ファーウェイ・ジャパンが、5G対応スマートフォンの「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」を日本で発売する。先行販売分の受付は、3月16日から3月25日まで。3月28日から銀座(東京都中央区)にあるファーウェイ・カスタマーサービスセンターで購入が可能になる。4月4日からは、梅田(大阪市北区)の同拠点で販売が始まる。ヨドバシカメラやビックカメラでの一般販売は、4月からを予定。楽天市場とPayPayモールにある同社の店舗でも一般販売を行う。
ファーウェイは3月16日、フラグシップモデルの「Mate 30 Pro 5G」を日本で発売することを発表した
7680fpsのスローモーションや、ISO感度最大5万1200の超強力カメラが魅力
Mate 30 Pro 5Gは、ファーウェイ(Huawei)のフラグシップモデル。薄型でカメラ系の新技術をいち早く搭載するPシリーズに対し、より画面が大きく、パフォーマンスの高さにこだわった端末がMateシリーズという位置付けになる。グローバルでは2019年9月に発表されていた端末だが、満を持して日本に投入される格好だ。
5Gはソフトウェアアップデート後に利用可能になるというが、ファーウェイによると、3社のネットワークで動作するよう、調整を行っているという。5G用のIOT(相互運用性試験)を通した上で発売すると見ていいだろう。当初の5Gスマートフォンはキャリア自身が扱うものだけと思われていたが、冒頭述べた通り、Mate 30 Pro 5Gはファーウェイ自身が販売するSIMロックフリースマートフォン。キャリアやメーカーはもちろん、ユーザーにとっても予想外の“伏兵”が登場した格好だ。
GMSがふさがれたファーウェイ、HMSとAppGalleryの実力とは?
一方で、Mate 30 Pro 5Gには、Googleの各種アプリはプリインストールされない。米国の制裁による禁輸措置が解除されておらず、GoogleのGMS(Google Mobile Service)が利用できないからだ。Mate 30 Pro 5Gは、Android OSを採用した端末の1つではあるが、GMSのAPIを採用したアプリも動作しない。代わりに搭載されているのが、「HMS(Huawei Mobile Service)」と対応アプリを配信するためにファーウェイが運用する「AppGallery」だ。
iOS、GMSのAndroidに続く“第3の道”を歩もうとしているファーウェイだが、日本でも本格的にHMSを始動させる。その第1弾となるのが、Mate 30 Pro 5Gというわけだ。2013年前後に、TizenやFirefox OSが「第3のOS」として注目されたことを覚えている向きもあるかもしれないが、いずれの計画も頓挫。Tizenはサムスン電子のスマートウォッチやテレビ用のOSとして生き残っているものの、存在感は小さい。
ファーウェイのHMSがこれら「第3のOS」と異なるのは、ユーザーベースが既にあるところだ。ファーウェイによると、AppGalleryのアクティブユーザーは4億人超。提供する国や地域も、170を超える。Mate 30 Pro 5GもOSそのものはオープンソースとして提供されるAndroidになるため、操作性にも大きな違いはない。GMSのAPIを使っていないアプリについては、そのままでも動作するといい、これもファーウェイにとっての追い風といえる。
Mate 30 Pro 5Gの実機を見ると、確かにGoogleが提供するPlayストアはなく、一般的なAndroidスマートフォンに内蔵されているGoogleマップやGoogleフォト、Gmail、Googleカレンダーなどのアプリも見当たらない。ファーウェイ純正アプリは内蔵されており、メールアプリではGmailのアドレスは利用できるが、カレンダーや写真などの同期には非対応だ。