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建築基準法  ファイナンシャルプランナー試験3級

建築けんちく基準きじゅんほう

建築けんちく基準きじゅんほう建物たてもの用途ようとかんする最低さいてい基準きじゅんさだめることにより、国民こくみん生命せいめい健康けんこうおよび財産ざいさん保護ほごはかることを目的もくてきとしています。

制限せいげんシリーズはまだつづきます。今度こんど建物たてもの制限せいげんです。建物たてもの勝手かってつくってしまうとおたがいが迷惑めいわくをすることになり、都市とし環境かんきょう悪化あっかすることになります。そうならないために建築けんちく基準きじゅんほう建物たてもの敷地しきち構造こうぞう設備せつびなどを規制きせいしています。

建築けんちく基準きじゅんほうには日本にっぽん全国ぜんこくどこでも適用てきようされる単体たんたい規定きていと、原則げんそくとして都市とし計画けいかく区域くいきじゅん都市とし計画けいかく区域くいきなかだけで適用てきようされる集団しゅうだん規定きていがあります。

用途ようと制限せいげん

建築けんちく基準きじゅんほうでは用途ようとかんする制限せいげんもうけられています。用途ようと制限せいげんというのは、それぞれの用途ようと地域ちいきうような建物たてものてるために、建築けんちくできる建物たてものとできない建物たてもの具体ぐたいてきさだめたものです。

なお、1つの敷地しきちことなる用途ようと地域ちいきにまたがる場合ばあいは、敷地しきち過半かはんめる用途ようと地域ちいき制限せいげんけます。面積めんせきおおきいほうの用途ようと地域ちいき規制きせいけるということですね。

用途ようと制限せいげん
住居じゅうきょけい商業しょうぎょうけい工業こうぎょうけい
だい一種いっしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいきだいしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいきだい一種いっしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいきだいしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいきだい一種いっしゅ住居じゅうきょ地域ちいきだいしゅ住居じゅうきょ地域ちいきじゅん住居じゅうきょ地域ちいき近隣きんりん商業しょうぎょう地域ちいき商業しょうぎょう地域ちいきじゅん工業こうぎょう地域ちいき工業こうぎょう地域ちいき工業こうぎょう専用せんよう地域ちいき
保育ほいくしょ診療しんりょうしょ公衆こうしゅう浴場よくじょう神社じんじゃ寺院じいん教会きょうかいとう巡査じゅんさ派出所はしゅつじょ
住宅じゅうたく図書館としょかん老人ろうじんホーム×
幼稚園ようちえん小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこう高等こうとう学校がっこう××
大学だいがく高等こうとう専門せんもん学校がっこう病院びょういん××××
ホテル、旅館りょかん××××××
 〇…建築けんちくできる ×…建築けんちくできない

このひょうは、こまかくおぼえなくても大丈夫だいじょうぶです。住居じゅうきょけい用途ようと地域ちいきなか制限せいげん一番いちばんきびしいのは、だい1しゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいきになります。保育ほいくしょ診療しんりょうしょはどこでもてられるんだな、工場こうじょう住宅じゅうたくがいにはてられないんだなくらいで大丈夫だいじょうぶです。

道路どうろ

道路どうろについてです。道路どうろ建築けんちく基準きじゅんほう制限せいげんされています。理由りゆう交通こうつう防火ぼうかとう理由りゆうです。もしいえ火事かじになっても道路どうろがなければ消防車しょうぼうしゃはいってこれませんね。

建築けんちく基準きじゅんほうじょう道路どうろ

建築けんちく基準きじゅんほうでは道路どうろつぎのように定義ていぎしています。

  • 幅員ふくいんが4m以上いじょう道路どうろ
  • 道路どうろほうによる道路どうろ
  • 都市とし計画けいかくほうとうによる道路どうろ
  • 建築けんちく基準きじゅんほう施行しこうされたとき、すでに存在そんざいしたみち
  • 幅員ふくいんが4m未満みまん道路どうろで、建築けんちく基準きじゅんほう施行しこうされたとき、すでに存在そんざい特定とくてい行政ぎょうせいちょうから指定していけている道路どうろ(2こう道路どうろ

幅員ふくいんは(ふくいん)は道幅みちはばのことです。とりあえず4m以上いじょう未満みまんだけおぼえておきます。中心ちゅうしんせんから2mずつになります。法律ほうりつ片側かたがわ車線しゃせん最低さいていでも2mにしておきたいようです。

2こう道路どうろというのは、建築けんちく基準きじゅんほう42じょう2こういてあるので、通称つうしょうとしてばれています。4m未満みまん道路どうろでも建築けんちく基準きじゅんほう施行しこう以前いぜんから建物たてものち、道路どうろとして使つかわれていた場合ばあいは、特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していにより道路どうろとみなされます。

セットバック

2こう道路どうろめんする敷地しきちあたらしく建物たてものてるときは、道路どうろ中心ちゅうしんせんから2mがった部分ぶぶん道路どうろ境界きょうかいとみなされるので、敷地しきち一部いちぶ道路どうろとして提供ていきょうし、建築けんちくしなければなりません。この後退こうたいした部分ぶぶんをセットバックといいます。

セットバックのイメージ

では幅員ふくいん3mで中心ちゅうしんせんから片側かたがわ1.5mになるので、2mまでにはあと0.5mりません。その部分ぶぶんがセットバックになり、あたらしく建物たてものてる場合ばあい、0.5m後退こうたいしなければならないことになります。

セットバックによって使つかえる敷地しきちるので、単純たんじゅん土地とち価格かかくや、こののち登場とうじょうするけんぺいりつ容積ようせきりつなどに影響えいきょうあたえます。

せっどう義務ぎむ

建築けんちくぶつ敷地しきちは、原則げんそくとして幅員ふくいん4m以上いじょう道路どうろに2m以上いじょうせっしなければなりません。これをせっどう義務ぎむといいます。これは避難ひなん経路けいろ確保かくほや、消防車しょうぼうしゃなど緊急きんきゅう車両しゃりょう出入でいりという、防災ぼうさいじょう観点かんてんからだとわれています。なので道路どうろせっしていない土地とちは、建築けんちくぶつ建築けんちくができません。

接道義務のイメージ

けんぺいりつ

けんぺいりつとは、敷地しきち面積めんせきたいする建築けんちくぶつ建築けんちく面積めんせき割合わりあいのことです。

けんぺいりつ上限じょうげんさだめることで敷地しきち空地くうちができ、火災かさい延焼えんしょうふせぎ、また日照ひでり風通かぜとおしがよくなります。

けんぺいりつ計算けいさんしき

けんぺいりつ計算けいさん方法ほうほうは、このようになります。

けんぺいりつ(%)建築けんちく面積めんせき÷敷地しきち面積めんせき×100

とくむずかしくはないですね、建築けんちく面積めんせき敷地しきち面積めんせきわれればいいだけです。たとえば、建築けんちくぶつ面積めんせきが50㎡、敷地しきちめんせいが100㎡とすると、けんぺいりつは、50÷100×100=50%になります。

けんぺいりつことなる地域ちいきけんぺいりつ計算けいさん

けんぺいりつことなる地域ちいきにまたがって建物たてものっている場合ばあいけんぺいりつは、加重かじゅう平均へいきんもとめます。

けんぺいりつことなる地域ちいきけんぺいりつ計算けいさん
けんぺいりつ70%の地域ちいきけんぺいりつ40%の地域ちいき
敷地しきち面積めんせき 300㎡敷地しきち面積めんせき 200㎡

うえのような敷地しきちがあるとして、計算けいさんしき

300㎡×70%+200㎡×40%=250㎡ となります。

この敷地しきちてることができる建物たてもの最大さいだい面積めんせきは250㎡になります。ことなる地域ちいきにまたがったけんぺいりつは、

250㎡÷500㎡×100で50%になります。

けんぺいりつ最高さいこう限度げんど

けんぺいりつ用途ようと地域ちいきごとに最高さいこう限度げんどまっています。

売買ばいばい交換こうかん媒介ばいかいとき報酬ほうしゅう限度げんどがく
用途ようと地域ちいき指定していけんぺいりつ
だい一種いっしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
だいしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
だい一種いっしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
だいしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
工業こうぎょう専用せんよう地域ちいき
30、40、50、60
だい一種いっしゅ住居じゅうきょ地域ちいき
だいしゅ住居じゅうきょ地域ちいき
じゅん住居じゅうきょ地域ちいき
じゅん工業こうぎょう地域ちいき
50、60、80
近隣きんりん商業しょうぎょう地域ちいき60、80
商業しょうぎょう地域ちいき80
工業こうぎょう地域ちいき50、60

このひょうもすべておぼえる必要ひつようはありません。とりあえず商業しょうぎょう地域ちいきは80%の1つだけというのはおさえておきます。

けんぺいりつ緩和かんわ措置そち

つぎのいずれかに該当がいとうする場合ばあいは、けんぺいりつ緩和かんわされます。

防火ぼうか地域ちいきないにある耐火たいか建築けんちくぶつ    +10%

特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していする角地かどち建築けんちくぶつ +10%

③ ①,②をたす場合ばあい防火ぼうか地域ちいきないにある耐火たいか建築けんちくぶつ特定とくてい行政ぎょうせいちょう指定していする角地かどち建築けんちくぶつ) +20%

けんぺいりつ緩和かんわ制限せいげん条件じょうけん該当がいとうすればゆるくなるということですね。

けんぺいりつ制限せいげんがないもの

つぎのいずれかに該当がいとうする場合ばあいには、けんぺいりつ制限せいげん適用てきようされません。けんぺいりつ100%で建物たてものてることができます。

けんぺいりつ限度げんどが80%とめられた地域ちいきないで、防火ぼうか地域ちいきないにある耐火たいか建築けんちくぶつ

巡査じゅんさ派出所はしゅつじょ公衆こうしゅう便所べんじょなど

建築けんちくぶつ敷地しきちけんぺいりつことなる地域ちいきにわたる場合ばあい

建築けんちくぶつ敷地しきちが、けんぺいりつことなる地域ちいきにわたる場合ばあいは、それぞれの地域ちいきけんぺいりつに、その敷地しきち部分ぶぶん面積めんせきを、敷地しきち全体ぜんたいったものをじょうじた、それぞれの数値すうち合計ごうけいが、その敷地しきち全体ぜんたいけんぺいりつ限度げんどになります。

容積ようせきりつ

容積ようせきりつとは建築けんちくぶつ面積めんせき敷地しきち面積めんせきたいする割合わりあいです。建築けんちくぶつ面積めんせきというのは、いいかえれば各階かくかいゆか面積めんせき合計ごうけいのことで、たとえば2かいての一軒家いっけんやがあるとすると、1かい部分ぶぶん面積めんせきと2かい部分ぶぶん面積めんせき合計ごうけいが、面積めんせきになります。

なぜ容積ようせきりつなんてものが必要ひつようなのかというと、容積ようせきりつおおきいということは、おおきな建物たてものだということがえ、おおきな建物たてものということは、ひと出入でいりがはげしいといえるので、建物たてものまでの道路どうろなどが混雑こんざつしてしまう可能かのうせいがあります。そこで容積ようせきりつ上限じょうげん設定せっていすることによって、都市とし計画けいかく状況じょうきょうった環境かんきょう整備せいびすることを目的もくてきとして使つかわれます。

容積ようせきりつ計算けいさんしき

容積ようせきりつ計算けいさん方法ほうほうは、このようになります。

容積ようせきりつ(%)建築けんちくぶつ面積めんせき÷敷地しきち面積めんせき×100

建築けんちくぶつ面積めんせき敷地しきち面積めんせきわれればいいだけです。たとえば、建築けんちくぶつ面積めんせきが150㎡、敷地しきちめんせいが100㎡とすると、容積ようせきりつは、150÷100×100=150%になります。

容積ようせきりつことなる地域ちいき容積ようせきりつ計算けいさん

容積ようせきりつことなる地域ちいきにまたがって建物たてものっている場合ばあい容積ようせきりつは、加重かじゅう平均へいきんもとめます。けんぺいりつときおな計算けいさん方法ほうほうです。

容積ようせきりつことなる地域ちいき容積ようせきりつ計算けいさん
容積ようせきりつ150%の地域ちいき容積ようせきりつ100%の地域ちいき
敷地しきち面積めんせき 300㎡敷地しきち面積めんせき 200㎡

うえのような敷地しきちがあるとして、計算けいさんしき

300㎡×150%+200㎡×100%=650㎡ となります。

この敷地しきちてることができる建物たてもの面積めんせきは650㎡になります。ことなる地域ちいきにまたがった容積ようせきりつは、650㎡÷500㎡×100で130%になります。

指定してい容積ようせきりつ

容積ようせきりつ限度げんどは、都市とし計画けいかく用途ようと地域ちいきごとに指定していされたものとされます。

指定してい容積ようせきりつ
用途ようと地域ちいき容積ようせきりつ最高さいこう限度げんど(%)
だい一種いっしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
だいしゅ低層ていそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
50、60、80、100、150、200
だい一種いっしゅ住居じゅうきょ地域ちいき
だいしゅ住居じゅうきょ地域ちいき
だい一種いっしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
だいしゅ中高層ちゅうこうそう住居じゅうきょ専用せんよう地域ちいき
じゅん住居じゅうきょ地域ちいき
近隣きんりん商業しょうぎょう地域ちいき
じゅん工業こうぎょう地域ちいき
100、150、200、300、400、500
商業しょうぎょう地域ちいき200~1,300
工業こうぎょう地域ちいき 工業こうぎょう専用せんよう地域ちいき100、150、200、300、400

このひょう暗記あんきする必要ひつようはありません。住宅じゅうたくがい上限じょうげんちいさく、商業しょうぎょう施設しせつなどは上限じょうげんおおきくしている程度ていどにザックリとおぼえておいてください。

前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんによる容積ようせきりつ制限せいげん

前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんが12m未満みまん場合ばあい当該とうがい敷地しきちにある建築けんちくぶつ容積ようせきりつ制限せいげんけます。また、前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんが12m以上いじょう場合ばあい指定してい容積ようせきりつ適用てきようされます。

前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんによる容積ようせきりつ制限せいげん
前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんが12m以上いじょう指定してい容積ようせきりつ
前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんが12m未満みまんつぎのうちちいさいほう
指定してい容積ようせきりつ
前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいん×4÷10(居住きょじゅうけい用途ようと地域ちいき場合ばあい
前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいん×6÷10(居住きょじゅうけい以外いがい用途ようと地域ちいき場合ばあい

前面ぜんめん道路どうろ幅員ふくいんが12m未満みまん場合ばあいは、最初さいしょ居住きょじゅうけいによって10ぶんの4か10ぶんの6にまり、つぎにきまった容量ようりょうと、指定してい容積ようせきりつ比較ひかくして、ちいさいほうが選択せんたくされることになります。

かんがかたとしてはやはり、敷地しきちめんしている道路どうろせまければ、そこに建物たてものちいさくしようというかんがえです。