謎なぞ多おおきスマホ「Hydrogen One」の“ホログラフィック”ディスプレイ表示ひょうじを試ためす：山根やまね康宏やすひろの海外かいがいモバイル探訪たんぼう記き

[山根やまね康宏やすひろ，ITmedia]

　世界せかい初はつのホログラフィックディスプレイ搭載とうさいをうたう米べいREDの「Hydrogen One」。開発かいはつが遅おくれた結果けっか、2018年頭ねんとうに発売はつばいされる予定よていが、市場いちばに出でてきたのは11月でした。本体ほんたいもアルミニウムボディーとチタンの2つのバージョンがありますが、現時点げんじてんではまだアルミ版ばんのみ。何なにかと謎なぞの多おおい製品せいひんですが、MWC19 Barcelonaで見みかけたので、試ためしてみました。

　1249.99ドル（約やく14万まん円えん）というHydrogen Oneの値ね付づけも、最近さいきんはハイエンド機きで10万まん円えん超こえが多おおいことを考かんがえると、珍めずらしくないかもしれません。しかしプロセッサが「Snapdragon 835」と、2世代せだい前まえのものを採用さいようしている点てんはやや残念ざんねんなところです。5.7型がたのディスプレイを持もつスマートフォンにしては本体ほんたいサイズは大柄おおがらに感かんじられます。

　本体ほんたい側面そくめんは波なみを打うった形状けいじょうで、しかも滑すべり止とめ効果こうかも狙ねらったスリット処理しょりが入はいっています。これは握にぎりやすさを考かんがえたデザインも兼かねているのでしょう。しかし見みた目めのインパクトを与あたえるには十じゅう分ぶんのデザインですが、重量じゅうりょうが263g（チタンモデルは292g）もあり、片手かたてで持もってみるとかなり重おもく、気軽きがるにカメラを起動きどうしてスナップ撮影さつえいしようとは思おもえないかもしれません。Hydrogen Oneの外観がいかんは「武たけ骨ほね」そのものと感かんじます。

　なお、右側みぎがわ面めんの赤あかいボタンはカメラボタン。真まん中なかに見みえるボタンは電源でんげんキーで、指紋しもん認証にんしょうセンサーを兼かねています。

　背面はいめんは下部かぶに拡張かくちょう端子たんしがあり、後ごからモジュールを装着そうちゃくできるようになるとのこと。モトローラの「moto mods」と同おなじ発想はっそうですね。ただし合体がったい式しきスマートフォンはその多おおくが失敗しっぱいに終おわっています。REDが今後こんご同おなじモジュールを使つかえるスマートフォンを定期ていき的てきにリリースしていくという、長期ちょうき的てきな端末たんまつ開発かいはつ戦略せんりゃくがあるのなら魅力みりょくを感かんじますが、Hydrogen One専用せんようアタッチメントの場合ばあいはそのコストが気きになります。何なにせ本体ほんたいだけで10万まん円えんを超こえているわけですから。

　さて肝心かんじんのホログラフィックディスプレイ表示ひょうじはどのような感かんじなのでしょうか。写真しゃしんや動画どうがでは伝つたえにくいのですが、カメラで3D写真しゃしんを撮影さつえいしてみると、確たしかに被写体ひしゃたいが浮うき上あがって表示ひょうじされます。ただし画質がしつは若干じゃっかん荒あらくなります。大昔おおむかし、スナック菓子すなっくがしの付録ふろくなどに、見みる位置いちを上下じょうげ左右さゆうで変かえると立体りったい的てきに浮うかび上あがるシール、なんてものが存在そんざいしましたが、それをより精細せいさいにした感かんじでしょうか。

　自分じぶん撮とりをすると背景はいけいから自分じぶんの姿すがたが浮うかび上あがって見みえるのですが、いかんせん画面がめんサイズがスマートフォンでは迫力はくりょく感かんに欠かけてしまうな、と感かんじました。

　Hydrogen Oneのホログラフィックディスプレイを使つかってみると、3Dやホログラムは大おおきい画面がめんの方ほうがそのすごさが体感たいかんできるのではないかと思おもいます。これまで登場とうじょうした3D表示ひょうじのスマートフォンがいずれもパッとした結果けっかを残のこせていないのは、そこに原因げんいんがあるのかもしれません。ホログラムコンテンツを増ふやしHydrogen Oneだけのユーザー体験たいけんが得えられるのなら、10万まん円えんを出だす価値かちはあるでしょう。ホログラフィック技術ぎじゅつを普及ふきゅうさせるためには、ハードウェアだけではなくコンテンツを充実じゅうじつさせることも必要ひつようでしょう。