神道しんとうのお墓はか

神式しんしきと仏式ぶっしきのお墓はかの違ちがいですが、両者りょうしゃとも一般いっぱん的てきに形かたちは似にており大おおきな違ちがいはありません。
これは、お墓はかを設もうけること自体じたいがインドを発祥はっしょうとする元来がんらいの仏教ぶっきょうの教おしえにはなかったことであり、祖先そせんのおまつりを行おこなうという日本にっぽんの風俗ふうぞく習慣しゅうかんに基もとづくものだからです。

日本にっぽんでは各かく家庭かていの祖そ霊れい舎しゃ(それいしゃ)や仏壇ぶつだんで祖先そせんのおまつりを行おこない、納骨のうこつをする墓地ぼちにおいても同様どうようにおまつりし、供養くようが行おこなわれてきました。

お墓はかは、古代こだいにおける墳墓ふんぼから仏教ぶっきょうの影響えいきょうにより火葬かそうが行おこなわれるようになった中世ちゅうせい、寺てら請制度せいど(てらうけせいど)により広ひろく一般いっぱん民衆みんしゅうに至いたるまで墓はかが築きずかれるようになった江戸えど時代じだい以降いこうという歴史れきし的てき変遷へんせんをたどることができます。
また、埋うめ墓はか(うめばか)と詣まい墓はか(まいりばか)の2つのお墓はかを築きずく両りょう墓はか制せいを行おこなうといった地域ちいきの風習ふうしゅうによる違ちがいなどもあり、神仏しんぶつによる違ちがいについて一概いちがいに特徴とくちょうを挙あげることはできません。

神式しんしきでは墓石はかいしの頭部とうぶが平坦へいたんではなく、先端せんたん部ぶを尖とがらせて四方しほうを鋭角えいかくに刻きざむ剣先けんさき上じょうの形かたちとしているなどの事例じれいがあります。

また、仏式ぶっしきではお線香せんこう立だてがありますが、神式しんしきでは供物くもつを供そなえる台だいが設もうけられ、墓石はかいしの正面しょうめんには「～家かの奥津おくつ(都と)城しろ(おくつき)」のように家名かめいと「奥津おくつ(都と)城しろ(おくつき)」の文字もじを記しるすことがあります。
仏式ぶっしきの戒名かいみょうは用もちいず、墓石はかいしに故人こじんの名なを刻きざむときは、男性だんせいは大人おとな(うし)、女性じょせいは刀自とじ(とじ)などの尊称そんしょうを生前せいぜんの姓名せいめいの下したに付ふした諡おくりな名めい(おくりな)を用もちいます。

このほか、自然しぜん石せきに家名かめいを刻きざんで用もちいたり、墳丘ふんきゅう型がたという土饅頭どまんじゅうの形態けいたいにしたり、墓前ぼぜんに鳥居とりいを設もうけたりしたものなども神式しんしきの特徴とくちょうとしてあげることが出来できます。