「神宮じんぐう」「神社じんじゃ」の名称めいしょうは、神社じんじゃ名めいに付ふされる称号しょうごうで社しゃ号ごうといいます。
現在げんざい、単たんに「神宮じんぐう」といえば、伊勢いせの神宮じんぐうを示しめす正式せいしき名称めいしょうとして用もちいられています。また「○○神宮じんぐう」の社しゃ号ごうを付ふされている神社じんじゃには、皇祖こうそこうそをお祀まつりしている霧島きりしま神宮じんぐうや鹿児島かごしま神宮じんぐう、また天皇てんのうをお祀まつりしている平安へいあん神宮じんぐうや明治めいじ神宮じんぐうなどがあります。このほか、石上いしがみいそのかみ神宮じんぐうや鹿島かしま神宮じんぐう・香取かとり神宮じんぐうなど特定とくていの神社じんじゃに限かぎられています。
これに対たいして「神社じんじゃ」は、その略称りゃくしょうである「社しゃ」とともに一般いっぱんの神社じんじゃに対たいする社しゃ号ごうとして広ひろく用もちいられています。また、「宮みや」や「大社たいしゃ」などの社しゃ号ごうもあり、「宮みや」は天皇てんのうや皇族こうぞくをお祀まつりしている神社じんじゃや由緒ゆいしょにより古ふるくから呼称こしょうとして用もちいられている神社じんじゃに使つかわれます。「大社たいしゃ」はもともと、天孫てんそんてんそんに国くに譲ゆずりをおこない、多大ただいな功績こうせきをあげた大国たいこく主命しゅうめいおおくにぬしのみことを祀まつる出雲いずも大社たいしゃを示しめす社しゃ号ごうとして用もちいられてきました。しかし、現在げんざい「大社たいしゃ」は、広ひろく崇敬すうけいを集あつめる神社じんじゃでも使つかわれています。
このほか、社しゃ号ごうと異ことなりますが、古ふるくから神様かみさまの名前なまえに「大神おおがみ」や「大明神だいみょうじん」、また神仏しんぶつ習合しゅうごうの影響えいきょうによる「権現ごんげん」といった称号しょうごうを付ふして、社しゃ号ごうに類るいするものとして一般いっぱん的てきに用もちいられ、信仰しんこうされている社しゃもあります。
このように神社じんじゃにより社しゃ号ごうは異ことなりますが、それぞれの神社じんじゃに対たいする人々ひとびとの篤あつい信仰しんこうにはいささかの変かわりもありません。