(Translated by https://www.hiragana.jp/)
F-16 ファイティングファルコン



▽TOP

▽ARMORED CORE

▼MILITARY

▽BBS

▽リンク

▽サイトについて
F-16 FightingFalcom

F-16

F-16はアメリカの軽量けいりょう戦闘せんとう計画けいかくでゼネラル・ダイナミクスしゃげんロッキード・マーチン)によって開発かいはつされた戦闘せんとうである。アメリカ空軍くうぐんでは次期じき主力しゅりょく戦闘せんとうとしてF-15採用さいようされることがまっていたが、F-15は高性能こうせいのうであるととも高価こうか戦闘せんとうであったために、F-4とF-104ぜん更新こうしんむずかしく十分じゅうぶんかずそろえることが出来できなかった。そのためにF-15を補完ほかんするていコストな戦闘せんとう開発かいはつもとめられ、LWF(軽量けいりょう戦闘せんとう計画けいかくはじまった。この計画けいかくにおいてYF-16とYF-17が試作しさくされたが、YF-16が採用さいようされF-16となった。(YF-17はのちF/A-18として海軍かいぐん採用さいようされている)

F-16は胴体どうたい主翼しゅよく一体化いったいかしたブレンディットウイングボディち、機内きない容量ようりょう増加ぞうか空気くうき抵抗ていこう減少げんしょう重量じゅうりょう低減ていげんなどを実現じつげんしている。機体きたいフレームはジュラルミンなどアルミニウム合金ごうきん78.4%、こう張力ちょうりょくこう11%、ふくごうざい3%、チタン合金ごうきん0.8%、GFRP6.8%で構成こうせいされている。

操縦そうじゅう系統けいとうには航空機こうくうきとしてはじめてフライ・バイ・ワイヤ機構きこう採用さいようし、パイロットの操作そうさ電気でんき信号しんごう変換へんかんしコンピュータで制御せいぎょして昇降しょうこうかじなどをうごかしている。操縦そうじゅう系統けいとうは4じゅうとなっており、メカニカルのバックアップはっていない。従来じゅうらい油圧ゆあつしきくら軽量けいりょう故障こしょうすくなく、CCV技術ぎじゅつもちいた飛行ひこう制御せいぎょにより、軽快けいかい運動うんどう性能せいのうたか操縦そうじゅうせいている。導入どうにゅうされたCCV技術ぎじゅつれいとしては機体きたいたて方向ほうこう安定あんていせい意図いとてき低下ていかさせて運動うんどうせいたかめるRSS(せい安定あんてい緩和かんわ)や飛行ひこう状態じょうたいおうじて主翼しゅよく前後ぜんこうえんのフラップを最適さいてき位置いちうごかして旋回せんかい性能せいのう向上こうじょうさせるMLC(機動きどう荷重かじゅう制御せいぎょ)があり、また、9G以上いじょう負荷ふか最大さいだいでも25.2以上いじょうこうむかかく発生はっせいしないように機体きたい自動じどう制御せいぎょされている。これらによりてい高度こうどいきでの機動きどうせいはF-15をもしのいでいる

操縦そうじゅう桿は一般いっぱんてき中央ちゅうおう配置はいちではなくコクピットみぎコンソールに配置はいちするサイド・スティックとし、シートリクライニングかくを30おおきくすることでパイロットのたいG能力のうりょくたかめている。操縦そうじゅう自体じたい前後ぜんご左右さゆう2.5mmとほとんどうごかないかんあつしきとなり、操縦そうじゅう桿をうごかしたりょうではなく操縦そうじゅう桿にくわわる圧力あつりょく感知かんちしてそれにおうじてかじめんへんかくりょう制御せいぎょしている。

エンジンはF-15とおなじプラット&ホイットニーしゃF100を単発たんぱつ装備そうびのちにゼネラル・エレクトリックしゃのF110も使用しようできるようになった。

F-16はコスト削減さくげんのため既製きせいひん使用しよう部品ぶひん共通きょうつう、F-15のエンジンを単発たんぱつ使用しようするなどし、安価あんか小型こがた軽量けいりょうかつ高性能こうせいのう戦闘せんとうとなり世界せかい各国かっこく採用さいようされ、現在げんざいまでに4000以上いじょう生産せいさんされるベストセラーとなった。
クラスター爆弾と空対空ミサイルを積んだF-16
▲AIM-9X、AMRAAM、クラスターばくだん搭載とうさいしたF-16

当初とうしょせいそら戦闘せんとうとして開発かいはつされたため、A・Bがたそら対空たいくうへいそうが20mmバルカンとAIM-9サイドワインダーしかなく、AIM-7スパローひとし中距離ちゅうきょりミサイル発射はっしゃ能力のうりょくがなかったが、現在げんざいではAIM-120AMRAAM運用うんよう可能かのうになっている。
1984ねん初期しょきがたのA・Bがたから全天候ぜんてんこう戦闘せんとう攻撃こうげきとなったC・Dがた生産せいさんえられ、現在げんざいではJDAMやレーザー誘導ゆうどうばくだんといった精密せいみつ誘導ゆうどう兵器へいきなども運用うんよう可能かのうとなっている。


バリエーション

YF-16
YF-16
YF-16はF-16の試作しさくであり、F-15のねんの1974ねんはつ飛行ひこうした。ゼネラル・ダイナミクスしゃにより2制作せいさくされ、ノースロップしゃのYF-17とあらそった。
現在げんざいのF-16と外観がいかんことなるてんとしては、昼間ひるまよう戦闘せんとうとして開発かいはつされていたためはか距用の簡素かんそなレーダーしか搭載とうさいしておらず、機首きしゅほそいのが特徴とくちょうである。 エンジンはF-15とおなじF-100-PW-100が搭載とうさいされている。

F-16FSD
F-16FSD
FSDはぜん規模きぼ開発かいはつのことで、空軍くうぐん要求ようきゅう変更へんこうでF-4の後継こうけいとして全天候ぜんてんこう能力のうりょくもとめられるようになったため、それに対応たいおうさせるのと同時どうじ量産りょうさんとして完全かんぜん運用うんよう出来できるようにすべくあらためて開発かいはつされた。
YF-16とのちがいとしては全天候ぜんてんこう対応たいおうルックダウン能力のうりょくつAN/APG-66レーダーが搭載とうさいされ、それにあわせて機体きたい規模きぼ全体ぜんたいてき多少たしょう大型おおがたされている。またエンジンはF-15のF-100-PW-100をF-16よう改修かいしゅうしたF-100-PW-200が搭載とうさいされた。
F-16A/B
F-16A
▲F-16Aブロック1

ブロック1
F-16の最初さいしょ量産りょうさんがたがF-16A/Bブロック1であり、1976ねんはつ飛行ひこう、F-15配備はいびよんねんである1979ねんから空軍くうぐん配備はいび開始かいしされた。基本きほんてきにFSDおなじで、機首きしゅくろられているのが特徴とくちょうである。

ブロック5
ブロック1を操縦そうじゅうして訓練くんれんおこなったパイロットからくろ機首きしゅ空戦くうせん目立めだつという意見いけんされ、機首きしゅをグレー塗装とそう変更へんこうしたのがブロック5である。それ以外いがいはほとんどわっていない。

ブロック10
ブロック5の改良かいりょうがただが、信頼しんらいせい生産せいさんせい向上こうじょうさせた程度ていどで、仕様しようとしてはほとんどわっていない。
F-16B
ふくがたのF-16B

ブロック15
1981ねんからMSIP(段階だんかい能力のうりょく向上こうじょう)が開始かいしされ、そのだいいち段階だんかい改修かいしゅうがたがF-16A/Bブロック15である。改修かいしゅうてんとしては水平すいへい尾翼びよくが30%大型おおがた、アビオニクスも強化きょうかされ機動きどうせい向上こうじょうしている。また、インテーク側面そくめんへのハードポイントの追加ついかおこなわれFLIRひとし搭載とうさい出来できるようになった。別名べつめいF-16A/Bプラス。

ブロック15 OCU
OCUは作戦さくせん能力のうりょく向上こうじょうという意味いみで、F-16A/Bブロック15にたいする改良かいりょうがたである。F-16C/D登場とうじょうの1987ねんから改修かいしゅう開始かいしされている。

改修かいしゅうてんとしてはエンジンをF100-PW-220にかわそうしており、最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょうが5%程度ていど向上こうじょうしている。コクピットにはF-16C/Dで導入どうにゅうされたこう視野しやがたHUD搭載とうさいされ、コンピュータ/ソフトウェアの改良かいりょう、レーダー能力のうりょく向上こうじょう、AN/ALQ-131ECMポッドの搭載とうさいし、リングレーザージャイロによるINS搭載とうさいとう様々さまざま改修かいしゅうほどこされている。

また、運用うんよう可能かのうへいそうえており、AGM-119ペンギンたいかんミサイル、AGM-65マーベリック対地たいちミサイルや中距離ちゅうきょりそら対空たいくうミサイルAIM-120 AMRAAM運用うんよう出来できるようになった。

ブロック20
台湾たいわん輸出ゆしゅつされたタイプで、後述こうじゅつするF-16A/B MLUをベースとした機体きたいで、台湾たいわんけにくわえられている。変更へんこうてんとしてはMLUの搭載とうさいするAN/APG-66(V)2に連続れんぞく照射しょうしゃ能力のうりょく追加ついかしたAN/APG-66(V)3火器かき管制かんせいレーダーを搭載とうさいし、最大さいだい10目標もくひょう同時どうじ追尾ついびし、AIM-120 AMRAAMおよびAIM-7スパローなどのなか射程しゃていAAMによる攻撃こうげき可能かのうとなっている。また、LANTIRNポッドの運用うんようにより全天候ぜんてんこうでの攻撃こうげき能力のうりょくそなえている。 1996ねんから合計ごうけい150引渡ひきわたされた。また、レーダーをさい新鋭しんえいアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーであるAN/APG-83 SABR(Scalable Agile Beam Radar)へかわそうすることが予定よていされている。
F-16A/B ADF
F-16ADF

ADFは防空ぼうくう戦闘せんとうのことで、アメリカ空軍くうぐん使用しようされていたF-16A/Bブロック15の一部いちぶしゅう航空こうくうたい防空ぼうくう戦闘せんとうとして使用しようするために改良かいりょうしたものである。1989ねんから1992ねんにかけて改修かいしゅうおこなわれた。

レーダーが改良かいりょうがたのAN/APG-66(V)1になり、小型こがた目標もくひょう探知たんち能力のうりょく向上こうじょうさせたほか、AIM-7スパロー誘導ゆうどうよう連続れんぞく照射しょうしゃ能力のうりょく追加ついかしている。これによりスパローを使用しようしたBVR戦闘せんとう可能かのうとなった。のちにAIM-120 AMRAAMの運用うんよう能力のうりょく追加ついかされている。またIFFが改良かいりょうされ、ドラッグシュート追加ついかされている。
F-16A/B MLU
F-16AM
▲ヨルダン空軍くうぐんのF-16BM
MLUは寿命じゅみょう中期ちゅうき近代きんだいのことで、F-16を初期しょき導入どうにゅうしたNATO諸国しょこくのF-16A/B ブロック15の電子でんし機器きき装備そうびをF-16C/D ブロック50/52相当そうとうにアップグレードする計画けいかくである。1995ねんにアメリカでためし改修かいしゅうはつ飛行ひこうしている。
具体ぐたいてきにはコンピュータ/ソフトウェアの改良かいりょう、グラスコクピットこう視野しやHUD改良かいりょうがたデータモデム、AIFF搭載とうさいなどがおこなわれた。
また、レーダーはAN/APG-66(V)2にかわそうされ、最大さいだい10目標もくひょう同時どうじ追尾ついびし、そのうちの6目標もくひょうにAIM-120 AMRAAMで同時どうじ攻撃こうげきおこなうことが可能かのうである。別名べつめいF-16AM/BMとばれている。 現在げんざいオランダ、ベルギー、ポルトガル、ヨルダンなどで使用しようされている。
F-16C/D
F-16C

ブロック25
F-16のMSIPのだい段階だんかい改修かいしゅうがたがブロック25で、名称めいしょう単座たんざがたがF-16C、ふくがたがF-16Dにあらためられた。1984ねんからブロック25が生産せいさんされている。

F-16A/Bからの最大さいだい変更へんこうてんはレーダーがAN/APG-68にかわそうされたことで、捜索そうさく能力のうりょく探知たんち距離きょり強化きょうかされ、10までの目標もくひょう同時どうじ追跡ついせきするTWSモード、捜索そうさくちゅうはか距をおこなうRWSモードの追加ついかほか地上ちじょう移動いどう目標もくひょう除去じょきょ能力のうりょく向上こうじょう地形ちけい回避かいひ地形ちけい追従ついしょう能力のうりょく、AGM-65Dマーベリックそら対地たいちミサイル運用うんよう能力のうりょく獲得かくとく、などをおこなっている。また、連続れんぞく照射しょうしゃ能力のうりょく追加ついかでAIM-7スパローの運用うんよう可能かのうになり、BVR戦闘せんとう対応たいおう出来できるようになった。
マーベリックを発射するF-16
▲AGM-65Dマーベリックを発射はっしゃするF-16

コクピットにはホログラフィしきこう視野しやHUDと2機能きのう表示ひょうじディスプレイが追加ついかされ、電子でんし機器ききるい大幅おおはば強化きょうかされている。 エンジンもデジタル制御せいぎょのF100-PW-220にかわそうされ、信頼しんらいせい大幅おおはば向上こうじょうしている。
F-16D
ふくがたのF-16D

ブロック30/32
エンジンを従来じゅうらいよりもこう推力すいりょくがたであるジェネラル・エレクトリックしゃのF110-GE-100にかわそうした機体きたいがブロック30で、それにあわせてエアインテイクも大型おおがたされている。ブロック32は従来じゅうらいどおりのプラット&ホイットニーしゃF100-PW-220を搭載とうさいしている機体きたいで、エアインテイクもそのままである。これ以後いごGEせいエンジンの機体きたいがブロックx0、P&Wせいエンジンの機体きたいがブロックx2と名付なづけられるようになった。1986ねんから1989ねんにかけて生産せいさんおこなわれた。りょう機体きたいのインテイクにはレーダー吸収きゅうしゅうざい適用てきようされ、RCS低減ていげんさせている。
また、コンピューターのメモリ容量ようりょう増加ぞうかによりAGM-45シュライクたいレーダーミサイルとAIM-120 AMRAAM中距離ちゅうきょりそら対空たいくうミサイルの運用うんよう能力のうりょく付加ふかされている。

ブロック40/42
F-16のMSIPのだいさん段階だんかい改修かいしゅうがたがブロック40/42で、インテイクわきLANTIRNポッドの搭載とうさい可能かのうになったことで、本格ほんかくてき夜間やかん作戦さくせん能力のうりょくており、ナイトファルコンともばれる。またブロック50/52と区別くべつしやすいようF-16CG/DGともばれる。1988ねん初号しょごう完成かんせいしている。また、LANTIRNによりペイブウェイレーザー誘導ゆうどうばくだん運用うんよう能力のうりょくている。

HUD能力のうりょく強化きょうかされLANTIRNからのデータを表示ひょうじできるようになったほかGPS搭載とうさい操縦そうじゅう装置そうちがアナログコンピュータからデジタルコンピューターによるフライバイワイヤに変更へんこうされている。また、レーダーがAN/APG-68(V)5に強化きょうかされており、処理しょり能力のうりょく耐久たいきゅうせい向上こうじょうなどがはかられている。
F-16ブロック40
▲インテイクわきけられているLANTIRNポッド

ブロック50/52
エンジンをF110-GE-129にかわそうしたのがブロック50、F100-PW-229にかわそうした機体きたいがブロック52で、どちらも推力すいりょくが129kNきゅう強化きょうかされ、インテイクも大型おおがたもの統一とういつされた。別名べつめいF-16CJ/DJ。

変更へんこうてんとしてはH-423リング・レーザー・ジャイロしきINSや、より高速こうそく改良かいりょうがたデータモデム、GPS受信じゅしん、AN/ALR-56Mレーダー警戒けいかい装置そうち追加ついか、AN/ALE-47 チャフ・フレアディスペンサー、くらゴーグル対応たいおうコクピットなどの改修かいしゅうおこなわれている。また、あらたにJDAMやAGM-154A/B JSOW、AGM-84ハープーンたいかんミサイルといったGPS/INS誘導ゆうどう兵器へいき運用うんよう可能かのうとなった。
レーダーは当初とうしょAN/APG-68(V)5だったがのちにAN/APG-68(V)7または(V)8に強化きょうかされている。
F-16ブロック50
▲HTSポッドとAGM-88HARMを搭載とうさいするブロック50/52D

ブロック50D/52D
F-4Gのワイルドウィーゼル任務にんむぎ、てきレーダーもう破壊はかいおも任務にんむとした機体きたいで、1991ねんから生産せいさん開始かいしされている。最大さいだい特徴とくちょうはAN/ASQ-213 HARM目標もくひょう指示しじシステム(HTS)ポッドが運用うんよう可能かのうとなったことで、AGM-88 HARMまたはAGM-45シュライクたいレーダーミサイルにより本格ほんかくてきSEADミッションが可能かのうとなっている。実際じっさい出撃しゅつげきにはAN/ALQ-119ECMポッドや、AN/ALQ-184ジャミングポッドも胴体どうたい搭載とうさいしていくことがおおい。
F-16C/D CCIP
F-16CCIP

CCIPは共通きょうつう仕様しよう実施じっし計画けいかく(Common Configuration Implementation Program)のりゃくで、ブロック40/42とブロック50/52の仕様しよう共通きょうつうすることで、夜間やかん作戦さくせんSEADなど作戦さくせんごとに機体きたいえる必要ひつようくし柔軟じゅうなん作戦さくせん立案りつあん可能かのうとするもの。べい空軍くうぐんのF-16のなかではさい新鋭しんえい機体きたいで、外観がいかんじょう変化へんかとしてはキャノピー前方ぜんぽうAIFFのブレードアンテナがならんでいるてんである。F-16CM/DMともばれる。
スナイパーXRポッド装備型F-16
▲インテイクわきにスナイパーXRポッドを装備そうびしている

おも改修かいしゅうてんとしてはカラー機能きのう表示ひょうじ装置そうち搭載とうさい、600ガロンぞうふねまたはコンフォーマル・タンク(CFT)携行けいこう能力のうりょく、AN/APX-113(V)AIFF搭載とうさいAN/AAQ-33スナイパーXR照準しょうじゅんポッド運用うんよう能力のうりょくリンク16およJHMCS運用うんよう能力のうりょく付加ふかなどがおこなわれる。 また、レーダーをノースロップ・グラマンしゃがAN/APG-81をベースに自社じしゃ開発かいはつしたAN/APG-83 SABR(Scalable Agile Beam Radar)アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーかわそうする予定よていである。
AN/APG-83
▲AN/APG-83 SABR(Scalable Agile Beam Radar)


CFT装備型F-16
▲CFTを装備そうびしたF-16

F-16C/D ブロック50/52アドバンスド
F-16I
▲イスラエル空軍くうぐんのF-16I

従来じゅうらいF-16C/Dブロック50/52プラスとばれていた機体きたいで、600ガロンぞうふねまたはコンフォーマル・タンク(CFT)携行けいこう可能かのうとなり、CFTを装備そうびしていることがおおい。イスラエル、ギリシャ、チリ、ポーランド、オマーン、ルーマニアに輸出ゆしゅつされており、とくにイスラエル空軍くうぐん機体きたいはF-16Iとばれている。

最大さいだい変更へんこうてんとしてAN/APG-68(V)9レーダーが搭載とうさいされているてんである。このレーダーは従来じゅうらいものくらそら対空たいくうでの探知たんち距離きょりが33%増加ぞうかしており、処理しょり能力のうりょくは5ばい記憶きおく容量ようりょうは10ばい増加ぞうかしている。また分解能ぶんかいのう0.6mの合成ごうせい開口かいこうレーダーモードが追加ついかされ、こう精細せいさい地上ちじょうマッピングにより昼夜ちゅうやあいだ全天候ぜんてんこうでの精密せいみつ攻撃こうげき任務にんむ可能かのうとする。
AN/APG-68(V)9レーダー
▲AN/APG-68(V)9レーダー

その特徴とくちょうとしてはモジュラーがたミッションコンピュータの装備そうび機上きじょう酸素さんそ発生はっせい装置そうち、リンク16、ASPIS先進せんしん内蔵ないぞうがた電子でんしせん機器きき、ヘルメット装着そうちゃくしきキューイング・システムの装備そうびとうげられる。また、ふくがたでは電子でんし機器ききをコックピット後部こうぶのドーサルスパインに収納しゅうのうしている。
F-16I
胴体どうたい背部はいぶ拡張かくちょう電子でんし機器きき収容しゅうようしている

F-16E/F ブロック60/62
F-16F
▲アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽうのF-16F

F-16ブロック60/62はF-16シリーズのなかではさい新鋭しんえい機体きたいで、名称めいしょうもF-16E/Fに変更へんこうされた。べい空軍くうぐん採用さいようされる予定よていいため輸出ゆしゅつよう機体きたいで、現在げんざいアラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽうのみがブロック60を導入どうにゅうしている。初号しょごうのF-16Fは2003ねんはつ飛行ひこうしている。

機体きたいフレームはブロック50/52アドバンスドとおなじだが、エンジンはブロック60でF110-GE-132、ブロック62でF100-PW-229Aにかわそうされており、どちらも推力すいりょくは142kNきゅうとF100系列けいれつエンジンでは最大さいだいクラスで最大さいだい離陸りりく重量じゅうりょうも22,680kgまで上昇じょうしょうしている。
F-16F

センサーるい一新いっしんされており、まずコクピット前方ぜんぽうとインテイクひだりにはFLIRとレーザー目標もくひょう指示しじ装置そうち一体化いったいかさせたAN/ASQ-28前方ぜんぽう監視かんし赤外線せきがいせん装置そうち目標もくひょう指示しじシステム(IFTS)が搭載とうさいされ、すぐれた夜間やかん作戦さくせん能力のうりょくている。

レーダーはノースロップ・グラマンが開発かいはつしたAN/APG-80 アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー搭載とうさいされAN/APG-68とくら大幅おおはば性能せいのう向上こうじょうしている。AN/APG-80はやく1000送受信そうじゅしんモジュールをち、従来じゅうらいレーダーより55%探知たんち距離きょり増大ぞうだいしている。また、走査そうさ速度そくど従来じゅうらいとはくらべものにならないほどはやくなり、そら対空たいくう目標もくひょう地上ちじょう目標もくひょう同時どうじ捜索そうさく可能かのうとなった。コクピットも完全かんぜんにグラスコクピットされており大型おおがたのカラー機能きのう表示ひょうじ装置そうちが3搭載とうさいされている。このディスプレイにはデジタルマップが表示ひょうじされ、脅威きょうい交戦こうせん範囲はんいかさねたり飛行ひこう経路けいろ表示ひょうじおこなうことが出来できる。
Avionics
▲デジタルされたコクピットとAN/APG-80 AESAレーダー

実験じっけんとう

F-16 CCV
F-16CCV

CCVはControl Configured Vehicleのりゃく操縦そうじゅうせい優先ゆうせん形状けいじょうのこと。YF-16を改造かいぞうし、インテイクにカナードつばさけて重心じゅうしん位置いちをずらし、安定あんていせい低下ていかさせることで運動うんどう性能せいのうたかめる研究けんきゅう使用しようされた。1976ねんから1977ねんにかけて125あいだ飛行ひこうおこない、データを収集しゅうしゅうしている。
F-16 AFTI
F-16AFTI

F-16CCVの実験じっけん結果けっかけて、より実戦じっせんてき運用うんようできる機体きたい目指めざすための研究けんきゅうようつくられた機体きたい。F-16FSD改造かいぞうしてつくられ、制御せいぎょようのデジタルコンピュータの追加ついかやCCVと同様どうようカナードつばさ、ヘルメット装着そうちゃくしき照準しょうじゅん装置そうち音声おんせい認識にんしき装置そうち搭載とうさいしている。操縦そうじゅうシステムにはDFCS(デジタル飛行ひこう特性とくせい制御せいぎょシステム)とIFCC(飛行ひこう制御せいぎょおよ火器かき管制かんせい統合とうごうシステム)が搭載とうさいされた。DFCSは機体きたい方向ほうこうたもったまま縦横じゅうおう移動いどう可能かのうにしたり、高度こうど飛行ひこう経路けいろえずに機体きたいきをえるなどの従来じゅうらいでは不可能ふかのう機動きどう可能かのうにし、IFCCにより攻撃こうげきパターンにおうじてそれらのうごきを機体きたい動作どうされるというシステムであった。1982ねんはつ飛行ひこうし、1987ねんまで試験しけんおこなわれた。
F-16 VISTA/MATV
F-16

VISTAはVariable stability In-flight Simulator Test Aircraftのりゃく可変かへん安定あんていせい飛行ひこう試験しけんのことで、運動うんどうせい向上こうじょう実験じっけんである。 コクピットには通常つうじょうのサイドスティックにくわえF-15のようなセンタースティックも追加ついかされ、背部はいぶドーサルスパインに内蔵ないぞうされたさんだいのコンピュータによって飛行ひこうちゅう安定あんていせい制御せいぎょする。 試験しけんでは86むかかくでも安定あんていさせることが出来でき一時いちじてきだが最大さいだい180むかかく(つまりうしきの状態じょうたい)をることが出来できたという。1988ねんから1992ねんにかけて試験しけんおこなわれ、そのMATVの試験しけんとして使用しようされている。

MATVはMulti-Axis Thrust-Vectoringのりゃくじく推力すいりょく偏向へんこうのことである。そのとお排気はいきこうに3次元じげん推力すいりょく偏向へんこうノズルを搭載とうさい推力すいりょく偏向へんこう研究けんきゅうおこなった。ノズルは120間隔かんかく配置はいちされた油圧ゆあつアクチュエータにより、どの方向ほうこうでも中心ちゅうしんじくから17推力すいりょく偏向へんこう可能かのうだった。1993ねんから1995ねんまで130時間じかん以上いじょう飛行ひこう試験しけんおこなわれた。
F-16XL
F-16XL

ゼネラル・ダイナミクスがF-111の後継こうけいとして提案ていあんした機体きたいで、胴体どうたいを1.42m延長えんちょうしクランクド・アローつばさ採用さいようするなど大幅おおはば設計せっけい変更へんこうおこなっている。つばさはしのレールランチャー以外いがいにハードポイントが16ヶ所かしょもあり、普通ふつうのF-16の2ばいのペイロードをゆうしていた。結局けっきょくF-15E採用さいようされることはなかったが、採用さいようされていればこの機体きたいがF-16E/Fとなる予定よていであった。
F-16/79
F-16/79

台湾たいわんはF-5の後継こうけいとしてF-16をもとめ、アメリカに輸出ゆしゅつするよう打診だしんしたが、中国ちゅうごくとの関係かんけい重視じゅうししたアメリカはこれを拒否きょひし、わりにF-5の強化きょうかがたであるF-20とF-16ダウングレードがた提案ていあんした。
それがF-16/79でF-4のJ79エンジンを搭載とうさいし、全体ぜんたいてき飛行ひこう能力のうりょく低下ていかさせており、1980ねん試作しさくはつ飛行ひこうしている。しかし結局けっきょく台湾たいわんはこれを拒否きょひ後述こうじゅつするF-CK-1の開発かいはつおこなっている。

技術ぎじゅつ協力きょうりょく開発かいはつ

F-CK-1
F-CK-1経国

F-CK-1はF-16の売却ばいきゃく拒否きょひされた台湾たいわんがゼネラル・ダイナミクス(げんロッキード・マーチン)、ギャレット、ウエスチングハウスらの技術ぎじゅつ協力きょうりょくによって開発かいはつした戦闘せんとうで、愛称あいしょう経国けいこく(チンクォ)。1989ねんはつ飛行ひこうし、1994ねん正式せいしき配備はいびされている。

F-16と同等どうとう戦力せんりょく目指めざし、かつ開発元かいはつもとのゼネラル・ダイナミクスが技術ぎじゅつ協力きょうりょくおこなっているため、その外観がいかんはF-16とたものとなっている。おおきなちがいはエンジンが双発そうはつになっていることで、空気くうきこう機首きしゅ側面そくめんうつっている。ただ、それ以外いがい一回ひとまわ小型こがたしたF-16といったところであり、機体きたい規模きぼもF-20やスウェーデンのJAS39 グリペンと同等どうとうである。のちにF-16の輸出ゆしゅつ許可きょかされたため、生産せいさんすう予定よていより半減はんげんし130程度ていどとなっている。
T-50
T-50

T-50は韓国かんこく航空機こうくうきメーカー、コリアエアロスペース(KAI)がロッキード・マーチンの技術ぎじゅつ支援しえんけて開発かいはつしたちょう音速おんそく練習れんしゅうで、愛称あいしょうはゴールデンイーグル(イヌワシ)。初号しょごうは2002ねんはつ飛行ひこうしている。
主翼しゅよくぜんえんのストレーキやブレンディットウイングボディなどF-16の影響えいきょう色濃いろこている。練習れんしゅうなのでF-16よりいちまわ小型こがたで、エンジンもF/A-18のF404-GE-402を単発たんぱつ使用しようしている。レーダーを搭載とうさいけい攻撃こうげきとして運用うんようする計画けいかくもある。練習れんしゅうとしては価格かかくたかめで、日本にっぽんのT-2高等こうとう練習れんしゅうやくばい価格かかくであるとわれている。
F-2支援しえん戦闘せんとう
F-2

F-2支援しえん戦闘せんとう三菱重工みつびしじゅうこうとロッキード・マーチンの共同きょうどう開発かいはつされた支援しえん戦闘せんとうである。

F-16C/Dブロック40をベースに開発かいはつされているが、胴体どうたい大型おおがた主翼しゅよくかわそう日本にっぽん独自どくじCCV技術ぎじゅつ導入どうにゅうなどがほどこされ、とくアヴィオニクスやレーダーなど中身なかみまるごと別物べつものである。1995ねんはつ飛行ひこうし2000ねんわたしが開始かいしされている。


スペック(F-16Cブロック50)

製造せいぞう ロッキード・マーチン
全長ぜんちょう 15.03m
全幅ぜんぷく 9.99m
ぜんこう 5.09m
主翼しゅよく面積めんせき 27.87m2
つばさめん加重かじゅう 443kg/m2
自重じちょう ブロック1〜20:7387kg
ブロック25〜42:8273kg
ブロック50/52:9017kg
ブロック60/62:9979kg(CFT装備そうび)
全備ぜんび重量じゅうりょう 12300kg(そら対空たいくう戦闘せんとう)
最大さいだい離陸りりく自重じちょう ブロック1〜20:16057kg
ブロック25〜42:19187kg
ブロック50/52:21772kg
ブロック60/62:22680kg
エンジン ブロック1〜20:F100-PW-200(ドライ64.9kN A/Bとき106kN)
ブロック25/32/42:F100-PW-220(ドライ64.9kN A/Bとき106kN)
ブロック30/40:F110-GE-100(ドライ76.3kN A/Bとき128.9kN)
ブロック50:F110-GE-129(ドライ76kN A/Bとき131kN)
ブロック52:F100-PW-229(ドライ79.1kN A/Bとき129.6kN)
ブロック60:F110-GE-132(ドライ84.5kN A/Bとき144.5kN)
最大さいだい速度そくど マッハ2
実用じつよう上昇じょうしょう限界げんかい 15420m
燃料ねんりょう搭載とうさいりょう 内部ないぶ:3985L
外部がいぶ:1135L(300ガロン)ぞうそう×1+1400L(370ガロン)ぞうそう×2
CFT:1665L(440ガロン)
戦闘せんとう行動こうどう半径はんけい 1370km(2000lbばくだん2はつ、サイドワインダー2はつ、1040ガロン外部がいぶ燃料ねんりょう)
630km(2000lbばくだん4はつ、サイドワインダー2はつ、300ガロンぞうそう)
370km+2あいだ10ふん空中くうちゅう警戒けいかい(スパロー2はつ、サイドワインダー2はつ、1040ガロン外部がいぶ燃料ねんりょう)
航続こうぞく距離きょり 4400km(フェリー)
しゅ武装ぶそう(最大さいだい搭載とうさいすう) 固定こていへいそう
M61A1 20mmバルカンほう(515はつ)

そら対空たいくうへいそう
AIM-9 サイドワインダー(6はつ)
AIM-7 スパロー(2はつ)
AIM-120 AMRAAM(6はつ)
IRIS-T
ASRAAM
スカイフラッシュ
MICA
パイソン

そら対地たいちへいそう

Mk82/83/84 通常つうじょうばくだん(12/8/4はつ)
CBU-52/58/71/87/89/97 クラスターばくだん
GBU-10/12/24 ペイブウェイU/V レーザー誘導ゆうどうばくだん
GBU-31/38 JDAM GPS/INS 誘導ゆうどうばくだん
AGM-45 シュライクたいレーダーミサイル(6はつ)
AGM-65 マーベリック対地たいちミサイル(6はつ)
AGM-78 スタンダードたいレーダーミサイル
AGM-88 HARMたいレーダーミサイル(4はつ)
AGM-154 JSOW
LAU-10 ズーニ 5インチ ロケットランチャー(4はつ×4)
LAU-68 ハイドラ70ロケットランチャー(19はつ×4)
LAU-5003 CRV7 70mmロケットランチャー(19はつ×4)
B61 戦術せんじゅつかく

そらたいかんへいそう
AGM-84 ハープーンたいかんミサイル(2はつ)
AGM-119 ペンギンたいかんミサイル(4はつ)
採用さいようこく アメリカ
アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽう
イタリア
イスラエル
インドネシア
エジプト
オマーン
オランダ
ギリシャ
シンガポール
タイ
チリ
デンマーク
トルコ
ノルウェー
バーレーン
パキスタン
ベネズエラ
ベルギー
ポルトガル
ポーランド
ヨルダン
台湾たいわん
韓国かんこく



Photo
U.S.AirForce
Lockheed Martin
Northrop Grumman
NASA
AIDC
KAI


参考さんこう書籍しょせきとう紹介しょうかい
ミリタリーにもど
TOPへ

Copyright (C) EAGLET(mobius) 2005. All rights reserved