大祓おおはらいは、我々われわれ日本人にっぽんじんの伝統でんとう的てきな考かんがえ方かたに基もとづくもので、常つねに清きよらかな気持きもちで日々ひびの生活せいかつにいそしむよう、自みずからの心身しんしんの穢けがれ、そのほか、災厄さいやくの原因げんいんとなる諸々もろもろの罪つみ・過あやまちを祓はらい清きよめることを目的もくてきとしています。
この行事ぎょうじは、記紀きき神話しんわに見みられる伊い弉諾尊みこといざなぎのみことの禊祓みそぎはらいみそぎはらいを起源きげんとし、宮中きゅうちゅうにおいても、古ふるくから大祓おおはらいがおこなわれてきました。中世ちゅうせい以降いこう、各かく神社じんじゃで年中ねんじゅう行事ぎょうじの一ひとつとして普及ふきゅうし、現在げんざいでは多おおくの神社じんじゃの恒例こうれい式しきとなっています。
年としに二に度どおこなわれ、六月ろくがつの大祓おおはらいを夏越なごしなごしの祓はらいと呼よびます。大祓おおはらい詞しを唱となえ、人形にんぎょうひとがた（人ひとの形かたちに切きった白紙はくし）などを用もちいて、身みについた半年はんとし間あいだの穢けがれを祓はらい、無病むびょう息災そくさいを祈いのるため、茅ちがやや藁わらを束たばねた茅ちの輪わちのわを神前しんぜんに立たてて、これを三さん回かいくぐりながら「水無月みなづきの夏越なごしの祓はらいする人ひとは千歳ちとせの命いのちのぶというなり」と唱となえます。また、十二月じゅうにがつの大祓おおはらいは年とし越えつの祓はらいとも呼よばれ、新あらたな年としを迎むかえるために心身しんしんを清きよめる祓はらいです。
私わたしたちにとって、その年々ねんねんの節目ふしめにおこなわれる大祓おおはらいは、罪つみや穢けがれを祓はらうとともに、自みずからを振ふり返かえるための機会きかいとしても、必要ひつようなことではないでしょうか。
