「私わたしは頼たのまれて物ものを云いうことに飽あいた。自分じぶんで、考かんがえていることを、読者どくしゃや編集へんしゅう者しゃに気兼きがねなしに、自由じゆうな心持こころもちで云ゆって見みたい。」

『文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう』創刊そうかんにあたって、
創業そうぎょう者しゃ・菊池きくち寛ひろしが記しるした言葉ことばです。

友人ゆうじんの芥川あくたがわ龍之介りゅうのすけ、川端かわばた康成やすなりらが寄稿きこうした
創刊そうかん号ごう３０００部ぶはわずか３日にちで完売かんばい。
文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうの歴史れきしはここから始はじまりました。

以来いらい、１００年ねん。文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうは今いまも、
明文化めいぶんかされた社是しゃぜや社しゃ訓くんを持もちません。

活字かつじもデジタルも、
文芸ぶんげいもジャーナリズムも――。

そのすべてに
菊池きくち寛ひろしの精神せいしんが受うけ継つがれています。