『密着!中村屋ファミリー』伝統を未来に、奮闘の1年に迫る
中沢絢乃 テレビ番組評「試写室」
『密着!中村屋ファミリー』
★22日 フジ系 夜9・58
歌舞伎の名門・中村屋一門の1年間に密着したドキュメンタリー。日本中がコロナ前の活気を取り戻し、舞台に観客の声援が戻ってきた2023年。春には世界遺産の姫路城、秋には小倉城を借景とした平成中村座公演での奮闘に迫る。
5月、姫路城で行われた「平成中村座姫路城公演」で、この城の大天守を舞台にした泉鏡花の戯曲「天守物語」を上演した。1977年以来、人間国宝・坂東玉三郎が演じ続けてきた大役「富姫(とみひめ)」を、中村七之助=写真左=が受け継ぐ。
公演前には玉三郎自身がせりふや動きを熱心に指導した。未来に伝統を継承する尊い営みに心打たれる。特設劇場の舞台奥の扉を開き、実物の天守を背景に望む演出も圧巻だ。
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