんが、年内ねんないに投入とうにゅうしたいという（サムスン側がわの）希望きぼうはあります。