石井丈が台湾に活路
MVPから7年、国内「戦力外」
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台湾球界に挑戦する石井丈裕投手 | ダイエーが球団初のプロ野球日本一を決めてからほぼ1カ月がたった。オフに入っても注目を浴びる選手の陰で、ひっそり日本球界を去ろうとしている選手がいる。日本ハムから戦力外通告を受け、台湾球界をめざすことになった石井丈裕投手(35)。西武時代の1992年、シーズンと日本シリーズのMVPや沢村賞を受けてから7年。「野 球を続けたい」という願いが、海の向こうでかなえられそうだ。
■「このままじゃ終われない」
石井は「結果が出なかったら引退」と心に誓ってシーズンを迎えた。11年目。「10年ぐらいやれれば」という入団時の目標は達成していた。
0勝1敗。防御率5.76。自己最悪のシーズンに終わったが、納得がいかなかった。「このままじゃ終われないという気持ちが生まれた」。登板した20試合はすべてリリーフ。先発なしはプロ初めての経験だった。「いつかは先発の話が来ると信じてい た。チャンスが与えられず、気持ちが切れてしまった」という。
阪神、横浜、近鉄。3球団のテストで移籍をめざした。与田、橋上、秦と、元チームメートが次々と働き場を決めていく中、通算68勝の実力者は、国内に行き場を見つけられなかった。
今季、台湾プロ野球で大活躍した西武時代の仲間、渡辺久信の存在が、台湾行きを決意させた。元西武の郭泰源氏(現台湾大連盟高級技術顧問)に連絡したところ、「まだやれる」と返答があった。「結果が出ないとすぐ解雇されるらしいから……」と不安も口にする。「できる限り野球をやり続けたい」 =11月26日付朝刊から
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