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キャッシュレス決済の拡大に「デビットカード」が欠かせない理由(1/2 ページ) - ITmedia Mobile
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キャッシュレス決済けっさい拡大かくだいに「デビットカード」がかせない理由りゆう(1/2 ページ)

» 2022ねん02がつ28にち 1448ふん 公開こうかい

 銀行ぎんこう口座こうざ直結ちょっけつして支払しはらいにすぐさま口座こうざから現金げんきんとされるデビットカードが拡大かくだいしている。とく国際こくさいブランドが利用りよう可能かのうなブランドデビットが急伸きゅうしんしており、ビザ・ワールドワイド・ジャパンによれば、世界せかいにおけるVisaブランドのデビットカード取扱とりあつかいだかはクレジットカードをえている。日本にっぽんでも発行はっこう枚数まいすう拡大かくだいしており、同社どうしゃでは日本にっぽんのキャッシュレスを拡大かくだいする「1つのはしらになる」(同社どうしゃコンシューマーソリューションズ部長ぶちょう寺尾てらおりんじん)とみる。

 日本にっぽん経済けいざいはコロナによっておおきなダメージをけ、消費しょうひ支出ししゅつ減少げんしょうしているが、これは一時いちじてき減少げんしょうで、それよりもオンラインやキャッシュレスなみは、コロナ加速かそくした恒常こうじょうてき変化へんかだと寺尾てらおはなす。

デビットカード コロナやキャッシュレスによって市場いちば変化へんかしているが、一時いちじてき変化へんかだけでなく、恒常こうじょうてき変貌へんぼうきている

 このキャッシュレスをさらに拡大かくだいする原動力げんどうりょくとして、寺尾てらおはタッチ決済けっさい、トークン、デビットという3つのポイントをげる。

デビットカード Visaのキャッシュレス戦略せんりゃくおおきなはしらの1つがデビットカード

店舗てんぽ銀行ぎんこうにとってもメリットがおおきいデビットカード

 デビットカードは、決済けっさい金額きんがくをそのまま銀行ぎんこう口座こうざからとす銀行ぎんこう直結ちょっけつがた決済けっさいだ。即時そくじとされるため、口座こうざ残高ざんだか以上いじょう支払しはらいはできず、つね残高ざんだか把握はあくできるので安心あんしんかんがある。Visaブランドのついたデビットカードなら、Visa加盟かめいてんでクレジットカードと同様どうよう一部いちぶのぞく)に利用りようできるため、国内外こくないがいおおくの場所ばしょ支払しはらいができる。

デビットカード デビットカードのメリット。利用りようしゃへのアンケート調査ちょうさでも、口座こうざ直結ちょっけつやVisa加盟かめいてん使つかえるてんなどが評価ひょうかされていたという

 クレジットカードとおなじセキュリティ技術ぎじゅつ使つかわれており、不正ふせい利用りようかんなどもおこなわれている。クレジットカードのようにポイントやキャッシュバックといったサービスもあるので、「現金げんきんよりおとく使つかえる」(どう)というてん利用りようしゃにとってのメリットだ。

 くわえて、「社会しゃかいてきなメリットがある」(寺尾てらお)こともデビットカードの特徴とくちょうだ。デビットカードでの決済けっさいは、原理げんりてきに「ATMで現金げんきん口座こうざから現金げんきんし、その現金げんきんって店舗てんぽき、商品しょうひん購入こうにゅうする」のとおなじだ。現金げんきん手間てまがなくなり、現金げんきんはこ必要ひつようもないため、「だつ現金げんきん」につながる。これによってATM維持いじコスト、現金げんきん運搬うんぱんなどの関連かんれんコストが削減さくげんできるというのがメリットの1つだ。店舗てんぽにとっても、現金げんきんれば入金にゅうきん両替りょうがえなどの手数料てすうりょう削減さくげんできる。

デビットカード 画像がぞうのオレンジしょく利用りようしゃのメリットで、あお社会しゃかいてきなメリット

 銀行ぎんこうにとってのメリットもおおきい。従来じゅうらいのキャッシュカードは頻繁ひんぱん使つかうものではなかったが、デビットカードは支払しはらいのたびに使つかうため、銀行ぎんこうにとっては顧客こきゃくとの接点せってんえる。デビットカードは、いわば現金げんきんのデジタルになるため、利用りようしゃ決済けっさいデータが銀行ぎんこうがわ把握はあくできるようになり、こうしたデータを活用かつようしたマーケティングなどのデータ活用かつようにつなげられる。

デビットカード 現金げんきんしてはこ従来じゅうらい使つかかたたいして、カードでそのまま支払しはらえるデビットカードは、銀行ぎんこうにとってデジタル、データといったメリットがある
デビットカード これによって、コスト削減さくげんだけでなくマーケティングなどの新規しんきビジネス創出そうしゅつ期待きたいできる

デビットカードに注力ちゅうりょくする千葉銀行ちばぎんこう、アプリによる顧客こきゃく接点せってん拡大かくだい

 こうしたてんからデビットカードにちかられているのが千葉銀行ちばぎんこうだ。もともと同社どうしゃではグループ会社かいしゃがカードビジネスをおこなってきたが、千葉銀行ちばぎんこう本体ほんたいでもカードビジネスにむようになったという。その背景はいけいには、「2025ねんにキャッシュレス比率ひりつ40%」という政府せいふ目標もくひょう達成たっせいが「確実視かくじつしされている」(千葉銀行ちばぎんこう執行しっこう役員やくいんカード事業じぎょう部長ぶちょう・俣木洋一よういちてんがある。

デビットカード 千葉銀行ちばぎんこうではVisaデビットの利用りよう促進そくしんはかっている

 キャッシュレス進展しんてんすると、「従来じゅうらい銀行ぎんこう関与かんよしていた決済けっさい取引とりひき縮小しゅくしょうする」(どう)。そのため、銀行ぎんこう本体ほんたい本気ほんきになって必要ひつようがある、と判断はんだんしたという。

 千葉銀行ちばぎんこう本体ほんたいがVisaのライセンスを取得しゅとくして加盟かめいてん事業じぎょう開始かいししたのが2019ねん10がつ。カード業務ぎょうむやシステムをうちせいして加盟かめいてん管理かんりシステムと決済けっさいセンターを行内こうないち、2020ねん10がつにはあらたにVisaデビットの発行はっこう開始かいしした。従来じゅうらいのデビットカードにたいして年会ねんかい無料むりょう実現じつげんしたことで、すべての口座こうざたいしてデビットカードが発行はっこうできるようになったという。

 俣木によれば、うちせいやVisaデビットなどによるコスト削減さくげんで、独自どくじのポイント戦略せんりゃくせるようになった。千葉銀行ちばぎんこう地銀ちぎん連携れんけいのTSUBASAアライアンスに参画さんかくしており、全国ぜんこく地銀ちぎん10ぎょう連携れんけいしたポイント事業じぎょうである「TSUBASAポイント」を、Visaデビット利用りよう付与ふよできるようになったそうだ。

 千葉銀行ちばぎんこうでは、従来じゅうらいのキャッシュカード単体たんたいからVisaデビットが付帯ふたいしたカードへのえを推進すいしんしており、さらにプラチナカードや法人ほうじんカードも用意よういし、多様たようなニーズに対応たいおうすることで決済けっさい利用りよう拡大かくだい目指めざす。

 デビットカード利用りようによる決済けっさいだけではなく、決済けっさい通知つうちをスマートフォンようのバンキングアプリでおこなうことによって、アプリを使つかった顧客こきゃく接点せってん拡大かくだいもメリットだと俣木指摘してきする。

 「従来じゅうらい有人ゆうじん店舗てんぽ接点せってんが、バンキングアプリに急速きゅうそくわっている」と俣木千葉銀行ちばぎんこうでは、デビットカードの利用りよう決済けっさいデータを把握はあくできることにくわえ、バンキングアプリへの接点せってんえることで、パーソナライズサービスの提供ていきょう金融きんゆうサービスの確立かくりつ注力ちゅうりょくしているという。

デビットカード デジタル進展しんてんで、スマホアプリ利用りよう拡大かくだい。アプリから銀行ぎんこうサービスへつなげることが重要じゅうようされるようになった

 たとえば、千葉銀行ちばぎんこうのデビットカード加盟かめいてんのおとく情報じょうほうを、パーソナライズしたデビットカード会員かいいん配信はいしんしておくきゃくすることで、地域ちいき活性かっせいにもつなげるといった戦略せんりゃくえがく。このように千葉銀行ちばぎんこうでは、デジタルバンク戦略せんりゃく重要じゅうよう要素ようそとして位置付いちづけ、今後こんご注力ちゅうりょくしていく。

デビットカード アプリへの接点せってんとしてデビットカードは重要じゅうよう役割やくわりになう。くわえて、決済けっさいデータの拡大かくだいでパーソナライズやデータベースマーケティングの精度せいど向上こうじょう期待きたいでき、金融きんゆうサービスや地域ちいきエコシステムといったビジネス拡大かくだいももくろむ
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