1回1/3を無失点の阪神・富田蓮=甲子園球場(撮影・根本成) (セ・リーグ、阪神0ー1巨人、10回戦、巨人5勝4敗1分、24日、甲子園)オリックス、阪神で通算176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(58)は無安打無得点を喫しながら「0ー1試合」に持ち込んだ投手陣を絶賛した。
素直に戸郷のノーヒットノーランを称えたい。左打者への外からのスライダー、右打者へのカウントが取れるフォークを駆使した投球は、序盤からそう簡単には打てないと思っていた。完投を意識して八分の投球をしながら、150キロ近いキレのある球を投げてくる。貧打に苦しむ阪神打線だが、この試合は責められない。戸郷が上回っていた。
それでも0-1の展開に持ち込んだ阪神投手陣は絶賛に値する。漆原、岡留、富田、浜地という勝ちパターンではない投手がゼロを重ねた。この投手陣がいれば、シーズンを通じても、投手から崩れる状況は想像できない。最少得点差を維持したからこそ、九回は同点、逆転の可能性を残した。ノーヒットノーランで勝ちながら、巨人の方が苦しんだ印象だ。先発の及川は大胆に投げ込み、カットボールが特に効果的だった。アクシデントの程度は分からないが、この先も先発で見たい内容だった。阪神は敗れて強し。そんな印象だ。