宜むべ陽ひ之の戰たたかえ

宜むべ陽ひ之の戰たたかえ
日にち期き	前ぜん308年ねん至いたり前まえ307年ねん
地点ちてん	宜むべ陽ひ
结果	秦はた軍ぐん攻おさむ克かつ宜むべ陽ひ。韓かん王おう使し相國しょうこく公おおやけ仲なか侈持もち寶たから器き入いれ秦しん乞和。
参まいり战方
秦はた國こく; 魏ぎ國こく	韓國かんこく
指ゆび挥官与あずか领导者しゃ
甘あま茂しげる	不ふ詳しょう
兵力へいりょく
不ふ詳しょう	二に十じゅう萬まん
伤亡与あずか损失
不ふ詳しょう，死傷ししょう者しゃ眾	斬首ざんしゅ六ろく萬まん

宜むべ陽ひ之の戰たたかえ發生はっせい於前308年ねん至いたり前まえ307年ねん期間きかん，是ぜ戰國せんごく時代じだい秦はた國こく攻おさむ打だ韓國かんこく的てき一場いちじょう戰爭せんそう。

背景はいけい

秦はた武たけし王おう素す有ゆう「通つう三さん川がわ，窺周室しつ」之の志こころざし，意欲いよく問とい鼎かなえ中原なかはら^[4]^[5]，而韓國かんこく的てき宜むべ陽ひ正せい是ぜ通どおり向東むかいひがし周しゅう的てき門戶もんこ，只ただ有ゆう佔領宜むべ陽ひ才ざい可か達成たっせい心願しんがん。因いん宜むべ陽ひ為ため韓國かんこく的てき軍事ぐんじ重じゅう地ち，派は有ゆう重じゅう兵へい駐ちゅう守もり。

戰役せんえき

秦はた武たけし王おう派は左ひだり丞相じょうしょう甘あま茂しげる去さ魏ぎ國こく，相あい約やく共同きょうどう攻おさむ打だ韓國かんこく宜むべ陽ひ，魏ぎ國こく遵從約定やくじょう，秦はた武たけし王おう親身しんみ至いたり息いき壤（秦しん國こく的てき城しろ邑）迎接げいせつ甘あま茂しげる^[6]。甘あま茂しげる以宜陽ひ是ぜ韓國かんこく重じゅう地ち，駐ちゅう有ゆう重じゅう軍ぐん，路みち途と又また艱險遙遠ようえん，難なん於攻取と，勸告かんこく秦はた武たけし王おう切きり勿攻打だ。武たけ王おう不ふ聽，遂とげ與あずか甘あま茂しげる定てい下した息いき壤之盟めい，約定やくじょう武ぶ王おう決心けっしん全力ぜんりょく支持しじ甘あま茂しげる，一定不會中途退兵。

前ぜん308年ねん，武たけ王おう遂とげ令れい甘あま茂しげる與あずか庶長封ふう率りつ秦しん軍ぐん攻おさむ打だ宜むべ陽ひ^[7]^[8]。經歷けいれき五ご個月かげつ的てき進攻しんこう，秦しん軍ぐん仍不能ふのう攻おさむ破やぶ^[9]，樗ぶな里子さとご、公孫こうそん奭果然かぜん以宜陽ひ未得みとく來らい攻擊こうげき甘あま茂しげる向むかい武たけし王おう進すすむ讒，武たけ王おう隨したがえ即そく召見甘あま茂しげる打算ださん退すさ兵へい。甘あま茂しげる以「息いき壤之盟めい」反問はんもん秦しん王おう，說せつ服ふく秦はた武たけし王おう增援ぞうえん甘あま茂しげる，最後さいご終おわり於擊敗はい韓かん軍ぐん，斬首ざんしゅ六ろく萬まん，攻おさむ佔宜陽ひ^[3]^[10]。接せっ著ちょ，秦しん軍ぐん渡わたり過か黃河こうが奪取だっしゅ武ぶ遂とげ（今いま山西さんせい省しょう垣かき曲きょく縣けん東南とうなん），並なみ在ざい當地とうち築城ちくじょう駐ちゅう守もり^[11]。韓かん襄じょう王おう恐懼きょうく，使つかい相國しょうこく公おおやけ仲なか侈持もち寶物ほうもつ，入にゅう秦しん乞和。秦はた武たけし王おう大喜だいぎ准じゅん許もと其請求せいきゅう。遂とげ下か詔みことのり甘あま茂しげる班はん師し，留とめ向むかい壽ひさし宣撫せんぶ宜むべ陽ひ地方ちほう^[12]。

參考さんこう文獻ぶんけん

^ 《戰國せんごく策さく卷まき一いち東ひがし周しゅう策さく》：秦はた攻おさむ宜むべ陽ひ，周あまね君くん謂いい趙ちょう累るい曰：『子こ以為何なん如？』對たい曰：『宜むべ陽ひ必拔也。』君くん曰：『宜むべ陽ひ城じょう方かた八はち里り，材ざい士し十じゅう萬まん……
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：宜むべ陽ひ未得みとく，秦はた死傷ししょう者しゃ眾，
^ ^3.0 ^3.1 《史記しき卷まき十じゅう五ご六ろく國こく年表ねんぴょう》：秦はた拔我宜むべ陽ひ，斬首ざんしゅ六ろく萬まん。
^ 《史記しき卷まき五ご秦はた本紀ほんぎ第だい五ご》：武たけ王おう謂いい甘あま茂しげる曰：「寡人欲よく容よう車しゃ通どおり三さん川がわ，窺周室しつ，死し不ふ恨矣。」
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：秦はた武たけし王おう謂いい甘あま茂しげる曰：「寡人欲ほっ車しゃ通どおり三さん川がわ，以闚周しゅう室しつ，而寡人死ひとじに不ふ杇乎？」甘あま茂しげる對たい曰：「請之魏ぎ，約やく伐き韓かん。」王おう令れい向むかい壽輔じゅすけ行ぎょう。
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：甘あま茂しげる至いたり魏ぎ，謂いい向むかい壽ひさし：「子こ歸き告つげ王おう曰：『魏ぎ聽臣矣，然しか願ねがい王おう勿攻也。』事こと成なり，盡つき以為子こ功こう。」向むかい壽ひさし歸き以告王おう，王おう迎むかえ甘あま茂しげる於息壤。
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：甘あま茂しげる至いたり，王おう問とい其故。對たい曰：「宜むべ陽ひ，大だい縣けん也，上うえ黨とう、南陽なんよう積せき之の久ひさ矣，名めい為ため縣けん，其實郡ぐん也。今こん王おう倍數ばいすう險けん，行ぎょう千里せんり而攻之の，難なん矣。臣しん聞張儀ぎ西にし幷巴、蜀しょく之これ地ち，北きた取と西河にしがわ之の外そと，南みなみ取上とりあげ庸いさお，天下てんか不ふ以為多た張ちょう儀ただし而賢先王せんおう。魏ぎ文ぶん侯こう令れい樂らく羊ひつじ將はた，攻おさむ中山なかやま，三さん年ねん而拔之の，樂らく羊ひつじ反はん而語功こう，文ぶん侯こう示しめせ之の謗そし書しょ一いち篋，樂らく羊ひつじ再拜さいはい稽首曰：『此非臣しん之の功こう，主君しゅくん之の力也りきや。』今こん臣しん覉旅之の臣しん也，樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍二に人にん者しゃ，挾はさみ韓かん而議，王おう必聽ひっちょう之の，是ぜ王おう欺魏，而臣受公仲なか侈之怨也。昔むかし者しゃ曾子處しょ費ひ，費ひ人じん有ゆう與あずか曾子同名どうめい族ぞく者しゃ而殺人じん，人にん告つげ曾子母はは曰：「曾參殺人さつじん。』曾子之の母はは曰：『吾子あご不ふ殺人さつじん。』織お自若じじゃく。有ゆう頃ごろ焉，人にん又また曰：『曾參殺人さつじん。』其母尚なお織お自若じじゃく也。頃ころ之の，一人ひとり又また告つげ之の曰：『曾參殺人さつじん。』其母懼，投とう杼ひ踰牆而走。夫おっと以曾參さん之の賢けん，與あずか母はは之の信也しんや，而三さん人にん疑うたぐ之これ，則のり慈母じぼ不能ふのう信也しんや。今こん臣しん之の賢かしこ不ふ及曾子こ，而王之の信しんじ臣しん又また未み若わか曾子之の母はは也，疑うたぐ臣しん者しゃ不適ふてき三さん人にん，臣しん恐おそれ王おう為ため臣しん之の投なげ杼ひ也。」王おう曰：「寡人不ふ聽也，請與子こ盟めい。」於是與あずか之これ盟めい於息壤。
^ 《史記しき卷まき五ご秦はた本紀ほんぎ第だい五ご》：其秋，使つかい甘あま茂しげる、庶長封ふうじ伐き宜むべ陽ひ。
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：宜むべ陽ひ未得みとく，秦はた死傷ししょう者しゃ眾，甘あま茂しげる欲よく息いき兵へい。左ひだり成なり謂いい甘あま茂しげる曰：「公おおやけ內攻於樗里さと疾やまし、公孫こうそん衍，而外與あずか韓かん侈為怨，今こん公用こうよう兵へい無む功こう，公おおやけ必窮矣。公おおやけ不ふ如進兵へい攻おさむ宜むべ陽ひ，宜むべ陽ひ拔，則のり公こう之の功こう多た矣。是ぜ樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍無事ぶじ也，秦はた眾盡怨之深ふか矣。」
^ 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：果はて攻おさむ宜むべ陽ひ，五月ごがつ而不能ふのう拔也。樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍二に人にん在ざい，爭そう之の王おう，王將おうしょう聽之，召甘茂しげ而告之の。甘あま茂しげる對たい曰：「息いき壤在彼かれ。」王おう曰：「有ゆう之の。」因いん悉起兵へい，復ふく使し甘あま茂しげる攻おさむ之の，遂とげ拔宜陽ひ。
^ 《史記しき卷まき十じゅう五ご六ろく國こく年表ねんぴょう》：拔宜陽ひ城じょう，斬首ざんしゅ六ろく萬まん。涉わたる河かわ，城じょう武たけし遂とげ。
^ 《資し治ち通どおり鑑かん卷まき三さん周しゅう紀き三さん》：甘あま茂しげる攻おさむ宜むべ陽ひ，五月ごがつ而不拔ふばつ。樗ぶな里子さとご、公孫こうそん奭果爭そう之の。秦しん王おう召甘茂しげる，欲よく罷やめ兵へい。甘あま茂しげる曰：「息いき壤在彼かれ。」王おう曰：「有ゆう之の。」因いん大だい悉起兵へい以佐甘あま茂しげる。斬首ざんしゅ六ろく萬まん，遂とげ拔宜陽ひ。韓かん公こう仲なか侈入謝しゃ於秦以請平たいら。

參まいり見み

中國ちゅうごく戰爭せんそう列れつ表ひょう

[1] 《戰國せんごく策さく卷まき一いち東ひがし周しゅう策さく》：秦はた攻おさむ宜むべ陽ひ，周あまね君くん謂いい趙ちょう累るい曰：『子こ以為何なん如？』對たい曰：『宜むべ陽ひ必拔也。』君くん曰：『宜むべ陽ひ城じょう方かた八はち里り，材ざい士し十じゅう萬まん……

[2] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：宜むべ陽ひ未得みとく，秦はた死傷ししょう者しゃ眾，

[#1-3] 3.0 ^3.1 《史記しき卷まき十じゅう五ご六ろく國こく年表ねんぴょう》：秦はた拔我宜むべ陽ひ，斬首ざんしゅ六ろく萬まん。

[4] 《史記しき卷まき五ご秦はた本紀ほんぎ第だい五ご》：武たけ王おう謂いい甘あま茂しげる曰：「寡人欲よく容よう車しゃ通どおり三さん川がわ，窺周室しつ，死し不ふ恨矣。」

[5] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：秦はた武たけし王おう謂いい甘あま茂しげる曰：「寡人欲ほっ車しゃ通どおり三さん川がわ，以闚周しゅう室しつ，而寡人死ひとじに不ふ杇乎？」甘あま茂しげる對たい曰：「請之魏ぎ，約やく伐き韓かん。」王おう令れい向むかい壽輔じゅすけ行ぎょう。

[6] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：甘あま茂しげる至いたり魏ぎ，謂いい向むかい壽ひさし：「子こ歸き告つげ王おう曰：『魏ぎ聽臣矣，然しか願ねがい王おう勿攻也。』事こと成なり，盡つき以為子こ功こう。」向むかい壽ひさし歸き以告王おう，王おう迎むかえ甘あま茂しげる於息壤。

[7] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：甘あま茂しげる至いたり，王おう問とい其故。對たい曰：「宜むべ陽ひ，大だい縣けん也，上うえ黨とう、南陽なんよう積せき之の久ひさ矣，名めい為ため縣けん，其實郡ぐん也。今こん王おう倍數ばいすう險けん，行ぎょう千里せんり而攻之の，難なん矣。臣しん聞張儀ぎ西にし幷巴、蜀しょく之これ地ち，北きた取と西河にしがわ之の外そと，南みなみ取上とりあげ庸いさお，天下てんか不ふ以為多た張ちょう儀ただし而賢先王せんおう。魏ぎ文ぶん侯こう令れい樂らく羊ひつじ將はた，攻おさむ中山なかやま，三さん年ねん而拔之の，樂らく羊ひつじ反はん而語功こう，文ぶん侯こう示しめせ之の謗そし書しょ一いち篋，樂らく羊ひつじ再拜さいはい稽首曰：『此非臣しん之の功こう，主君しゅくん之の力也りきや。』今こん臣しん覉旅之の臣しん也，樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍二に人にん者しゃ，挾はさみ韓かん而議，王おう必聽ひっちょう之の，是ぜ王おう欺魏，而臣受公仲なか侈之怨也。昔むかし者しゃ曾子處しょ費ひ，費ひ人じん有ゆう與あずか曾子同名どうめい族ぞく者しゃ而殺人じん，人にん告つげ曾子母はは曰：「曾參殺人さつじん。』曾子之の母はは曰：『吾子あご不ふ殺人さつじん。』織お自若じじゃく。有ゆう頃ごろ焉，人にん又また曰：『曾參殺人さつじん。』其母尚なお織お自若じじゃく也。頃ころ之の，一人ひとり又また告つげ之の曰：『曾參殺人さつじん。』其母懼，投とう杼ひ踰牆而走。夫おっと以曾參さん之の賢けん，與あずか母はは之の信也しんや，而三さん人にん疑うたぐ之これ，則のり慈母じぼ不能ふのう信也しんや。今こん臣しん之の賢かしこ不ふ及曾子こ，而王之の信しんじ臣しん又また未み若わか曾子之の母はは也，疑うたぐ臣しん者しゃ不適ふてき三さん人にん，臣しん恐おそれ王おう為ため臣しん之の投なげ杼ひ也。」王おう曰：「寡人不ふ聽也，請與子こ盟めい。」於是與あずか之これ盟めい於息壤。

[8] 《史記しき卷まき五ご秦はた本紀ほんぎ第だい五ご》：其秋，使つかい甘あま茂しげる、庶長封ふうじ伐き宜むべ陽ひ。

[9] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：宜むべ陽ひ未得みとく，秦はた死傷ししょう者しゃ眾，甘あま茂しげる欲よく息いき兵へい。左ひだり成なり謂いい甘あま茂しげる曰：「公おおやけ內攻於樗里さと疾やまし、公孫こうそん衍，而外與あずか韓かん侈為怨，今こん公用こうよう兵へい無む功こう，公おおやけ必窮矣。公おおやけ不ふ如進兵へい攻おさむ宜むべ陽ひ，宜むべ陽ひ拔，則のり公こう之の功こう多た矣。是ぜ樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍無事ぶじ也，秦はた眾盡怨之深ふか矣。」

[10] 《戰國せんごく策さく卷まき四よん秦しん策さく二に》：果はて攻おさむ宜むべ陽ひ，五月ごがつ而不能ふのう拔也。樗ぶな里さと疾やまし、公孫こうそん衍二に人にん在ざい，爭そう之の王おう，王將おうしょう聽之，召甘茂しげ而告之の。甘あま茂しげる對たい曰：「息いき壤在彼かれ。」王おう曰：「有ゆう之の。」因いん悉起兵へい，復ふく使し甘あま茂しげる攻おさむ之の，遂とげ拔宜陽ひ。

[11] 《史記しき卷まき十じゅう五ご六ろく國こく年表ねんぴょう》：拔宜陽ひ城じょう，斬首ざんしゅ六ろく萬まん。涉わたる河かわ，城じょう武たけし遂とげ。

[12] 《資し治ち通どおり鑑かん卷まき三さん周しゅう紀き三さん》：甘あま茂しげる攻おさむ宜むべ陽ひ，五月ごがつ而不拔ふばつ。樗ぶな里子さとご、公孫こうそん奭果爭そう之の。秦しん王おう召甘茂しげる，欲よく罷やめ兵へい。甘あま茂しげる曰：「息いき壤在彼かれ。」王おう曰：「有ゆう之の。」因いん大だい悉起兵へい以佐甘あま茂しげる。斬首ざんしゅ六ろく萬まん，遂とげ拔宜陽ひ。韓かん公こう仲なか侈入謝しゃ於秦以請平たいら。

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