親族しんぞくが亡なくなったとき、身内みうちの者ものは喪もに服ふくしますが、このことを「服ふく忌きぶっき」といいます。
「忌き」とは故人こじんの祀まつりに専念せんねんする期間きかん、「服ふく」とは故人こじんへの哀悼あいとうの気持きもちを表あらわす期間きかんのことをいいます。
戦前せんぜんまでは、江戸えど時代じだいに定さだめられた「服ふく忌き令れい」が公的こうてきな基準きじゅんとして用もちいられていました。 この「服ふく忌き令れい」によると、最もっとも期間きかんが長ながいのが父母ちちははの場合ばあいで、「忌き」が五ご十じゅう日にち、「服ふく」十じゅう三さんヵ月かげつでした。それ以外いがいの親族しんぞくは、「親等しんとう」が離はなれるに従したがい期間きかんが短縮たんしゅくされています。
戦後せんご、官公庁かんこうちょうなどでは職員しょくいんの服務ふくむ規程きていの中なかで、「忌引きびき」の期間きかんが定さだめられました。 配偶はいぐう者しゃは十じゅう日間にちかん、父母ちちははは七なな日間にちかんとするのが一般いっぱん的てきなようですが、基本きほん的てきには各かく地域ちいきの慣例かんれいに従したがっているのが現状げんじょうです。
「服ふく忌き」については、地域ちいきに慣例かんれいがある場合ばあい、その慣例かんれいに従したがうのが適切てきせつです。特とくに慣例かんれいがない場合ばあいには、五ご十じゅう日にち祭さいまでが「忌き」の期間きかん、一いち年ねん祭さい（一いち周忌しゅうき）までを「服ふく」の期間きかんとするのが一般いっぱん的てきでしょう。 ですから「忌き」の期間きかんである五ご十じゅう日にちを過よぎれば、原則げんそくとして神事しんじを再開さいかいしても差さし支つかえないと考かんがえられます。 「忌き」の期間きかん中ちゅうは、神社じんじゃへの参拝さんぱいを遠慮えんりょしますが、やむを得えない場合ばあいには、お祓はらいを受うけるのがよいでしょう。
