ウイルスの不活性化とは、ウイルス粒子が感染力を失うことを指します。ウイルスは自己増殖はできず、宿主の細胞に感染することでのみ増殖します。ウイルス粒子が宿主細胞に接触する前に上記のウイルス構成要素が破壊されれば、ウイルスの感染は成立せず、増殖することもありません。よって、不活性化のターゲットは、エンベロープ、エンベロープに局在するタンパク質、カプシド、核酸となり、これらを物理的あるいは化学的に破壊することで不活性化は達成されます(fig. )(Namita, 2005; Kampf et al., 2020; Mayo Clinic, 2020)。