食事内容から不足栄養素をサプリで補う(shutterstock.com)
先日、期間限定(4月29日~5月4日)で東京・原宿にサプリメントショップがオープンして話題を呼んだ。
その名は「FAST FOOD AID」。無機的な店舗の壁には小瓶に入れられたサプリメントがずらりと並ぶ。
同店では、ファストフードなどのレシートを客が持参すると、その食事内容から管理栄養士が栄養素を分析・診断し、不足していると思われる栄養素をサプリで無料配布した。
仮に3食ハンバーガーを食べたとする。不足は、カロテン、鉄、カルシウム、ビタミンC、ビタミンD、葉酸、食物繊維などだ。1日分20粒、年間では7300粒が必要になる。視覚的な驚きを隠せない来店者が多かった。
カロリーは足りても「新型栄養失調」
この期間限定ショップを仕掛けたのは、お好み焼きチェーンの株式会社道とん堀。ハンバーガーでは栄養不足でも、卵、野菜などが豊富に入ったお好み焼きならバランスよく栄養素が取れるという。
必要なサプリメントは「0粒」。これをアピールすると同時に、現代の食と栄養について考えるきっかけを提供するのが目的だ。
それというのも、日本人に「新型栄養失調」が増えているからだ。「この飽食の時代に栄養失調?」と不思議かもしれないが、この「新型」は、必要なエネルギーは足りているもののビタミンやカルシウム、食物繊維など特定の栄養素が足りない状態だ。
極端なダイエットや、コンビニやファストフードなどで手軽に食べ物が調達できたりする現代ならではの栄養失調といえる。
先のサプリショップで来店者300人を覆面調査したところ、その85,6%が新型栄養失調のリスクを抱えていることが判明した。
しかも、自覚症状がある人はわずか12%だったという。このごろ疲れやすい、風邪をひきやすくなった、貧血気味……という人は、病気を疑う前に自身の食生活を振り返ってみてはどうだろうか。