圧倒的な歌唱力と、リアルな歌詞で女性から絶大な支持を得ているMs.OOJAの3rdラブソング・カヴァー・アルバム『WOMAN 2 ~Love Song Covers~』。昨年11月のリリースから3ヶ月経った今でも、なお話題となっている本作。現在32歳の彼女と、同世代のリスナー(いわゆるアラサー女子)からのリクエストを元に選曲された、このアルバムのテーマは“泣ける恋の歌”だ。 「確かに、泣ける曲ばっかり!」と、納得のラインナップ。選ばれた楽曲はほとんどが90年代にリリースされ、時代を超えて今も愛され続けている失恋ソングだ。アラサー女子にとって思い入れのある恋の歌は、自分たちが10代の頃に聴いた岡本真夜の「Alone」やELTの「Time goes by」。四六時中恋愛のことで悩んだりした忘れられないほろ苦い恋の思い出は、この時代の歌にぎゅっと凝縮されている。 このアルバムを発表する際、Ms.OOJAは「私たちアラサー女子は、強さと儚さが同居している世代」とコメント。マウンティングなんていう言葉が流行するほど、女性として生きる選択肢の幅が広くなりすぎたこのご時世、「女性が輝く時代」と散々称されながらも、人生の分岐点に立ったアラサー女子たちの心の中は、きっとモヤモヤでいっぱいなはず。 28歳という遅咲きのデビューを飾るまで、皆と同じ“等身大”を生きていた彼女だからこそ、このカヴァーには大きな説得力が生まれ、“曲を蘇らせる”という表現がしっくりとハマっている。アコースティックなサウンドに載って、心地よく心に響いてくるシルバー・ヴォイスに身を委ねながら新しく生まれ変わった恋の名曲たちを、切なくて、でもどこか優しくて温かな思い出と一緒にゆっくりと振り返ってみては。