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BIOSやUEFIという用語の使われ方の変遷
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BIOSやUEFIという用語ようご使つかわれかた変遷へんせん

2021/01/02公開こうかい

はじめに

ほん記事きじはコンピュータの世界せかい用語ようご、Basic Input Output System(BIOS)およびUnified Exensible Firmware Interface(UEFI)がどのように使つかわれてきたのかについてまとめたものです。この用語ようごまれたのが1975ねんでわたしがPCを使つかはじめたのが1990年代ねんだい中盤ちゅうばんなので、そのあたりは直接ちょくせつっているわけではなく伝聞でんぶんやwikipediaなどを情報じょうほうげんとした耳学問みみがくもんをもとにいています。したがって「ほん記事きじいてあることが正解せいかい」ということはなく筆者ひっしゃ理解りかい程度ていど意味いみでとらえてください。

BIOSの登場とうじょう

BIOSという言葉ことばは1974ねん誕生たんじょうしたマイコンけOSであるCP/M由来ゆらい由来ゆらいします。BIOSはCP/MのなかのI/O制御せいぎょをするためのプログラムのことをしており、現在げんざいでいうデバイスドライバの役割やくわりたしていました。後述こうじゅつするPC(PC/AT互換ごかん)とはことなり、BIOSはOSの一部いちぶとして可能かのうなディスクに保存ほぞんされていました。おおくのひとにとってはBIOSとは後述こうじゅつのPCにおけるもののようにROMにはいっているものという認識にんしきでしょう。もともとのBIOSはOSの一部いちぶとしてディスクにはいっているものだったというのはおどろきではないでしょうか[1]

PC/AT互換ごかん(いわゆるPC)のBIOS

1984ねんにリリースされたIBMのPC/ATにおいては、CP/Mにならって入出力にゅうしゅつりょく担当たんとうするソフトウェアをBIOSとんでいました。このBIOSはCP/MのBIOSのようにOSの一部いちぶではなくマシン自体じたいがファームウェアとして提供ていきょうするものであり、ROMに格納かくのうされていました。

PC/ATがヒットしたのをけて大量たいりょうにリリースされてきたPC/AT互換ごかん、いわゆる現代げんだいまでつづくパーソナルコンピュータ(PC)とばれるもの、ではPC/ATと互換ごかんせいつBIOSをっていました。この意味いみでのBIOSがPC世代せだいおおくのIT技術ぎじゅつしゃがイメージするBIOSでしょう[2]。コンピュータをにくわしくないひとにとってはBIOSの設定せっていをするためのインタフェース、とくにグラフィカルインタフェースがBIOSと認識にんしきされてきました。

EFI

1990年代ねんだい中盤ちゅうばんから、IntelとHPはサーバけのIA-64アーキテクチャを採用さいようしたCPU、Itaniumを使つかったマシンの開発かいはつ普及ふきゅうをもくろんでいました。その過程かていでPC/AT互換ごかん使つかわれてきたBIOSは技術ぎじゅつてきにサーバマシンに使つかうには力不足ちからぶそくだと判断はんだんされたため、あたらしいファームウェアのインタフェースがつくられました。これがExtensible Unified Interface(EFI)です。てのとおり"U"FEIではなくUがいEFIです。EFIは2000年代ねんだいにサーバベンダでIA-64のマシンにかかわってきたひと以外いがいにはあまりられていないのではないでしょうか。

EFIそのものはインタフェースの規格きかくですが、当時とうじはEFIおよびその実装じっそうふくめて慣習かんしゅうてきにEFIとばれていたように記憶きおくしています。このあたりはBIOSとおなじですね。

UEFI

2005ねんにPCをはじめとしたさまざまなプラットフォームのファームウェア仕様しようとしてUnified Exetensible Firmware Interface(UEFI)がまれました。EFIはIntel主導しゅどうのものですが、UEFIはそれ以外いがいにも様々さまざまなベンダが参加さんかしているUnified EFI Forumによってつくられています。

UEFIもEFIと同様どうようインタフェース規格きかくであるもののインタフェースおよび実装じっそうをひっくるめてUEFIとばれてきました。おな意味いみでUEFI BIOSという名前なまえばれることもあります。また、UEFIになったところで一般いっぱんひとにはたいしてちがいはわからないのでUEFIのグラフィカルインタフェースをしてBIOSとひともいまだ大勢おおぜいいます。

BIOSとUEFIの互換ごかんレイヤ

あたらしいものがてくるときに重要じゅうようになってくるもののひとつが互換ごかんせいです。BIOSとUEFIについてもそれは同様どうようです。とくにUEFIをサポートするファームウェアが登場とうじょうした直後ちょくごはハードウェアにちかいOSなどのソフトウェアがUEFIのインタフェースに対応たいおうしていないなどの理由りゆうによって、いきなりBIOSが使つかえないハードウェアをすというのは無理むりすじでした。

この問題もんだい解決かいけつするためにまれたのがIntelが規格きかくしたCompatibility Support Module(CSM)です。このモジュールによってハードウェアベンダが提供ていきょうするファームウェアはUEFIに沿ったインタフェース、および旧来きゅうらいのBIOSインタフェース、両方りょうほう提供ていきょうできました。

現在げんざいのPCはBIOSやUEFI、CSMという文脈ぶんみゃくで4つのクラスにけられます[3]

  • class 0: UEFIについて一切いっさい考慮こうりょしていないただのBIOS。いわゆるlegacy BIOS
  • class 1: UEFIに沿ったインタフェースを提供ていきょうしているが、ソフトウェアにはBIOSインタフェースのみせる
  • class 2: ソフトウェアにBIOSインタフェースとUEFIインタフェースの両方りょうほうせる
  • class 3: ソフトウェアにUEFIインタフェースのみせる

あたらしいマシンほどclass番号ばんごうおおきい傾向けいこうにあるといっていいでしょう。

BIOSのわり?

2017ねん、Intelは2020ねんまでにすべてのマシンをclass 3に移行いこうしたい、つまりlegacy BIOSサポートをやめたい、という意向いこうしめしました。実際じっさいその目論見もくろみ達成たっせいできたのかはのベンダとのいもありますしわたしはハードウェアにくわしくないのでよくらないのですが、いずれはほとんどあるいはすべてのマシンがclass 3のマシンのみになるのではないでしょう。

余談よだんですが、「ほとんど」といたのには理由りゆうがあります。なかには更新こうしん見込みこみはないものの特定とくてい組織そしきにとってくてはならないソフトウェアはいくらでもあります。これらのソフトウェアをうごかしつづけるために大人おとな事情じじょうによってlegacy BIOSインタフェースをそなえたマシンはしばらくはつづけるのではないかと推測すいそくしています。また、そのような状況じょうきょうわったのちもしばらくはそのようなふるいマシンをもとめてさまようじんがジャンクショップで目撃もくげきされるのではないでしょうか。

おわりに

ここしばらくBIOSやUEFIについて技術ぎじゅつてきにどうこうというよりも歴史れきし興味きょうみたのでいろいろ調しらべていました。ほん記事きじはその成果せいかものです。とくにこれをんでなにかの技術ぎじゅつくわしくなれるというわけではないですが、しょうはなしとしてたのしんでいただけたのならさいわいです。不備ふび不明ふめいてんがありましたらただしていただけるとたすかります。

参考さんこうサイト/参考さんこう文献ぶんけん

脚注きゃくちゅう
  1. わたしもったときはおどろきました。 ↩︎

  2. といっても最近さいきんのBIOSは可能かのうなフラッシュメモリにはいっているのでややこしいですが… ↩︎

  3. 正確せいかくにはもうひとつclass 3+というものがありますが、ここではれません。 ↩︎

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