新潮しんちょう選書せんしょ

　1967年ねんにスタートした四よん六ろく判ばんソフトカバーの「新潮しんちょう選書せんしょ」。以来いらい、ほぼ四よん十じゅう年間ねんかんで500点てん以上いじょうを刊行かんこうし、『漱石そうせきとその時代じだい（全ぜん5巻かん）』や『文明ぶんめいが衰亡すいぼうするとき』など、数々かずかずのロングセラーを輩出はいしゅつしてきました。

　新書しんしょブームが続つづいていますが、新書しんしょの原稿げんこう枚数まいすうが400字じ詰つめで約やく200枚まい（「新潮しんちょう新書しんしょ」の場合ばあい）であるのに対たいし、選書せんしょは300〜350枚まいが標準ひょうじゅん。たっぷりとした読よみごたえとともに、ひとつのテーマの全体ぜんたい像ぞうが見みえてきます。

「人間にんげんをみつめる」「歴史れきしと文明ぶんめいをよく知しる」「科学かがくの眼めをひらく」「異い文化ぶんかに親したしむ」「思想しそうや宗教しゅうきょうをじっくり学まなぶ」「文学ぶんがくや芸術げいじゅつを愉たのしむ」「生活せいかつを楽たのしむ」「現代げんだい社会しゃかいの問題もんだいをあぶりだす」「人生じんせいを考かんがえる」——などなど、切きり口くちはさまざまですが、教科書きょうかしょ的てきな教養きょうよう路線ろせんにとどまらず、不ふ確実かくじつな時代じだいに生いきる私わたしたちの「考かんがえるヒント」になるようなリアリティのあるテーマを選えらんでゆきたい、そして、読よんでくださった後のちには「世界せかいの見みえ方かたがちょっと変かわってしまう」ような、刺激しげきと深ふかみをあわせ持もつ作品さくひんを提供ていきょうしてゆきたいと考かんがえています。

　全国ぜんこくの主要しゅよう書店しょてんには「新潮しんちょう選書せんしょ」を常備じょうびしたコーナーがあります。ゆっくり本ほんを読よみ、じっくり考かんがえる——そんな読書どくしょ本来ほんらいの喜よろこびを近ちかごろ味あじわっていないとお感かんじのあなた、書店しょてんにお出でかけの際さいには、ぜひ「新潮しんちょう選書せんしょ」のコーナーをチェックして下ください。