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千葉県多古町の土地に無許可で土砂を運び込んだとして、残土の運搬・処理会社の取締役が同町残土条例違反の疑いで2024年6月12日に逮捕された。運び込んだ土砂は建設残土と見られ、高さ30m以上に積み上がっている。
多古町で積み上げられた条例違反の土砂(写真:日経クロステック)
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建設残土の処分を巡るトラブルは全国各地で起こっている。排水処理などが不十分で、崩壊の恐れがある危険な盛り土が造成されることも少なくない。
問題のある残土処分については従来、その状況に応じて森林法や農地法、残土条例など様々な法令で対処してきた。しかし、全体を網羅する法がなく、抜け穴が生じていることもあった。
そこで、新たに制定されたのが23年5月施行の盛土規制法だ。施行後5年以内をめどに、都道府県知事などが人家や人命に被害を及ぼす恐れのある場所を規制区域に指定する。例えば、東京都では24年7月31日に規制区域を指定し、同法に基づく規制を開始する。
規制区域では、一定の規模以上の盛り土をする場合、許可や届け出が必要となる。宅地造成に伴う盛り土だけでなく、残土の処分や一時的な積み上げも規制対象だ。