8日の小紙政治面は、輿石東元参院副議長のインタビュー記事を掲載していた。立憲民主党のご意見番である輿石氏は、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件について「腐敗」の表れだと指摘するなど87歳の今もお元気そうで慶賀に堪えない。
▼ただ同時に、「よく言うよ」とも感じた。「日教組のドン」として地元、山梨県教職員組合(山教組)に君臨した輿石氏もまた政治とカネの問題と無縁だとは到底言い難い。輿石氏が「私自身の政治団体」と呼んだ山教組の政治団体「山梨県民主教育政治連盟」(県政連)もまた、大規模な不記載事件を起こしている ▼組織率が9割超の山教組は長年にわたって校長3万円、教頭2万円、一般教員1万円、OB教員5000円の半強制カンパを行っていた。毎年数千万円は集まっていたはずなのに、県政連は輿石氏が衆院選で落選した平成8年に691万円、参院に初当選した10年に447万円を計上しただけで、後は政治資金収支報告書には「ゼロ」と書いていた。
▼それが15年に小紙が問題を報じると同年中に寄付金を1021万円に修正し、翌16年には5142万円に跳ね上がる。また、輿石氏は「教育の政治的中立などあり得ない」とも発言している。山教組はカンパだけでなく、政治的中立が求められる教員を輿石氏の電話作戦やポスター張りなどに動員してきた。