　公正こうせい取引とりひき委員いいん会かい（公取委こうとりい）は4月がつ22日にち、米べいGoogleに対たいして独占どくせん禁止きんし法ほうに基もとづく行政ぎょうせい処分しょぶんを行おこなったと発表はっぴょうした。同社どうしゃはLINEヤフーに対たいし広告こうこく配信はいしんに関連かんれんする技術ぎじゅつの提供ていきょうを制限せいげんしたことで独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいがあったが、公取委こうとりいに改善かいぜんのための確かく約やく計画けいかくを提出ていしゅつし、同どう委員いいん会かいはこれを認定にんていした。

公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいWebサイトより

　LINEヤフー（旧きゅうヤフー）は、Googleと2010年ねんに事業じぎょう提携ていけい。検索けんさくエンジンや検索けんさく連動れんどう型がた広告こうこくの技術ぎじゅつ提供ていきょうを受うけていたが、14年ねんに契約けいやく変更へんこうがあり、検索けんさく連動れんどう型がた広告こうこくを配信はいしんする事業じぎょう者しゃに、Webサイトの広告こうこく枠わくで得えられた収益しゅうえきの一部いちぶを分配ぶんぱいする「モバイルシンジケーション取引とりひき」について、15年ねん9月がつから22年ねん10月がつまでの7年間ねんかんにわたって技術ぎじゅつ提供ていきょうを制限せいげんされてきたという。

公正こうせい取引とりひき委員いいん会かい発表はっぴょう「(令れい和わ6年ねん4月がつ22日にち)本件ほんけんの概要がいよう」より

　もともと旧きゅうヤフーは、検索けんさくエンジンや検索けんさく連動れんどう型がた広告こうこくなどの技術ぎじゅつを有ゆうしておらず、米べいYahoo!から提供ていきょうを受うけていた。しかし、09年ねん7月がつに米べいYahoo!側がわが開発かいはつ停止ていしを決定けってい。代替だいたいを探さがしていた旧きゅうヤフーは、同様どうようの技術ぎじゅつを持もっていたGoogleから提供ていきょうを受うけることとなった。

　両社りょうしゃは該当がいとう技術ぎじゅつの提供ていきょう契約けいやくにあたり、公取委こうとりいに独占どくせん禁止きんし法ほう上じょうに関かんして相談そうだんしている。そこでGoogleからの技術ぎじゅつ提供ていきょうを受うけたとしても、検索けんさくサービス／検索けんさく連動れんどう型がた広告こうこくをそれぞれ独自どくじに運営うんえいし、広告こうこく主ぬしや入札にゅうさつ価格かかくなどの情報じょうほうを完全かんぜんに分離ぶんりすることで、引ひき続つづき競争きょうそう関係かんけいを維持いじできるとの両社りょうしゃからの説明せつめいを踏ふまえ、公取委こうとりいとしては独禁法どっきんほう上じょう問題もんだいにはならないと回答かいとうしたという。

　一方いっぽう、今回こんかいのモバイルシンジケーション取引とりひきに関かんする制限せいげんについては、独占どくせん禁止きんし法ほうの「私的してき独占どくせん」や「不ふ公正こうせいな取引とりひき方法ほうほう」に当あたる疑うたがいがあると指摘してきしており、24年ねん3月がつ22日にちにGoogleに対たいして確かく約やく手続てつづきにかかわる通知つうちを実施じっし。同社どうしゃは公取委こうとりいに対たいして改善かいぜん計画けいかくを提出ていしゅつし、同どう委員いいん会かいは措置そち内容ないようの十分じゅうぶん性せいと確実かくじつ性せいを認みとめたことで確かく約やく手続てつづきが完了かんりょうした。

　確かく約やく手続てつづきが完了かんりょうしたことでGoogleは独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんとはならず、排除はいじょ措置そち命令めいれいや課徴かちょう金きん納付のうふ命令めいれいは行おこなわれない。公取委こうとりいは今後こんごも監視かんしを続つづけ、認定にんていした確かく約やく計画けいかくに従したがって確かく約やく計画けいかくが実施じっしされていないなどの場合ばあいには、独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの調査ちょうさを再開さいかいする。