クレカからコード決済けっさいまで　店舗てんぽが効率こうりつよくキャッシュレス対応たいおうする方法ほうほう：モバイル決済けっさいで店舗てんぽ改革かいかく

[小山こやま安あん博ひろし，ITmedia]

　「店舗てんぽのキャッシュレス対応たいおう」と一口ひとくちにいっても、「決済けっさいサービスが多おおい」ことは課題かだいの1つだ。クレジットカード、電子でんしマネー、非ひ接触せっしょく決済けっさい、そしてコード決済けっさいとサービスが増ふえ続つづけることで、むしろキャッシュレス化かの妨さまたげにもなりかねない。

　そうした中なかで、消費しょうひ税ぜい増税ぞうぜいに伴ともなうキャッシュレス推進すいしん施策しさくで、mPOS（モバイルPOS）導入どうにゅうのハードルが下さがっている。mPOSは、初期しょき費用ひよう、月額げつがく固定こてい費ひが不要ふようなサービスも多おおく、導入どうにゅうに伴ともなう端末たんまつ購入こうにゅう費用ひよう以外いがいは決済けっさい手数料てすうりょうだけで済すむというメリットがある。

　mPOSの中なかには、キャッシュレス決済けっさい対応たいおうメニューを提供ていきょうしているものもあり、そうしたメニューを利用りようすると、各かく決済けっさいサービスへの申請しんせいをまとめて代行だいこうしてくれるため、1つずつ申請しんせいするよりも現実げんじつ的てきだ。

　mPOS導入どうにゅうは、店舗てんぽのレジ作業さぎょうや売うり上あげ分析ぶんせきだけではなく、キャッシュレス化かにも貢献こうけんしてくれるわけだ。

マルチ決済けっさいサービスでキャッシュレス決済けっさいに一括いっかつ対応たいおう

　複数ふくすうの決済けっさい手段しゅだんをサポートしたmPOSサービスだと、例たとえば「Airレジ」がある。Airレジと連携れんけいする「Airペイ」はクレジットカード、電子でんしマネー、スマートフォンのタッチ決済けっさいをサポート。さらにコード決済けっさいに対応たいおうした「Airペイ QR」も連携れんけいさせれば、LINE Pay、d払はらい、Alipay、WeChat Payにも対応たいおうできる。

　こうしたmPOSサービスを利用りようする以外いがいに、マルチ決済けっさいサービスを利用りようする方法ほうほうもある。これは複数ふくすうの決済けっさい手段しゅだんを一括いっかつしてサポートするソリューションで、「mPOSはいらないけどキャッシュレス対応たいおうしたい」「mPOSとは別べつにさらに多おおくの決済けっさいに対応たいおうしたい」といったニーズにも応こたえられる。

　こうしたサービスでは、専用せんようの決済けっさい端末たんまつを導入どうにゅうすることで複数ふくすう決済けっさいに対応たいおうするサービスが多おおい。例たとえばロイヤルゲートの「PAYGATE Station」は、クレジットカード、タッチ決済けっさい、コード決済けっさいに対応たいおうした、プリンタ一いち体型たいけいの決済けっさい端末たんまつ。LINE Pay、楽天らくてんPay、d払はらい、Alipay、WeChat Payをサポートしており、相手あいてが使つかった決済けっさいサービスを自動的じどうてきに判別はんべつしてくれる。

　同様どうようにマルチ決済けっさい端末たんまつを提供ていきょうするのがアイティフォーの「iRITSpay決済けっさいターミナル」。クレジットカード、電子でんしマネー、タッチ決済けっさいに加くわえ、LINE Pay、PayPay、Origami Pay、Alipay、WeChat Payをサポートする。

　ネットスターズの「StarPay」も同様どうようだが、こちらはコード決済けっさいのみに対応たいおうする決済けっさい端末たんまつを提供ていきょうする。LINE Pay、d払はらい、PayPay、楽天らくてんペイ、Alipay、WeChat Payに対応たいおうしている。

　そうした中なかで面白おもしろいのがSBペイメントサービスのソリューションだ。マルチ決済けっさい端末たんまつとして「VEGA3000」を提供ていきょうしており、クレジットカード、電子でんしマネー、タッチ決済けっさいに加くわえ、LINE Pay、d払はらい、PayPay、楽天らくてんペイ、Origami Pay、Union Pay、Alipay、WeChat Payという豊富ほうふなコード決済けっさいに対応たいおうする。

　「コード決済けっさいだけを追加ついかしたい」という場合ばあいには、スマートフォンアプリ「S!can（スキャン）」を利用りようすればよい。これを使つかえば、手持てもちのスマートフォンだけで複数ふくすうのコード決済けっさいを導入どうにゅうできる。専用せんよう端末たんまつと同おなじくLINE Pay、d払はらい、PayPay、楽天らくてんペイ、Origami Pay、Union Pay、Alipay、WeChat Payに対応たいおうし、国内こくないでも有数ゆうすうのサービス数すうだ。

　これらのサービスでは加盟かめい店てん審査しんさも一括いっかつして行おこなえるので、手間てまがかからないこともメリットだ。

気軽きがるに始はじめられるコード決済けっさい

　「キャッシュレス決済けっさい対応たいおうをひとまず試ためしてみたい」という場合ばあい、昨今さっこんサービスが増ふえているコード決済けっさいを利用りようしてみるのも1つの手てだ。コード決済けっさいは、店舗てんぽ側がわも客きゃく側がわもスマートフォンを持もっていれば、利用りようできるという手軽てがるさがメリットだ。

　店舗てんぽ側がわはmPOSのように新あらたに機材きざいを導入どうにゅうする必要ひつようがないため、気軽きがるに始はじめられる。多おおくのコード決済けっさいサービスは、店舗てんぽ用ようのアプリを提供ていきょうしており、これをスマートフォンやタブレットにインストールして加盟かめい店てん申請しんせいが通過つうかすれば、すぐに使つかい始はじめられる。

　例たとえばLINE Payには「LINE Pay 店舗てんぽ用ようアプリ」があり、レジ機能きのうだけでなく客きゃくへのメッセージによる販促はんそくも可能かのう。申もうし込こみもオンラインで登記とうき簿ぼ謄本とうほんを提出ていしゅつすればよく、審査しんさが完了かんりょうしたらアプリからログインすれば使つかい始はじめられる。

　決済けっさい手数料てすうりょう（2021年ねん7月がつ31日にちまで）、導入どうにゅう費用ひよう、月額げつがく費用ひようは全すべて無料むりょうなので、「取とりあえず試ためしてみたい」というスタンスでも始はじめられる。なお、売うり上あげの入金にゅうきんは翌月よくげつ末まつだ。

　同おなじようにスマートフォンにアプリを入いれるだけで開始かいしできるのがPayPay。LINE Payと同様どうように導入どうにゅう費用ひよう、入金にゅうきん手数料てすうりょう、月額げつがく費用ひようは無料むりょうで、決済けっさい手数料てすうりょうも2021年ねん9月がつ30日にちまで無料むりょうだ。申もうし込こみもオンラインから簡単かんたんに行おこなえる。

　管理かんり用ようWebサイト「PayPay for Business」が用意よういされているのは強つよみで、取引とりひきや売うり上あげを管理かんりできる他ほか、mPOSサービスのAirレジとの連携れんけい機能きのうも提供ていきょうする。PayPayだけで始はじめて後ごからAirレジを導入どうにゅうする場合ばあいや、AirレジユーザーがPayPayを試ためしたいという場合ばあいにも対応たいおうできる。

　決済けっさい金額きんがくが1万まん円えん以上いじょうであれば、銀行ぎんこうへの入金にゅうきんは最短さいたんで翌々よくよく営業えいぎょう日びだが、ジャパンネット銀行ぎんこうを指定していすれば翌日よくじつに入金にゅうきんされるというのも強つよみだろう。ちなみに1万まん円えんに達たっしない場合ばあいは月つき末締まつじめとなる。

　コード決済けっさいは、店舗てんぽにとってキャッシュレス対応たいおうの入口いりくちにもなるだろう。入金にゅうきんタイミングの問題もんだいはあるものの、現時点げんじてんではほとんど費用ひようはかからず導入どうにゅうできる上うえに、LINE PayやPayPayのようにポイント還元かんげんによる集客しゅうきゃくが期待きたいできる。既存きそんの現金げんきん客きゃくに加くわえて、「ポイントが付つくのでコード決済けっさいが使つかえる店みせに入はいった」という具合ぐあいに新規しんき客きゃくが増ふえる可能かのう性せいもある。

　客数きゃくすうが増ふえるようであれば、入金にゅうきんタイミングが遅おくれても現金げんきん客きゃくでカバーできるかもしれないので、そういった確認かくにんをする意味いみでも、まずはコード決済けっさいで様子ようすを見みる、というやり方かたもできそうだ。何なにといっても加盟かめい店てん申請しんせいもオンラインで行おこなえるし、スマートフォン1つで運用うんようできる簡単かんたんさが魅力みりょくだ。