多おおくの神社じんじゃには、拝殿はいでんの中央ちゅうおう、ちょうど賽銭さいせん箱ばこの真上まうえあたりに、銅どうや真鍮しんちゅう製せいの大おおきな鈴すずが吊つられており、この鈴すずに添そえて麻あさ縄なわや、紅白こうはく・五色ごしきの布ぬのなどを垂たらして、参拝さんぱい者しゃはこれを振ふり動うごかして鈴すずを鳴ならし、お参まいりをします。
社頭しゃとうに設もうけられた鈴すずは、その清々すがすがしい音色ねいろで参拝さんぱい者しゃを敬虔けいけんな気持きもちにするとともに参拝さんぱい者しゃを祓はらい清きよめ、神霊しんれいの発動はつどうを願ねがうものと考かんがえられています。
また、巫女ふじょが神楽かぐら舞まいを舞まう際さいに用もちいる神楽かぐら鈴すずも、社頭しゃとうの鈴すずと同様どうようの意味いみによるものです。古ふるくは巫女ふじょが神楽かぐらを舞まうことにより神憑かみがかりして人々ひとびとに神かみの意思いしを伝つたえており、このために必要ひつようなものとされていました。
今日きょうでは巫女ふじょによる神楽かぐら舞まいが優雅ゆうがな形かたちに定さだめられ、神憑かみがかりというより神慮しんりょを慰なぐさめるものとしての意味合いみあいが強つよくなり、神楽かぐら舞まいの後のちに参拝さんぱい者しゃに対たいしておこなわれる鈴すず振ふり行事ぎょうじは、祓はらい清きよめの意味いみを有ゆうするものということができます。このほか、御守おまもりなどの授与じゅよ品ひんに鈴すずが用もちいられるのは、魔除まよけけや厄除やくよけ開運かいうんためともいわれています。