曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
夕ゆう笛ふえ村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる	西村にしむら真しん吾われ	ふるさとの　蒼あおい月夜つきよに　ながれくる　笛ふえの音おときいて　きみ泣なけば　わたしも泣ないた　初恋はつこいの　ゆめのふるさと　　おさげ髪がみ　きみは十じゅう三さん　春はるくれば　乙女おとめ椿つばきを　きみ摘つんで　うかべた小川おがわ　おもいでは　花はなのよこがお　　ふるさとへ　いつの日ひかえる　屋敷やしき町まち　ふるいあの町まち　月つきの夜よるを　ながれる笛ふえに　きみ泣なくや　妻つまとなりても　あゝ花はなも恋こいも　かえらず　ながれゆく　きみの夕ゆう笛ふえ
みだれ髪かみ市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴出けだしが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からしらや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳ひき網もうの　舟ふねにのせたい　この片かた情なさけ　　春はるは二に重じゅうに　巻まいた帯おび　三重みえに巻まいても　余あまる秋あき　暗くらや　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ
なみだ船せん福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	涙なみだの終おわりの　ひと滴てき　ゴムのかっぱに　しみとおる　どうせおいらは　ヤン衆しゅかもめ　泣なくな怨うらむな　北海ほっかいの　海うみに芽めをふく　恋こいの花はな　　クルクル帆綱ほづなを　巻まきあげて　暁あかつきの千島ちしまを　忍しのび立だち　あてにゃすまいぞ　ヤン衆しゅかもめ　舵かじであやつる　舟ふねのよに　女心おんなごころは　ままならぬ　　惚ほれたら遠慮えんりょは　できまいが　いやというなら　ぜひもない　夢ゆめをみるなよ　ヤン衆しゅかもめ　にしん枕まくらに　北海ほっかいの　月つきに哀あいしや　泪なみだ船せん
海うみの匂においのお母かあさん一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	田村たむら和男かずお	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	海うみの匂においが　しみこんだ　太ふとい毛糸けいとの　チャンチャンコ　背せなかをまるめて　カキを打うつ　母かあさん　母かあさん　お元気げんきですか　案あんじております　兄貴あにきとふたり　　海うみが時化しけ(しけ)れば　時化しけるほど　カキはおいしく　なるという　母かあさん　あなたの口癖くちぐせが　土鍋どなべを囲かこめば　きこえてきます　やさしい笑顔えがおが　浮うかんできます　　遠とおく離はなれた　子供こどもらに　海うみの匂においを　くれた母はは　わたしは　手紙てがみが下手へたじゃけと　母かあさん　母かあさん　黙だまっていても　伝つたわりますとも　あなたのこころ
下北しもきた漁港ぎょこう一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		生うまれたときから　吹ふいていた　山やま背せの風ふうだ　荒あらくれだ　ここは下北しもきた　イカ釣つり舟ぶねに　命いのちあずけた　若者わかものが　親おやのこころを　継つぐ港みなと　　波止場はとばの近ちかくの　呑のみ屋やでは　お立たちの酒さけが　売うり切きれだ　横よこに倒たおした　五ご合ごう徳利とっくり(ごんごうどくり)　マイク代かわりに　だきしめて　別わかれ歌かなど　聞きかす奴やつ　　嵐あらしが噛(かじ)った　傷跡きずあとを　ペンキで癒(い)やす　暇ひまもない　海うみの機嫌きげんが　変かわらぬうちに　行いこか尻屋しりや(しりや)の　沖おきあたり　霧きりもほどけて　イカ日和びより(びより)
みだれ髪かみ木村きむら徹二てつじ	木村きむら徹二てつじ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
矢や切きりの渡わたし木村きむら徹二てつじ	木村きむら徹二てつじ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	「つれて逃にげてよ…」　「ついておいでよ…」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね…」　「捨すてはしないよ…」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ…」　「知しらぬ土地とちだよ…」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
海うみの匂においのお母かあさん木村きむら徹二てつじ	木村きむら徹二てつじ	田村たむら和男かずお	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	海うみの匂においが　しみこんだ　太ふとい毛糸けいとの　チャンチャンコ　背中せなかをまるめて　カキを打うつ　母かあさん　母かあさん　お元気げんきですか　案あんじております　兄貴あにきとふたり　　海うみが時化しけ(しけ)れば　時化しけるほど　カキはおいしく　なるという　母かあさん　あなたの口癖くちぐせが　土鍋どなべを囲かこめば　きこえてきます　やさしい笑顔えがおが　浮うかんできます　　遠とおく離はなれた　子供こどもらに　海うみの匂においを　くれた母はは　わたしは　手紙てがみが下手へたじゃけと　母かあさん　母かあさん　黙だまっていても　伝つたわりますとも　あなたのこころ
海うみの祈いのり木村きむら徹二てつじ	木村きむら徹二てつじ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	果はてしなき　海うみの彼方かなたに　水色みずいろの　やすらぎを　求もとめた友ともは　帰かえらない　陸りく(おか)には住すめない　依怙地いこじ(いこじ)な男おとこが　木この葉はの船ふねに　つかまりながら　蛙かえるのように　歌うたっていると　無線むせんをくれた　ゆかいなあいつ　あいつを呑のんだ　嵐あらしが憎にくい　　安やすらかに　眠ねむれ友ともよと　花はなを投なげ　伏ふしおがむ　おれにも明日あしたは　知しれないが　守まもっておくれよ　おまえの力ちからで　オイルのしみた　形見かたみのギター　おふくろさんに　届とどけるまでは　いい奴やつでした　男おとこでしたと　おふくろさんに　伝つたえるまでは　　あなたには　海うみがあるから　いいわねと　泣ないていた　港みなとの女おんな(ひと)を　おもいだす　逃にげだすつもりは　さらさらないけど　海うみには広ひろい　こころがあって　昨日きのうの俺おれが　小ちいさくみえる　荒あれるな海うみよ　おまえに惚ほれた　男おとこの夢ゆめを　奪うばうな海うみよ
ひばりの佐渡さど情話じょうわ神野かみの美伽みか	神野かみの美伽みか	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお・本城ほんじょう秀太郎ひでたろう	佐渡さどの荒磯あらいそ(ありそ)の　岩いわかげに　咲さくは鹿かの子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみつみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいはつらいと　いうて　エーエ　泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬお人ひとと　いうて　エーエ　泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみに　ひとりしょんぼり　離はなれ島じま　袂たもとだきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしもひとりと　いうて　エーエ　泣ないた
矢や切きりの渡わたし大江おおえ裕ひろし	大江おおえ裕ひろし	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	「つれて逃にげてよ…」　「ついておいでよ…」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね…」　「捨すてはしないよ…」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ…」　「知しらぬ土地とちだよ…」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
海うみの匂においのお母かあさん大江おおえ裕ひろし	大江おおえ裕ひろし	田村たむら和男かずお	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	海うみの匂においが　しみこんだ　太ふとい毛糸けいとの　チャンチャンコ　背中せなかをまるめて　カキを打うつ　母かあさん　母かあさん　お元気げんきですか　案あんじております　兄貴あにきとふたり　　海うみが時化しけ(しけ)れば　時化しけるほど　カキはおいしく　なるという　母かあさん　あなたの口癖くちぐせが　土鍋どなべを囲かこめば　きこえてきます　やさしい笑顔えがおが　浮うかんできます　　遠とおく離はなれた　子供こどもらに　海うみの匂においを　くれた母はは　わたしは　手紙てがみが下手へたじゃけと　母かあさん　母かあさん　黙だまっていても　伝つたわりますとも　あなたのこころ
新宿しんじゅく満月まんげつ五木いつきひろし	五木いつきひろし	阿久あく悠ゆう	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	高層こうそうビルに　飾かざったような　真夜中まよなかの　白しろい満月まんげつ　泣なきぐせの女おんな(ひと)が　ふり仰あおぎ想おもう　故郷こきょう(くに)の山やまの端は(は)の渡わたり鳥どり　酔よいがさめたら　十五夜じゅうごやも終おわりね　せめて　せめて　せめて　せめて　ホロリと泣なかせてよ　　人生じんせいなんて　寄より道みちばかり　新宿しんじゅくは　そんな溜たまり場ば　満月まんげつもいつか　ほっそりと痩やせて　道みちを照てらすのは街まち灯あかり　今夜こんやだけでも　迷まよわずに帰かえるわ　せめて　せめて　せめて　せめて　夢ゆめでも見みさせてよ　　鏡かがみのような　満月まんげつだけど　ためいきの　雲くもにかすんで　酔よいどれの女おんな(ひと)が　口笛くちぶえで歌うたう　故郷こきょう(くに)を捨すてた日ひの別わかれ歌か　二に年ねん三さん年ねん　忘わすれてた気持きもちね　せめて　せめて　せめて　せめて　一人ひとりでいさせてよ
女おんなの港みなと山内やまうち惠めぐみ介かい	山内やまうち惠めぐみ介かい	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	上杉うえすぎ洋史ひろし	口紅くちべに(くちべに)が　濃こ(こ)すぎたかしら　着物きものにすれば　よかったかしら　二にヶ月かげつ(ふたつき)前まえに　函館はこだてで　はぐれた人ひとを　長崎ながさきへ　追おえば一夜いちや(ひとよ)が　死しぬほど長ながい　私わたしは港みなとの　通つう(かよ)い妻つま　　信しんじても　ひとりになると　ぷつんと切きれる　ふたりの絆きずな(きずな)　たしかめあった　横浜よこはまの　桟橋さんばし(さんばし)はなれ　塩釜しおがま(しおがま)へ　向むかうあなたが　もう気きにかかる　いつまでたっても　恋こい女おんな(こいおんな)　　海猫うみねこの声こえききながら　港みなとの宿やどで　あなたを待まてば　たずねる船ふねは　青森あおもりにゃ　寄よらずに　佐渡さどへ行いくという　つらい知しらせは　馴なれっこだから　夜汽車よぎしゃでマフラー　編へん(あ)むのです
みだれ髪かみ山内やまうち惠めぐみ介かい	山内やまうち惠めぐみ介かい	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	上杉うえすぎ洋史ひろし	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底曳網そこびきあみ(そこびきあみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
別わかれの一本杉いっぽんすぎ北島きたじま三郎さぶろう	北島きたじま三郎さぶろう	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	春見はるみ俊介しゅんすけ	泣なけた　泣なけた　こらえきれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめ(こ)と別わかれた　哀あい(かな)しさに　山やまのかけすも　啼(な)いていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのよ　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　想おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　ついたなら　便たよりおくれと　云ゆった娘むすめ(ひと)　りんごのような　赤あかい頬ほおっぺたのよ　あの泪なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにも行いかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめ(こ)はいくつ　とうに二に十じゅう(はたち)はヨー　過すぎたろに
ご機嫌きげんさんよ達者たっしゃかね北島きたじま三郎さぶろう	北島きたじま三郎さぶろう	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	池多いけだ孝春たかはる	ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　俺おれらも父ちち(とと)さも　変かわりなく　朝あさも早はやよから　畑はたけ仕事しごと　月つきのデッキで　故里ふるさと(ふるさと)しのび　読よみ返かえす　母ははの母ははの便たよりの　あゝなつかしさ　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　今年ことしゃ実みのりも　豊作ほうさくで　村むらは祭まつりの　笛ふえ太鼓たいこ　書かいた手紙てがみに　あの娘むすめの写真しゃしんも　添そえてある　母ははの母ははのやさしい　あゝ故こ里さと(くに)便たより　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　僕ぼくも返事へんじに　書かいている　幼おさななじみの　故里ふるさと(くに)なまり　波なみを枕まくらに　潮しお鳴なり聞きいて　マドロスは　ほろりほろり見みるのさ　あゝ母ははの夢ゆめ
あの娘むすめが泣ないてる波止場はとば北島きたじま三郎さぶろう	北島きたじま三郎さぶろう	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	池多いけだ孝春たかはる	思おもい出だしたんだとさ　逢あいたく　なったんだとさ　いくらすれても　女おんなはおんな　男心おとこごころにゃ　分わかるもんかと　沖おきの煙けむりを見みながら　ああ　あの娘むすめが泣ないてる　波止場はとば　　呼よんでみたんだとさ　淋さびしく　なったんだとさ　どうせカーゴの　マドロスさんは　一夜いちやどまりの　旅たびの鴎かもめと　遠とおい汽笛きてきを　しょんぼり　ああ　あの娘むすめは聞きいてる　波止場はとば　　なみだ捨すてたんだとさ　待まつ気きに　なったんだとさ　海うみの鳥とりでも　月夜つきよにゃきっと　飛とんでくるだろ　夢ゆめではるばる　それを頼たよりに　いつまで　ああ　あの娘むすめがたたずむ　波止場はとば
おんなの宿やど北島きたじま三郎さぶろう	北島きたじま三郎さぶろう	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	清水しみず路ろ雄ゆう	想おもい出でに降ふる　雨あめもある　恋こいにぬれゆく　傘かさもあろ　伊豆いずの夜よる雨あめを　湯舟ゆぶねできけば　明日あしたの別わかれが　つらくなる　　たとえひと汽車きしゃ　おくれても　すぐに別わかれは　くるものを　わざとおくらす　時計とけいの針はりは　女おんなごころの　かなしさよ　　もえて火ひとなれ　灰はいになれ　添そえぬ恋こいなら　さだめなら　浮ういてさわいだ　夜よるの明あけ方がたは　箸はしを持もつ手てが　重おもくなる
矢や切きりの渡わたし三さん山やまひろし	三さん山やまひろし	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	「つれて逃にげてよ…」　「ついておいでよ…」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね…」　「捨すてはしないよ…」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ…」　「知しらぬ土地とちだよ…」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
のぞみ(希望きぼう)川かわ神かみあい	川かわ神かみあい	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる		ここから出でたら　母ははに会あいたい　おんなじ部屋へやで　ねむってみたい　そしてそして　泣なくだけ泣ないて　ごめんねと　おもいきり　すがってみたい　　ここから出でたら　旅たびに行いきたい　坊ぼうやをつれて　汽車きしゃにのりたい　そしてそして　静しずかな宿やどで　ごめんねと　おもいきり　抱だいてやりたい　　ここから出でたら　強つよくなりたい　希望きぼうを持もって　耐たえて行いきたい　そしてそして　命いのちのかぎり　美うつくしく　もう一度いちど　生いきて行いきたい　　そしてそして　命いのちのかぎり　美うつくしく　もう一度いちど　生いきて行いきたい
さだめ川かわ一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	明日あしたのゆくえ　さがしても　この眼めに見みえぬ　さだめ川がわ　あなたの愛あいの　流ながれるままに　ゆるした夜よるは　雨あめでした　　二人ふたりの恋こいを　憎にくむよな　うわさが辛つらい　さだめ川がわ　故郷こきょうの町まちを　逃がれる旅たびは　いずこの山さんか　また海うみか　　すべてを水みずに　ながしては　生いきて行いけない　さだめ川がわ　あなたの愛あいに　次つぎの世よまでも　ついて生いきたい　私わたしです
星ほしが歌うたった物語ものがたり ～ポロ兄にいちゃんとタンちん君くん～由紀ゆきさおり 安田やすだ祥子さちこ featuring 木山きやま裕ひろし策さく	由紀ゆきさおり 安田やすだ祥子さちこ featuring 木山きやま裕ひろし策さく	山川やまかわ啓介けいすけ	船村ふなむら徹とおる	坂田さかた晃一こういち	「消きえてしまったいのちは、　どこへ行いくか知しってますか？　ポロ兄にいちゃんは、ワン君くん。　タンちん君くんは、ニャーゴ。」　「これは星ほしたちが歌うたってくれた、　ちいさなちいさな物語ものがたりです…」　　いちばん星ほし　みつけた　なみだの中なか　みつけた　悲かなしくなんかないのに　あまく心しんが　うるみます　誰だれかが恋こいしく　なるんです　さあ帰かえろう　でも誰だれと？　　もう帰かえろう　でもどこへ？　とおいあの日ひの　原はらっぱに　なにか忘わすれて　きたようで　銀河ぎんがの　五線ごせん紙しの　星ほしたちの歌うた　聞きいてます　　ポロ兄にいちゃん　ただいま　タンちん君くん　お帰かえり　　銀ぎんの小舟こぶねに　ゆられて　生うまれる前まえの　夜空よぞらに　ぼくも帰かえって　きたんだよ　タンちん君くん　よくきたね　ポロ兄にいちゃん　またいっしょ　ならんで歌うたう　あの星ほしは　　なかよしだった　ペットたち　私わたしの愛あいした　おさない頃ころの　友ともだち　　星ほしがひとつ　流ながれた　生うまれ変かわる　いのちさ　空そらへ帰かえった　ぼくたちは　いつか　もいちど生うまれて　　やさしい家いえへ　ゆくんだよ　ポロ兄にいちゃん　その日ひまで　タンちん君くん　また遊あそぼう　またたきつづける　その声こえが　私わたしだけには　聞きこえます　誰だれも　知しらない　星ほしが歌うたった　物語ものがたり
別わかれの一本杉いっぽんすぎ二見ふたみ颯一	二見ふたみ颯一	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	泣なけた　泣なけた　こらえ切きれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめ(こ)と別わかれた　哀かなしさに　山やまの懸巣かけす(かけす)も　啼ないていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのヨー　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　思おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　着ついたなら　便たよりおくれと　いった娘むすめ(ひと)　リンゴのような　赤あかいほっぺたのヨー　あの涙なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにも行いかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめはいくつ　とうに二に十じゅう(はたち)はヨー　過すぎたろに
海うみの匂においのお母かあさん福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	田村たむら和男かずお	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	海うみの匂においが　しみこんだ　太ふとい毛糸けいとの　チャンチャンコ　背せなかをまるめて　カキを打うつ　母かあさん　母かあさん　お元気げんきですか　案あんじております　兄貴あにきとふたり　　海うみが時化しければ　時化しけるほど　カキはおいしく　なるという　母かあさん　あなたの口癖くちぐせが　土鍋どなべを囲かこめば　きこえてきます　やさしい笑顔えがおが　浮うかんできます　　遠とおく離はなれた　子供こどもらに　海うみの匂においを　くれた母はは　わたしは　手紙てがみが下手へたじゃけと　母かあさん　母かあさん　黙だまっていても　伝つたわりますとも　あなたのこころ
女おんな・紙芝居かみしばい森若もりわか里子さとこ	森若もりわか里子さとこ	円香まどか乃	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	先さきに惚ほれたら　女おんなは負まけだと　人生じんせい芝居しばい　泣なき笑わらい　運命うんめいの糸いとが　結むすんだ人ひとは　苦労くろう話ばなしに　すぐホロリ　人情話にんじょうばなしに　またホロリ　そうさコロリとだまされ　浮うき世よの餌食えじき　それでもアンタ　この世よでたった一人ひとりだけ　惚ほれた男おとこは　アンタ一いち人にんなの　　所詮しょせんこの世よは　キツネとタヌキが　二人ふたりでめくる　紙芝居かみしばい　小指こゆびの糸いとも　時ときには絡からむ　バカな喧嘩けんかを　またひとつ　アホな強つよがり　またひとつ　そうさ絶対ぜったい今度こんどは　別わかれてやると　それでもアンタ　この世よでたった一人ひとりだけ　惚ほれた男おとこは　アンタ一いち人にんなの　　幕まくが上あがれば　いつかは終おわると　人生じんせい芝居しばい　決きまりごと　縁えんの糸いとは　一生いっしょう一いち度ど　アンタ旅立たびだつ　その日ひまで　一人ひとりぽっちに　させないと　そうさ弱虫よわむしアンタが　心配しんぱいだから　今いまでもアンタ　この世よでたった一人ひとりだけ　惚ほれた男おとこは　アンタ一いち人にんなの
ご機嫌きげんさんよ達者たっしゃかね三さん山やまひろし	三さん山やまひろし	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　おらも父ちちさも　変かわりなく　朝あさもはよから　畑はたけ仕事しごと　月つきのデッキで　故郷こきょうしのび　読よみ返かえす　母ははの　母ははのたよりの　あゝ　なつかしさ　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ことしゃ実みのりも豊作ほうさくで　村むらは祭まつりの　笛ふえ太鼓たいこ　書かいた手紙てがみに　あの娘むすめの写真しゃしんも　添そえてある　母ははの　母ははのやさしい　あゝ　故郷こきょうだより　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ぼくも返事へんじに　書かいている　幼おさななじみの　故郷こきょうなまり　波なみを枕まくらに　潮しお鳴なり聞きいて　マドロスは　ほろり　ほろり見みるのさ　あゝ　母ははの夢ゆめ
別わかれの一本杉いっぽんすぎ一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	泣なけた　泣なけた　こらえ切きれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめ(こ)と別わかれた　哀かなしさに　山やまの懸巣かけす(かけす)も　啼(な)いていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのヨー　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　思おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　着ついたなら　便たよりおくれと　いった娘むすめ(ひと)　リンゴのような　赤あかいほっぺたのヨー　あの涙なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにも行くだり(ゆ)かずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめ(こ)はいくつ　とうに二に十じゅう(はたち)はヨー　過すぎたろに
みだれ髪かみ谷たに龍介りゅうすけ	谷たに龍介りゅうすけ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余あまる秋あき　暗くらや　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ
北きたの大地だいち島津しまつ亜矢あや	島津しまつ亜矢あや	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	はるかなる　北きたの空そら　木霊こだま(こだま)も叫さけぶ　エゾ松えぞまつ林りん　母ははの大地だいちに　根ねを下おろし　雪ゆきを吸すい　みぞれを背負せおい　この人生じんせいを　アア…ア…　噛かみしめる　　鈴蘭すずらんよ　ハマナスよ　出逢であいの時ときを　信しんじて耐たえた　愛あいがそのまゝ　花はなとなる　その姿すがた　その凛々りんりん(りり)しさが　凍こお(しば)れた春はるの　アア…ア…　扉とびらを開あける　　ギラギラと　燃もえながら　夕陽ゆうひはうたう　大地だいちの歌うたを　汗あせと涙なみだを　分わけあった　幾いく歳さいの　希望きぼうの道みちに　おまえとおれの　アア…ア…　星ほしが降ふる

曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
心しんはればれ成田山なりたやま島津しまつ亜矢あや	島津しまつ亜矢あや	高田たかだひろお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	のぼる朝日あさひの　門前もんぜ町まちに　初日しょにち(はつひ)うれしい　鐘かねがなる　ご利益りやくいっぱい　お不動ふどうさまに　両手りょうて合あわせて　無事ぶじ祈いのる　今日きょうも明日あしたも　お守もりだいて　心しんはればれ　心しんはればれ　成田なりた山さん　成田なりたヨイトコ　良よいところ　　桜さくらふぶきの　人波ひとなみくぐりゃ　凛りんとそびえる　新勝寺しんしょうじ　千せん年ねん前まえから　人ひとびと救すくう　永久えいきゅう(とわ)にかわらぬ　そのおしえ　今日きょうも明日あしたも　お守もりだいて　心しんはればれ　心しんはればれ　成田なりた山さん　成田なりたヨイトコ　良よいところ　　雨あめにあじさい　しっぽり濡ぬれて　町まちへくり出だす　祇園祭ぎおんまつり(ぎおんさい)　お池いけのほとりで　誓ちかった契ちぎり　結むすぶおみくじ　吉よしとでる　今日きょうも明日あしたも　お守もりだいて　心しんはればれ　心しんはればれ　成田なりた山さん　成田なりたヨイトコ　良よいところ　　山やまの紅葉こうよう(もみじ)は　あかあか燃もえて　耳みみを澄すませば　虫むしの声こえ　恵めぐみの光ひかりに　祈いのりを捧ささげ　歳としの納おさめの　除夜じょやの鐘かね　今日きょうも明日あしたも　お守もりだいて　心しんはればれ　心しんはればれ　成田なりた山さん　成田なりたヨイトコ　良よいところ
ひばりの佐渡さど情話じょうわ森山もりやま愛子あいこ	森山もりやま愛子あいこ	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	周防すおう泰やすし臣しん	佐渡さどの荒磯あらいその　岩いわかげに　咲さくは鹿かの子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみつみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいは…・つらいと　いうて泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬ…・お人ひとと　いうて泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみに　ひとり　しょんぼり　離はなれ島じま　袂たもとだきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしも…・ひとりと　いうて泣ないた
風雪ふうせつながれ旅たび前川まえかわ清きよし	前川まえかわ清きよし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	破やぶれ単たん衣ころも(ひとえ)に　三味線しゃみせんだけば　よされよされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかい指ゆびに　息いきをふきかけ　越こえて来きた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる　八戸はちのへ(はちのへ)　大湊おおみなと(おおみなと)　　三味しゃみが折おれたら　両手りょうてを叩はたけ　バチがなければ　櫛くしでひけ　音おとの出でるもの　何なんでも好すきで　かもめ啼なく声こえ　ききながら　アイヤー　アイヤー　小樽おたる　函館はこだて　苫小牧とまこまい(とまこまい)　　鍋なべのコゲ飯めし(めし)　袂たもと(たもと)でかくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通かよい妻つまだと　笑わらったひとの　髪かみの匂においも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい(るもい)　滝川たきがわ　稚内わっかない(わっかない)
東京とうきょうだョおっ母かあさん朝あさ花はな美穂みほ	朝あさ花はな美穂みほ	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		久ひさし振ぶりに　手てを引ひいて　親子おやこで歩あるける　嬉うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんで来きますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが　二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　とりましょうね　　やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが　九段くだん坂ざか　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　さあさ着ついた　着つきました　達者たっしゃで永なが生いき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが　浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　賑にぎやかね
哀愁あいしゅう波止場はとば朝あさ花はな美穂みほ	朝あさ花はな美穂みほ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれ(だ)あれもいない　霧きりにブイの灯ひ　泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと…　あの人ひとの好すきな歌うた　波なみがつぶやく淋さびしさよ　　あゝ今夜こんやもブイの灯ひが　冷つめたい私わたしの心しんのようにうるんでいる　あの人ひとのいない港みなとは　暗くらい海うみの波なみのように淋さびしいわ…　あの人ひとがいつも唄うたった歌うたが　今夜こんやも私わたしを泣なかすのね　　三月さんがつ(みつき)待まっても　逢あうのは一夜いちや(ひとよ)　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごッ木きくずしは　しんから泣なけるよ…　思おもい出での滲にじむ歌うた　耳みみに残のこって離はなれない
海うみの匂においのお母かあさん氷川ひかわきよし	氷川ひかわきよし	田村たむら和男かずお	船村ふなむら徹とおる	石倉いしくら重信しげのぶ	海うみの匂においが　しみこんだ　太ふとい毛糸けいとのチャンチャンコ　背せなかをまるめて　カキを打うつ　母かあさん　母かあさん　お元気げんきですか　案あんじております　兄貴あにきとふたり　　海うみが時化しけ(しけ)れば時化しけるほど　カキはおいしく　なるという　母かあさん　あなたの口癖くちぐせが　土鍋どなべを囲かこめば　きこえてきます　やさしい笑顔えがおが　浮うかんできます　　遠とおく離はなれた　子供こどもらに　海うみの匂においを　くれた母はは　わたしは　手紙てがみが下手へたじゃけと　母かあさん　母かあさん　黙だまっていても　伝つたわりますとも　あなたのこころ
みだれ髪かみ中西なかにし保志やすし	中西なかにし保志やすし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ
東京とうきょうだョおっ母かあさん岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		おっ母かあさん…　　ねえ　おっ母かあさん　久ひさしぶりに　こうして手てをつないで　おっ母かあさんと一緒いっしょに　東京とうきょう見物けんぶつできるなんて　あーとっても嬉うれしいわ　ホラおっ母かあさん　見みてごらんなさい　ここが宮城みやぎ　二重橋にじゅうばしよ　　久ひさしぶりに　手てを引ひいて　親子おやこで歩あるける　嬉うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんできますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが　二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　撮とりましょね　　ねえ　おっ母かあさん　戦争せんそうで亡なくなった兄にいさん　ここに眠ねむってるのよ　　やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが　九段くだん坂ざか　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　ねえ　お兄にいちゃん　お兄にいちゃんが登のぼって遊あそんだ　庭にわの柿かきの木きもそのままよ　見みせてあげたいわ　　さあさ着ついた　着つきました　達者たっしゃで永なが生いき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが　浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　にぎやかね
兄弟きょうだい船せん一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	一いち条じょう貫つらぬけ太ぶと	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり籠こめさ　　陸りく(おか)に上のぼって　酒さけ飲のむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき　きれども沖おきの　漁場ぎょじょうに着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ　力ちから合あわせてヨ　雨あめを捲まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれを　くぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
紅べにとんぼ丘おかみどり	丘おかみどり	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい(じまい)　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわに　なりました　しんみりしないでよ……ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね……時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳とばり消けし(ちょうけ)し　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通つう(かよ)って　くれました　唄うたってよ　騒さわいでよ……しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね……時々ときどきは　　だからほんとよ　故里ふるさと(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで……チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね……時々ときどきは
兄弟きょうだい船せん水雲もずく-MIZMO-	水雲もずく-MIZMO-	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	周防すおう泰やすし臣しん	波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり籠こめさ　　陸りくに上のぼって　酒さけのむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき　けれども沖おきの　漁場ぎょじょうに着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ　力ちから合あわせてヨ　網あみを巻まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれを　くぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
風雪ふうせつながれ旅たび氷川ひかわきよし	氷川ひかわきよし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	矢田部やたべ正ただし	破やぶれ単たん衣ころも(ひとえ)に　三味線しゃみせんだけば　よされ　よされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかい指ゆびに　息いきをふきかけ　越こえて来きた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる　八戸はちのへ(はちのへ)　大湊おおみなと(おおみなと)　　三味しゃみが折おれたら　両手りょうてを叩はたけ　バチがなければ　櫛くし(くし)でひけ　音おとの出でるもの　何なんでも好すきで　かもめ啼なく声こえ　ききながら　アイヤー　アイヤー　小樽おたる　函館はこだて　苫小牧とまこまい　　鍋なべのコゲ飯めし(めし)　袂たもと(たもと)でかくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通かよい妻つまだと　笑わらった女おんな(ひと)の　髪かみの匂においも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい(るもい)　滝川たきがわ　稚内わっかない(わっかない)
風雪ふうせつながれ旅たび松山まつやま千春ちはる	松山まつやま千春ちはる	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	夏目なつめ一朗いちろう	破やぶれ単たん衣ころもに　三味線しゃみせんだけば　よされよされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかかい指ゆびに　息いきを吹ふきかけ　越こえて来きた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる　八戸はちのへ　大湊おおみなと　　三味しゃみが折おれたら　両手りょうてを叩はたけ　バチがなければ　櫛くしでひけ　音おとの出でるもの　何なんでも好すきで　かもめ啼なく声こえ　ききながら　アイヤー　アイヤー　小樽おたる　函館はこだて　苫小牧とまこまい　　鍋なべのコゲ飯めし　袂たもとで隠かくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通かよい妻つまだと　笑わらった女おんなの　髪かみの匂においも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい　滝川たきがわ　稚内わっかない
天草あまくさ情歌じょうか天草あまくさ二郎じろう	天草あまくさ二郎じろう	中山なかやま大だい三郎さぶろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	雨雲あまぐもが　西にしへ流ながれる　ふるさとは　雨あめだろうか　おふくろが　むしろをたたむ　いもうとが　いそいで帰かえる　二ふたつ三みっつ　柿かきも落おちたろ　　さよならも　言いえず別わかれた　あのときも　雨あめだった　こみあげる　思おもいのように　肩先かたさきを　ぬらしていたよ　バスを待まつ　村むらの日暮ひぐれに　　思おもい出でを　あまくぬらして　ふるさとに　雨あめよ降ふれ　いつの日ひか　のぞみを果はたし　手てをふって　帰かえって行いこう　あぜみちよ　森もりよ変かわるな
わすれ宿やど西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	中川なかがわ大だい三郎さぶろう	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	これでいいねと　宿帳やどちょうに　妻つまとあなたは　書かき入いれる　窓まどの外そと　悲かなしげに　なく虫むしを　聞ききながら　浴衣ゆかたの胸むねに　指ゆびをやる　　どこかさびれた　この宿やどが　今いまのふたりに　似合にあうわね　しのび逢あい　もえたとて　明日あしたは又また　よその人ひと　甘あまえてみたい　しみじみと　　あなたつかれて　いるようね　同おなじくらいに　なやんだの　ありがとう　うれしいわ　心しんだけ　くださいね　涙なみだにふける　わすれ宿やど
親父おやじの手紙てがみ村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	喜多きた條じょう忠ただし	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	息子むすこよ　元気げんきでやってるか　故郷こきょう(こっち)はそろそろ　雪ゆきが降ふる　忙いそがしいのは　わかっているが　正月しょうがつあたりは　帰かえってこんか　母はは(かあ)さん　ハタハタ　きりたんぽ　みんなお前まえを　待まってるぞ　　息子むすこよ　おんなにもててるか　おんなは黙だまって　惚ほれさせろ　顔かおや姿すがた形がた(かたち)は　どうでもいいさ　一緒いっしょに夢ゆめ追おう　おんなに惚ほれろ　いつかは二人ふたりで　飲のみにこい　酒さけは人生じんせい教おしえるぞ　　息子むすこよ　お前まえは俺おれの子こだ　頑固がんこで不器用ぶきよう　俺おれに似にた　しくじるたびに　賢けん(かしこ)くなるぞ　金かねなど貯ためるな　友達ともだち貯ためろ　自分じぶんに嘘うそさえ　つかなけりゃ　他人たにん(ひと)にやさしい　馬鹿ばかでいい
祭まつり唄うた村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	木下きのした龍太郎りゅうたろう	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	帰かえる気きになりゃ　日帰ひがえりで　行いける故郷こきょうも　俺おれには遠とおい　背伸せのびして見みる　夢ゆめン中ちゅう　今日きょうも聴きこえるョー　変かわりゃないかとョー　気遣きづかう母ははの　声こえが呼よぶよな　祭まつり唄うた　　ハーエー　ちらりちらりと　ハヨイヨイト　並木なみきの杉すぎの　渡わたり鳥どりかよ　アレサョ　曉あかつきの空そら　　便たより何なん度どか来きたけれど　いつも書かいては　破やぶいた返事へんじ　済すまぬ済すまぬと　夢ゆめン中ちゅう　耳みみをすませばョー　たまにゃ帰かえれとョー　故郷こきょうの友ともが　叩たたく太鼓たいこか　祭まつり唄うた　　ハーエー　那須なすはつつじか　ハヨイヨイト　塩原しおばらもみじ　湯気ゆげに咲さくのは　アレサョ　恋こいの花はな　　すがる瞳ひとみに背せを向むけた　上のぼり列車れっしゃの小雨こさめのホーム　想おもい出でしてる　夢ゆめン中ちゅう　泣ないて聴きこえるョー　迎むかえ来きてねとョー　待まってる女おんなの　黒髪くろかみにからまる　祭まつり唄うた
居酒屋いざかや「津軽つがる」走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	おやじさんよ　つけてくれ　火傷かしょうしそうな　熱燗あつかん一いち丁ちょう　きついぜ　あの娘むすめは達者たっしゃかい　なんて　あとから来くるよと　言いいたいけれど　死しんだよ……あいつは……　おやじさん　　おやじさんの　津軽つがる弁べん　聞きくと夜汽車よぎしゃに　乗のりたくなると　泣なきざけあおって　いたっけなァ　あいつ　今夜こんやのめざしの　けむりはやけに　しみるなァ……しみるョ　おやじさん　　おやじさんよ　よかったら　呑のんでおくれよ　手向たむけの酒さけだ　あいつのグラスにゃ　花はなでも挿さすか　表ひょうは土砂降どしゃぶり　じょんがら節ぶしを　もう一度いちど……たのむよ……　おやじさん
矢や切きりの渡わたし市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	「つれて逃にげてよ…」　「ついておいでよ…」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切ぎりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　ふたりです　　「見みすてないでね…」　「捨すてはしないよ…」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切ぎりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行くだり(ゆ)くのよ…」　「知しらぬ土地とちだよ…」　揺ゆれながら艪(ろ)が咽むせ(むせ)ぶ　矢や切ぎりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あした(あす)へ漕こげ(こ)ぎだす　別わかれです
おんなの出船しゅっせん市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	山田やまだ孝雄たかお	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ枯かれても　枯かれるな恋こいよ　船ふねに私わたしは乗のる　あなた桟橋さんばしで　白しろいテープを引ひく　お別わかれ波止場はとば　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん　　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを下ください　おんなの夢ゆめを　明日あしたはどうにかなる　今夜こんや見みる夢ゆめに　愛あいを信しんじて行いく　一人ひとりの旅路たびじ　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん　　心しん　心しん　心しん　心しん　心こころあげます　おんなの心しん　他たに何なにもない　あげるものなんて　沖おきじゃカモメが泣なく　お別わかれ波止場はとば　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん
紅べにとんぼ坂本さかもと冬美ふゆみ	坂本さかもと冬美ふゆみ	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	坂本さかもと昌之まさゆき	空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい(みせじまい)　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわになりました　しんみりしないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳とばり消けし(ちょうけ)し　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通かよってくれました　唄うたってよ騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故郷こきょう(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは
みだれ髪かみ水森みずもりかおり	水森みずもりかおり	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
のぞみ(希望きぼう)五木いつきひろし	五木いつきひろし	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	ここから出でたら　母ははに会あいたい　おんなじ部屋へやで　ねむってみたい　そしてそして　泣なくだけ泣ないて　ごめんねと　おもいきりすがってみたい　　ここから出でたら　旅たびに行いきたい　坊ぼうやをつれて　汽車きしゃにのりたい　そしてそして　静しずかな宿やどで　ごめんねと　おもいきり抱だいてやりたい　　ここから出でたら　強つよくなりたい　希望きぼう(のぞみ)を持もって　耐たえて行いきたい　そしてそして　命いのちのかぎり　美うつくしく　もう一度いちど生いきて行いきたい
王将おうしょう福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	吹ふけば飛とぶよな　将棋しょうぎの駒こまに　賭かけた命いのちを　笑わらわば笑わらえ　うまれ浪花なにわの　八はち百ひゃく八はち橋きょう　月つきも知しってる　俺おれらの意気地いくじ　　あの手てこの手ての　思案しあんを胸むねに　やぶれ長屋ながやで　今年ことしも暮くれた　愚痴ぐちも言いわずに　女房にょうぼうの小春こはる　つくる笑顔えがおが　いじらしい　　明日あしたは東京とうきょうに　出でて行いくからは　なにがなんでも　勝かたねばならぬ　空そらに灯ひがつく　通天閣つうてんかくに　おれの闘志とうしが　また燃もえる
男おとこの駅えき走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	たきのえいじ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	線路せんろはなくても　心しんの中なかに　故郷こきょう(こきょう)に続つづく　駅えきがある　父ちちがいた　母ははがいた　海鳴うみなり鳴ないた　都会とかいにいても　まだなじめない　今夜こんやは夢ゆめで帰かえろうか　男おとこの駅えき　　何なん年ねん経たっても　心しんの中なかに　あの日ひを忍しのぶ　駅えきがある　友ともがいた　きみがいた　初はじめての恋こい　お元気げんきですか　どうしてますか　今いまでも顔かおが目めにうかぶ　男おとこの駅えき　　嵐あらしが行ゆく手てを　ふさいでいても　明日あした(あした)に続つづく　駅えきがある　夢ゆめだけを追おい掛かけて　生いきてたあの日々ひび　あきらめないで　うつむかないで　これから先さきも迷まよわずに　男おとこの駅えき
なみだの宿やど走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	古木ふるき花江はなえ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	想おもい出での　想おもい出での　湯ゆの街まちあかり　女おんなゆえ　女おんなゆえ　涙なみだにぬれて　さよならを　さよならを　　汽車きしゃがくる　汽車きしゃがくる　わかれを連つれて　海沿うみぞいの　海沿うみぞいの　さびれた宿やどに　泣なき虫むしの　泣なき虫むしの　影かげがくずれる　　いやだよと　いやだよと　泣ないてたあの娘むすめ　いやだって　いやだって　ゆかなきゃならぬ　湯ゆの街まちに　湯ゆの街まちに　咲さいた恋こい花はな　　矢絣やがすりの　矢絣やがすりの　似合にあうほそい娘むすめ　おまえには　おまえには　母ははの田舎いなかで　針仕事はりしごと　針仕事はりしごと　させておきたい
のぞみ(希望きぼう)走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	ここから出でたら　母ははに会あいたい　おんなじ部屋へやで　ねむってみたい　そして　そして　泣なくだけ泣ないて　ごめんねと　おもいきり　すがってみたい　　ここから出でたら　旅たびに行いきたい　坊ぼうやを連つれて　汽車きしゃにのりたい　そして　そして　静しずかな宿やどで　ごめんねと　想おもいきり　抱だいてやりたい　　ここから出でたら　強つよくなりたい　希望きぼうを持もって　耐たえて行いきたい　そして　そして　命いのちのかぎり　美うつくしく　も一いち度ど　生いきて行いきたい　　そして　そして　命いのちのかぎり　美うつくしく　も一いち度ど　生いきて行いきたい
その人ひとは昔むかし走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	松山まつやま善よし三さん	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	その人ひとは昔むかし　海うみの底そこの　真珠しんじゅだった　その人ひとは昔むかし　山やまの谷たにの　白百合しらゆりだった　　その人ひとは昔むかし　夜空よぞらの星ほしの輝かがやきだった　その人ひとは昔むかし　僕ぼくの心しんの　灯火ともしびだった　　でも　その人ひとは　もう　今いまは　いない　　その人ひとは　むかし　僕ぼくの　すべて　今いまもその人ひとは　思おもい出での　丘おかに咲さく　ひな菊きくの花はな　　その人ひとは　むかし　僕ぼくの　いのち　　今いまもその人ひとは　僕ぼくの日記にっきを　埋うめる　かがやき　　その人ひとは　むかし　僕ぼくの　ちから　いまもその人ひとは　僕ぼくをやさしく　みつめる　こいびと　　でも　その人ひとは　もう　今いまは　いない　　その人ひとは　むかし　玉石ぎょくせきの　荒あらい　波なみぎわ　　若わか駒こまの　たてがみ　つかみ　　いらだつ　海うみの向むこうを　見みていた　胸むねをはって
みだれ髪かみ嶺みね陽子ようこ	嶺みね陽子ようこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
ひばりの佐渡さど情話じょうわ嶺みね陽子ようこ	嶺みね陽子ようこ	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	佐渡さどの荒磯あらいそ(ありそ)の　岩いわかげに　咲さくは鹿かの子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみつみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいは…つらいと　いうて　泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬ…お人ひとと　いうて泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみに　ひとり　しょんぼり　離はなれ島じま　袂たもとだきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしも…ひとりと　いうて泣ないた

曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
三味線しゃみせんマドロス天童てんどうよしみ	天童てんどうよしみ	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	池多いけだ孝春たかはる	波なみの小唄こうたに　三味線しゃみせん弾ひけば　しゃれた奴やつだと　仲間なかまが笑わらう　陸りく(おか)が恋こいしさに　ついつい負まけて　呼よべば未練みれんが　呼よべば未練みれんが　エーエー　夜霧よぎりにとけたよ　　青あおい月夜つきよにゃ　泪なみだで弾ひいた　破やぶれ三味線しゃみせん　あの娘むすめの形見かたみ　情じょうあったなら　男おとこの胸むねを　帰かえる鴎かもめよ　帰かえる鴎かもめよ　エーエー　伝つたえておくれよ　　なれぬ手てつきで　しみじみ聞きかしゃ　荒あれた心しんも　ほろりと泣なける　無事ぶじか達者たっしゃでか　淋さびしいえくぼ　辛つらい想おもいも　辛つらい想おもいも　エーエー　しばしの事ことだよ
ひばりの佐渡さど情話じょうわ天童てんどうよしみ	天童てんどうよしみ	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる		佐渡さどの荒磯あらいそ(ありそ)の　岩いわかげに　咲さくは鹿しか(か)の子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみ摘つみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいはつらいと　いうて泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬお人ひとと　いうて泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみ(あらうみ)に　ひとりしょんぼり　離はなれ島じま　袂たもと(たもと)だきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしもひとりと　いうて泣ないた
哀愁あいしゅう波止場はとば天童てんどうよしみ	天童てんどうよしみ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれ(だ)ァれもいない　霧きりにブイの灯ひ(ひ)　泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと……　あの人ひとの　すきな歌うた　波なみがつぶやく　淋(さみ)しさよ　　「ああ今夜こんやもブイの灯ひが……　冷つめたい私わたしの心しんのように　うるんでいる　あの人ひとのいない港みなとは　暗くらい海うみの波なみのように淋さびしいわ……　あの人ひとがいつも歌うたった唄うたが　今夜こんやも私わたしを泣なかすのね」　　三月さんがつ(みつき)待まっても　逢あうのは一夜いちや(ひとよ)　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごッ木き(ぎ)くずしは　しんから　なけるよ……　思おもい出での　滲(にじ)む歌か　耳みみに残のこって　離はなれない
なみだ船せん氷川ひかわきよし	氷川ひかわきよし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	石倉いしくら重信しげのぶ	涙なみだの終おわりの　ひと滴てき(しずく)　ゴムのかっぱに　しみとおる　どうせおいらは　ヤン衆しゅかもめ　泣なくな怨うらむな　北海ほっかいの　海うみに芽めをふく　恋こいの花はな　　クルクル帆綱ほづな(ほづな)を　巻まきあげて　暁あかつき(あけ)の千島ちしまを　忍しのび立だち　あてにゃすまいぞ　ヤン衆しゅかもめ　舵かじであやつる　舟ふねのよに　女心おんなごころは　ままならぬ　　惚ほれたら遠慮えんりょは　できまいが　いやというなら　ぜひもない　夢ゆめをみるなよ　ヤン衆しゅかもめ　にしん枕まくらに　北海ほっかいの　月つきに哀あいしや　泪なみだ船せん
花はなひばり五木いつきひろし	五木いつきひろし	美空みそらひばり	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	花はなは美うつくしく　散ちりゆくもの　人ひとは儚はかなく　終おわるもの　ああ　我わがれ　切せつなくも　人ひとと　生うまれし　大おおきな花はな…　小ちいさな花はな…　愛あいの花はな…　恋こいの花はな…　花はなは咲さきけど　散ちることも知しらず　愛あい(いと)おしや　　おんな悲かなしくも　ひとりでそっと　夜よごと涙なみだに　もの想おもう　ああ　我わがれ　さすらいの　おんなと　生うまれし　乙女おとめの花はな　おんなの花はな　母ははの花はな　命いのちの花はな　花はなは咲さきけど　散ちることも知しらず　愛あいおしや　　大おおきな花はな…　小ちいさな花はな…　愛あいの花はな…　恋こいの花はな…　花はなは咲さきけど　散ちることも知しらず　愛あい(いと)おしや
思おもい川かわ藤島ふじしま桓夫	藤島ふじしま桓夫	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	寒さむいでしょうね　ふるさとは　ごめんなさいね　行いけないで　乳房ちぶさ知しらない　わが子このために　誰だれの祈いのりか　紙かみの鶴づる　ゆれて流ながれる　思おもい川がわ　　終着駅しゅうちゃくえきの　向むこうには　灯あかりもあれば　愛あいもある　くらい宿命しゅくめい(さだめ)を　ひきずりながら　負まけてしまった　弱虫よわむしの　こころ励はげます　思おもい川がわ　　がんばりましょう　あなたしか　あなたを救すくう　ひとはない　そりゃあ死しぬのは　なんでもないが　生いきるつらさを　のりこえりゃ　春はるが又またくる　思おもい川かわ
おんなの宿やど三さん山やまひろし	三さん山やまひろし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	想おもい出でに降ふる　雨あめもある　恋こいにぬれゆく　傘かさもあろ　伊豆いずの夜よる雨あめを　湯舟ゆぶねできけば　明日あしたの別わかれが　つらくなる　　たとえひと汽車きしゃ　おくれても　すぐに別わかれは　くるものを　わざとおくらす　時計とけいの針はりは　女おんなごころの　かなしさよ　　もえて火ひとなれ　灰はいになれ　添そえぬ恋こいなら　さだめなら　浮ういてさわいだ　夜よるの明あけ方がたは　箸はしを持もつ手てが　重おもくなる
柿かきの木坂きざかの家いえ三さん山やまひろし	三さん山やまひろし	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	春はるには　柿かきの　花はなが咲さき　秋あきには　柿かきの　実みが熟なれる　柿かきの木坂きざかは　駅えきまで三里さんり　思おもいだすなァ　ふる里さとのヨ　乗合のりあいバスの　悲かなしい別わかれ　　春はるには　青あおい　めじろ追おい　秋あきには　赤あかい　とんぼとり　柿かきの木坂きざかで　遊あそんだ昔むかし　懐なつかしいなア　しみじみとヨ　こゝろに返かえる　幼ようない夢ゆめが　　春はるくりゃ　偲しのぶ　馬うまの市し　秋あきくりゃ　恋こいし　村むら祭まつり　柿かきの木坂きざかの　あの娘むすめの家いえよ　逢あってみたいなア　今いまも尚なおヨ　機織はたおりながら　暮くらしていてか
わすれ宿やど五木いつきひろし	五木いつきひろし	中山なかやま大だい三郎さぶろう	船村ふなむら徹とおる	前田まえだ俊明としあき	これでいいねと　宿帳やどちょうに　妻つまとあなたは　書かき入いれる　窓まどの外そと　悲かなしげに　なく虫むしを　聞ききながら　浴衣ゆかたの胸むねに　指ゆびをやる　　どこかさびれた　この宿やどが　今いまのふたりに　似合にあうわね　しのび逢あい　もえたとて　明日あしたは又また　よその人ひと　甘あまえてみたい　しみじみと　　あなたつかれて　いるようね　同おなじくらいに　なやんだの　ありがとう　うれしいわ　心しんだけ　くださいね　涙なみだにふける　わすれ宿やど
男おとこの友情ゆうじょう五木いつきひろし	五木いつきひろし	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	昨夜さくや(ゆんべ)も君きみの　夢見ゆめみたよ　なんの変かわりも　ないだろね　東京とうきょう恋こいしや　行いけぬ身みは　背せのびして見みる　遠とおい空そら　段々畑だんだんばたけの　ぐみの実みも　あの日ひのまゝに　うるんだぜ　　流ながれる雲くもは　ちぎれても　いつも変かわらぬ　友情ゆうじょうに　東京とうきょう恋こいしや　逢あいたくて　風ふうに切きれ切ぎれ　友ともの名なを　淋さびしく呼よんだら　泣なけて来きた　黄昏たそがれ赤あかい　丘おかの径みち　　田舎いなかの駅えきで　君きみの手てを　ぐっとにぎった　あの温ぬくみ　東京とうきょう恋こいしや　今いまだって　男おとこ同士どうしの　誓ちかいなら　忘わすれるものかよ　この胸むねに　抱だきしめながら　いる俺おれさ
都会とかいのカラス村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	舟木ふなき一夫かずお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	身体しんたいいっぱい　夢ゆめつめこんで　燃もえて巣立すだった　あの茜あかね空そら　たぎる想おもいの　三さん年ねん五ご年ねん　いつか迷子まいごの　都会とかいのカラス　風ふうにまかれて　吹ふきっさらし　　右みぎは冷つめたい　左ひだりは暗くらい　羽はねをつぼめて　また行いきどまり　尖とがるばかりの　心しんの片隅かたすみ(すみ)で　明日あした(あす)を見上みあげる　都会とかいのカラス　今日きょうの日暮ひぐれも　泪なみだいろ　　意地いじを咲さかせて　ひと花はな摘つんで　きっと帰かえるさ　待まっててくれよ　つ・んと振ふりむく　ふるさと沁しみて　うるむ目めがしら　都会とかいのカラス　親父おやじおふくろ　懐なつかしい
さいはての月つき村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	舟木ふなき一夫かずお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	さいはての　月つきは銀色ぎんいろ　北国きたぐにの　夜よるの深ふかさに　還かえらない　恋こいが泣ないてる　　愛いとしさに　心こころふるえて　死しぬまでと　命いのちかさねた　遠とおい日々ひび　今いまはまぼろし　　“いつまでも　きっと待まってる…”　くりかえし　指ゆびをからめた　あのひとの　ここはふるさと　　さいはての　月つきは銀色ぎんいろ　見上みあげれば　涙なみだひとすじ　吹ふきわたる　風ふうにちぎれる
みだれ髪かみ川上かわかみ大輔だいすけ	川上かわかみ大輔だいすけ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	矢田部やたべ正ただし	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
肱川ひじかわあらし伍代ごだい夏子なつこ	伍代ごだい夏子なつこ	喜多きた條じょう忠ただし	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	非ひの打うちどころの　ない人ひとなんていませんよ　こころに傷きずの　ない人ひとなんていませんよ　川かわを　流ながれる　霧きりあらし　町まちの灯あかりも　ふたりの過去かこも　隠かくしてください　肱川ひじかわあらし　　世間せけんに顔向かおむけ　出来できない恋こいでいいですよ　やさしく抱いだかれ　あなたと死しんでいいですよ　海うみも　染そめゆく　白しろい霧きり　好すきで出逢であった　ふたりの行方ゆくえ(ゆくえ)　教おしえてください　肱川ひじかわあらし　　涙なみだの川かわなら　いくつも越こえてきましたよ　こころが石いしに　変かわったこともありました　大洲おおす(おおず)　長浜ながはま　赤あかい橋はし　こころがわりの　切せつなさだけは　こらえてください　肱川ひじかわあらし
夢ゆめ待まち港みなと伍代ごだい夏子なつこ	伍代ごだい夏子なつこ	喜多きた條じょう忠ただし	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	汽笛きてきがひとつ　鳴なるたびに　お酒さけ注ちゅう(つ)ぎ足たす　雪ゆきが降ふる　いい人じんだったね　今度こんどの人ひとは　それでもどこかへ　消きえちゃった　北きたの酒場さかばは　夢ゆめ待まち港みなと　　問とい刺ざし網もうに　問とうてみりゃ　馬鹿ばかにばっかり　惚ほれてるね　度胸どきょうに惚ほれたり　見掛みかけに惚ほれて　小しょう魚さかなみたいに　捨すてられて　凍こおる漁火ぎょか　夢ゆめ待まち港みなと　　おんなのひとり　幸しあわせに　出来できぬ男おとこが　情なさけない　荒波あらなみばかりが　勝負しょうぶじゃないよ　おんなのまごころ　仕留しとめておくれ　きっと来くる春はる　夢ゆめ待まち港みなと
兄弟きょうだい船せん中西なかにしりえ	中西なかにしりえ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	クラウン・オーケストラ	波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり籠こめさ　　陸りく(おか)に上のぼって　酒さけのむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき　けれども沖おきの　漁場ぎょじょうに着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ　力ちから合あわせてヨ　網あみを捲まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれ(すだれ)を　くぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
母ははのいない故郷こきょう走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	新本にいもと創はじめ子こ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	母ははのいない故郷こきょうは風ふうの村むら　無人むじん駅えきに降おりりゃ　子供こどもにかえれない淋さびしさ　母かあさんのせいだよ　ただ時ときの流ながれにたたずむばかり　　母ははのいない故郷こきょうは雪ゆきの村むら　暗くらい夜道よみち走はしって　くぐり戸どうしろ手でに閉しめれば　懐なつかしい囲炉裏いろりばた　ただほだ火ひとろとろくすぶるばかり　　母ははのいない故郷こきょうは春はるの村むら　かごに草くさを摘つんで　手拭てぬぐいかぶってく村人むらびと　母かあさんに似にてたよ　ただ後姿うしろすがたを見送みおくるばかり
あの娘むすめの泣ないてる波止場はとば三さん丘おか翔太しょうた	三さん丘おか翔太しょうた	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		思おもい出だしたんだとさ　逢あいたく　なったんだとさ　いくらすれても　女おんなはおんな　男心おとこごころにゃ　分わかるもんかと　沖おきの煙けむりを　見みながら　ああ　あの娘むすめが泣ないてる　波止場はとば　　呼よんでみたんだとさ　淋さびしく　なったんだとさ　どうせカーゴの　マドロスさんは　一夜いちやどまりの　旅たびの鴎かもめと　遠とおい汽笛きてきを　しょんぼり　ああ　あの娘むすめは聞きいてる　波止場はとば　　なみだ捨すてたんだとさ　待まつ気きに　なったんだとさ　海うみの鳥とりでも　月夜つきよにゃきっと　飛とんでくるだろ　夢ゆめではろばろ　それを頼たよりに　いつまで　ああ　あの娘むすめがたたずむ　波止場はとば
柿かきの木坂きざかの家いえ三さん丘おか翔太しょうた	三さん丘おか翔太しょうた	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	伊藤いとう雪ゆき彦	春はるには　柿かきの花はなが咲さき　秋あきには　柿かきの実みが熟じゅく(う)れる　柿かきの木坂きざかは　駅えきまで三里さんり　思おもい出だすなァ　ふる里さとのョ　乗合のりあいバスの　悲かなしい別わかれ　　春はるには　青あおいめじろ追おい　秋あきには　赤あかいとんぼとり　柿かきの木坂きざかで　遊あそんだ昔むかし　懐なつかしいなァ　しみじみとョ　こころに返かえる　幼ようない夢ゆめが　　春はるくりゃ　偲しのぶ馬うまの市し　秋あきくりゃ　恋こいし村むら祭まつり　柿かきの木坂きざかの　あの娘むすめ(こ)の家いえよ　逢あってみたいなァ　今いまも尚なおョ　機織はたおりながら　暮くらしていてか
おんなの宿やど西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		想おもい出でに降ふる　雨あめもある　恋こいにぬれゆく　傘かさもあろ　伊豆いずの夜よる雨あめを　湯舟ゆぶねできけば　明日あしたの別わかれが　つらくなる　　たとえひと汽車きしゃ　おくれても　すぐに別わかれは　くるものを　わざとおくらす　時計とけいの針はりは　女おんなごころの　かなしさよ　　もえて火ひとなれ　灰はいになれ　添そえぬ恋こいなら　さだめなら　浮ういてさわいだ　夜よるの明あけ方がたは　箸はしを持もつ手てが　重おもくなる
王将おうしょう西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる		吹ふけば飛とぶよな　将棋しょうぎの駒こまに　賭かけた命いのちを　笑わらわば笑わらえ　うまれ浪花なにわの　八はち百ひゃく八はち橋きょう　月つきも知しってる　俺おれらの意気地いくじ　　あの手てこの手ての　思案しあんを胸むねに　やぶれ長屋ながやで　今年ことしも暮くれた　愚痴ぐちも言いわずに　女房にょうぼうの小春こはる　つくる笑顔えがおが　いじらしい　　明日あしたは東京とうきょうに　出でて行いくからは　なにがなんでも　勝かたねばならぬ　空そらに灯ひがつく　通天閣つうてんかくに　おれの闘志とうしが　また燃もえる
ご機嫌きげんさんよ達者たっしゃかね西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		ご機嫌きげんさんよ　達者だっしゃ(たっしゃ)かね　おらも父ちち(とと)さも　変かわりなく　朝あさもはよから　畑はたけ仕事しごと　月つきのデッキで　故郷こきょう(ふるさと)しのび　読よみ返かえす　母ははの　母ははのたよりの　あゝ　なつかしさ　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ことしゃ実みのりも　豊作ほうさくで　村むらは祭まつりの　笛ふえ太鼓たいこ　書かいた手紙てがみに　あの娘むすめ(こ)の写真しゃしんも　添そえてある　母ははの　母ははのやさしい　あゝ　故郷こきょう(くに)だより　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ぼくも返事へんじに　書かいている　幼おさななじみの　故郷こきょう(くに)なまり　波なみを枕まくらに　潮しお鳴なり聞きいて　マドロスは　ほろり　ほろり見みるのさ　あゝ　母ははの夢ゆめ
矢や切きりの渡わたし西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		「つれて逃にげてよ……」　「ついておいでよ……」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切ぎりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね……」　「捨すてはしないよ……」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切ぎりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行くだり(ゆ)くのよ……」　「知しらぬ土地とちだよ……」　揺ゆれながら艪(ろ)が咽むせ(むせ)ぶ　矢や切ぎりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あした(あす)へ漕こげ(こ)ぎだす　別わかれです
みだれ髪かみ西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴出けだしが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からしらや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳ひき網もうの　舟ふねにのせたい　この片かた情なさけ　　春はるは二に重じゅうに　巻まいた帯おび　三重みえに巻まいても　余あまる秋あき　暗くらや　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ
柿かきの木坂きざかの家いえ西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		春はるには　柿かきの花はなが咲さき　秋あきには　柿かきの実みが熟じゅく(う)れる　柿かきの木坂きざかは　駅えきまで三里さんり　思おもいだすなァ　ふる里さとのョ　乗合のりあいバスの　悲かなしい別わかれ　　春はるには　青あおいめじろ追おい　秋あきには　赤あかいとんぼとり　柿かきの木坂きざかで　遊あそんだ昔むかし　懐なつかしいなァ　しみじみとョ　こころに返かえる　幼ようない夢ゆめが　　春はるくりゃ　偲しのぶ馬うまの市し　秋あきくりゃ　恋こいし村むら祭まつり　柿かきの木坂きざかの　あの娘むすめ(こ)の家いえよ　逢あってみたいなァ　今いまも尚なおョ　機織はたおりながら　暮くらしていてか
さだめ川かわ西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		明日あした(あした)のゆくえ　さがしても　この眼めに見みえぬ　さだめ川がわ　あなたの愛あいの　流ながれるままに　ゆるした夜よるは　雨あめでした　　二人ふたりの恋こいを　憎にくむよな　うわさが辛つらい　さだめ川がわ　故郷こきょうの町まちを　逃がれる旅たびは　いずこの山やまが　また海うみか　　すべてを水みずに　ながしては　生いきて行くだり(ゆ)けない　さだめ川がわ　あなたの愛あいに　次つぎの世よまでも　ついて行くだり(ゆ)きたい　私わたしです
風雪ふうせつながれ旅たび清水しみず博正ひろまさ	清水しみず博正ひろまさ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	伊戸いとのりお	破やぶれ単たん衣ころも(ひとえ)に　三味線しゃみせんだけば　よされよされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかい指ゆびに　息いきを吹ふきかけ　越こえてきた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる(つがる)　八戸はちのへ(はちのへ)　大湊おおみなと(おおみなと)　　三味しゃみが折おれたら　両手りょうてを叩はたけ　バチが無なければ　櫛くし(くし)でひけ　音おとの出でるもの　何なんでも好すきで　かもめ啼なく声こえ　ききながら　アイヤー　アイヤー　小樽おたる(おたる)　函館はこだて(はこだて)　苫小牧とまこまい(とまこまい)　　鍋なべ(なべ)のコゲ飯めし　袂たもと(たもと)で隠かくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通かよい妻つまだと　笑わらった女おんな(ひと)の　髪かみの匂においも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい(るもい)　滝川たきがわ(たきかわ)　稚内わっかない(わっかない)
焔ほのお歌か西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	しのび逢あう　罪つみをかくして　花吹雪はなふぶき　なごり夜桜よざくら　人ひとの世よの　道理どうり(ミチ)に背そむけ(ソム)いた　恋こいゆえに　焦こがすいのち焔ほのお(ビ)　嗚呼ああ(ハア)……　灰はいになるまで　　戯おどけ(タワム)れに　妻つまを気きどれど　切せつなくも　夢ゆめのまた夢ゆめ　離はなさない　離はなれたくない　求もとめあい　とけてとかして　嗚呼ああ(ハア)……　おぼろ紅べに(クレナイ)　　後朝きぬぎぬ(キヌギヌ)の　泪なみだかすめて　散ちり急いそぐ　桜さくら(ハナ)のためいき　結むすばれぬ　さだめ恋こいなら　ただ一途いっと　心しんのままに　嗚呼ああ(ハア)……　命いのち道行みちゆき
若わかい衆しゅ西方にしかた裕之ひろゆき	西方にしかた裕之ひろゆき	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	時代じだいおくれと　演歌えんかを嗤(ワラ)う　そこの若わかい衆しゅ　若わかい衆しゅさんよ　義理ぎりも人情にんじょうも　すたれた巷ちまた(マチ)に　生うまれ育そだった　あんた達たち(ラ)に　日本にっぽん(ニッポン)印しるしの　演歌えんかの本音ほんね　おう！ドント　伝つたえたい！！　　ボタン一ひとつで　チョイと生いき返かええる　ゲーム育そだちの　若わかい衆しゅさんよ　人間にんげん(ヒト)の命いのちの　愛あい(イト)しさ重おもさ　歌うたの間あいだに間あいだに　汲(ク)んどくれ　日本にっぽん印しるしの　演歌えんかの温ぬる(ヌク)み　おう！ドント　届とどけたい！！　　受うけた情じょう(ナサ)けは　骨身ほねみ(ホネミ)に刻こく(キザ)め　かけた情なさけは　さらりと流ながせ　いいさじんわり　感かんじておくれ　未来みらい(アス)をまかせる　あんた達たち(ラ)に　日本にっぽん印しるしの　演歌えんかの魂たましい(ココロ)　おう！ドント　託たくしたい！！
みだれ髪かみ大江おおえ裕ひろし	大江おおえ裕ひろし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	佐伯さえき亮あきら	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ

曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
友情ゆうじょうの海うみ冠かんむり二郎じろう	冠かんむり二郎じろう	三浦みうら康かん照あきら	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	黒潮くろしおよりも　強つよいやつ　涙なみだを見みせぬ　馬鹿ばかなやつ　嵐あらしの海うみに　何故なぜ負まけた　俺おれは独ひとりで　見みつめる夕日ゆうひ　　喧嘩けんかもしたが　心しんから　慰なぐさめあえる　友ともだった　あいつが俺おれを　呼よぶ声こえが　遠とおい海うみから　聞きこえてくるぜ　　地球ちきゅうに海うみが　ある限かぎり　あいつは死しんじゃ　いないんだ　男おとこの船ふねに　友情ゆうじょうを　積つんで乗のり切きる　南みなみの海うみよ
ござる～GOZARU～村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	舟木ふなき一夫かずお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	夢ゆめはね――　夢ゆめは男おとこの　命いのちでござる　金かねじゃ買かえない　血潮ちしおでござる　恋こいはね――　恋こいは男おとこの　命いのちでござる　金かねじゃ買かえない　「惚とぼけ」の字じでござる　義理ぎりと人情にんじょう　ないないづくし　こんな世よの中なか　はな唄うたまじり　耐たえて忍しのんで　一いち歩ほ・半はん歩ふと　生いきるで～GOZARU～　　嘘うそとね――　嘘うそとまことは　ひとつでござる　それがこの世よの　習ならいでござる　裏うらとね――　裏うらと表ひょうは　ひとつでござる　それがこの世よの　道理どうりでござる　言いわれなくても　判わかっちゃいるが　とても器用きようにゃ　転ころがしきれず　ちょいとため息いき　出来できることから　やるので～GOZARU～　　傷きずはね――　傷きずは男おとこの　宝たからでござる　金かねじゃ売うれない　昨日きのうでござる　明日あしたはね――　明日あしたは男おとこの　宝たからでござる　金かねじゃ売うれない　のぞみでござる　前まえを見みすえて　歩あるいて駆がけて　山やまの高たかさも　谷間たにまの冬ふゆも　越こえてみせるさ　親おやにもらった　身体しんたいが～GOZARU～
北きたの男おとこ旅たび村木むらき弾だん	村木むらき弾だん	喜多きた條じょう忠ただし	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	男おとこの旅たびの　なぐさめは　たとえば北きたの　はまなすか　シベリアおろしの　風ふうに耐たえ　花はなびらふるわせ　赤あかく咲さく　そんな男おとこに　俺おれはなりたい　　男おとこの旅たびの　やすらぎは　灯あかりが誘さそう　浜はま酒場さかば　どこから来きたのと　酒さけを注ちゅう(つ)ぐ　訳わけあり風情ふぜい(ふぜい)の　片かたえくぼ　そんな女おんなの　影かげが恋こいしい　　男おとこの旅たびの　哀かなしみは　見果みはてぬ夢ゆめの　亡なき骸がらか　凍こおれる星空ほしぞら　見上みあげては　まだまだやるぞと　吼ほえ(ほ)えてみる　そんな男おとこの　北きたの男おとこ旅たび
悠々ゆうゆうと…鳥羽とば一郎いちろう	鳥羽とば一郎いちろう	池田いけだ充男みつお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	たとえば俺おれが　死しんだなら　いのちのすべてを　灰はいにして　北きたの空そらから　撒まいてくれ　ハマナスよりも　なお赤あかく　なお燃もえて　原生花園げんせいかえんに　咲さくだろう　咲さくだろう　　たとえば遠とおい　旅たびに出でて　そのまゝ人生じんせい　終おわれたら　俺おれにしてみりゃ　悔はない　嘆なげくな泣なくな　わが妻つまよ　いとし子こよ　わかれてゆくのも　また定さだめ　また定さだめ　　たとえば生うまれ　替かわれたら　さすらい流ながれる　うたを抱いだき　俺おれはやっぱり　俺おれになる　無人むじんの駅えきを　あとにして　腕うでまくら　悠々ゆうゆう夕陽ゆうひと　ふたりづれ　ふたりづれ
おふくろ灯台とうだい鳥羽とば一郎いちろう	鳥羽とば一郎いちろう	池田いけだ充男みつお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	ガキのころから　腕白わんぱくで　岬みさきをめざして　泳およいだり　心配しんぱいかけたよ　泣なかせたよ　おふくろ灯台とうだい　伜せがれのみちは　これでいいのか　教おしえておくれ　　やっとみつけた　嫁よめさんの　ふっくら大おおきい　手てのひらが　似にてるよ　ほんとに　おふくろに　男おとこが集あつまりゃ　酒さけのむだろう　浜はまの番屋ばんやに　どぶろく届とどく　　子供こどもふたりに　恵めぐまれた　人生じんせい航路こうろの　たのもしさ　船ふねのり稼業かぎょうを　継つぐという　おふくろ灯台とうだい　嵐あらしの海うみを　照てらす光ひかりに　女神めがみがみえる
ひばりの佐渡さど情話じょうわ氷川ひかわきよし	氷川ひかわきよし	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	石倉いしくら重信しげのぶ	佐渡さどの荒磯あらいそ(あらそ)の　岩いわかげに　咲さくは鹿かの子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみつみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいはつらいと　いうて　エーエ　泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬお人ひとと　いうて　エーエ　泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみに　ひとりしょんぼり　離はなれ島じま　袂たもとだきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしもひとりと　いうて　エーエ　泣ないた
哀愁あいしゅう波止場はとば秋川あきかわ雅史まさし	秋川あきかわ雅史まさし	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	鈴木すずき豊ゆたか乃	夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれあれもいない　霧きりにブイの灯ひ　泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと　あの人ひとの　好すきな歌うた　波なみがつぶやく　淋(さみ)しさよ　　三さん月がつ待まっても　逢あうのは一夜いちや　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごッ木きくずしは　しんから　泣なけるよ　思おもい出での　滲にじむ歌うた　耳みみに残のこって　離はなれない
紅べにとんぼ梓あずさ夕子ゆうこ	梓あずさ夕子ゆうこ	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	矢田部やたべ正ただし	空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい(みせじまい)　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわになりました　しんみりしないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳とばり消けし(ちょうけ)し　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通かよってくれました　唄うたってよ騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故郷こきょう(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは
東京とうきょうだよおっ母かあさん市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		久ひさしぶりに　手てをひいて　親子おやこで歩あるける　うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんで来きますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　とりましょうね　　やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが九きゅう段だん坂ざか　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　さあさ着ついた　着つきました　達者だっしゃで長生ながいき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　にぎやかね
哀愁あいしゅう波止場はとば市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれあれもいない　霧きりにブイの灯ひ　泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと…　あの人ひとの好すきな歌うた　波なみがつぶやく淋さびしさよ　　「ああ　今夜こんやもブイの灯ひが…　冷つめたい私わたしの心しんのように　うるんでいる　あの人ひとのいない港みなとは　暗くらい海うみの波なみのように淋さびしいわ…　あの人ひとがいつも唄うたった歌うたが　今夜こんやも私わたしを泣なかすのね」　　三さん月がつ待まっても　逢あうのは一夜いちや　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごツ木きくずしは　しんから泣なけるよ　思おもい出での滲にじむ歌うた　耳みみに残のこって離はなれない
紅べにとんぼ市川いちかわ由紀乃ゆきの	市川いちかわ由紀乃ゆきの	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい(じまい)　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわになりました　しんみりしないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳とばり消けし(ちょうけ)し　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通つう(かよ)ってくれました　唄うたってよ騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故里ふるさと(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね…時々ときどきは
雨あめの夜よるあなたは帰かえる由紀ゆきさおり	由紀ゆきさおり	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる	坂本さかもと昌之まさゆき	雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　そんな気きがして　ならないの　すがりついたら　離はなさないわ　濡ぬれたあなたの　カルダンコート　これもかなしい　夢ゆめかしら　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　まるでなんでも　ないように　いいのあなたは　だまってて　すぐにいれるわ　ブラックコーヒー　ひとり芝居しばいを　するわたし　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　いつも信しんじて　待まってるわ　泣ないて甘あまえた　遠とおい日ひの　夜よるをおもえば　また燃もえてくる　それがせつない　しのび雨う
港みなとは別わかれてゆくところ美空みそらひばり	美空みそらひばり	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	白しろいお船ふねが　着つくたびに　もしやと　港みなとに行いったっけ　そしてね……　そしてしょんぼり　涙なみだぐんでは　戻もどってくるの　あゝ　あの人ひとは　外国がいこく航路こうろの　マドロスだった　　死しぬほど愛あいした　ふたりでも　港みなとは　別わかれてゆくところ　だからね……　だからいまさら　泣ないてみたって　仕方しかたがないさ　あゝ　夢ゆめだもの　誰だれでも一いち度どは　見みる夢ゆめだもの　　手紙てがみがいっぺん　あったきり　あの人ひと　あの船ふねなぜ来こない　いつもね……　いつもひとりで　海うみを見みている　風見かざみの鳥とりよ　あゝ　汐風しおかぜが　噂うわさをしてたら　聞きかせておくれ
母かあさんギター美空みそらひばり	美空みそらひばり	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	娘むすめざかりを　お前まえだけ　苦労くろうさせると　泣ないた母はは　そっとなぐさめ　来きたものゝ　小雨こさめつめたい　露ろ路ろ裏うらは　なぜか　なぜか　泣なけちゃう　ギターひき　　酔ようたお客きゃくが　くれた花はな　散ちらずおくれと　頬ほおよせる　ひとりさみしく　待まちわびる　寝ねついたまんまの　母かあさんにゃ　花はなは　花はなは　せめての　夢ゆめだもの　　好すきな人ひとさえ　あきらめた　弱よわいむすめと　せめないで　いのちみじかい　母かあさんを　ギターつまびく　細ほそい手てで　抱だいて　抱だいて　あげたい　夜よるなのに
お久ひさし振ぶりネ　マドロスさん美空みそらひばり	美空みそらひばり	三浦みうら康かん照あきら	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	お久ひさし振ぶりネ　マドロスさん　肩かたを叩たたいて　また来くると　いつか別わかれた　港町みなとちょう　やさしく笑わらう　あの瞳ひとみ　嬉うれしさに……泣なきたいような　私わたしなの　　お久ひさし振ぶりネ　マドロスさん　船ふねが港みなとに　着つくたびに　いつも待まってた　この波止場はとばに　指折ゆびおり数かぞえ　今日きょうの日ひを　夢ゆめに見みた……私わたしの気持きもちを　わかるまい　　お久ひさし振ぶりネ　マドロスさん　点ともる港みなとの　赤あかい灯ひも　なぜか今夜こんやは　燃もえている　明日あしたは海うみへ　帰かえる人ひと　悲かなしいが……横浜よこはま(ハマ)の娘むすめは　泣なかぬもの
矢や切きりの渡わたし美空みそらひばり	美空みそらひばり	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	佐伯さえき亮あきら	「つれて逃にげてよ……」　「ついておいでよ……」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切ぎりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね……」　「捨すてはしないよ……」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切ぎりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ……」　「知しらぬ土地とちだよ……」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切ぎりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
別わかれの一本杉いっぽんすぎ美空みそらひばり	美空みそらひばり	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	佐伯さえき亮あきら	泣なけた　泣なけた　こらえきれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめと別わかれた　哀かなしさに　山やまのかけすも　鳴ないていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのよ　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　想おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　ついたなら　便たよりおくれと　言いった娘むすめ(ひと)　りんごの様ような　赤あかい頬ほおっぺたのよ　あの泪なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにもゆかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめはいくつ　とうに二に十じゅうはよ　過すぎたろに
さだめ川かわ角川かどかわ博ひろし	角川かどかわ博ひろし	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		明日あしたのゆくえ　さがしても　この眼めに見みえぬ　さだめ川がわ　あなたの愛あいの　流ながれるままに　ゆるした夜よるは　雨あめでした　　二人ふたりの恋こいを　憎にくむよな　うわさが辛つらい　さだめ川がわ　故郷こきょうの町まちを　逃がれる旅たびは　いずこの山さんか　また海うみか　　すべてを水みずに　ながしては　生いきて行いけない　さだめ川がわ　あなたの愛あいに　次つぎの世よまでも　ついて行いきたい　私わたしです
みだれ髪かみ角川かどかわ博ひろし	角川かどかわ博ひろし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴出けだしが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からしらや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳ひき網もうの　舟ふねにのせたい　この片かた情なさけ　　春はるは二に重じゅうに　巻まいた帯おび　三重みえに巻まいても　余あまる秋あき　暗くらや　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぼっちに　しないでおくれ
兄弟きょうだい船せん氷川ひかわきよし	氷川ひかわきよし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	石倉いしくら重信しげのぶ	波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり籠こめさ　　陸りく(おか)に上のぼって　酒さけのむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき　けれども沖おきの　漁場ぎょじょうに着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ　力ちから合あわせてヨ　網あみを捲まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれ(すだれ)をくぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
花火はなび師しかたぎ鏡かがみ五郎ごろう	鏡かがみ五郎ごろう	もず唱平	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	ドカーンと弾たま(はじ)けた　夜空よぞらを見上みあげ　為ためになったら　うれしいね　人生じんせい一いち度どは命いのちをかけて　勝負しょうぶしなけりゃ　ならないことを　分わかっているのが　花火はなび師しかたぎ　　ドカーンと一発いっぱつ　続つづいて二に発はつ　肚(はら)は決きめたか　据すえ(す)わったか　愛あいしているなら　一緒いっしょになれよ　押おしてやろうか　二人ふたりの背中せなか　節ふし介かいやくのも　花火はなび師しかたぎ　　ドカーンと轟とどろき(とどろ)く　この間あいだがいいね　褒(ほ)めてくれるな　遠とお花火はなび　瞬まどか(またた)く間かん(あいだ)に　宇宙うちゅうを捉(とら)え　夢ゆめはさめても　心しんに残のこる　仕掛しかけがしたいよ　花火はなび師しかたぎ
日本一にっぽんいちじゃ惚ほれてみろ鏡かがみ五郎ごろう	鏡かがみ五郎ごろう	もず唱平	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	銭ぜにが仇かたきというたかて　無ないもん取とれんぞ　そやないか　逆さかさにしたかて鼻血はなぢも出でない　スッテンテンの空そらっ穴あな(からっけつ)　天井てんじょう知しらずの甲斐性かいしょうなし　日本一にっぽんいちじゃ　惚ほれてみろ　　「安治川あじがわの渡わたしは只ただやけど三途さんずの川かわは六ろく文ぶんいる。　何なにとか只ただにならんかいな。　身軽みがるうして行いきたいもんや。　閻魔えんまさんに掛かけ合あわなあかんと　うちの親父おやじがよう云いうとった。」　　我わがと我わが身みに鞭むち(むち)打うって　地じべたを這(ほ)うても　起おき上あがる　とことんやる気きの姿すがたをみたら　女おんな(おなご)はみんな靡(なび)くやろ　見上みあげたもんやで　我わがながら　日本一にっぽんいちじゃ　惚ほれてみろ　　「天満てんまの天神てんじんさんの気持きもちが分わかる。　後ごからじんわり値打ねうちが出でてくるお人ひとや。　そう云うんや、坂田さかた三吉さんきちはんも一緒いっしょとちゃうか？　浪花なにわの地ちには後ごから偉えらうなる人ひとが　出でると　うちのお母はははんがよう云いうとったわ。」　　お先さきまっ暗くら　夢ゆめがない　希望きぼうが持もてんと阿呆あほういうな　闇夜やみよ(やみよ)でありゃこそ見上みあげる空そらに　幾いく千せん万まんの星ほしが出でる　とことん我慢がまんの堪こらえ性しょう(こらえしょう)　日本一にっぽんいちじゃ　惚ほれてみろ
夜よるがわらっている内田うちだあかり	内田うちだあかり	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	山屋やまや清きよし	酒さけがあたいに　惚ほれたのさ　ふられたあたいに　惚ほれたのさ　きらいさ　きらいさ　酒さけなんて大だいきらいさ　夜よるがクスクス　わらうから　飲のめるふりして　飲のんでるだけさ　　愚痴ぐちがあたいを　責せめるのさ　昔むかしの約束やくそくァ　どうするッてさ　きらいさ　きらいさ　愚痴ぐちなんて　消きえちゃいな　夜よるがジロジロ　見みてるから　ちょっとしんみり　してみただけさ　　夢ゆめがあたいに　からむのさ　まことの心しんを　きかせろッてさ　きらいさ　きらいさ　恋こいなんて　まッぴらだ　夜よるがゲラゲラ　わらうから　口惜くやし涙なみだが　こぼれるだけさ
東京とうきょうだョおっ母かあさん(セリフ入いり)石原いしはら詢子	石原いしはら詢子	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる	西村にしむら幸みゆき輔	おっ母かあさん　ねえ　おっ母かあさん　久ひさし振ぶりに　こうして手てをつないで　おっ母かあさんと一緒いっしょに　東京とうきょう見物けんぶつ出来できるなんて　ああ…とっても嬉うれしいわ　ホラ　おっ母かあさん　見みてごらんなさい　ここが宮城みやぎ(きゅうじょう)　二重橋にじゅうばしよ　　久ひさし振ぶりに　手てを引ひいて　親子おやこで歩あるける　嬉うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんで来きますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが　二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　とりましょね　　ねえ　おっ母かあさん　戦争せんそうでなくなった　兄にいさん　ここに　ねむってるのよ　　やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが　九段くだん坂ざか(くだんざか)　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　ねえ　お兄にいちゃん　お兄にいちゃんが　登のぼって遊あそんだ　庭にわの柿かきの木きも　そのままよ　見みせて　あげたいわ　　さあさ着ついた　着つきました　達者たっしゃで永なが生いき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが　浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　賑にぎわい(にぎや)かね
東京とうきょうだよおっ母かあさん竹村たけむらこずえ	竹村たけむらこずえ	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		久ひさしぶりに　手てを引ひいて　親子おやこで歩あるける　嬉うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんで来きますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが　二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　とりましょうね　　優やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが　九段くだん坂ざか　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　さあさ着ついた　着つきました　達者たっしゃで永なが生いき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが　浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　賑にぎやかね
昭和しょうわえれじい岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	憂うき世よしぐれの　冷つめたさに　生いきているさえ　つらい夜よるは　せめて酔よわせて　ねえお酒さけ　昔むかし(もと)にゃ戻もどれぬ　昭和しょうわ川がわ　　飲のんで呑のまれて　はしゃいでも　みんな浮うき草くさ　迷まよい草そう　いのちぬくめて　ねえお酒さけ　夢ゆめも佗(わび)しい　昭和しょうわ川がわ　　死しぬも生いきるも　一いち度どなら　死しんだつもりで　もういちど　待まってみようか　ねえお酒さけ　いつか来くる春はる　昭和しょうわ川がわ
紅べにとんぼ北野きたの都と	北野きたの都と	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわになりました　しんみりしないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら 紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳消ちょうけし　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通かよってくれました　唄うたってよ騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故郷こきょう(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは
矢や切きりの渡わたし永井ながい裕子ゆうこ	永井ながい裕子ゆうこ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		「つれて逃にげてよ……」　「ついておいでよ……」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　ふたりです　　「見みすてないでね……」　「捨すてはしないよ……」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行くだり(ゆ)くのよ……」　「知しらぬ土地とちだよ……」　揺ゆれながら艪(ろ)が咽むせ(むせ)ぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あした(あす)へ漕こげ(こ)ぎだす　別わかれです
兄弟きょうだい船せん永井ながい裕子ゆうこ	永井ながい裕子ゆうこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり篭かごさ　　陸りく(おか)に上のぼって　酒さけのむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき(がたき)　けれども沖おきの　漁場ぎょじょう(りょうば)に着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ(かもめ)　力ちから合あわせてヨ　網あみを巻まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれ(すだれ)を　くぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
東京とうきょうだョおっ母かあさんはやぶさ	はやぶさ	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		久ひさしぶりに　手てを引ひいて　親子おやこで歩あるける　嬉うれしさに　小ちいさい頃ころが　浮うかんで来きますよ　おっ母かあさん　ここが　ここが二重橋にじゅうばし　記念きねんの写真しゃしんを　とりましょうね　　やさしかった　兄にいさんが　田舎いなかの話はなしを　聞ききたいと　桜さくらの下したで　さぞかし待まつだろ　おっ母かあさん　あれが　あれが九きゅう段だん坂ざか　逢あったら泣なくでしょ　兄にいさんも　　さあさ着ついた　着つきました　達者たっしゃで永なが生いき　するように　お参まいりしましょよ　観音かんのん様さまです　おっ母かあさん　ここが　ここが浅草あさくさよ　お祭まつりみたいに　賑にぎやかね

曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
おんなの出船しゅっせん葵あおいかを里さと	葵あおいかを里さと	山田やまだ孝雄たかお	船村ふなむら徹とおる	岩田いわた光司こうじ	涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ枯かれても　枯かれるな恋こいよ　船ふねに私わたしは乗のる　あなた桟橋さんばしで　白しろいテープを引ひく　お別わかれ波止場はとば　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん　　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを　夢ゆめを下ください　おんなの夢ゆめを　明日あした(あす)はどうにかなる　今夜こんや見みる夢ゆめに　愛あいを信しんじて行いく　一人ひとりの旅路たびじ　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん　　心しん　心しん　心しん　心しん　心こころあげます　おんなの心しん　他たに何なににもない　あげるものなんて　沖おきじゃカモメが泣なく　お別わかれ波止場はとば　サヨナラ　サヨナラ　おんなの出船しゅっせん
みだれ髪かみ葵あおいかを里さと	葵あおいかを里さと	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	岩田いわた光司こうじ	髪かみのみだれに　手てをやれば　赤あかい蹴け出で(けだ)しが　風ふうに舞まう　憎にくや　恋こいしや　塩屋しおやの岬みさき　投なげて届とどかぬ　想おもいの糸いとが　胸むねにからんで　涙なみだをしぼる　　すてたお方かたの　しあわせを　祈いのる女おんなの　性せい(さが)かなし　辛からし(つ)らや　重おもたや　わが恋こいながら　沖おきの瀬せをゆく　底そこ曳(そこび)き網もう(あみ)の　舟ふねにのせたい　この片かた情じょう(かたなさ)け　　春はるは二に重じゅう(ふたえ)に　巻まいた帯おび　三重みえ(みえ)に巻まいても　余よ(あま)る秋あき　暗くら(くら)や　涯てなや　塩屋しおやの岬みさき　見みえぬ心しんを　照てらしておくれ　ひとりぽっちに　しないでおくれ
霧笛むてきの宿やど大月おおつきみやこ	大月おおつきみやこ	池田いけだ充男みつお	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	霧笛むてきがしみます　雪ゆきの夜よる　わたしはあなたの　腕うでのなか　夢ゆめも　現げん(うつつ)も　この霧多布きりたっぷ(きりたっぷ)　ちいさな宿やどの　やさしさに　泣なけて名残なごりの　情なさけを契ちぎる　　あのとき　わたしは　襟えり裳もから　やつれた女おんなの　ひとり旅たび　拗すねたこころを　いたわるように　お酒さけをついで　くれたのが　同おなじ翳かげ(かげ)ある　このひとでした　　これからどうする　北きたの果はて　あなたは漁港ぎょこう(みなと)へ　戻もどるけど　逢あうも　別わかれも　この霧多布きりたっぷ　夜明よあけがせまる　それまでは　霧笛むてきまくらに　抱いだかれていたい
恋歌こいうたしぐれ大月おおつきみやこ	大月おおつきみやこ	池田いけだ充男みつお	船村ふなむら徹とおる	丸山まるやま雅仁まさひと	女おんなという字じを　また書かいていた　運命うんめい(さだめ)でしょうか　ふしあわせ　そうです　あなたの　ためならと　つくり笑顔えがおを　見みせながら　いのちを絞しぼって　別わかれたの　　袖そですり坂ざかなど　歩あるいたころは　月つきさえぬれる　仲なかでした　そうです　世間せけんに　ひき裂きれれ　恋こいの終おわりが　きたときの　覚悟かくごはできてた　はずなのに　　死しぬほど逢あいたい　このやるせなさ　どうすることも　出来できなくて　そうです　雨あめふる　こんな夜よるは　露地ろじの酒場さかばに　すがりつき　あなたのお酒さけを　のんで泣なく
風雪ふうせつながれ旅たび細川ほそかわたかし	細川ほそかわたかし	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	京きょう建けん輔	破やぶれ単たん衣ころもに　三味線しゃみせんだけば　よされよされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかい指ゆびに　息いきを吹ふきかけ　越こえてきた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる　八戸はちのへ　大湊おおみなと　　三味しゃみが折おれたら　両手りょうてを叩はたけ　バチが無なければ　櫛くしでひけ　音おとの出でるもの　何なんでも好すきで　かもめ啼なく声こえ　ききながら　アイヤー　アイヤー　小樽おたる　函館はこだて　苫小牧とまこまい　　鍋なべのコゲ飯めし　袂たもとで隠かくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通かよい妻つまだと　笑わらった女おんなの　髪かみの匂においも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい　滝川たきがわ　稚内わっかない
別わかれの一本杉いっぽんすぎ細川ほそかわたかし	細川ほそかわたかし	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	竜崎りゅうざき孝たかし路ろ	泣なけた　泣なけた　こらえ切きれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめと別わかれた　哀かなしさに　山やまのかけすも　泣ないていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのよ　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　想おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　ついたなら　便たよりおくれと　言いった娘むすめ　リンゴの様ような　赤あかい頬ほおっぺたのよ　あの泪なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにもゆかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめはいくつ　とうに二十歳はたちはよ　過すぎたろに
おんなの宿やど細川ほそかわたかし	細川ほそかわたかし	星野ほしの哲朗てつろう	船村ふなむら徹とおる	伊藤いとう雪ゆき彦	想おもい出でに降ふる　雨あめもある　恋こいにぬれゆく　傘かさもあろ　伊豆いずの夜よる雨あめを　湯舟ゆぶねできけば　明日あしたの別わかれが　つらくなる　　たとえひと汽車きしゃ　おくれても　すぐに別わかれは　くるものを　わざとおくらす　時計とけいの針はりは　女おんなごころの　かなしさよ　　もえて火ひとなれ　灰はいになれ　添そえぬ恋こいなら　さだめなら　浮ういてさわいだ　夜よるの明あけ方がたは　箸はしを持もつ手てが　重おもくなる
ひばりの佐渡さど情話じょうわ杜もりこのみ	杜もりこのみ	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる		佐渡さどの荒磯あらいそ(ありそ)の　岩いわかげに　咲さくは鹿かの子この　百ひゃく合ごうの花はな　花はなを摘つみつみ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　恋こいはつらいと　いうて　エーエ　泣ないた　　波なみに追おわれる　鴎かもめさえ　恋こいをすりゃこそ　二に羽わで飛とぶ　沖おきをながめて　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　逢あえぬお人ひとと　いうて　エーエ　泣ないた　　佐渡さどは四よん十じゅう九きゅう里り　荒海あらうみに　ひとりしょんぼり　離はなれ島じま　袂たもとだきしめ　なじょして泣ないた　島しまの娘むすめは　なじょして泣ないた　わしもひとりと　いうて　エーエ　泣ないた
兄弟きょうだい船せん福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	波なみの谷間たにまに　命いのちの花はなが　ふたつ並ならんで　咲さいている　兄弟きょうだい船せんは　親父おやじのかたみ　型かたは古ふるいが　しけにはつよい　おれと兄貴あにきのヨ　夢ゆめの揺ゆり籠こめさ　　陸りくに上のぼって　酒さけのむときは　いつもはりあう　恋こい仇かたき　けれども沖おきの　漁場ぎょじょうに着つけば　やけに気きの合あう　兄弟きょうだい鴎かもめ　力ちから合あわせてヨ　網あみを捲まきあげる　　たったひとりの　おふくろさんに　楽らくな暮くらしを　させたくて　兄弟きょうだい船せんは　真冬まふゆの海うみへ　雪ゆきの簾すだれを　くぐって進すすむ　熱あついこの血ちはヨ　おやじゆずりだぜ
矢や切きりの渡わたし福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	「つれて逃にげてよ…」　「ついておいでよ…」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね…」　「捨すてはしないよ…」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ…」　「知しらぬ土地とちだよ…」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
一徹いってつ天草あまくさ二郎じろう	天草あまくさ二郎じろう	水木みずきれいじ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	やる気きひとつで　故郷こきょう(ふるさと)あとに　あれから数かぞえて　ふたむかし　どんな時ときでも　あきらめるなよ　何なに(なん)にも言いわずに　背中せなかでさとす…　おやじの懐ふところ(ふところ)　一徹いってつと　今いまさら知しって　泣なける酒さけ　　惚ほれた女おんなに　惚ほれたといえぬ　不器用ぶきようなんだよ　この俺おれは　恋こいも半端はんぱな　半人前はんにんまえか　それでもいいんだ　せつない夜よるは…　おやじがギターで　爪つめ弾だん(ひい)ていた　艶つや歌か(えんか)をポツリ　くちずさむ　　我慢がまんかさねて　男おとこになって　かならずいつかは　恩返おんがえし　遠とおい天草てんぐさ　あの潮騒しおさいよ　のぞみを果はたして　いつの日ひ帰かえる…　おやじを手本てほんに　一徹いってつに　生いきると決きめて　あおる酒さけ
冬ふゆの華はな岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		日本海にほんかいから　吹ふく潮風しおかぜ(かぜ)に　乱みだれ舞まいとぶ　波なみの華はな　にくい恋こいしい　面影おもかげのせて　飛とべよとべとべ　うたかたの花はな　なみだ残のこらず…　あ… のせて行くだり(ゆ)け　　死しねるものなら　来きてみろと　吠ほえてとどろく　東尋坊とうじんぼう(とうじんぼう)　凍こおりつきそな　飛沫しぶき(しぶき)のむこう　ばかはお止とめ(よ)しと　潮うしお恋こい鳥とり(しおこいどり)が　啼(な)いて飛とび交かう…　あ… 旅たびの空そら　　雪ゆきの断崖だんがい(きりぎし) 春はる告つげて　咲さくは越前えちぜん　花はな水仙すいせん　つらい運命うんめい(さだめ)に　負まけずに咲さいた　花はなのかおりが　つかれた胸むねに　じんとしみこむ…　あ… 日本海にほんかい
哀愁あいしゅうのからまつ林りん岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる		涙なみだあふれて　はり裂さけそうな　胸むねを両手りょうてで　抱だきしめる　みえないの　みえないの　背せのびをしても　ああ　あの人ひとは　行おこなってしまった　からまつ林りん　　せめてもいちど　恋こいしい人ひとの　腕うでに甘あまえて　縋すが(すが)れたら　それだけで　それだけで　死しんでもいいの　ああ　弱虫よわむしと　風ふうが叱しかるわ　日暮ひぐれの風かぜが　　あとも見みないで　別わかれていった　男おとこらしさが　哀かなしさが　燃もえるよな　燃もえるよな　夕ゆうやけ小しょう焼しょう　ああ　帰かえりましょう　影かげを踏ふみ踏ぶみ　落葉らくようの道みちを
紅べにとんぼ岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわになりました　しんみりしないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べに(あか)とんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳消ちょうけし　みつぐ相手あいても　いないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通かよってくれました　唄うたってよ騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故里ふるさと(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった想おもい出でが　笑わらってよ涕(な)かないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもいだしてね…時々ときどきは
哀愁あいしゅう波止場はとば岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれあれもいない　霧きりにブイの灯ひ(ひ) 泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと…　あの人ひとの好すきな歌うた　波なみがつぶやく淋さびしさよ　　「ああ今夜こんやもブイの灯ひが…　冷つめたい私わたしの心しんのようにうるんでいる　あの人ひとのいない港みなとは　暗くらい海うみの波なみのように淋さびしいわ…　あの人ひとがいつも唄うたった歌うたが　今夜こんやも私わたしを泣なかすのね」　　三月さんがつ(みつき)待まっても　逢あうのは一夜いちや(ひとよ)　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごツ木きくずしは　しんから　泣なけるよ　思おもい出での滲にじむ歌うた　耳みみに残のこって離はなれない
さだめ川かわ岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		明日あしたのゆくえ　さがしても　この眼めに見みえぬ　さだめ川がわ　あなたの愛あいの　流ながれるままに　ゆるした夜よるは　雨あめでした　　二人ふたりの恋こいを　憎にくむよな　うわさが辛つらい　さだめ川がわ　故郷こきょうの町まちを　逃がれる旅たびは　いずこの山さんか　また海うみか　　すべてを水みずに　ながしては　生いきて行くだり(ゆ)けない　さだめ川がわ　あなたの愛あいに　次つぎの世よまでも　ついて行いきたい　私わたしです
汐しお鳴なり岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		海うみを濡ぬらして　雨あめが降ふる　未練みれん(こころ)ゆすって　海うみが鳴なる　わざとはしゃいで　甘あまえてみても　明日あした(あす)は他人たにんの　岬みさき宿やど　　酔よったふりして　腕うでのなか　ねだる名残なごりの　口くちうつし　むせぶ霧笛むてき(きりぶえ) 啼(な)き交かうかもめ　耳みみに涙なみだが　はいります　　墨絵すみえ海峡かいきょう　漁火ぎょかの　花はなも散ちり散ぢり　荒あれ模様もよう　生いきて咲さけない　夢ゆめならいっそ　いっそ死しねよと　海うみが泣なく
女おんなの港みなと北原きたはらミレイ	北原きたはらミレイ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる	横溝よこみぞ礼あや	口紅くちべに(くちべに)が　濃こ(こ)すぎたかしら　着物きものにすれば　よかったかしら　二にヶ月かげつ(ふたつき)前まえに　函館はこだてで　はぐれた人ひとを　長崎ながさきへ　追おえば一夜いちや(ひとよ)が　死しぬほど長ながい　私わたしは港みなとの　通つうよい妻つま　　信しんじても　ひとりになると　ぷつんと切きれる　ふたりの絆きずな(きずな)　たしかめあった　横浜よこはまの　桟橋さんばし(さんばし)はなれ　塩釜しおがま(しおがま)へ　向むかうあなたが　もう気きにかかる　いつまでたっても　恋こい女おんな(こいおんな)　　海猫うみねこの　声こえききながら　港みなとの宿やどで　あなたを待まてば　たずねる船ふねは　青森あおもりにゃ　寄よらずに　佐渡さどへ　行いくという　つらい知しらせは　馴なれっこだから　夜汽車よぎしゃでマフラー　編へん(あ)むのです
ごめんよ、おやじ静せい太郎たろう	静せい太郎たろう	喜多きた條じょう忠ただし	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	海うみが時化しけ(しけ)ても　酒さけ呑のむだけで　遊あそんでくれも　しなかった　小遣こづかいせがめば　ジロっと睨ねめ(にら)む　そんな　おやじが嫌いやだった　　今いまでは自分じぶんも　おやじになって　おやじの背中せなか　思おもい出だす　男おとこの勝負しょうぶは　荒海あらうみ相手あいて　厳きびしい背中せなかが　教おしえてた　ごめんよ　おやじ　おやじよ　ごめん　　後ごを継つぐよと　ふと言いった時とき　継つぎがんでええと　首くび振ふった　お前まえの夢ゆめまで　摘つまむ気きはないと　ちょっと　さびしい顔かおをした　　今いまでは子供こどもも　大おおきくなって　ふるさと遠とおく　思おもい出だす　男おとこは真まっ直すぐ　前まえだけ向むけと　墓はかまで海うみへと　向むいている　ごめんよ　おやじ　おやじよ　ごめん　　孝行こうこうひとつも　出来できないままで　おやじが飲のんでた　酒さけを呑のむ　ごめんよ　おやじ　おやじよ　ごめん
のぞみ(希望きぼう)HONEST・辻つじ	HONEST・辻つじ	船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	斉藤さいとう功いさお	ここから出でたら　母ははに会あいたい　おんなじ部屋へやで　ねむってみたい　そしてそして　泣なくだけ泣ないて　ごめんねと　おもいきりすがってみたい　　ここから出でたら　旅たびに行いきたい　坊ぼうやをつれて　汽車きしゃにのりたい　そしてそして　静しずかな宿やどで　ごめんねと　おもいきり抱だいてやりたい　　ここから出でたら　強つよくなりたい　希望きぼうを持もって　耐たえて行いきたい　そしてそして　命いのちのかぎり　美うつくしく　も一度いちど生いきて行いきたい　　そしてそして　命いのちのかぎり　美うつくしく　も一度いちど生いきて行いきたい
里子さとご月夜づきよ島倉しまくら千代子ちよこ	島倉しまくら千代子ちよこ	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		生うみの親おやより　育そだての親おやの　背せで見みた夢ゆめ　いくつやら　里子さとご悲かなしや　瞼まぶたの底そこで　一ひとつ消けしても　影かげが重かさなる　母はは二に人にん　　風ふうに吹ふかれて　馬場ばばのはずれ　何なにも知しらずに　来きた昔むかし　野良のら着ぎ姿すがたで　泣ないてた母ははの　やせた肩かたさき　またもちらつく　ほの明あかり　　ひもじかろよと　優やさしく抱だいて　もらい乳ちちして　くれた母はは　無事ぶじ(まめ)でいるやら　ねんころ歌うたが　月つきの夜空よぞらに　もしや聞きこえて　来きやせぬか
紅べにとんぼ吉よし幾三いくぞう	吉よし幾三いくぞう	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	成田なりた訓さとし雄ゆう	空そら(から)にしてって　酒さけも肴さかなも　今日きょうでおしまい　店仕舞みせじまい　五ご年ねんありがとう　楽たのしかったわ　いろいろお世話せわに　なりました　しんみり　しないでよ…ケンさん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね…時々ときどきは　　いいのいいから　ツケは帳消ちょうけし　みつぐ相手あいてもいないもの　だけどみなさん　飽あきもしないで　よくよく通かよって　くれました　唄うたってよ　騒さわいでよ…しんちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね…時々ときどきは　　だからほんとよ　故里ふるさと(くに)へ帰かえるの　誰だれも貰もらっちゃ　くれないし　みんなありがとう　うれしかったわ　あふれてきちゃった　想おもい出でが　笑わらってよ　なかないで…チーちゃん　新宿しんじゅく駅えき裏うら　紅べにとんぼ　想おもい出だしてね…時々ときどきは
志乃しのは心しんの港みなとなのさ香西こうざいかおり	香西こうざいかおり	新本にいもと創はじめ子こ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	北海ほっかいに　笹舟ささぶねうかべ　俺おれの漁船ぎょせんを　追おうわとすがる　志乃しのは岬みさきの　酒場さかばの女おんな　志乃しの…しの…　わかれじゃないよ　抱いだくさえつらい　か細ぼそい身体しんたい　志乃しのは心しんの　港みなとなのさ　　にごり酒ざけ　茶碗ちゃわんに注そそいで　あんただけよと　あまえた夜よるの　志乃しののぬくもり　嵐あらし(しけ)にも消きえぬ　志乃しの…しの…　わらってごらん　野菊のぎくの花はなの　和服わふくが似合にあう　志乃しのは心しんの　港みなとなのさ　　右肩みぎかたの　包帯ほうたいとれて　世話せわをかけたと　頭あたまさげりゃ　ばかねばかよと　淋さびしい女おんな　志乃しの…しの…　泣なくんじゃないよ　夕陽ゆうひがさむい　潮路しおじの店みせの　志乃しのは心しんの　港みなとなのさ
哀愁あいしゅう波止場はとば清水しみず博正ひろまさ	清水しみず博正ひろまさ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		夜よるの波止場はとばにゃ　誰だれあれもいない　霧きりにブイの灯ひ　泣なくばかり　おどま盆ぼんぎり盆ぼんぎり　盆ぼんからさきゃ　おらんと　あの人ひとの　好すきな歌うた　波なみがつぶやく　淋(さみ)しさよ　　「ああ　今夜こんやもブイの灯ひが　冷つめたい私わたしの心しんのように　うるんでいる　あの人ひとのいない港みなとは　暗くらい海うみの波なみのように淋さびしいわ　あの人ひとがいつも唄うたった歌うたが　今夜こんやも私わたしを泣なかすのね」　　三さん月がつ待まっても　逢あうのは一夜いちや　恋こいも悲かなしい　波止場はとば町まち　五ごッ木きくずしは　しんから　泣なけるよ　思おもい出での　滲にじむ歌うた　耳みみに残のこって　離はなれない
別わかれの一本杉いっぽんすぎ福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		泣なけた　泣なけた　こらえきれずに　泣なけたっけ　あの娘むすめと別わかれた　哀かなしさに　山やまのかけすも　鳴ないていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのよ　村むらはずれ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにもゆかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あの娘むすめ(こ)はいくつ　とうに二に十じゅう(はたち)はよ　過すぎたろに
柿かきの木坂きざかの家いえ福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		春はるには　柿かきの花はなが咲さき　秋あきには　柿かきの実みが熟じゅく(う)れる　柿かきの木坂きざかは　駅えきまで三里さんり　思おもい出だすなァ　ふる里さとのョ　乗合のりあいバスの　悲かなしい別わかれ　　春はるには　青あおいめじろ追おい　秋あきには　赤あかいとんぼとり　柿かきの木坂きざかで　遊あそんだ昔むかし　懐なつかしいなァ　しみじみとョ　こころに返かえる　幼ようない夢ゆめが　　春はるくりゃ　偲しのぶ馬うまの市し　秋あきくりゃ　恋こいし村むら祭まつり　柿かきの木坂きざかの　あの娘むすめ(こ)の家いえよ　逢あってみたいなァ　今いまも尚なおョ　機織はたおりながら　暮くらしていてか
風雪ふうせつながれ旅たび福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		破やぶれ単たん衣ころも(ひとえ)に　三味線しゃみせん(しゃみせん)だけば　よされよされと　雪ゆきが降ふる　泣なきの十じゅう六ろく　短みじかい指ゆびに　息いきをふきかけ　越こえて来きた　アイヤー　アイヤー　津軽つがる　八戸はちのへ(はちのへ)　大湊おおみなと(おおみなと)　　鍋なべ(なべ)のコゲ飯めし(めし)　袂たもと(たもと)でかくし　抜ぬけてきたのか　親おやの目めを　通つう(かよ)い妻つまだと　笑わらったひとの　髪かみの匂におい(にお)いも　なつかしい　アイヤー　アイヤー　留萌るもい(るもい)　滝川たきがわ　稚内わっかない(わっかない)
道みちの駅えき岩本いわもと公こう水すい	岩本いわもと公こう水すい	さわだすずこ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	窓まどにひとすじ　涙なみだの雨あめが　バスに揺ゆられて　流ながれゆく　過すぎたあの日ひが　忘わすれられずに　一人ひとり訪たずねた　山間さんかん(やまあい)の町まち　川かわを渡わたれば　見慣みなれた景色けしき　あなた　追おいかけ　道みちの駅えき　　十六夜いざよい(いざよい)の月つき　見上みあげてごらん　欠かけているから　いいんだよ　夜空よぞら指ゆびさす　横顔よこがお見みつめ　肩かたで甘あまえて　指ゆびからませた　二人ふたりを包つつむ　やさしい風ふうが　あの日ひ　吹ふいてた　道みちの駅えき　　樹き々の香かおりを　胸むねいっぱいに　誘さそい込こむよな　秋あきの風ふう　好すきになるほど　苦くるしくなって　遠回とおまわりした　あなたへの愛あい　橋はしを渡わたれば　ほら　故郷こきょう(ふるさと)が　きっと　待まってる　道みちの駅えき
夢ゆめ航路こうろ走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	たきのえいじ	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	北きたへ流ながれて　海うみを見みつめて　北きたへ流ながれて　波止場はとばに佇たたずむ　おもいでの地図ちず帳ちょうを　そっと開ひらいては　あの日ひを偲しのべ(しの)ぶ　人知ひとしれず　愛いとしき女おんな(ひと)よ　今いまどこに　　風ふうに吹ふかれて　酒さけをかたむけ　風ふうに吹ふかれて　ふるさと浮うかべる　飲のむ程ほどにほろ苦にがく　胸むねに沁しみてくる　汽笛きてきと波なみの　トレモロが　都とは遠とおく　旅たびまくら　　星ほしを仰あおいで　問とわず語がたりに　星ほしを仰あおいで　明日あした(あした)を手てさぐる　秋あきが過すぎ冬ふゆが過すぎ　時ときはまた巡めぐる　見果みはてぬ夢ゆめを　追おいかけて　心しんは燃もえる　夢ゆめ航路こうろ
兄貴あにき走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	池田いけだ充男みつお	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	三さん社しゃ祭さい(さんじゃまつり)で　もまれた男おとこ　御輿みこしかつぎに　今年ことしは帰かえる　華はなの浅草あさくさ　ぐらしだが　道産子どさんこ気質きしつ(かたぎ)を　わすれない　すごい兄貴あにきだよ　祭まつりよ早はやく来こい　　船ふねも漁場ぎょじょうも　おまえに遣や(や)ると　体からだひとつで　夜汽車よぎしゃに乗のった　すきなイカ刺とげ　アワビ丼どんぶり　ご馳走ちそうたらふく　呑のませたい　おやじ　おふくろが　自慢じまんの兄弟きょうだいさ　　北きたの大地だいちの　北海道ほっかいどうは　義理ぎりも人情にんじょうも　変かわっちゃいない　森もりの社しゃ(やしろ)に　幟のぼり(はた)たてて　どどんと太鼓たいこを　打うち鳴ならす　稽古けいこまっさかり　兄貴あにきよ聞きこえるか　　墨田すみだ　大川おおかわ　桜さくらの春はるに　のせてもらった　あの船遊ふなあそび　みやげなんにも　なくていい　やん衆しゅう仲間なかまが　待まってるぜ　俺おれの兄貴あにきだよ　彼女かのじょもつれて来こい

曲名きょくめい	歌手かしゅ名めい	作詞さくし者しゃ名めい	作曲さっきょく者しゃ名めい	編曲へんきょく者しゃ名めい	歌うたい出だし
晩秋ばんしゅう歌か鳥羽とば一郎いちろう	鳥羽とば一郎いちろう	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	遠賀おんが(おんが)土手どて行いきゃ　雁かりが啼なく…　　気きがつきゃ川筋かわすじ(かわすじ)　男おとこぶし　覚おぼえたつもりも　ない歌うたが　酔よいの間あいだに間あいだに　こぼれだす　あああ　男おとこ　あああ　男おとこ…晩秋ばんしゅう歌か　　ぐい呑のみみ持もつ手てが　とうちゃんに　つくづくほとほと　似にてきたばい　笑わらいなきした　おふくろも　あああ　とうに　あああ　とうに…彼岸花ひがんばな　　いいやつばかりが　旅立たびだって　だんまりポツンと　手酌てじゃく酒しゅ　呷あお(あお)りゃ骨身ほねみに　滲(し)みわたる　あああ　男おとこ　あああ　男おとこ…晩秋ばんしゅう歌か　　遠賀おんが土手どて行いきゃ　雁かりが啼なく…
耳朶じだ鳥羽とば一郎いちろう	鳥羽とば一郎いちろう	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	あたし捨すてたら　殺ころすよと　俺おれの耳朶じだ　噛かんだやつ　化粧けしょうおとせば　泣なきぼくろ　淋さびしがり屋やで　お人好ひとよし　俺おれを残のこして　ああ　なぜ逝いった　　かたちばかりの　契ちぎり酒しゅ　夢ゆめじゃないネと　涕(な)いたやつ　弱よわいからだを　ひた隠かくし　つくし通とおした　ばかやろう　笑顔えがおのこして　ああ　何処どこいった　　燃もえて弾ひけて　散ちり急いそぐ　花火はなびみたいな　やつだった　酔よえぬ男おとこの　耳朶じだを　走はしる痛いたみの　侘わびしさよ　苦にがいにがいぜ　ああ　手て(た)向むけ酒しゅ
早はやく帰かえってコ山内やまうち惠めぐみ介かい	山内やまうち惠めぐみ介かい	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		おふくろも親父おやじ(おやじ)も　みんな達者たっしゃだぜ　炉端ろばた(ろばた)かこんで　いつかいつしか東京とうきょうの　お前まえ(めぇ)達たち二に人にんの話はなしに　昨夜さくや(ゆんべ)も更ふけたよ　早はやくコ　早はやくコ　田舎いなかへ帰かえってコ　東京とうきょうばかりが　なんでいいものか　　好すきならば一緒いっしょに　連つれてくるがいい　どんな娘むすめか　おらも兄あになら見みたいもの　妹いもうとも嫁よめこにきまって　今年ことしは行いくだに　早はやくコ　早はやくコ　二人ふたりで帰かえってコ　幼おさななじみも　変かわりゃしないよ　　あん時ときは別わかれが　辛からくて泣ないた駅えき　俺おれ(おら)は馬うまっこの　背せ(せな)で手てを振ふりさいならと　東京とうきょうへ旅立たびだつお前まえを　送おくって行いったっけ　早はやくコ　早はやくコ　明日あしたにも帰かえってコ　親父おやじめっきり　やせて老ふけたよ
王将おうしょう桜井さくらいくみ子こ	桜井さくらいくみ子こ	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる		吹ふけば飛とぶよな　将棋しょうぎの駒こまに　賭かけた命いのちを　笑わらわば笑わらえ　うまれ浪花なにわの　八はち百ひゃく八はち橋きょう　月つきも知しってる　おいらの意気地いくじ　　あの手てこの手ての　思案しあんを胸むねに　やぶれ長屋ながやで　今年ことしも暮くれた　愚痴ぐちも云いわずに　女房にょうぼうの小春こはる　つくる笑顔えがおが　いじらしい　　明日あしたは東京とうきょうに　出でてゆくからは　なにがなんでも　勝かたねばならぬ　空そらに灯ひがつく　通天閣つうてんかくに　おれの闘志とうしが　また燃もえる
別わかれの一本杉いっぽんすぎレーモンド松屋まつや	レーモンド松屋まつや	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		泣なけた　泣なけた　こらえ切きれずに　泣なけたっけ　あのと別わかれた　哀かなしさに　山やまのも　いていた　一本杉いっぽんすぎの　石いしの地蔵じぞうさんのヨー　村むらはずれ　　遠とおい　遠とおい　思おもい出だしても　遠とおい空そら　必かならず東京とうきょうへ　着ついたなら　便たよりおくれと　いった娘むすめ(ひと)　リンゴのような　赤あかいほっぺたのヨー　あの涙なみだ　　呼よんで　呼よんで　そっと月夜つきよにゃ　呼よんでみた　嫁よめにも行いかずに　この俺おれの　帰かえりひたすら　待まっている　あのはいくつ　とうにはヨー　過すぎたろに
雨あめの夜よるあなたは帰かえる走はし裕介ゆうすけ	走はし裕介ゆうすけ	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる		雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　そんな気きがして　ならないの　すがりついたら　離はなさないわ　濡ぬれたあなたの　カルダンコート　これもかなしい　夢ゆめかしら　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　まるでなんでも　ないように　いいのあなたは　だまってて　すぐにいれるわ　ブラックコーヒー　ひとり芝居しばいを　するあたし　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　いつも信しんじて　待まってるわ　泣ないて甘あまえた　遠とおい日ひの　夜よるをおもえば　また燃もえてくる　それがせつない　しのび雨う
あの娘むすめが泣ないてる波止場はとば船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		思おもい　出だしたんだとさ　逢あいたく　なったんだとさ　いくらすれても　女おんなはおんな　男心おとこごころにゃ　分わかるもんかと　沖おきの煙けむりを　見みながら　ああ　あの娘むすめが泣ないてる　波止場はとば　　呼よんで　みたんだとさ　淋さびしく　なったんだとさ　どうせカーゴの　マドロスさんは　一夜いちやどまりの　旅たびの鴎かもめと　遠とおい汽笛きてきを　しょんぼり　ああ　あの娘むすめが聞きいてる　波止場はとば　　なみだ　捨すてたんだとさ　待まつ気きに　なったんだとさ　海うみの鳥とりでも　月夜つきよにゃきっと　飛とんでくるだろ　夢ゆめではろばろ　それを頼たよりに　いつまで　ああ　あの娘むすめがたたずむ　波止場はとば
ご機嫌きげんさんよ達者たっしゃかね船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		ご機嫌きげんさんよ　達者だっしゃ(たっしゃ)かね　おらも父ちち(とと)さも　変かわりなく　朝あさもはよから　畑はたけ仕事しごと　月つきのデッキで　故郷こきょう(ふるさと)しのび　読よみ返かえす　母ははの　母ははのたよりの　あゝ　なつかしさ　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ことしゃ実みのりも　豊作ほうさくで　村むらは祭まつりの　笛ふえ太鼓たいこ　書かいた手紙てがみに　あの娘むすめ(こ)の写真しゃしんも　添そえてある　母ははの　母ははのやさしい　あゝ　故郷こきょう(くに)だより　　ご機嫌きげんさんよ　達者たっしゃかね　ぼくも返事へんじに　書かいている　幼おさななじみの　故郷こきょう(くに)だより　波なみを枕まくらに　潮しお鳴なり聞きいて　マドロスは　ほろり　ほろり見みるのさ　あゝ　母ははの夢ゆめ
王将おうしょう船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる		吹ふけば飛とぶよな　将棋しょうぎの駒こまに　賭かけた命いのちを　笑わらわば笑わらえ　うまれ浪花なにわの　八はち百ひゃく八はち橋きょう　月つきも知しってる　おいらの意気地いくじ　　あの手てこの手ての　思案しあんを胸むねに　やぶれ長屋ながやで　今年ことしも暮くれた　愚痴ぐちも云いわずに　女房にょうぼうの小春こはる　つくる笑顔えがおが　いじらしい　　明日あしたは東京とうきょうに　出でてゆくからは　なにがなんでも　勝かたねばならぬ　空そらに灯ひがつく　通天閣つうてんかくに　おれの闘志とうしが　また燃もえる
早はやく帰かえってコ船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		おふくろも親父おやじも　みんな達者たっしゃだぜ　炉端ろばたかこんで　いつかいつしか東京とうきょうの　お前まえ達たち(めぇたち)二人ふたりの話はなしに　昨夜さくや(ゆんべ)も更ふけたよ　早はやくコ　早はやくコ　田舎いなかへ　帰かえってコ　東京とうきょうばかりが　なんでいゝものか　　好すきならば一緒いっしょに　連つれてくるがいゝ　どんな娘むすめか　おらも兄あになら見みたいもの　妹いもうとも嫁よめこにきまって　今年ことしは行いくだに　早はやくコ　早はやくコ　二人ふたりで　帰かえってコ　幼おさななじみも　変かわりゃしないよ　　あん時ときは　別わかれが辛からくて泣ないた駅えき　俺おれは馬うまっこの背せで　手てを振ふりさいならと　東京とうきょうへ旅たびだつお前まえを　送おくって行いったっけ　早はやくコ　早はやくコ　明日あしたにも　帰かえってコ　親父おやじめっきり　やせて老ふけたよ
おんなの宿やど船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		想おもい出でに降ふる　雨あめもある　恋こいにぬれゆく　傘かさもあろ　伊豆いずの夜よる雨あめを　湯舟ゆぶねできけば　明日あしたの別わかれが　つらくなる　　たとえひと汽車きしゃ　おくれても　すぐに別わかれは　くるものを　わざとおくらす　時計とけいの針はりは　女おんなごころの　かなしさよ　　もえて火ひとなれ　灰はいになれ　添そえぬ恋こいなら　さだめなら　浮ういてさわいだ　夜よるの明あけ方がたは　箸はしを持もつ手てが　重おもくなる
雨あめの夜よるあなたは帰かえる船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる		雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　そんな気きがして　ならないの　すがりついたら　離はなさないわ　濡ぬれたあなたの　カルダンコート　これもかなしい　夢ゆめかしら　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　まるでなんでも　ないように　いいのあなたは　だまってて　すぐにいれるわ　ブラックコーヒー　ひとり芝居しばいを　するあたし　　雨あめの夜よるに　あなたは帰かえる　いつも信しんじて　待まってるわ　泣ないて甘あまえた　遠とおい日ひの　夜よるをおもえば　また燃もえてくる　それがせつない　しのび雨う
夜よるがわらっている船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		酒さけがあたいに　惚ほれたのさ　ふられたあたいに　惚ほれたのさ　きらいさ　きらいさ　酒さけなんて　大だいきらいさ　夜よるがクスクス　笑わらうから　飲のめるふりして　飲のんでるだけさ　　愚痴ぐちがあたいを　責せめるのさ　昔むかしの約束やくそくァ　どうするッてさ　きらいさ　きらいさ　愚痴ぐちなんて　消きえちゃいな　夜よるがジロジロ　見みてるから　ちょっとしんみり　してみただけさ　　夢ゆめがあたいに　からむのさ　まことの心しんを　きかせろってさ　きらいさ　きらいさ　恋こいなんて　まッぴらだ　夜よるがゲラゲラ　笑わらうから　口惜くやし涙なみだが　こぼれるだけさ
三味線しゃみせんマドロス船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		波なみの小唄こうたに　三味線しゃみせん弾ひけば　しゃれた奴やつだと　仲間なかまが笑わらう　陸りく(おか)が恋こいしさに　ついつい負まけて　呼よべば未練みれんが　呼よべば未練みれんが　エーエー　夜霧よぎりにとけたよ　　青あおい月夜つきよにゃ　泪なみだで弾ひいた　破やぶれ三味線しゃみせん　あの娘むすめの形見かたみ　情じょうあったなら　男おとこの胸むねを　帰きえる鴎かもめよ　帰きえる鴎かもめよ　エーエー　伝つたえておくれよ　　なれぬ手てつきで　沁しみじみ聞きかしゃ　荒あれた心しんも　ほろりと泣なける　無事ぶじか達者たっしゃでか　淋さびしいえくぼ　辛つらい想おもいも　辛つらい想おもいも　エーエー　しばしの事ことだよ
酒場さかば川かわ船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		あなたの憎にくくさと　いとしさが　からだのなかを　流ながれます　小犬こいぬのように　捨すてられた　女おんなの恋こいの　みじめさを　酒さけと泣なきたい　酒場さかば川がわ　　男おとこのこころも　読よめないで　おぼれるだけの　恋こいでした　死しぬより辛つらい　裏切うらぎりを　怨うらんでみても　無駄むだなのね　涙なみだこぼれる　酒場さかば川がわ　　私わたしと暮くらした　アパートで　あなたは誰だれと　いるのでしょう　グラスの酒さけに　酔よいしれて　心しんの傷きずを　洗あらいたい　ネオン悲かなしい　酒場さかば川かわ
夕ゆう笛ふえ船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	西條さいじょう八十やそ	船村ふなむら徹とおる		故郷こきょうの　蒼あおい月夜つきよに　流ながれくる　笛ふえの音おときいて　君きみ泣なけば　私わたしも泣ないた　初恋はつこいの　夢ゆめのふるさと　 　おさげ髪がみ　君きみは十じゅう六ろく　春はるくれば　乙女おとめ椿つばきを　君きみ摘つんで　浮うかべた小川おがわ　思おもい出では　花はなの横顔よこがお　　故郷こきょうへ　いつの日ひ帰かえる　屋敷やしき町まち　古ふるいあの町まち　月つきの夜よるを　流ながれる笛ふえに　君きみ泣なくや　妻つまとなりても　ああ　花はなも恋こいも帰かえらず　流ながれゆく　君きみの夕ゆう笛ふえ
志津子しづこ船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる		志津子しづこと呼よべば　霧きりが流ながれる　俺おれの心しんに　からみつく　霧きりは志津子しづこの　溜息ためいきか　ム……　俺おれはお前まえが　好すきだった　　志津子しづこと呼よべば　霧きりが流ながれる　ヘッド・ライトの　束つかの間まに　白しろいうなじが　またうかぶ　ム……　消きえておくれよ　なにもかも　　志津子しづこと呼よべば　霧きりが流ながれる　未練みれんごころに　つまづいて　泣ないた男おとこが　ここにいる　ム……　きっとしあわせ　なっとくれ
新宿しんじゅく情話じょうわ船村ふなむら徹とおる	船村ふなむら徹とおる	猪又いのまた良りょう	船村ふなむら徹とおる		新宿しんじゅくは西口にしぐちの　間口まぐち五ご尺しゃくのぽん太ふとしの店みせが　とうとうつぶれて泣ないてるヒロ子ひろこ　三さん畳じょう一いち間あいだでよかったら　ついておいでよ僕ぼくんちに　　東京とうきょうは広ひろいから　親おやも故郷こきょうも知しらない人ひとが　ヒロ子ひろこの他ほかにもいっぱいいるさ　泣なくのはいいけど泣ないたなら　僕ぼくの笑顔えがおが見みえなかろう　　これからはどうなるの　赤あかいランプの最終さいしゅう電車でんしゃ　しょんぼり見送みおくるヒロ子ひろこの涙なみだ　風呂敷ふろしきづつみを中ちゅうにして　つなぐ手てと手てに霧きりが降ふる
矢や切きりの渡わたし船村ふなむら徹とおる・島倉しまくら千代子ちよこ	船村ふなむら徹とおる・島倉しまくら千代子ちよこ	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		「つれて逃にげてよ……」　「ついておいでよ……」　夕ゆうぐれの雨あめが降ふる　矢や切きりの渡わたし　親おやのこころに　そむいてまでも　恋こいに生いきたい　二に人にんです　　「見みすてないでね……」　「捨すてはしないよ……」　北風きたかぜが泣ないて吹ふく　矢や切きりの渡わたし　噂うわさかなしい　柴又しばまたすてて　舟ふねにまかせる　さだめです　　「どこへ行いくのよ……」　「知しらぬ土地とちだよ……」　揺ゆれながら艪が咽むせぶ　矢や切きりの渡わたし　息いきを殺ころして　身みを寄よせながら　明日あしたへ漕こぎだす　別わかれです
惜別せきべつ旅たび舟木ふなき一夫かずお	舟木ふなき一夫かずお	吉田よしだ旺	船村ふなむら徹とおる		これきりと　これきりと　ふたりで決きめて　落おちあった落おちあった　海沿うみぞいの宿やど　漁火ぎょかが漁火ぎょかが　こころ濡ぬらすよ　　明日あした(あした)から　明日あしたから　よその人ひとねと　むりやりにむりやりに　笑わらうおまえの　けなげさがけなげさが　胸むねをえぐるよ　　別わかれ酒しゅ　別わかれ酒しゅ　注そそがれて注そそいで　見み交(みかわ)せば見み交(みかわ)せば　おまえの頬ほおを　ふたすじのふたすじの　川かわが流ながれる　　呻っても　呻っても　酔よえない酒さけを　ふたりしてふたりして　呻るせつなさ　海鳴うみなりが海鳴うみなりが　泣ないてくれるよ
ふるさとは屋敷やしき町まち舟木ふなき一夫かずお	舟木ふなき一夫かずお	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		梅うめ・桃もも・桜さくら　春はるは咲さき　落葉らくようが泣なかす　秋あきの里さと　帰かえって来きたと　叫さけんでも　迎むかえてくれる母ははもない　白壁しらかべ染そめるタ陽ひ　さびしい屋敷やしき町まち　　木立こだちの風かぜを　ふるわせて　こころにしみる　祭まつり笛ふえ　別わかれに泣ないたあの人ひとも　嫁とついで母ははに　なったとか　耳みみをすませば　噂うわさかなしい屋敷やしき町まち　　故郷こきょうの月つきに　ひとり酌くむ　地酒じざけの熱あつい　酔よいごこち　今いまさらなにを　偲しのんでも　幼おさない日々ひびは　返かえらない　男おとこの胸むねに　涙なみだしぐれる屋敷やしき町まち
おんな無情むじょう草笛くさぶえ四よん郎ろう	草笛くさぶえ四よん郎ろう	さくらちさと	船村ふなむら徹とおる	南郷なんごう達也たつや	伊豆いずはおぼろ夜よ(よ)十じゅう三さん夜や　傘かさはいらないこころ雨う　濡ぬれてみたさのひと夜よるの縁えん(えん)が　忘わすれられないひとになる　　いっそ縋すが(すが)れりゃよいものを　縋すがれないほど惚ほれました　遊あそび上手じょうずをよそおう裏うらに　かくす涙なみだのせつなさよ　　明あけの明星みょうじょう(みょうじょう)消きえたのに　残のこる胸むねの火ひ消けせもせず　きついこはぜの五いつつ目めはめて　帰かえるうき世よにしみる雨あめ
花はなひばり草笛くさぶえ四よん郎ろう	草笛くさぶえ四よん郎ろう	美空みそらひばり	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	花はなは美うつくしく散ちりゆくもの　人ひとは儚はかなく終おわるもの　あぁ我わがれ切せつなくも　人ひとと生うまれし　大おおきな花はな　小ちいさな花はな　愛あいの花はな　恋こいの花はな　花はなは咲さきけど散ちることも知しらず　愛あい(いと)おしや　　おんな悲かなしくもひとりでそっと　夜よごと涙なみだにもの想おもう　あぁ我わがれさすらいの　おんなと生うまれし　乙女おとめの花はな　おんなの花はな　母ははの花はな　命いのちの花はな　花はなは咲さきけど散ちることも知しらず　愛あいおしや　　大おおきな花はな　小ちいさな花はな　愛あいの花はな　恋こいの花はな　花はなは咲さきけど散ちることも知しらず　愛あいおしや
男おとこの友情ゆうじょう青木あおき光一こういち	青木あおき光一こういち	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		昨夜さくや(ゆうべ)も君きみの　夢見ゆめみたよ　なんの変かわりも　ないだろね　東京とうきょう恋こいしや　行いけぬ身みは　背せのびして見みる　遠とおい空そら　段々畑だんだんばたけの　ぐみの実みも　あの日ひのまゝに　うるんだぜ　　流ながれる雲くもは　ちぎれても　いつも変かわらぬ　友情ゆうじょうに　東京とうきょう恋こいしや　逢あいたくて　風ふうに切きれ切ぎれ　友ともの名なを　淋さびしく呼よんだら　泣なけて来きた　黄昏たそがれ赤あかい　丘おかの径みち　　田舎いなかの駅えきで　君きみの手てを　ぐっとにぎった　あの温ぬくみ　東京とうきょう恋こいしや　今いまだって　男おとこ同士どうしの　誓ちかいなら　忘わすれるもんかよ　この胸むねに　抱だきしめながら　いる俺おれさ
僕ぼくは流ながしの運転うんてん手しゅ青木あおき光一こういち	青木あおき光一こういち	石本いしもと美由起みゆき	船村ふなむら徹とおる		粋いきにかぶった　烏がらす打だ帽子ぼうし　皮かわのジャンバーも　似合にあうだろ　街まちのシグナル　赤あか青あお黄色おうしょく　渡わたるこの世よも　ハンドルまかせ　『お客きゃくさん』『どちらまで』　僕ぼくは流ながしの僕ぼくは流ながしの　運転うんてん手しゅ　　駅えきで拾ひろった　二人ふたりの連つれは　いで湯ゆ帰がえりの　新婚しんこんさん　バックミラーに　映うつった影かげが　一人ひとり者しゃには　眼めの毒どくになる　『チョンガーは』『切せつないね』　僕ぼくは流ながしの僕ぼくは流ながしの　運転うんてん手しゅ　　晴はれた空そらなら　鼻唄はなうた機嫌きげん　雨あめじゃ仕事しごとも　しけちゃうさ　眠ねむさこらえて　アクセル踏ふめば　やけに身みに沁しむ　チャルメラそば屋や　『今晩こんばんは』『あぶれかな』　僕ぼくは流ながしの僕ぼくは流ながしの　運転うんてん手しゅ　　若わかい身みじゃもの　男おとこの夢ゆめを　持もっていなけりゃ　生いきられぬ　遠とおい田舎いなかの　あの娘むすめを呼よんで　東京とうきょう案内あんない　ドライヴしたい　『青春せいしゅんは』『楽たのしいな』　僕ぼくは流ながしの僕ぼくは流ながしの　運転うんてん手しゅ
ふるさと列車れっしゃ青木あおき光一こういち	青木あおき光一こういち	小山こやま敬三けいぞう	船村ふなむら徹とおる		ふるさとへ　ふるさとへ　汽笛きてき鳴ならして　汽車きしゃはゆく　恋こいものぞみも　あこがれも　みんなあきらめ　ふり捨すてて　故郷こきょうへ帰かえる　汽車きしゃの窓まど　赤あかい夕日ゆうひが　さみしいぜ　　さようなら　さようなら　駅えきのホームで　手てを振ふって　名残なごり惜おしんで　くれたひと　濡ぬれた瞳ひとみが　おもかげが　なぜかせつなく　目めにうかび　男おとこごころも　泣なけるのさ　　汽車きしゃはゆく　汽車きしゃはゆく　青あおい月夜つきよを　汽車きしゃはゆく　捨すてていくとせ　帰かえらない　母ははが待まつだろ　ふるさとを　夜汽車よぎしゃの窓まどに　しみじみと　思おもい出だすのさ　偲しのぶのさ
青春せいしゅんパソドブル青木あおき光一こういち	青木あおき光一こういち	青山あおやま七郎しちろう	船村ふなむら徹とおる		空そら…雲くも…夢ゆめ……　そよぐプラタナス　今日きょうのデイトは　外苑がいえん広場ひろば　赤あかいジャンバーが　似合にあうよあの娘むすめ　あゝあゝ　青春せいしゅんの並木道なみきみち　逢あえば行いこうぜ　ボーリング　　赤あか…白しろ…青あお……　浮うかぶアドバルーン　空そらはコバルト　晴はれてはいても　あの娘むすめ来こなけりゃ　チョッピリセンチ　あゝあゝ　君きみを待まつ街まちの角かく　陽ひざし明あかるい　午後ごご三さん時じ　　春はる…夜よる…街まち……　銀座ぎんざうら通どおり　若わかい仲間なかまが　スクラム組くんで　行いけば招まねくよ　酒場さかばのネオン　あゝあゝ　青春せいしゅんのこのひと夜よる　飲のんで歌うたおか　パソドブル
東京とうきょう無情むじょう織お井い茂子しげこ	織お井い茂子しげこ	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		花はなの都とに　憧あこがれて　尋たずね来きた　わたしは小鳥ことり　雨あめに濡ぬれよが　風ふうにたゝかりょが　人ひとは　素知そしらぬふりして　過すぎてゆく　あゝ　東京とうきょう情なさけなし　薄情はくじょうものよ　　尋たずね探さがした　ねぐらさえ　陽ひもさゝぬ　この世よの裏うらよ　泥どろ溝みぞ(どぶ)に落おちよが　羽はねをいためよが　赤あかい　ネオンは黙だまって　眺ながめてる　あゝ　東京とうきょう情なさけなし　薄情はくじょうものよ　　遠とおいむかしの　純情じゅんじょうを　なつかしむ　あたしの涙なみだ　夢ゆめを持もとうが　強つよく歩あるこうが　憎にくい　都とにゃ冷つめたい　人ひとばかり　あゝ　東京とうきょう情なさけなし　薄情はくじょうものよ
ギター船せん北島きたじま三郎さぶろう	北島きたじま三郎さぶろう	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		ギターひこうよ　月つきのデッキで　ギターひこうよ　あのひとが　すきだった　ふるい　恋こいの唄うた　爪つまびけば　波なみのうねりが　ゆすりだす　あつい涙なみだよ　　ギターひこうよ　影かげをだきしめ　そっとひこうよ　妹いもうとの　ようだった　白しろい　きみが頬ほお　いまごろは　汽車きしゃの窓辺まどべで　ゆれながら　海うみをみてやら　　ギターひこうよ　ランプぬらして　星ほしは流ながれる　あのひとに　云いえなくて　胸むねに　だいてきた　ひとことを　愛あいのことばを　唄うたおうよ　ひとりしみじみ
宗谷そうや岬みさき黒木くろき真理まり	黒木くろき真理まり	吉田よしだ弘ひろし	船村ふなむら徹とおる		流氷りゅうひょうとけて　春風しゅんぷう吹ふいて　ハマナス咲さいて　カモメも啼ないて　遥はるか沖おきゆく　外国がいこく船せんの　煙けむりもうれし　宗谷そうやの岬みさき　流氷りゅうひょうとけて　春風しゅんぷう吹ふいて　ハマナス揺ゆれる　宗谷そうやの岬みさき　　吹雪ふぶきが晴はれて　凍こお(しば)れがゆるみ　渚なぎさの貝かいも　眠ねむりが覚さめた　人ひとの心しんの　扉とびらを開ひらき　海鳴うみなり響ひびく　宗谷そうやの岬みさき　流氷りゅうひょうとけて　春風しゅんぷう吹ふいて　ハマナス揺ゆれる　宗谷そうやの岬みさき　　幸しあわせ求もとめ　最果さいはての地ちに　それぞれ人じんは　明日あした(あした)を祈いのる　波なみもピリカの　子守こもりのように　想おもい出で残のこる　宗谷そうやの岬みさき　流氷りゅうひょうとけて　春風しゅんぷう吹ふいて　ハマナス揺ゆれる　宗谷そうやの岬みさき
志津子しづこ島しま和彦かずひこ	島しま和彦かずひこ	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる		志津子しづこと　呼よべば　霧きりが流ながれる　俺おれの心しんに　からみつく　霧きりは志津子しづこの　溜息ためいきか　……………………　俺おれはお前まえが　好すきだった　　志津子しづこと　呼よべば　霧きりが流ながれる　ヘッド・ライトの　束つかの間まに　白しろいうなじが　またうかぶ　……………………　消きえておくれよ　なにもかも　　志津子しづこと　呼よべば　霧きりが流ながれる　未練みれんごころに　つまづいて　泣ないた男おとこが　ここにいる　……………………　きっとしあわせ　なっとくれ
海鳴うみなりの聞きこえる町まち島倉しまくら千代子ちよこ	島倉しまくら千代子ちよこ	木賊とくさ大次郎だいじろう	船村ふなむら徹とおる		海鳴うみなりが　聞きこえる町まちへ　悲かなしみにたえかねて　逃にげて来きました　霧きりの港みなとの　ホテルから　お別わかれの電話でんわを　かけてます　ホラホラホラ　霧笛むてきがしずかに泣ないてる町まちです　　海鳴うみなりが　聞きこえる部屋へやで　いつかしら　ダイヤルにふれていました　遠とおく貴方あなたの　呼よぶ声こえが　あきらめたこの胸むねを　ゆすります　ホラホラホラ　夜霧よぎりがしずかに流ながれる町まちです　　海鳴うみなりが　聞きこえる町まちで　ただ一人ひとり　あてもなく船ふねに乗のります　いいえ何なににも　聞きかないで　さよなら電話でんわを　切きりましょう　ホラホラホラ　出船しゅっせんの合図あいずが聞きこえる町まちです
夕焼ゆうやけ列車れっしゃ高村たかむら典子のりこ	高村たかむら典子のりこ	里村さとむら龍一りゅういち	船村ふなむら徹とおる		夕焼ゆうやけ列車れっしゃの　笛ふえの音おときけばョー　駅えきまでかけてく　たんぼ道どう　出稼でかせぎ暮くらしの　ふもとの村むらは　父とうさん待まってる　家いえばかり　ああ　かみなりが鳴なる　遠とおい日ひに　別わかれて今いまは　すすきが風ふうに泣なく　アレサョー　　ふるさと離はなれて　働はたらく身みにはョー　都会とかいの寒さむさが　沁しみるだろう　ぬくめてあげたい　熱燗あつかんつけて　戸棚とだなの徳利とっくり　淋さびしそう　ああ　母かあさんとまた　ふたりきり　今年ことしも帰かえる　父とうさん待まちわびる　アレサョー　　祭まつりが終おわれば　もうすぐ冬ふゆだョー　逢あいたさせつない　日暮ひぐれ空そら　涙なみだでにじんだ　峠とうげを見みれば　つばさを並ならべた　鳥とりの群ぐん　ああ　木枯こがらしが鳴なる　山間さんかんに　父とうさんの帰かえる　列車れっしゃの音おとがする　アレサョー
白馬はくばのルンナ内藤ないとう洋子ようこ	内藤ないとう洋子ようこ	松山まつやま善よし三さん	船村ふなむら徹とおる		ルンナ　月つきの浜辺はまべの　ルンナ　ルンナ　星ほしをみている　ルンナ　ルンナ　おとぎばなしをしましょ　ルンナ　ないしょばなしをしましょ　夜よるになったら　ふたりで　森もりの泉いずみにゆこうよ　ルンナ　私わたしウフフと笑わらい　ルンナ　おまえクククと笑わらう　　花はなが咲さいたら　ふたりで　かくれんぼして　あそぼう　ルンナ　虹にじをわたってゆこう　ルンナ　とおいしあわせの国くに　春はるのしっぽがみえる　宝たからさがしにゆこう　森もりのおひめさまです　王子おうじさまをさがそう　　ルルルルルルル　ルンナ　ルルルルルルル　ルンナ………
札幌さっぽろにリラは薫かおれど能のう沢さわ佳子けいこ	能のう沢さわ佳子けいこ	西沢にしざわ爽	船村ふなむら徹とおる		夢ゆめみただけで　しあわせと　あきらめながら　あゝ　札幌さっぽろに　リラは薫かおれど　あなたは　いない　煉瓦れんが道どう　泣ないて　私わたしの　影かげひとつ　　別わかれて　ひとり　住すむ街まちの　むなしい姿すがた　あゝ　札幌さっぽろに　リラは薫かおれど　うす紫むらさきの　その花はなを　髪かみに　かざれば　ただ涙なみだ　　花はな咲さく　街まちも　愛あいなくば　砂漠さばくの街まちよ　あゝ　札幌さっぽろに　リラは薫かおれど　うつろな　空そらに　思おもい出でを　今日きょうも　数かぞえる　時計とけい台だい
ママにもらったトランプフランキふらんきー堺さかい	フランキふらんきー堺さかい	サトウハチロー	船村ふなむら徹とおる		ママにもらった　トランプの　ダイヤの六ろくは　折おれました　　だれのおいたか　スペードの　ジャックはあごひげ　つけてます　　クラブのクインは　さみしそう　ママとおんなじ　泣なきぼくろ　　とんがりシャッポの　ジョーカーは　自転車じてんしゃでどこかへ　行いきました　　自転車じてんしゃでどこかへ　行いきました…
波止場はとば小僧こぞう美空みそらひばり	美空みそらひばり	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		岬みさきがくれに　汽笛きてきがひゞく　あれは兄あに(あん)ちゃん　乗のってる船ふねさ　顔かおをみるのも　久ひさしぶりだよ　あ……帰かえる日ひを待まってた　波止場はとばさ　お土産みやげはなんだろナ　　縞しまのジャケツに　マドロス帽子ぼうし　波止場はとば小僧こぞうは　元気げんきなものよ　遊あそび仲間なかまは　かわい鴎かもめさ　あ……すまないが兄にいちゃんに負まけない　船乗ふなのりになるんだヨ　　赤あかい夕陽ゆうひの　港みなとに入はいる　白しろいマストの　素敵すてきな船ふねさ　あれは兄にいちゃん　錨いかり降おろすぜ　あ……あの船ふねで波なみこえ一いち度どは　アメリカにゆきたいナ
鐘かねつき小僧こぞう三宅みやけ広一ひろかず	三宅みやけ広一ひろかず	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		鐘かねをついたら　泣なけて来きた　山やまの日暮ひぐれの　さみしさに　俺おれはみなし児ご　鐘かねつき小僧こぞう　聞きいているだろ　母かあちゃんも　なんまいだア　赤あかい入いり陽ひの赤あかい入いり陽ひの　あの空そらで　　親おやを供養くようの　お念仏ねんぶつ　里さとの子供こどもに　なぶられて　鐘かねをつきつき　かくした涙なみだ　呼よんでいるのは　誰だれじゃやら　なんまいだア　誰だれも呼よばない誰だれも呼よばない　風ふうばかり　　一ひとつ突ついては　また一ひとつ　鐘かねのひゞきも　母はは恋こいし　すゝき尾花おばなに　仮寝かりねのとんぼ　俺おれもお前まえも　ひとりぼち　なんまいだア　夢ゆめを見みてやら夢ゆめを見みてやら　泣ないてやら
逢あいに来きましたお父とうさん三宅みやけ広一ひろかず	三宅みやけ広一ひろかず	野村のむら俊夫としお	船村ふなむら徹とおる		母かあさん作つくった　日ひの丸まる弁当べんとう　ひとり喰くえべ喰くえべ　汽車きしゃの旅たび　夢ゆめで見みていた　東京とうきょうの街まちを　地図ちずを頼たよりに　九段くだんまで　逢あいに来きました　お父とうさん　　泣なき泣なき拝おがんだ　靖国神社やすくにじんじゃ　合あわす両手りょうてに　桜さくらちる　待まっていたよの　たゞ一言ひとことを　聞きいてみたさに　はるばると　逢あいに来きました　お父とうさん　　お別わかれした時ときぁ　乳ちち呑のみ児じだった　丁度ちょうどあれから　十じゅう五ご年ねん　つらい淋さびしい　かた親おやそだち　故郷こきょうの話はなしを　おみやげに　逢あいに来きました　お父とうさん
空そら森もりサカエ	森もりサカエ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		ああ　人生じんせいは　宛あて(あて)どない　男おとこさがし　女おんなさがし　欲ほしいものを　さがし当あてて　手てにとって　よくみれば　みんな　空そら(むな)しい　紛まがえ(まが)いもの　野辺のべに咲さく　一輪いちりんの　野のの花はなに　頬ほおよせて　色即是空しきそくぜくう　空即是色くうそくぜしき　ひとり　空そらを見みる　　ああ　人生じんせいは　勝かちのない　ひとり相撲すもう　ひとり芝居しばい　欲ほしいものを　さがし当あてた　束つかの間まの　喜よろこびも　さめて　空そら(むな)しい　空そら(から)さわぎ　形かたちある　ものはみな　朽くちはてて　消きえてゆく　色即是空しきそくぜくう　空即是色くうそくぜしき　ひとり　爪つめを噛かむ　　形かたちある　ものはみな　滅ほろぶ日ひの　ためにある　色即是空しきそくぜくう　空即是色くうそくぜしき　ひとり　旅たびをゆく
あの娘むすめが泣ないてる波止場はとば福田ふくだこうへい	福田ふくだこうへい	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	山田やまだ年みのる秋あき	思おもい出だしたんだとさ　逢あいたく　なったんだとさ　いくらすれても　女おんなはおんな　男心おとこごころにゃ　分わかるもんかと　沖おきの煙けむりを　見みながら　ああ　あの娘むすめが泣ないてる　波止場はとば　　呼よんでみたんだとさ　淋さびしく　なったんだとさ　どうせカーゴの　マドロスさんは　一夜いちやどまりの　旅たびの鴎かもめと　遠とおい汽笛きてきを　しょんぼり　ああ　あの娘むすめは聞きいてる　波止場はとば　　なみだ捨すてたんだとさ　待まつ気きに　なったんだとさ　海うみの鳥とりでも　月夜つきよにゃきっと　飛とんでくるだろ　夢ゆめではろばろ　それを頼たよりに　いつまで　ああ　あの娘むすめがたたずむ　波止場はとば
黒くろいコートの女おんな織お井い茂子しげこ	織お井い茂子しげこ	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる		星ほしもない　暗くらい海うみ見みて　しょんぼりと　だれをまつやら　今宵こよいもたたずむ　黒くろいコートの　あの女おんな　あゝ　青あおい夜霧よぎりに青あおい夜霧よぎりに　灯ひがにじむ　　襟えりあしに　横浜よこはま(はま)の夜よる風ふうが　吹ふいてゆく　流ながれながれて　何処どこから来きたのか　黒くろいコートの　あの女おんな　あゝ　なぜか気きになるなぜか気きになる　細ほそい肩かた　　ちらちらと　港みなと灯あかりか　汽船きせん(ふね)の灯ひか　やつれ横顔よこがお　そむけて泣ないてる　黒くろいコートの　あの女おんな　あゝ　早はやくお帰かえり早はやくお帰かえり　夜よるが更ふける
男おとこの友情ゆうじょう船村ふなむら徹とおる・北島きたじま三郎さぶろう・鳥羽とば一郎いちろう	船村ふなむら徹とおる・北島きたじま三郎さぶろう・鳥羽とば一郎いちろう	高野たかの公男きみお	船村ふなむら徹とおる	蔦つた将すすむ包つつみ	「友ともよ　土どの中なかは寒さむいのだろうか　友ともよ　土どの中なかには夜よるがあるのだろうか　もしも　寒さむいのならば　俺おれのぬくもりをわけてあげたい　もしも　夜よるがあるのならば　俺おれの手てで灯あかりをともしてやりたい　友ともよ　俺おれの高野こうやよ　こおろぎの　よちよち登のぼる　友ともの墓石はかいし(いし)」　　昨夜さくや(ゆうべ)も君きみの　夢見ゆめみたよ　なんの変かわりも　ないだろね　東京とうきょう恋こいしや　行いけぬ身みは　背せのびしてみる　遠とおい空そら　段段畑だんだんばたけの　ぐみの実みも　あの日ひのままに　うるんだぜ　　流ながれる雲くもは　ちぎれても　いつも変かわらぬ　友情ゆうじょうに　東京とうきょう恋こいしや　逢あいたくて　風ふうに切きれぎれ　友ともの名なを　淋さびしく呼よんだら　泣なけて来きた　黄昏たそがれ赤あかい　丘おかの径みち　　田舎いなかの駅えきで　君きみの手てを　ぐっとにぎった　あの温ぬる(ぬく)み　東京とうきょう恋こいしや　今いまだって　男おとこ同志どうしの　誓ちかいなら　忘わすれるものかよ　この胸むねに　抱だきしめながら　いる俺おれさ
悦楽えつらくのブルース五木いつきひろし	五木いつきひろし	吉岡よしおか治おさむ	船村ふなむら徹とおる	竜崎りゅうざき孝たかし路ろ	泣ないちゃ　泣ないちゃ　泣ないちゃ　泣ないちゃいないわ　カクテルの　青あおい　青あおい　青あおい　青あおい　グラスが　目めにうつる　甘あまい甘あまいと　つい酔よって　さめりゃ心しんが　ほろにがい　　どうせ　どうせ　どうせ　どうせ　男おとこの　薄うす情なさけ　知しって　知しって　知しって　知しって　いながら　何故なぜ惚ほれた　惚ほれりゃ泣なくのは　女おんなだけ　憎にくみながらも　また燃もえる　　咲さいて　咲さいて　咲さいて　咲さいて　みたとて　明日あしたは散ちる　今夜こんや　今夜こんや　今夜こんや　今夜こんや　かぎりの　狂くるい花はな　せめて今夜こんやは　悦楽えつらくの　酒さけにしみじみ　酔よいたいの　　あんた　あんた　あんた　あんた　かえる日び　信しんじつつ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　涙なみだ　こらえて　今日きょうもまつ　すがる想おもいで　振ふりかえりゃ　しのび泣なくよな　こぬか雨あめ
あなたが帰かえる港町みなとちょう北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	横井よこい弘ひろし	船村ふなむら徹とおる		青あおい波止場はとばに　汽笛きてきも高たかく　船ふねが近ちかづきゃ　雪ゆきさえとける　冬ふゆの長ながさを　堪こたえた胸むねに　熱あついなさけの　土産みやげを抱だいて　あなたが帰かえる　春はるがくる　港町みなとちょう　　噂うわさ夜よる風ふうに　ふるえた鴎かもめ　今日きょうは羽搏はばたく　明あかるく歌うたう　橋はしのたもとに　あの白壁しらかべに　残のこる私わたしの　涙なみだを消けして　あなたが帰かえる　春はるがくる　港町みなとちょう　　あなた好このみの　絣かすりを着きれば　海うみにまたたく　星ほしまで燃もえる　そっと秘ひめてた　思おもいの花はなを　みんな一いち度どに　咲さかせてみたい　あなたが帰かえる　春はるがくる　港町みなとちょう
おんな船唄ふなうた北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	横井よこい弘ひろし	船村ふなむら徹とおる		船ふねが出でる日ひは　指ゆびまでやせる　「可哀想かわいそうに」と　かもめが啼ないた　いいえ　心しんは　いつでも一緒いっしょ　港みなとはるかに　網あみひく人ひとと　共ともに船唄ふなうた　うたうのさ　　時化しけ(しけ)が続つづけば　噂うわさも絶たえる　「忘わすれちまえ」と　男おとこが誘さそう　いいえ　便たよりが　なくてもいいの　胸むねに残のこった　温ぬくもり抱だいて　恋こいの船唄ふなうた　うたうのさ　　北きたの波止場はとばで　ただ待まつ暮くらし　「馬鹿ばかな女おんな」と　霧笛むてきが笑わらう　いいえ　馬鹿ばかほど　一途いっとになれる　好すきなお酒さけの　陰膳かげぜん(かげぜん)すえて　おんな船唄ふなうた　うたうのさ
オホーツク流ながれ唄うた北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		こんなボロ船せんを　形見かたみに残のこすから　あとを継つぐ俺おれが　苦労くろうするんだと　親父おやじ怨うらんだ　日ひもあるが　いまじゃしんから　海うみのとりこさ　流氷りゅうひょうくるまで　三月さんがつ(みつき)が勝負しょうぶ　ああ　オホーツク　流ながれ唄うた　　海うみという奴やつは　気きまぐれ者しゃだよな　時化しけて暴あばれてよ　凪ないでまた笑わらう　女おんなごころに　似にているぜ　にくい可愛かわいい　君きみの面影おもかげ　夕陽ゆうひに包つつんで　波間なみまにすてて　ああ　オホーツク　流ながれ唄うた　　ゴムの手袋てぶくろを　しぶきが突つき抜ぬける　秋あきのオホーツクに　楽らくな日ひはないぜ　網あみを巻まくのも　命いのちがけ　親おやの苦労くろうが　やっとこのごろ　わかってきたぜと　鴎かもめと笑わらう　ああ　オホーツク　流ながれ唄うた
幻まぼろし 舷ふなばた之の介かい北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		おはよう　あなた　舷ふなばた之の介かい　あたいの命いのちを　半分はんぶんあげて　もっと生いきてて　欲ほしかった　男おとこ　荒波あらなみ舷ふなばた之の介かい　あなたの形見かたみの　ギターをひけば　夜明よあけの海うみの　向むかうから　きこえてくるの　あの日ひの歌うたが　あたいを泣なかせた　別わかれの歌うたが　　呼よんでよ　あなた　舷ふなばた之の介かい　鎖くさりを放はなして　出でてきんしゃいと　いつもあたいを　笑わらってた　男おとこ　荒波あらなみ舷ふなばた之の介かい　あなたを愛あいせる　独身どくしん(ひとり)になって　たずねた北きたの　港町みなとちょう　もう遅おそいのね　わかっていても　聞きこえてくるのは　潮しお鳴なりばかり　　さよなら　あなた　舷ふなばた之の介かい　あたいに残のこした　手紙てがみの続つづき　もっと続つづけて　欲ほしかった　男おとこ　幻まぼろし　舷ふなばた之の介かい　おまえによく似にた　子供こどもを産うめと　やさしい文字もじを　よみ返かえす　一間いっけんの部屋へやに　秋風あきかぜ吹ふいて　ひとりの夜明よあけが　身みにしみまする
港みなとのカルメン北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		女おんなにしとくにゃ　勿体もったいないと　人ひとの噂うわさも　雨あめ、あられ　私わたしはカルメン　港みなとのカルメン　赤あかいパラソル　くるくるまわし　カモを探さがしに　きたけれど　カモは来こないで　来くるのは鴎かもめと　あほうどり　　目立めだちたがり屋やで　度胸どきょうもあって　生うまれついての　派手はで好このみ　私わたしはカルメン　出戻でもどり女おんな　花はなの都とへ　行おこなってはみたが　好すいたお方かた(ひと)は　皆みな女房にょうぼう持もち　いやな男おとこの　情なさけの深ふかさに　泣なかされた　　ほんとはとっても　内気うちきな女おんな　なのに見掛みかけで　損そんをする　私わたしはカルメン　純情じゅんじょうカルメン　潮しおの匂においと　オイルの泌みた　浜はまの若衆わかしゅに　惚ほれたけど　なぜか素直すなおに　言葉ことばに出だせない　アイラヴユー
小倉おぐら恋こい日記にっき北見きたみ恭子きょうこ	北見きたみ恭子きょうこ	星野ほしの哲郎てつろう	船村ふなむら徹とおる		嘆なげくまい　嘆なげくまい　いずれの日ひにか　忘らるる　恋こいと知しりつつ　身みを焦こがす　女おんなの性せい(さが)の　哀かなしさは　花はなより他たに　知しる人ひともなし　　侘わび助すけ(わびすけ)の　侘わび助すけの　椿つばきの宿やどに　ふりつもる　赤あかい花はなびら　手てに受うけて　名なを呼よぶ今日きょうに　比ひ(くら)ぶれば　昔むかしはものを　思おもわざりけり　　怨うらむまい　怨うらむまい　一夜いちや(ひとよ)を永久えいきゅう(とわ)に　思おもうほど　いのち与あたえて　くれたひと　宿命しゅくめい(さだめ)の川かわは　儚はかななくも　割われても末すえに　逢あわんとぞ思おもう
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