大相撲の夏巡業が5日、東京都立川市のアリーナ立川立飛で始まった。巡業は新型コロナウイルス禍で令和元年12月の冬巡業を最後に行われておらず、約2年8カ月ぶりの再開となった。横綱照ノ富士は「お客さんを喜ばせられるよう精いっぱい頑張っていきたい。ファンあっての大相撲。開催できたことで前に進んでいるのかなと思う」と語った。
感染対策のため巡業の様子は従来と異なる。夏巡業は東北や北海道を回ることが多いが、今回は関東限定で14日まで計5日間の開催。力士は十両などの参加人数が絞られ、稽古の際、土俵に上がるまではマスク着用が徹底された。
日本相撲協会の入間川巡業部副部長(元関脇栃司)は「巡業の楽しみは本場所にない力士との距離感なのだが、非接触型のサービスしかできない。非常に心苦しい」と語る。会場ではファンと力士の握手会は行われず、写真撮影会となった。力士が赤ちゃんを抱っこする姿も見られなかった。
この日、約2200人の来場者は入場時に体温チェックが行われた。関取衆では故障の小結阿炎のほか、コロナ関連で玉鷲や宇良、佐田の海ら12人が不参加となった。