埼玉県深谷市で20日に開業するアウトレットモール「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が17日、報道関係者らに公開された。新型コロナウイルス禍以降、関東地方にアウトレットが開業するのは初めて。月末まではグランドオープンセールを開催し、県内だけでなく隣接する群馬県や、東京方面からの来客も見込む。
ふかや花園プレミアム・アウトレットは三菱地所・サイモンが開発・運営を手掛けるアウトレットモール。同社が運営する同様の施設としては、平成25年4月に開業した千葉県酒々井町の施設以来9年半ぶりで国内10カ所目となる。敷地面積約17万6800平方メートル、店舗面積約2万7500平方メートルに国内外のブランド137店舗がそろい、約3千台の駐車場を有する。
三菱地所・サイモンの山岸正紀社長はふかや花園の商圏として、埼玉県内をはじめ、関越自動車道沿いの群馬県前橋、高崎両市周辺、東京方面からの集客も想定していると説明。同社が運営する他の9施設の令和3年度の売上高は、インバウンド(訪日外国人客)による需要こそ戻っていないが、国内需要は新型コロナ感染拡大前の元年度の水準に戻ったと強調した。ふかや花園では、開業から1年で約260億円を売上高の目標に設定している。
郊外型が多い同社のアウトレットモールの中では、徒歩3分の位置に最寄りのふかや花園駅がある秩父鉄道のほか、東京、大宮、新宿、川越各駅からの高速バス、森林公園、深谷両駅からの路線バスなど公共交通機関が充実。期間限定で、秩父鉄道や高速バスを利用した来場者にノベルティグッズがプレゼントされるキャンペーンも実施する。
ふかや花園は、地元グルメなどを楽しめる飲食や食物販の施設が全体の約3割と充実、ウォールアートやプロジェクションマッピングなどの鑑賞、深谷市に本社を置く赤城乳業の氷菓「ガリガリ君」をモチーフとしたアトラクション、ペットを連れて休憩できる施設もある。相本泰裕支配人は「買い物をする人もしない人も、それぞれの楽しみ方を見つけてほしい」と期待した。
相本さんによると、道を挟んで隣接する観光情報発信と農業振興の拠点「深谷テラスパーク」や、野菜を核とした複合施設「ヤサイな仲間たちファーム」などと連携したイベントや事業なども検討している。
17日に行われた開業記念イベントでは、施設のアンバサダーを務めるタレントのヒロミさん(57)、松本伊代さん(57)夫妻が、愛犬のタロウを連れて登場。ヒロミさんは「ペットも一緒に来られるのがいい。たくさんの人がここに来て楽しんでくれたら」と笑顔で話した。