ジャニーズの
問題が
遂に、というか
漸く
表沙汰になった。かなり
前、そう10
年、20
年ではすまない
昔から
僕らの
業界では
当たり
前のように
知られていた
話だが、
漸く
断罪される
時が
来たらしい。
【倉本 聰:富良野風話】地球沸騰 何年前だったか、ある
売り
出しの
女優を
番組に
起用しようとしたら、
テレビ局から
待ったがかかった。その
女優がジャニーズのタレントと
一寸トラブッたことがあったらしく、その
女優を
使うなら
今後おたくの
局から
全ジャニーズ
関連のタレントを
引き
揚げると
脅されて、だからその
女優は
使えないのだと
申し
訳なさそうに
局から
言われた。その
横暴さに啞然としたことがある。
芸能界には
昔からそういう
暴力団的風潮があって、いくつかの
大手プロダクションには
逆らえないという
都市伝説的奇怪な
掟がある。
何度か
敢えてそういう
掟に、
無鉄砲に
逆らってケンカしたことがあったが、そこへ
今回のジャニーズ
事件である。
永年耐えに
耐えた
告発者の
勇気には
大きな
拍手を
送るものだが、さすがにここまでの
真実を
知らされると、
永年この
世界のはじっこにいたものとして
自分の
無知がくやまれる。でも、いつも
送ってくるテレビ
雑誌は、
半分ジャニーズのPR
誌の
如き
様相で、
中身の
半分はジャニーズのグラビア。どうなってるンだと
年中思い、だが
新聞をとっていない
山奥暮らしの
身には、これがないと
番組表が
判らない。
そこで
思うのは、このジャニーズという
怪物企業と
日本のマスメディアの
関係である。
一体このつながりは
何処から
始まったのか。
ジャニーズの
力を
恐れているのは、
関連マスコミの
現場であるのか。それともマスコミのトップであるのか。そこのところが
非常に
知りたい。
現場であるなら
彼らは
当然ジャニー
氏の
犯罪に
気づいていた
筈だし、
気づいて
永年見て
見ぬふりをして
来たのなら
彼らも
一種の
共犯者である。いや、もしかしたらそういう
風評を、
多少とも
耳にしたことのある
僕ら
外部の
関連者も
知らぬ
間に
共犯者になっていたのかもしれない。
そしてマスコミのトップに
立つ
者は、もちろん
当然共犯者の
一人だ。しかもそれがマスコミというものの
経済基盤を
支えるために、
利益を
得るために
黙っていたのだというならば、
報道というものは
何とも
情けない。
彼らは
犯罪の
実体を
知りながら、
儲けるために
見て
見ぬフリをしつづけて
来たわけなのだから。
ジャニーズにも、
只見てくれが
良いから、ミスター・ジャニーの
犠牲になって
売れたという
者ばかりではあるまい。
才能があって
世に
出たものは
少なからずいる
筈である。だが、ここまで
事件が
喧伝されると、あいつもヒョッとしてもしかすると、と、あらぬ
色眼鏡で
見られてしまうこともあるだろう。これは
理不尽な
風評被害である。ジャニーズのタレントは、これからそういう
世の
不条理に
向き
合うことになる。ミスター・ジャニーも
罪作りである。