WHOが採択した世界障害行動計画 | リハビリテーションとは

ホーム > リハビリテーションとは > WHOが採択さいたくした世界せかい障害しょうがい行動こうどう計画けいかく

障害しょうがい者しゃに関かんする世界せかい行動こうどう計画けいかくとは

障害しょうがい者しゃに関かんする世界せかい行動こうどう計画けいかくは、1982年ねん12月3日にち第だい37回かい国連こくれん総会そうかいにおいて採択さいたくされた障害しょうがいのある人々ひとびとの人権じんけんを促進そくしんするための政策せいさく枠組わくぐみです。1981年ねんの国際こくさい障害しょうがい者しゃ年ねんの趣旨しゅしをより具体ぐたい的てきなものとするために，障害しょうがいの予防よぼう、障害しょうがい者しゃのリハビリテーション、および、障害しょうがい者しゃの機会きかい均等きんとう化かという３みっつの目標もくひょうを掲かかげました。また、この計画けいかくの実施じっしを推進すいしんするため，同日どうじつ、1983年ねんから1992年ねんの10年間ねんかんを「国連こくれん・障害しょうがい者しゃの十じゅう年ねん」と宣言せんげんしました。

障害しょうがいの予防よぼう

障害しょうがいの予防よぼうには、３みっつのレベルが考かんがえられます。身体しんたい障害しょうがいや精神せいしん障害しょうがいなどの発生はっせいを防ふせぐことが1次じ予防よぼうです。例たとえば、交通こうつう事故じこを少すくなくする、職場しょくばでのストレス小ちいさくする、生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうにならないように運動うんどうをするなど、日常にちじょう生活せいかつや社会しゃかい生活せいかつのあり方かたと強つよい関係かんけいがあります。

2次じ予防よぼうは、障害しょうがいが発生はっせいしてしまった場合ばあいに、その障害しょうがいを軽減けいげんしたり、2次じ障害しょうがいがおこらないようにすることです。例たとえば、足あしが不自由ふじゆうになったために、さらに褥しとね瘡かさができてしまうなどです。リハビリテーションは2次じ予防よぼうの手段しゅだんでもあります。

3次じ予防よぼうは、障害しょうがいがあっても生活せいかつの質しつを落おとさないようにすることです。例たとえば、バリアフリーの社会しゃかいをつくることで、車くるまイスであっても家事かじを自分じぶんでできる、仕事しごともできる、旅行りょこうを楽たのしめる。そのような取とり組くみです。

障害しょうがい者しゃのリハビリテーション

事故じこや病気びょうきなどで機能きのう障害しょうがいを受うけた人ひとがその人ひとにとっての身体しんたい的てき、精神せいしん的てき、社会しゃかい的てきに最もっとも適てきした機能きのう水準すいじゅんを達成たっせいできるようにし、これにより、自みずからの人生じんせいを変革へんかくする手段しゅだんを提供ていきょうすることを目的もくてきとした、目標もくひょう志向しこう的てきかつ時間じかんを限かぎったプロセスを意味いみします。

以前いぜんは、機能きのう障害しょうがいを最大限さいだいげんに回復かいふくさせることを目標もくひょうにしていましたが、現在げんざいは、その人ひとにとって最もっとも適てきした機能きのうに回復かいふくすることを目標もくひょうにしています。例たとえば、高齢こうれい者しゃが脳のう梗塞こうそくで機能きのう障害しょうがいになったとした時とき、ご本人ほんにんの生活せいかつの質しつを確保かくほする観点かんてんからリハビリテーションを行おこないます。

障害しょうがい者しゃに対たいする機会きかい均等きんとう化か

機会きかいの均等きんとう化かとは、障害しょうがいがあっても、公共こうきょう交通こうつう機関きかんや建物たてもの等とうを一般いっぱんの人ひとと同おなじように利用りようできるようにすることで、バリアフリーともい換いかえることができます。この均等きんとう化かには、、物理ぶつり的てき環境かんきょうだけではなく、社会しゃかい的てき及および保健ほけんサービス、教育きょういくや労働ろうどうの機会きかい、スポーツやレクリエーションなどの文化ぶんか的てき環境かんきょうなどすべての環境かんきょうが含ふくまれます。社会しゃかいの全体ぜんたい的てきなシステムを、すべてが利用りようできるようにしていく過程かていを意味いみします。

国連こくれん障害しょうがい者しゃの１０年ねん

１９８１年ねんの国際こくさい障害しょうがい者しゃ年ねんは、障害しょうがい者しゃ理解りかいの促進そくしんを中心ちゅうしんとしたものでしたが、そのスローガンである障害しょうがい者しゃの「完全かんぜん参加さんかと平等びょうどう」を実現じつげんするためには、１年ねんだけの取とり組くみでは不十分ふじゅうぶんであり、より具体ぐたい的てきな取とり組くみが必要ひつようであるとして、国連こくれんは、1982年ねんに「障害しょうがい者しゃに関かんする世界せかい行動こうどう計画けいかく」を採択さいたくし、同時どうじに，この計画けいかくの実施じっしを推進すいしんするため，1983年ねんから1992年ねんの10年間ねんかんを「国連こくれん・障害しょうがい者しゃの十じゅう年ねん」と宣言せんげんしました。国連こくれんは、この期間きかんに、加盟かめい各国かっこくに対たいし障害しょうがい者しゃの「完全かんぜん参加さんかと平等びょうどう」を実現じつげんするための取とり組くみを行おこなうことを求もとめ、わが国くにの政府せいふは、「障害しょうがい者しゃ対策たいさくに関かんする長期ちょうき計画けいかく」を作成さくせいし、さまざまな取とり組くみを行おこないました。

私わたしたちにできること

今いまの日本にっぽんでは、障害しょうがい者しゃに対たいする理解りかいが進すすみ、「障害しょうがいのある人ひとはかわいそうだ」とか考かんがえる人ひとは少すくなくなってきたと思おもいます。障害しょうがいがあってもバリアフリーの環境かんきょうが整備せいびされれば、いろいろなことができます。支援しえんを受うける対象たいしょうではなく、逆ぎゃくに支援しえんする立場たちばになっている障害しょうがい者しゃも多おおくおられます。

しかし、障害しょうがいのある人ひとの社会しゃかい参加さんかには、バリアフリー環境かんきょうの整備せいびだけでなく、個人こじんの努力どりょくが欠かかせません。いくら環境かんきょうが整備せいびされたとしても、本人ほんにんにやる気きがなければ、社会しゃかい参加さんかはできません。

バリアフリーが環境かんきょうの整備せいびだとすると、リハビリテーションは個人こじんの努力どりょくです。だれにとっても、努力どりょくが大切たいせつです。障害しょうがいのあるなしにかかわらず、努力どりょくする人ひとは尊敬そんけいされます。障害しょうがいがあれば、さらに努力どりょくが必要ひつようになるでしょう。