お神かみ札さつふだのまつり方かた

日本にっぽんでは古ふるくから、お正月しょうがつにお迎むかえする歳とし神かみさまをはじめ、台所だいどころには竈かまど神かみさま、井戸いどには井戸いど神かみさまなど、さまざまな神かみさまをおまつりし、日々ひびの暮くらしをささえて下くださる神かみ々の恵めぐみに感謝かんしゃしてきましたが、近世きんせい以降いこうは、伊勢いせの神宮じんぐうのお神かみ札さつ（神宮じんぐう大麻たいま）と氏神うじがみさまのお神かみ札さつ、また特別とくべつに崇敬すうけいしている神社じんじゃがあれば、それらのお神かみ札さつを神棚かみだな等とうを設もうけ、おまつりすることが一般いっぱん的てきとなりました。

おまつりする場所ばしょ

家庭かていにお神かみ札さつをまつり、家族かぞくがお参まいりをする「家庭かていのまつり」は、日常にちじょう生活せいかつにおける一家いっかの中心ちゅうしんとなる行事ぎょうじですから、お神かみ札さつをおまつりする場所ばしょは、家いえの内うちでも家族かぞくが集あつまる清浄せいじょうなところを選えらぶようにしましょう。一般いっぱん的てきには、清きよらかで明あかるく、静しずかで高たかいところに、南みなみ向むき、あるいは東ひがし向むきにおまつりするのがよいと言いわれ、座敷ざしきにおまつりすることも多おおいようです。

しかし、今日きょうの住宅じゅうたく事情じじょうでは、このような場所ばしょが見当みあたらないことも多おおく、どのようにおまつりしたらよいのか判わからないという声こえがあります。

こうした場合ばあいは、家族かぞくが親したしみを込こめて、毎日まいにちお参まいりのできる場所ばしょを第だい一いちに考かんがえるとよいでしょう。何なによりも、尊とうとぶ心しんを持もって、日々ひび丁重ていちょうにおまつりすることが大切たいせつです。

神棚かみだなかみだな（宮みや形がたみやがた）について

家庭かていのまつりを行おこなう場所ばしょが決きまりましたら、より丁重ていちょうにおまつりするために神棚かみだなや宮みや形がたを用意よういするとよいでしょう。宮みや形がたは、一般いっぱん的てきに「神棚かみだな」とも呼よばれますが、厳密げんみつにはお神かみ札さつをおまつりする棚たなを神棚かみだなといい、お神かみ札さつを納おさめるお宮みやを模もした入いれ物ものを「宮みや形がた」といいます。宮みや形がたの形かたちや大おおきさは様々さまざまですが、おまつりする場所ばしょ（神棚かみだなの幅はば、高たかさ、奥行おくゆき）を考かんがえて適当てきとうなものを選えらびます。

最近さいきんでは、洋間ようまに合あうデザインの宮みや形がたも多おおくなってきましたので、住すまいに調和ちょうわした宮みや形がたを探さがすのもよいでしょう。

また、伝統でんとう的てきに神棚かみだなや宮みや形がたを用もちいずにお神かみ札さつをおまつりする地域ちいきもあります。その際さいは、地域ちいきの伝統でんとうを大切たいせつにしておまつりするとよいでしょう。お神かみ札さつをおまつりする場所ばしょや神棚かみだなの位置いち、宮みや形がたの有無うむ等とうに捉われ過すぎておまつりをしないよりも、出来できる形かたちでおまつりすることが大切たいせつです。

神棚かみだな（宮みや形がた）のいろいろ

お神かみ札さつふだのまつり方かた

お神かみ札さつをまつる御ご神座かんざの順位じゅんいは、中央ちゅうおうを最さい上位じょういとし、次つぎが向むかって右みぎ、その次つぎが向むかって左ひだりになります。

三さん社しゃ造づくりの宮みや形がたでは、中央ちゅうおうに日本人にっぽんじんの総そう氏神うじがみさまである伊勢いせの神宮じんぐうのお神かみ札さつ（神宮じんぐう大麻たいま）を、向むかって右みぎに地元じもとの氏神うじがみさまのお神かみ札さつを、向むかって左ひだりに崇敬すうけいしている神社じんじゃのお神かみ札さつをお納おさめします。その他たに、神社じんじゃにお参まいりをされた際さいに受うけたお神かみ札さつは、向むかって左ひだりにおまつりした崇敬すうけい神社じんじゃのお神かみ札さつの後うしろに重かさねてお納おさめするとよいでしょう。

一いち社しゃ造づくりの宮みや形がたの場合ばあいは、神宮じんぐう大麻たいまを一番いちばん手前てまえに、その後うしろに氏神うじがみさま、その後うしろに崇敬すうけいする神社じんじゃのお神かみ札さつを重かさねてお納おさめします。その他たに、神社じんじゃにお参まいりをされた際さいに受うけたお神かみ札さつは、更さらに後うしろに重かさねてお納おさめするとよいでしょう。

お神かみ札さつの数かずが増ふえて、宮みや形がたにお納おさめすることができなくなったときや、宮みや形がたに入はいらない大おおきさのお神かみ札さつは、宮みや形がたの横よこに丁寧ていねいに並ならべておまつりします。

また、宮みや形がたを用もちいずにおまつりする場合ばあいも上記じょうきにならって丁重ていちょうにおまつりします。

三さん社しゃ造づくり

中央ちゅうおうに神宮じんぐう大麻たいま、右みぎに氏神うじがみ神社じんじゃのお神かみ札さつ、左ひだりに崇敬すうけいする神社じんじゃのお神かみ札さつ
 
一いち社しゃ造づくり

手前てまえから神宮じんぐう大麻たいま、氏神うじがみ神社じんじゃのお神かみ札さつ、崇敬すうけいする神社じんじゃのお神かみ札さつ

お神かみ札さつふだを取とり換かえる

年としの暮くれには、大だい掃除そうじをして新あたらしい年としを迎むかえる準備じゅんびをしますが、同様どうように、神棚かみだなもきれいに掃除そうじをして、新あたらしいお神かみ札さつをおまつりして新年しんねんを迎むかえます。古ふるいお神かみ札さつは、一いち年間ねんかんお守もりいただいたことに感謝かんしゃ申もうし上あげてから、お神かみ札さつを受うけた神社じんじゃの古こ神かみ札さつ納所なっしょ等とうへ納おさめてお焚たき上あげをしていただき、新あたらしいお神かみ札さつをお受うけします。遠とおくの神社じんじゃで受うけたお神かみ札さつで納おさめに行いくのが困難こんなんな場合ばあいは、近ちかくの神社じんじゃなどにお焚たき上あげしていただけるか問とい合あわせてから納おさめに行いくのがよいでしょう。

多おおくの神社じんじゃでは、大晦日おおみそかから一いち月がつ十じゅう五ご日にち（小正月こしょうがつ）までの間あいだに左義長さぎちょうやどんど焼しょう等とうが行おこなわれ、正月しょうがつ飾かざりなどとともに古ふるいお神かみ札さつや、お守まもりなどがお焚たき上あげされます。

御ご参考さんこうに小しょう冊子さっし（PDF）もご覧らん下ください。

「暮くらしの中なかの神棚かみだな［お神かみ札さつを家庭かていに］」