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相良さがら 真央まお (さがら まお) 熊本くまもと県けん発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃ会かい Little bit / 宮崎みやざき青年せいねん・成人せいじん発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃ会かい ShiKiBu

■報告ほうこく題目だいもく

発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かち──発見はっけんと創造そうぞうによる啓発けいはつに向むけて

■報告ほうこくキーワード

発達はったつ障害しょうがい / 発達はったつ障害しょうがい特性とくせい / 当事とうじ者しゃ会かい

■報告ほうこく要旨ようし

　本ほん報告ほうこくの目的もくてきは、私わたしたちはどのように発達はったつ障害しょうがい・発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちを認識にんしきし、啓発けいはつに役立やくだてることができるか、また当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちに付随ふずいする課題かだい等とうについて考察こうさつし、当事とうじ者しゃのより安定あんていした日常にちじょう生活せいかつのために、当事とうじ者しゃ・関係かんけい者しゃ、また社会しゃかいへの問題もんだい提起ていきとすることである。

　以下いか、発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃを単たんに当事とうじ者しゃと表記ひょうきすることがある。また、定型ていけい発達はったつ者しゃとは発達はったつ障害しょうがいではない人ひとの事ことを表あらわす。また、個人こじんや当事とうじ者しゃに関かんし価値かちという語かたりを敢あえて使用しようすることをご了承りょうしょう頂いただきたい。

　私わたしは発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃとして、発達はったつ障害しょうがい・発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃは社会しゃかいの中なかにおいてどのように捉とらえられるべき存在そんざいであるかについて、定型ていけい発達はったつ者しゃと共ともに考かんがえることを主眼しゅがんとし、研修けんしゅう活動かつどうにも取とり組くんでいる。その際さい、参加さんか者しゃが主体しゅたい的てきに考かんがえ、取とり組くめるプログラムを工夫くふうすることを心こころがけている。

　発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃは社会しゃかい生活せいかつにおいて、支援しえんや、健常けんじょう者しゃに対たいする際さいとは違ちがう観点かんてんからの対応たいおうを必要ひつようとする場面ばめんに直面ちょくめんすることがありながら、周囲しゅういの発達はったつ障害しょうがい・発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃに対たいする一般いっぱん的てきな「イメージ・印象いんしょう」等とうが主因しゅいんとなり当事とうじ者しゃにとって適当てきとうな支援しえんを受うけることができない場合ばあいや不適切ふてきせつな対応たいおうをされる場合ばあいがある。

　それらのイメージや印象いんしょう等とうをどのような視点してん・角度かくどから捉とらえれば、発達はったつ障害しょうがい・発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃに関かんする無む理解りかいや誤解ごかいを軽減けいげん・解消かいしょうするための鍵かぎとなるのか、また新あらたに発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃの不利益ふりえき解消かいしょうにつながるようなイメージを当事とうじ者しゃから提案ていあんする必要ひつよう性せいがあるかを考かんがえる。

　私わたしたち当事とうじ者しゃが日頃ひごろ感かんじている「当事とうじ者しゃに向むけられているイメージ」を再考さいこうし、必要ひつように応おうじて転換てんかんの働はたらきかけを行おこなうことにより、当事とうじ者しゃの不利益ふりえき解消かいしょうにもつながるのではないか。イメージという、多様たようなものを一いちまとめにする見方みかたがあり得える以上いじょう、当事とうじ者しゃイメージを当事とうじ者しゃから発信はっしんする必要ひつようもあると考かんがえた。

　有益ゆうえきなイメージ・印象いんしょうを社会しゃかいに与あたえる元もとは、発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃが持もつ特有とくゆうの魅力みりょくや能力のうりょく、特性とくせいに表あらわれる価値かちであると仮定かていし、特有とくゆうの価値かちとはどのようなものか、どのように捉とらえられるべきか考察こうさつした。

　また、発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちの差さによる課題かだいについても考かんがえ、当事とうじ者しゃ間あいだの不平等ふびょうどうの少すくない形かたちでの社会しゃかい啓発けいはつへの役立やくだて方かたを模索もさくしたい。


＊価値かちについては、以下いかのポイントから考察こうさつする。

１．発達はったつ障害しょうがい当事とうじ者しゃとしての価値かちとはどのようなものか
・当事とうじ者しゃ会かい等とうに参加さんかし他ほかの当事とうじ者しゃと交流こうりゅうがある当事とうじ者しゃは、当事とうじ者しゃとはどのような存在そんざいだと感かんじているか
・当事とうじ者しゃとしての自身じしんの体験たいけん（研修けんしゅう活動かつどう等とうでの体験たいけんを含ふくむ）
・当事とうじ者しゃと関かかわりのある定型ていけい発達はったつ者しゃの考かんがえる当事とうじ者しゃ像ぞうについて
　等とうを参考さんこうとする。当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちがどのように捉とらえられているか。

２．当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かち
具体ぐたい的てきに当事とうじ者しゃのどのような特性とくせいや言動げんどうが当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちと結むすびついているのか。なぜ当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちは価値かちとされ得えるのかという背景はいけいについて。

３．価値かちの差さによる当事とうじ者しゃ間あいだの課題かだい
当事とうじ者しゃ特有とくゆうの価値かちの差さが当事とうじ者しゃ間あいだでどのように現あらわれているか。差さによりどのような課題かだいがあり、今後こんご発生はっせいし得えるか。

＊当事とうじ者しゃの不利益ふりえき解消かいしょうのために、常識じょうしきの再考さいこうの必要ひつよう性せいを提起ていきし、発達はったつ障害しょうがい者しゃに有効ゆうこうな仕組しくみ作づくりの推進すいしんを促うながす。それらを既存きそんの価値かちを見出みいだす観点かんてん、価値かちの創造そうぞうへとつなげたい。

＊本ほん報告ほうこくに関かんする研究けんきゅうのための調査ちょうさ等とうを行おこなうにあたり、個人こじん情報じょうほうの漏洩ろうえい等とうが無ないよう、細心さいしんの注意ちゅういを払はらった。本ほん報告ほうこく内ないにも個人こじんが特定とくていされ得える情報じょうほうは含ふくまれない。

障害しょうがい学会がっかい第だい12回かい大会たいかい（2015年度ねんど）