形かたちとは、あらかじめ順序じゅんじょと方法ほうほうが決きまっている柔道じゅうどうの練習れんしゅう方法ほうほうの１ひとつのことで、ペア(2人ふたり1組くみ)で、攻撃こうげき・防御ぼうぎょの理り合あいを習得しゅうとくするために行おこなわれます。1人ひとりは技わざを掛かける「取と(とり)」と呼よび、もう1人ひとりは技わざを受うける「受(うけ)」と呼よびます。

現在げんざい主おもに日本にっぽんでは9つの形かたちが行おこなわれていますが、本ほん連盟れんめいが講道館こうどうかんと共催きょうさいしている全日本ぜんにほん形がた競技きょうぎ大会たいかいでは下記かき7種目しゅもくが行おこなわれています。

それぞれの形かたちの説明せつめいは講道館こうどうかんの下記かきページに掲載けいさいされています。

http://kodokanjudoinstitute.org/waza/forms/

形かたち競技きょうぎには下記かき2つのルールがあります。

形かたち競技きょうぎでは、講道館こうどうかんが発行はっこうしている形かたちの教本きょうほんおよびDVDを基準きじゅんとし、各かく形かたち定さだめられた演技えんぎを行おこない、審査しんさ員いん5名めいが審査しんさ・採点さいてんし、順位じゅんいを決定けっていします。
各かく形かたちの技わざ数すうは下記かきの通とおりで、他たに礼法れいほう及および全体ぜんたいの流ながれの2点てんが項目こうもくに追加ついかされて、5人にんの審査しんさ員いんはそれぞれの項目こうもくを10点てん満点まんてんで採点さいてんされます。
投とうの形かたちの場合ばあい、技わざ数すうが15本ほん、礼法れいほうと全体ぜんたいの流ながれの2つの項目こうもくが追加ついかされるので全部ぜんぶで17項目こうもく、計けい170点てんが満点まんてんです。

国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめい形がた評価ひょうか基準きじゅん規定きていと講道館こうどうかん柔道じゅうどう形がた競技きょうぎ規定きていでは採点さいてん方法ほうほうに違ちがいがあり、国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめい形がた評価ひょうか基準きじゅん規定きていは減点げんてん法ほうであり、講道館こうどうかん柔道じゅうどう形がた競技きょうぎ規定きていは主観しゅかん的てきな採点さいてん方法ほうほうが採用さいようされています。

減点げんてん法ほうでは、定さだめられた技わざがルール通どおり行おこなわれなかった場合ばあい、その間あいだ違ちがいの大おおきさにより10点てんから点数てんすうを減へらしていきます。例たとえば小ちいさいミスの場合ばあいは－1点てん、中なかくらいのミスの場合ばあいは―3点てんといったように、規定きてい内ないで定さだめられています。またそれぞれの技わざに＋0.5もしくはｰ0.5点てんが審査しんさ員いんの裁量さいりょうで付つけることができます。

一方いっぽう、国内こくないでは、下記かきの通とおりの判断はんだん基準きじゅんが定さだめられており、審査しんさ員いんは各自かくじの判断はんだんで0.5点てん刻きざみで点数てんすうを付つけます。

国際こくさい・国内こくない規定きていとも、5人にんの審査しんさ員いんが付つけた点数てんすうのうち、その技わざの1番ばん高たかい点数てんすうと低ひくい点数てんすうは省はぶいた、3人にんの合計ごうけい点てんがその技わざの得点とくてんとなります。
例たとえば、投とうの形かたちの1つ目めの技わざ「浮落」で5人にんの審査しんさ員いんがそれぞれ9.0点てん、8.5点てん、8.5点てん、8.0点てん、7.5点てんと付つけた場合ばあい、9.0点てん及および7.5点てんは省はぶかれ、残のこりの3人にんが付つけた8.5＋8.5+8.0=25点てんが、その組くみの「浮落」の点数てんすうとなります。
このように項目こうもく点数てんすうを出だし、合計ごうけい点てんがその組くみの点数てんすうとなります。
競技きょうぎ大会たいかいではこの点数てんすうで競きそい順位じゅんいを決きめます。

全日本ぜんにほん形がた競技きょうぎ大会たいかい、世界せかい形がた選手権せんしゅけん大会たいかい、アジア形がた選手権せんしゅけん大会たいかいなどの大会たいかいでは、形かたち審査しんさ員いんの資格しかくを持もった審査しんさ員いんが審査しんさを行おこないます。

形かたち審査しんさ員いん資格しかくを取得しゅとくするためには、本ほん連盟れんめいが行おこなう形かたち審査しんさ員いん試験しけんに合格ごうかくする必要ひつようがあります。
試験しけんでは、形かたちの演技えんぎを見みて模擬もぎ採点さいてんを行おこなう筆記ひっき試験しけんと、取と・受両方かた通とおして演技えんぎを行おこなう実技じつぎ試験しけんの総合そうごう評価ひょうかにより合否ごうひが決きまります。全日本ぜんにほん形がた競技きょうぎ大会たいかいで行おこなわれている7種目しゅもくの形かたちそれぞれの資格しかくがあるため、全部ぜんぶの種目しゅもくの資格しかくを取得しゅとくするためには、7回かいの試験しけんを受うける必要ひつようがあります。
また資格しかく取得しゅとく後ごも、4年ねんに1度ど研修けんしゅう会かいに参加さんかし(オンラインもしくは実地じっち)、最新さいしんの形かたちの知識ちしきの習得しゅうとくが求もとめられます。

国際こくさい柔道じゅうどう連盟れんめい(IJF)およびアジア柔道じゅうどう連盟れんめい(JUA)でもそれぞれ形かたち審査しんさ員いん資格しかくがあり、JUAの資格しかくがないとIJFの資格しかくを受験じゅけんすることができません。
IJFもJUAもそれぞれの大会たいかいで行おこなわれている5種目しゅもくの資格しかくがあり、それぞれ受験じゅけんする必要ひつようがあります。