なぜ？　ドコモのスマホから消きえた「docomo」ロゴ　その理由りゆうを聞きいた

[田中たなか聡さとし，ITmedia]

　5月に入はいってどとうの製品せいひん発表はっぴょうラッシュが続つづいているが、その中なかで気きになることがある。5月以降いこうにドコモが発表はっぴょうしたAndroidスマートフォンに、「docomo」ロゴが見当みあたらなくなったのだ。

　5月8日にちに発表はっぴょうしたサムスン電子でんし製せい「Galaxy A55」とシャープ製せい「AQUOS R9」「AQUOS wish4」を皮切かわきりに、5月15日にち発表はっぴょうのソニー製せい「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」と、5月16日にち発表はっぴょうのFCNT製せい「arrows We2」「arrows We2 Plus」は、いずれも本体ほんたいにdocomoロゴを採用さいようしていない。

【訂正ていせい：2024年ねん5月がつ21日にち15時じ55分ふん 初出しょしゅつ時じ、「arrows We2」「arrows We2 Plus」の製品せいひん名めいに誤あやまりがありました。おわびして訂正ていせいいたします。】

　これまで、iPhoneとPixelを除のぞき、ドコモが販売はんばいするAndroidスマートフォンには、docomoのロゴが採用さいようされていた。ロゴのパターンとしては、「NTT docomo Xi」ロゴをディスプレイの上うえに入いれたり、「docomo>>5G」ロゴを背面はいめんに入いれたりすることも過去かこにはあったが、近年きんねんは背面はいめんに「docomo」ロゴを入いれるケースが多おおい。

　ロゴは、その製品せいひんの象徴しょうちょうといえるものであり、docomoロゴは、ドコモが扱あつかうスマートフォンを示しめすものだ。だが、ドコモに限かぎらず、端末たんまつにキャリアロゴを入いれることに対たいして、筆者ひっしゃの周まわりで好意こうい的てきな声こえを聞きくことは少すくない。

　ドコモ側がわで何なんらか方針ほうしんに変更へんこうがあったのだろうか。同社どうしゃ広報こうほうに聞きいてみた。

――　5月がつ以降いこう発表はっぴょうの機種きしゅで、Pixel以外いがいのAndroidスマートフォンでdocomoロゴをなくした理由りゆうを教おしえてください。

ドコモ　共通きょうつうの部材ぶざいに変更へんこうすることで廃棄はいき部材ぶざいの削減さくげんや開発かいはつコスト・工数こうすうを削減さくげんし、サステナビリティな社会しゃかいへ貢献こうけんしていくため、販売はんばいやアフターサービスへの影響えいきょうやユーザーニーズも鑑かんがみ、一部いちぶモデルにおいてはロゴを外はずす判断はんだんをしております。

――　今後こんごも、ドコモのAndroidスマートフォンや携帯けいたい端末たんまつにはdocomoロゴは載のらなくなるのでしょうか？

ドコモ　個々ここの商品しょうひん性せいやユーザーニーズを踏ふまえて判断はんだんしてまいります。

　これまで当あたり前まえのように入はいっていたdocomoロゴだが、それを入いれるにあたっては当然とうぜんコストが発生はっせいする。ロゴを外はずすことで、その分ぶんのコストを削減さくげんできるようになる。それが直接ちょくせつ販売はんばい価格かかくに反映はんえいされるかは分わからないが、キャリア側がわの負担ふたんが軽減けいげんされるのは確たしかだ。

　「共通きょうつうの部材ぶざい」という点てんにも注目ちゅうもくしたい。今回こんかい、ロゴが外はずれたスマートフォンは、他たキャリアやオープンマーケット向むけにも販売はんばいされる。キャリアを問とわず、共通きょうつうの部材ぶざいを使つかえれば、複数ふくすうの販路はんろで在庫ざいこを柔軟じゅうなんにコントロールでき、その結果けっか、廃棄はいきが減へれば環境かんきょう保護ほごにも貢献こうけんできる。また、スマートフォンが故障こしょうして修理しゅうりをする場合ばあい、共通きょうつうの部材ぶざいを調達ちょうたつできれば、修理しゅうり対応たいおうもスムーズになるだろう。

　ユーザーニーズが大おおきな判断はんだん材料ざいりょうになったのは言いわずもがなだが、キャリアロゴがなくなることは、キャリアにとってもメリットが大おおきいことが分わかる。

　今いまやスマートフォンはSIMロックフリーが標準ひょうじゅん仕様しようになり、ドコモから購入こうにゅうしたスマートフォンを、他たキャリアのSIMで使つかうケースも増ふえているだろう。そうなると、キャリアロゴを載のせる意義いぎは薄うすく、言葉ことばは悪わるいが「ノイズ」と捉とらえられても仕方しかたがない。今回こんかいの新しん機種きしゅでdocomoロゴをなくした背景はいけいには、こうした時流じりゅうも関係かんけいしているはずだ。

　ちなみに、現時点げんじてんでdocomoロゴが載のっている最新さいしんの機種きしゅは、4月がつに発売はつばいした「Galaxy S24」と「Galaxy S24 Ultra」。なお、ドコモは今後こんご全すべてのスマートフォンでロゴを撤廃てっぱいするとは明言めいげんしていない。「MONO」のような、ドコモオリジナルスマホが登場とうじょうすればdocomoロゴは載のりそうだが、今後こんごもグローバルや国内こくないの共通きょうつうモデルを展開てんかいするとなると、Galaxy S24／S24 Ultraが最後さいごの“docomoロゴ搭載とうさいスマートフォン”になるかもしれない。