モバイルバッテリー選えらびで重視じゅうししたい「3つのポイント」：スマホ×バッテリー快適かいてきライフ

[井上いのうえ晃あきら，ITmedia]

　最近さいきんのスマートフォンは、初期しょきのころと比くらべてバッテリーの持もちが格段かくだんによくなった。しかし、動画どうが視聴しちょうやテザリング、周辺しゅうへん機器ききの利用りようが一般いっぱん化かしたことで、外出がいしゅつ先さきでの予期よきせぬバッテリー切きれは今いまも悩なやみのタネである。久ひさしくモバイルバッテリーを使つかっていなかった人ひともいるかもしれないが、決済けっさい機能きのうの利用りようも増ふえてきた昨今さっこん、改あらためて購入こうにゅうを検討けんとうする価値かちはあるだろう。

　モバイルバッテリーを選えらぶ際さいには、基本きほん的てきな仕様しようについて理解りかいした上うえで、自身じしんの利用りようスタイルに適てきした製品せいひんを見定みさだめることが重要じゅうようだ。今回こんかいは、購入こうにゅう前まえにチェックすべき事柄ことがらについて、大おおきく3つのポイントに分わけて紹介しょうかいする。

1.モバイルバッテリーの容量ようりょうはどのくらい必要ひつようか？

　「mAh（ミリアンペアアワー）」はバッテリーの容量ようりょうを表あらわす単位たんいだ。一般いっぱん的てきなハイエンドのスマートフォンに対たいして、1回かいフル充電じゅうでんしたいなら容量ようりょう6000mAh程度ていどのモバイルバッテリーを、約やく2回かい以上いじょうの充電じゅうでんが必要ひつようなら1万まんmAh以上いじょうの製品せいひんを選択せんたくするとよい。

　そもそも、Androidのハイエンドスマートフォンや、バッテリー持もちをウリにした端末たんまつでは、3000mAh〜4000mAhのバッテリーを搭載とうさいしていることは多おおい。例たとえば、「Xperia XZ3」のバッテリー容量ようりょうは約やく3200mAhだ。また、「iPhone」はバッテリー容量ようりょうこそ非公開ひこうかいだが、XやXSなら2600〜2800mAhだろうと推定すいていされている。

　モバイルバッテリーからスマートフォンに充電じゅうでんする場合ばあいは、電圧でんあつを変換へんかんする際さいにロスが発生はっせいするので、モバイルバッテリーのmAhの数値すうち通どおりにはいかない。ロス率りつは製品せいひんや充電じゅうでん環境かんきょう（出力しゅつりょくのA数すうやケーブルの長ながさなど）によっても変かわってくるが、モバイルバッテリーの容量ようりょうの6割わり程度ていどになる。さらに劣化れっかにより容量ようりょうはさらに減へっていく。

　つまり、3200mAhのスマートフォンを0％から100％まで充電じゅうでんしたいのなら、「3200mAh×100／60」という計算けいさんにより、大体だいたい5300mAh以上いじょうのモバイルバッテリーを買かうべきという理屈りくつになる。

2.必要ひつような出力しゅつりょくやポート数すうを備そなえているか？

　容量ようりょうの他ほかには、出力しゅつりょくの「A（アンペア）」も確認かくにんしておきたい。これはどのくらいの電気でんきが流ながれるかを表あらわした値ねだ。モバイルバッテリーとしては、1〜1.5Aが低てい出力しゅつりょく、2A以上いじょうが高こう出力しゅつりょくに相当そうとうする。最近さいきんの製品せいひんでは、最大さいだい出力しゅつりょく3Aに対応たいおうしたUSB Type-Cポートを備そなえるものも出でてきている。今いまからモバイルバッテリーを購入こうにゅうするならば、基本きほん的てきに低てい出力しゅつりょくなものは避さけ、高こう出力しゅつりょくのものを選えらぶべきだ。そもそもiPadやAndroidのタブレットの多おおくは、出力しゅつりょくが2Aに満みたないと充電じゅうでんできない。

　「急速きゅうそく充電じゅうでん」と呼よばれる規格きかくは、iPhone 8以降いこうが対応たいおうする「USB PD（USB Power Delivery）」や、Androidのハイエンドモデルの多おおくが対応たいおうする「QuickCharge」の2つを覚おぼえておこう。より快適かいてき性せいを求もとめるのであれば、こうした規格きかくへの対応たいおうが明記めいきされているモバイルバッテリーやケーブルをそろえるとよい。ちなみにモバイルバッテリーのメーカーごとに、技術ぎじゅつ的てきな独自どくじ規格きかくは存在そんざいするが、これらとは別物べつものだ。

　また、モバイルバッテリーには、ポートを複数ふくすう備そなえる製品せいひんがある。こうした製品せいひんでは複数ふくすうの端末たんまつへ同時どうじに充電じゅうでんできるが、各かくポートの出力しゅつりょくAの値ねが異ことなることが多おおい。購入こうにゅうする際さいには、それぞれのポートが2A以上いじょうの出力しゅつりょくに対応たいおうしている製品せいひんがオススメ。2A以上いじょうないと、充電じゅうでんできなかったり、充電じゅうでんの速度そくどが下さがったりする場合ばあいがある。製品せいひんによっては、同時どうじに充電じゅうでんしても、それぞれの出力しゅつりょくが下さがらないことをウリにしているものもある。

3.どんな「使つかいやすさ」を優先ゆうせんするか？

　大だい容量ようりょう、高こう出力しゅつりょくのモバイルバッテリーなら必かならずしも使つかいやすいとは限かぎらない。仕様しよう的てきな条件じょうけんの目安めやすが定さだまったら、より使つかいやすい特徴とくちょうのある製品せいひんを探さがそう。

　例たとえば、同おなじ容量ようりょうの製品せいひんでも重量じゅうりょうの差さが100g以上いじょうあることも珍めずらしくないので、購入こうにゅう前まえには必かならずチェックしておきたい。また、スマートフォンを毎回まいかいフル充電じゅうでんする必要ひつようがなければ、そもそも容量ようりょうを割わり切きって、ポーチやバッグなどに忍しのばせやすい小型こがたのモバイルバッテリーを選択せんたくするのも英断えいだんだ。

　モバイルバッテリー自体じたいの充電じゅうでんが面倒めんどうと感かんじる人ひとは、充電じゅうでんのしやすさも重視じゅうししたい。コンセントに差さし込こめるプラグが備そなわっている製品せいひんがオススメだ。在宅ざいたく時じには、USB充電じゅうでん器きとして使つかい、外出がいしゅつ時じにはモバイルバッテリーに早変はやがわりする。あるいは、iPhoneユーザーでLightningケーブルを使つかっているという人ひとならば、Micro USBではなくLightningの入力にゅうりょくポートを備そなえている製品せいひんも扱あつかいやすいだろう。

　充電じゅうでん中ちゅうのケーブルが煩わずらわしいと感かんじる人ひとは、ワイヤレス充電じゅうでん規格きかくの「Qi（チー）」に対応たいおうした製品せいひんも選択肢せんたくしとして検討けんとうしたい。iPhoneに関かんしては、バッテリーを内蔵ないぞうするケースが公式こうしき、サードパーティーともに販売はんばいしている。これも充電じゅうでんしながら操作そうさしやすいという点てんで秀ひいでているので、iPhoneユーザーにとっては有力ゆうりょく候補こうほとなるだろう。

　モバイルバッテリーはそう頻繁ひんぱんに購入こうにゅうするものでもない。ぜひ次回じかいの購入こうにゅう時じには、上記じょうきのような条件じょうけんを考慮こうりょして、納得なっとくのいく一いち台だいを手てに入いれてほしい。

　なお、2019年ねん2月がつから「電気でんき用品ようひん安全あんぜん法ほう」の改正かいせいに関かんする経過けいか措置そちが終了しゅうりょうし、モバイルバッテリーにも丸まるいタイプの「PSEマーク」表示ひょうじが義務付ぎむづけられた。既すでに購入こうにゅうして手元てもとにある商品しょうひんに関かんしては使つかい続つづけても問題もんだいないが、新規しんき購入こうにゅう時じにはPSEマークの付ついているものを選えらびたい。本ほん記事きじ内ないで、製品せいひん特徴とくちょうを伝つたえるために例れいとして挙あげた製品せいひん群ぐんについては、同年どうねん2月がつ以前いぜんに発売はつばいされたものも含ふくむため、個々ここのPSEマーク表記ひょうきについては未確認みかくにんであることをご了承りょうしょういただきたい。