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万博入場券をふるさと納税返礼品に、大阪市検討 税収流出「看過できず」各地で知恵絞る - 産経ニュース

万博ばんぱく入場にゅうじょうけんをふるさと納税のうぜい返礼へんれいひんに、大阪おおさか検討けんとう 税収ぜいしゅう流出りゅうしゅつ看過かんかできず」各地かくち知恵ちえしぼ

ふるさと納税のうぜいともな市区しく町村ちょうそんべつ住民じゅうみんぜい控除こうじょがく流出りゅうしゅつがくれい年度ねんど)が全国ぜんこく大阪おおさか税収ぜいしゅう流出りゅうしゅつ歯止はどめをかけようと、2025ねん大阪おおさか関西かんさい万博ばんぱく入場にゅうじょうけん返礼へんれいひんにする方向ほうこう検討けんとうしている。自治体じちたいあいだ税収ぜいしゅう格差かくさ是正ぜせいする目的もくてき制度せいどでは都市とし流出りゅうしゅつがくおおきく、1横浜よこはまで272おくえんのぼる。東京とうきょうでは高額こうがく寄付きふたいする高級こうきゅう返礼へんれいひん用意よういする自治体じちたいはじめた。

寄付きふがくの27ばい流出りゅうしゅつ

「(万博ばんぱくの)入場にゅうじょうチケットを返礼へんれいひんとすることは、大阪おおさか訪問ほうもん有効ゆうこう機会きかいとなる。日本にっぽん国際こくさい博覧はくらんかい協会きょうかい調整ちょうせいしながらくに確認かくにんしたい」

大阪おおさか幹部かんぶは23にち市議会しぎかい常任じょうにん委員いいんかいで、こうべた。同時どうじに「ぜい流出りゅうしゅつおおきい。実質じっしつてきなマイナスを解消かいしょうすることが重要じゅうようだ」と強調きょうちょうした。

大阪おおさかなどによると、4年度ねんどのふるさと納税のうぜい寄付きふがくは5おくせんまんえんにとどまる一方いっぽう、5年度ねんど流出りゅうしゅつがくは、その27ばいの148おく5300まんえんのぼる。

これまで返礼へんれいひんについて「寄付きふがくまんえん以上いじょうで2せんえん以内いない」の基準きじゅん運用うんよう返礼へんれいひん競争きょうそうにはくわわらないかんがえもあり、寄付きふがく関係かんけいなく市立しりつ美術館びじゅつかんのチケットや大阪城おおさかじょう内覧ないらんかい招待しょうたいなどで対応たいおうしてきた。だが流出りゅうしゅつがくつづけ、今年度こんねんどちゅうくに基準きじゅんの「寄付きふがくの3わり以下いか」に見直みなお方針ほうしんてんじた。

は、ふるさと納税のうぜい関連かんれんとして10おくえん計上けいじょうした今年度こんねんど補正ほせい予算よさんあん市議会しぎかい提案ていあんしており、寄付きふ募集ぼしゅう事務じむなどを民間みんかん業者ぎょうしゃ委託いたくするほか、事務じむ経費けいひのぞ寄付きふ収入しゅうにゅう基金ききんてる。今年度こんねんど寄付きふがくは10おくえん以上いじょう確保かくほしたいかんがえだ。

大阪市議会定例会で今年度一般会計補正予算案について説明する横山英幸市長=16日午後、大阪市役所
大阪おおさか市議会しぎかい定例ていれいかい今年度こんねんど一般いっぱん会計かいけい補正ほせい予算よさんあんについて説明せつめいする横山よこやま英幸ひでゆき市長しちょう=16にち午後ごご大阪おおさか市役所しやくしょ

返礼へんれいひんとして万博ばんぱく入場にゅうじょうけんのほか、市内しない商店しょうてんがい商品しょうひんやトラベルクーポンなどを想定そうていし、7がつ総務そうむしょう申請しんせいする予定よてい横山よこやま英幸ひでゆき市長しちょうは「基準きじゅんがくがり、返礼へんれいひん種類しゅるいえる。大阪おおさかていただいたときにメリットをけられたり、万博ばんぱくからめたりした返礼へんれいひんをそろえたい」とはなす。

交付こうふ団体だんたいには塡(ほてん)なく

くに基準きじゅん返礼へんれいひんは「調達ちょうたつ寄付きふがくの30%以下いか相当そうとうする地場じば産品さんぴん」となっているが、にく海産物かいさんぶつなど人気にんきしな用意よういできる地方ちほう自治体じちたい寄付きふがく上位じょういめる。税収ぜいしゅう流出りゅうしゅつした自治体じちたいには減収げんしゅうぶんの75%が地方ちほう交付こうふぜいおぎなわれるが、交付こうふぜいっていない自治体じちたい交付こうふ団体だんたい)への塡はない。

都道府県とどうふけんべつで5年度ねんど流出りゅうしゅつがくもっとおお東京とうきょう交付こうふ団体だんたいきた流出りゅうしゅつがくは21おくえんのぼる。3年度ねんどの14おくえん、4年度ねんどの18おくえんから徐々じょじょえており、同区どうくは、学校がっこう給食きゅうしょく無償むしょう必要ひつよう年間ねんかんやく13おくえん上回うわまわ規模きぼであることを周知しゅうちしている。

年度ねんどからは同区どうく在住ざいじゅう重要じゅうよう無形むけい文化財ぶんかざい保持ほじしゃ人間にんげん国宝こくほう)のきたえきん工芸こうげい作家さっか奥山おくやまほうせき手掛てがけた工芸こうげいひん返礼へんれいひんくわえ、今年度こんねんど湯沸ゆわかし(寄付きふがく450まんえん)や急須きゅうすどう300まんえん)を用意よういした。担当たんとうしゃは「返礼へんれいひん魅力みりょく発信はっしんし、看過かんかできない規模きぼ税収ぜいしゅうげんおさえようと寄付きふつのっている。東京とうきょう23はどこもおな状況じょうきょうではないか」とはなした。

ただ、都市とし自治体じちたい返礼へんれいひん人気にんきあつまり寄付きふ集中しゅうちゅうすれば税収ぜいしゅう格差かくさ拡大かくだいしかねず、制度せいど趣旨しゅしはんする。都市とし自治体じちたいあいだ寄付きふうばえば、返礼へんれいひん事務じむ手続てつづきのコストがかさみ、不毛ふもうあらそいをまねくことになるが、打開だかいあんつかっていない。(石橋いしばしあきらけい山本やまもとこうこころざし吉田よしだ智香ともか

返礼へんれいひんつき寄付きふ上限じょうげんを 藤原ふじわらしん山梨大やまなしだいじゅん教授きょうじゅ地方ちほう自治じちろん

藤原真史・山梨大准教授
藤原ふじわらしん山梨大やまなしだいじゅん教授きょうじゅ

都市とし自治体じちたいでも、ふるさと納税のうぜい獲得かくとく競争きょうそう本格ほんかくてき参戦さんせんすれば魅力みりょくある返礼へんれいひん用意よういし、寄付きふがくやせる市区しく町村ちょうそんすくなくないはずだが、地方ちほうとの税収ぜいしゅう格差かくさ是正ぜせいという制度せいど本来ほんらい目的もくてきまえ自重じちょうしてきた。

ただ、都市としでは行政ぎょうせいサービスのコストを自主じしゅ財源ざいげんまかな部分ぶぶんおおきい。ぜい控除こうじょともな高額こうがく税収ぜいしゅう流出りゅうしゅつ長期間ちょうきかんつづけばサービスのしち存続そんぞく影響えいきょうするため、住民じゅうみん議会ぎかいから批判ひはん噴出ふんしゅつする。都市とし自治体じちたい我慢がまん前提ぜんてい制度せいど維持いじしてきたつけがまわってきている。

返礼へんれいひんつきの寄付きふについては自治体じちたい財政ざいせい規模きぼなどにおうじて寄付きふがく上限じょうげん設定せっていしたり、地方ちほう交付こうふぜい交付こうふ団体だんたいにも減収げんしゅうぶん一定いってい割合わりあい塡したりするなどの改定かいてい必要ひつようだ。(ききて 山本やまもとこうこころざし

ふるさと納税のうぜい 都市とし地方ちほう税収ぜいしゅう格差かくさ是正ぜせいする目的もくてき平成へいせい20ねん開始かいし応援おうえんしたい自治体じちたいへの寄付きふがくのうち2せんえんえるふん原則げんそく所得しょとくぜい住民じゅうみんぜいから控除こうじょされ、寄付きふさき自治体じちたいから返礼へんれいひんることができる。20年度ねんどやく81おくえんだった寄付きふ総額そうがくは30年度ねんどに5せんおくえん突破とっぱし、れい年度ねんどやく9654おくえん一時いちじ高額こうがく返礼へんれいひん競争きょうそう過熱かねつしたため、くに返礼へんれいひん基準きじゅん見直みなおし「寄付きふがくの30%以下いか相当そうとうする地場じば産品さんぴん」としているが、産地さんち偽装ぎそうあやま表示ひょうじ相次あいついでいる。

地場じば産品さんぴん、なければつくる」ふるさと納税のうぜい一時いちじ除外じょがい泉佐野いずみさの 逆転ぎゃくてん発想はっそうかえ

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