全国ぜんこくの神社じんじゃについては、皇祖こうそこうそ天照大御神あまてらすおおみかみあまてらすおおみかみをお祀まつりする伊勢いせの神宮じんぐうを別格べっかくの御ご存在そんざいとして、このほかを氏神うじがみ神社じんじゃと崇敬すうけい神社じんじゃの二ふたつに大おおきく分わけることができます。
氏神うじがみ神社じんじゃとは、自みずからが居住きょじゅうする地域ちいきの氏神うじがみ様さまをお祀まつりする神社じんじゃであり、この神社じんじゃの鎮座ちんざする周辺しゅうへんの一定いってい地域ちいきに居住きょじゅうする方ほうを氏子うじこうじこと称しょうします。
元来がんらいは、文字通もじどおり氏姓しせいを同おなじくする氏族しぞくの間あいだで、自みずからの祖神そしん(親おや神しん)や、氏族しぞくに縁えんの深ふかい神様かみさまを氏神うじがみと称しょうして祀まつったことに由来ゆらいし、この血縁けつえん的てき集団しゅうだんを氏子うじこと呼よんでいました。現在げんざいのような地縁ちえん的てきな関係かんけいを指さしては、産土神うぶすながみうぶすながみと産さん子こうぶこという呼称こしょうがありますが、地縁ちえん的てき関係かんけいについても、次第しだいに氏神うじがみ・氏子うじこという呼よび方かたが、混同こんどうして用もちいられるようになりました。
これに対たいして崇敬すうけい神社じんじゃとは、こうした地縁ちえんや血縁けつえん的てきな関係かんけい以外いがいで、個人こじんの特別とくべつな信仰しんこう等とうにより崇敬すうけいされる神社じんじゃをいい、こうした神社じんじゃを信仰しんこうする方ほうを崇敬すうけい者しゃと呼よびます。神社じんじゃによっては、由緒ゆいしょや地勢ちせい的てきな問題もんだいなどにより氏子うじこを持もたない場合ばあいもあり、このため、こうした神社じんじゃでは、神社じんじゃの維持いじや教化きょうか活動かつどうのため、崇敬すうけい会かいなどといった組織そしきが設もうけられています。
氏神うじがみ神社じんじゃと崇敬すうけい神社じんじゃの違ちがいとは、以上いじょうのようなことであり、一人ひとりの方ほうが両者りょうしゃを共ともに信仰しんこう(崇敬すうけい)しても差さし支つかえないわけです。