就活しゅうかつ生せいに甘あまえる社会しゃかい人じん

マスコミの報道ほうどうでは、しばしば「たくさんの会社かいしゃを受うけているのになかなか内定ないていを取とれない就活しゅうかつ生せい」が取とり上あげられることがある。これに対たいして、常見つねみ陽平ようへいさんみたいに「"１００社しゃ受うけてすべて落おちた"という報道ほうどうをよく目めにするが、たいていは就職しゅうしょくナビサイトでクリックしてプレエントリーしただけの数かずである」という面白おもしろ分析ぶんせきをもって反論はんろんする人ひともいるが（http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-285.html）、一方いっぽうで「そもそも、"たくさんの会社かいしゃを受うけている就活しゅうかつ生せい"はそれほどいないんじゃないか？」ということをデータに基もとづいて主張しゅちょうされる方ほうもいる。


サカタカツミさんという方ほうが書かいた「"就活しゅうかつできない"就活しゅうかつ生せいが急速きゅうそくに増加ぞうか中ちゅう」という記事きじがある。この記事きじでは、株式会社かぶしきがいしゃリクルートキャリアが今年ことしの５月がつ２８日にち～５月がつ３１日にちに「就職しゅうしょく活動かつどうを行おこなった２０１３年ねん３月がつ卒業そつぎょう予定よていの全国ぜんこくの大学生だいがくせい・大学院生だいがくいんせい」を対象たいしょうに行いったアンケート調査ちょうさを根拠こんきょに、「（企業きぎょうが内定ないていを出だしている場合ばあいが少すくなくない）５月がつの終おわり時点じてんでもなお、約やく４割わりの就活しゅうかつ生せいがエントリーシートを５社しゃ以下いかの企業きぎょうにしか出だしていない」ということが主張しゅちょうされている。このアンケート調査ちょうさによれば、エントリーシートを１社しゃにも提出ていしゅつしていない就活しゅうかつ生せいもなんと全体ぜんたいの１５％を占しめている。このアンケートに応こたえる余裕よゆうがあるのなら、なぜ企業きぎょうにエントリーしないのか不思議ふしぎでならない（笑）


また、マイナビが今年ことしの１０月がつ２９日にち～１１月がつ９日にちに行いった「"2013年ねん卒そつ学生がくせいの現状げんじょう調査ちょうさ"集計しゅうけい結果けっか報告ほうこく」においても、エントリー数すうが２０社しゃ以下いかだという就活しゅうかつ生せいが全体ぜんたいの約やく４分ぶんの１を占しめていることが明あきらかになっている。これに対たいして「このアンケートに答こたえた人ひとたちが、少すくないエントリー数すうで内定ないていを取とれたというだけの話はなしなのでは？」と感かんじる方ほうもいるかもしれない。しかし、未み内定ないてい者しゃのみに注目ちゅうもくした数字すうじを見みると（調査ちょうさ報告ほうこくのp11）、エントリー数すうが１社しゃ～２０社しゃの就活しゅうかつ生せいが２７．４％を占しめていることが分わかるし、そもそも１社しゃにもエントリーしていない就活しゅうかつ生せいも全体ぜんたいの２．２％いる。だから、こんなアンケートに応こたえる余裕よゆうがあるなら、なぜ企業きぎょうにエントリーしないんだ（笑）


実じつはこの間あいだ、「凡人ぼんじん内定ないてい戦略せんりゃく」の著者ちょしゃ・武野むのさんと都内とないでお会あいする機会きかいがあったのだが（この時ときの出来事できごとについては、また後日ごじつ書かきます）、就活しゅうかつ生せいの相談そうだんに乗のることが多おおい彼かれも行動こうどう量りょうが足たりない就活しゅうかつ生せいが多おおいことを指摘してきしていた。中なかには、就職しゅうしょく浪人ろうにんしているのに半年はんとし間あいだで２社しゃしか受うけていない人ひともいたらしい（この点てんは、ちょっと僕ぼくの記憶きおく違ちがいがあるかもしれない）。武野むのさん曰いわく「受うけてないんだから、受うかるわけない」と。サカタカツミさんも自身じしんの記事きじで「そう、そもそもの問題もんだいは"就活しゅうかつしないから就職しゅうしょくできない"のですから」と述のべている。サカタカツミさんの意見いけんに対たいしては、「いや、マイナビのデータを見みる限かぎりでは、未み内定ないてい者しゃでも１００社しゃ以上いじょうにエントリーしている人ひとが１５％くらいいるので、"そもそもの問題もんだいは就活しゅうかつしないから就職しゅうしょくできない"なんて言いっちゃって良よいの？」と言いってやりたいけれど（もっとも、ここでいう"エントリー"の定義ていぎがプレエントリーなのか、本ほんエントリーなのかがよく分わからないのだが・・・）、それでも就活しゅうかつ生せいが置おかれている状況じょうきょうを「みんなたくさんの企業きぎょうにエントリーして、落おとされて大変たいへん苦くるしんでいる」と単純たんじゅん化かして語かたるべきではないという問題もんだい意識いしきには同意どういする。


ここで、これほど「就職しゅうしょくが厳きびしい」と語かたられているのに、なぜここまで行動こうどう量りょうが少すくない就活しゅうかつ生せいが多おおいのかが気きになるところだ。この点てん、サカタカツミさんの記事きじでは「ナビサイトに登録とうろくすらできない学生がくせいが増ふえている」という要素ようそが挙あげられている。また、武野むのさんが出会であった「就職しゅうしょく浪人ろうにんしているのに半年はんとし間あいだで２社しゃしか受うけていない人ひと」はアルバイトの都合つごうや金銭きんせん面めんの関係かんけいで就活しゅうかつをしている余裕よゆうがないと話はなしていたらしい（それに対たいして武野むのさんは「２ヶ月かげつくらい必死ひっしで金かね貯ためて、その金かねで就活しゅうかつすれば良よいのに」と歯はがゆそうに話はなしていた）。その他た、マイナビの調査ちょうさ結果けっかによれば、就活しゅうかつ生せいが「選考せんこうを受うけてみたいと思おもえる企業きぎょうが少すくない（存在そんざいしない）」と感かんじる主おもな理由りゆうとして、「希望きぼう職種しょくしゅ」（26.3％）「希望きぼう業種ぎょうしゅ」（23.2％）「希望きぼう勤務きんむ地ち」（18.6％）に合致がっちする募集ぼしゅうが少すくないというものが挙あげられている。


もっとも、これだけでは「就活しゅうかつをしていない層そう」の実態じったい、具体ぐたい的てきには「この層そうにはどういった人ひとたちが当あてはまる傾向けいこうがあるのか」、「なぜ周まわりが就活しゅうかつをしている中なかで、この層そうの人ひとたちは行動こうどうしようとしないのか」という疑問ぎもんは全まったく解とけない。勿論もちろん「在学ざいがく中ちゅうに就活しゅうかつをしない」と決断けつだんした上うえで行動こうどうしないのならなにも問題もんだいはないのだが、もし「就職しゅうしょくはしたいけど、行動こうどうはしない」というスタンスの就活しゅうかつ生せいが多おおいのならば、それに対たいしてどう対処たいしょすれば良よいのか。正直しょうじきこの問題もんだいに関かんしては「こういう層そうに当あてはまる就活しゅうかつ生せいの意識いしきが低ひくいだけなんじゃないか？ほっとけば良よい」と結論けつろんづけても良よい気きがしているが、その結論けつろんに達たっする前まえにもう少すこしこの問題もんだいについて考かんがえてみたいと思おもう。


「就活しゅうかつをしていない層そう」の実態じったいを調しらべ、可視かし化かするべきだという考かんがえに共感きょうかんしてくださった方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします。

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一昨日おととい放送ほうそうされた「ビートたけしのTVタックル」のテーマは「日本にっぽんの(秘ひ)頭脳ずのうが海外かいがい流出りゅうしゅつ!?」というものであった。そのテーマの中なかで「いまどきの大学生だいがくせい」について扱あつかうパートがあったからか、何なにとあのビートたけしさんの隣となりに「就活しゅうかつのバカヤロー」、「アホ大学だいがくのバカ学生がくせい」の著書ちょしょで知しられる石渡いしわた嶺みね司つかささんが座すわるという珍事ちんじが起おきていた。


石渡いしわたさんの見みせ場ばの一ひとつは「５無む学生がくせい」という概念がいねんを紹介しょうかいしたところ。「５無む学生がくせい」とは、「アルバイトしない」、「サークルしない」、「勉強べんきょうしない」、「恋愛れんあいしない」、「新聞しんぶん・本ほん読よまない」という無ない無ない尽つくしの学生がくせいのことを指さす。スタジオでは「こうした"５無む学生がくせい"は大学だいがくで何なにをしているのか？」という疑問ぎもんが上あがったが、それに対たいして石渡いしわたさんは「パソコンゲームをするか、３・４人にんの少すくない友達ともだちを作つくってカードゲームをするか・・・」と答こたえていた。


もう一ひとつの見みせ場ばは、猪子いのこ寿之としゆきさんとの議論ぎろんで論破ろんぱされたところ。猪子いのこさんは石渡いしわたさんの「５無む学生がくせい」を問題もんだい視しする姿勢しせいに対たいして「社会しゃかい変化へんかしたから、これ（５無む学生がくせい）がいけないというわけではないよね。昔むかしはソーシャルネットワークみたいなものは無なかったから、しょうがなくサークルに入はいったけど、今いまはそれがネットに移うつったわけで必要ひつようなくなったからサークルに入はいらなくなったわけで。昔むかしは"車しゃが欲ほしい"みたいな人ひとたちが多おおかったけど、今いまの生活せいかつでは車くるまよりも楽たのしいものがたくさんあるから、車くるまなんか買かわなくて良よいからアルバイトもしなくて良よいし・・・」と反論はんろんする。それに対たいして石渡いしわたさんは「全部ぜんぶ無ないので、５無むなので（、だから問題もんだいだ）」と言いいかけたが、猪子いのこさんはすかさず「その分ぶんあるもの（ソーシャルネットワークとか）も増ふえてるわけで～」と石渡いしわたさんの話はなしをさえぎる（笑）もしかすると石渡いしわたさんは「ソーシャルネットワークも含ふくめて、全まったく活動かつどうをしない姿勢しせいが問題もんだいなんだ！」と言いいたかったのかもしれないけれど、そうすると今度こんどは「５無む」という概念がいねんを持もち出だした必要ひつよう性せいが全まったく無なくなるので、それはそれで意味いみ不明ふめいである。


さて、今回こんかいの記事きじで取とり上あげるのは「５無む」のうちの「新聞しんぶん読よまない」というくだり。なんだかよく分わからないけれど、「就活しゅうかつに備そなえて新聞しんぶんを読よみ、世よの中なかの流ながれを分わかっておけ！」というようなアナウンスが蔓延まんえんし、それに従したがわない就活しゅうかつ生せいにはマイナス評価ひょうかが下くだされる空気くうきがあるような印象いんしょうを僕ぼくは持もっている。最近さいきんでは、business media誠まことに掲載けいさいされた「自己じこ分析ぶんせきをする就活しゅうかつ生せいに見込みこみはない」という記事きじに、「朝日新聞あさひしんぶん、毎日新聞まいにちしんぶん、読売新聞よみうりしんぶん、産経新聞さんけいしんぶん、日経新聞にっけいしんぶんの5紙しを読よみ比くらべるべきだ」、「新聞しんぶん各紙かくしはそれぞれに特性とくせいがあるので、最低さいていでもこの5紙しに目めを通とおさないと、経済けいざいの実態じったいは掴つかめない」という主張しゅちょうが載のっていたのを確認かくにんした。


しかし番組ばんぐみでは、三橋みつはし貴明たかあきさんが「"新聞しんぶん・本ほん読よまない”ってありますけど、絶対ぜったい今いまの若者わかものの方ほうがインターネットで活字かつじ読よんでますよ、間違まちがいなく」と切きり捨すて、猪子いのこさんも「"新聞しんぶん・本ほん読よまない”で何なにが悪わるい？って話はなしですよ」とそれに同調どうちょうしてくださった。「若者わかものは新聞しんぶんを読よまない」という嘆なげきには、若者わかものが新聞しんぶんを読よまないことで失うしなわれる「何なにか」があるという前提ぜんていが必要ひつようなはずだが、もしその「何なにか」を別べつの形かたちで得えることが出来できるのならば、「新聞しんぶんを読よまない」という不作為ふさくいを非難ひなんすることは妥当だとうではないということになる。ここでいう「何なにか」とは恐おそらく「世よの中なかの情報じょうほうをインプットする」とい換いかえられると思おもうが、三橋みつはしさん・猪子いのこさん共ともに「インターネット」という新聞しんぶんに代かわるメディアを通つうじて若者わかものが情報じょうほうをインプットしている事情じじょうを指摘してきしてくださったので、この点てんに関かんして、石渡いしわたさんの問題もんだい提起ていきは完全かんぜんに無効むこう化かされたといえる。


なお、上うえで触ふれた「自己じこ分析ぶんせきをする就活しゅうかつ生せいに見込みこみはない」という記事きじには、なぜ「新聞しんぶん」を通つうじたインプットをする必要ひつようがあるのかも書かかれている。その理屈りくつは「自分じぶんの“関心かんしんのない情報じょうほう”をインプットするため。なぜなら、実際じっさいに紙面しめんを広ひろげて読よむ新聞しんぶんは、関心かんしんのない情報じょうほうまで自然しぜんと目めに飛とび込こんでくるから」という、個人こじん的てきには苦くるし紛まぎれとしか思おもえないようなものであった。関心かんしんの無ない情報じょうほうなんか、とりあえず目めに入はいることはあっても、その内容ないようは頭あたまには入はいってこないだろう。なんで筆者ひっしゃがここまで無理むりやり「新聞しんぶん」をインプットのツールとして押おすのか、しかも５社しゃの読よみ比くらべを進すすめるのか、僕ぼくにはさっぱり分わからなかった。


強つよいて言いえば、就活しゅうかつに際さいして新聞しんぶんの購読こうどくが必要ひつようとなる理屈りくつとしては「面接めんせつ官かんの人ひとたちはネットじゃなくて新聞しんぶんを情報じょうほうのインプットとして使つかっている傾向けいこうがあるから、話はなしを合あわせるためにもそれを読よんでおきましょう」というものしか思おもいつかない。しかし個人こじん的てきな印象いんしょうとしては、面接めんせつ官かんがニュースに関かんする質問しつもんをする際さいには「新聞しんぶんを読よんでますか？」という形かたちの問といかけよりも「最近さいきん、興味きょうみがあるニュースは何なにですか？」という形かたちの問といかけをすることが多おおい、即すなわち多おおくの面接めんせつ官かんはどのようなツールを通つうじて情報じょうほうをインプットしたかは問題もんだいにしていなくて、単純たんじゅんに就活しゅうかつ生せいがきちんと情報じょうほうをインプットしているかどうかを問題もんだいにしているように思おもえる。そして重要じゅうようなのも、「新聞しんぶんを読よんでいること」そのものより「きちんと情報じょうほうをインプットしているか」ということなので、この点てんに関かんして面接めんせつ官かんの問といかけ方かたは正まさしく、「新聞しんぶんを読よんでますか？」という問といかけは無意味むいみでしかない。社会しゃかい人じんが就活しゅうかつ生せいに情報じょうほうのインプットを求もとめることは間違まちがっていないと思おもうけれど、そのインプット方法ほうほうまで強制きょうせいしたり、特定とくていのインプット方法ほうほうを過剰かじょうに薦すすめたりする権利けんりは無ないはずだ。


就活しゅうかつ生せいが新聞しんぶんを読よまないこと自体じたいは何なにも悪わるくないし、面接めんせつで「新聞しんぶんを読よんでますか？」という問といかけがなされるのは無意味むいみだ～という考かんがえに共感きょうかんしてくださった方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします。

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先月せんげつ２７日にちのｍｓｎ産経さんけいニュースに、「学生がくせいは就職しゅうしょく先さきえり好ごのみ？　中小ちゅうしょう企業きぎょうは"優秀ゆうしゅうな人材じんざい厳選げんせん"」という記事きじが載のっていた。記者きしゃは、相変あいかわらずリクルートワークス研究所けんきゅうじょが発表はっぴょうした大卒だいそつ求人きゅうじん倍率ばいりつを根拠こんきょにして、従業じゅうぎょう員いん１０００人にん未満みまんの企業きぎょうの求人きゅうじん倍率ばいりつは１．８６倍ばい、３００人にん未満みまんに限かぎると３．３５倍ばいなのだから中小ちゅうしょう企業きぎょうを中心ちゅうしんに受うけ皿ざらはあると書かいている。その文章ぶんしょうの直後ちょくごに、「もっとも、"人手ひとで不足ふそくだからこそ、中小ちゅうしょうは優秀ゆうしゅうな人材じんざいを厳選げんせんして採用さいようする傾向けいこうがある"（リクルートワークス研究所けんきゅうじょ）とも」と書かいているので、「じゃあ、結局けっきょくのところ受うけ皿ざらないじゃん」「選えり好ごのみしているのは、むしろ企業きぎょうの方ほうじゃん」と僕ぼくは思おもってしまった。


また、一昨日おとといの読売新聞よみうりしんぶんの「学まなんだ成果せいかを評価ひょうかする採用さいように」という社説しゃせつにも「一方いっぽうで、学生がくせいの間あいだに知名度ちめいどを高たかい企業きぎょうを志向しこうする傾向けいこうも根強ねづよく、採用さいようを希望きぼうする中小ちゅうしょう・中堅ちゅうけん企業きぎょうとのミスマッチは解消かいしょうされていない」と書かかれている。どうもマスコミは、「不ふ況きょう下かにも関かかわらず、就職しゅうしょく先さきをえり好ごのみしている学生がくせい」という俗流ぞくりゅう若者わかもの論ろんを垂しだれ流ながそうとしているようだ。


しかし一方いっぽうで就活しゅうかつ生せいは逆ぎゃくの実感じっかんを持もつ。例たとえば以前いぜん既すんで卒そつ者しゃカフェでもお会あいし、このブログを読よんでくださっている「カイ」さんはツイッターで次つぎのように述のべる。

学生がくせいは就職しゅうしょく先さきえり好ごのみ？　中小ちゅうしょう企業きぎょうは「優秀ゆうしゅうな人材じんざい厳選げんせん」 - MSN産経さんけいニュース sankei.jp.msn.com/life/news/1208…こういう論調ろんちょう好すきだなマスコミとか企業きぎょうは。学生がくせいは別べつに選えり好ごのみしてないよ。

— カイ@10既すんで卒そつさん (@real275) 8月がつ 28, 2012

また、このブログによくコメントを下くださる「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんは、「私わたし自身じしんの印象いんしょうとしては、中小ちゅうしょう企業きぎょうでも人ひとが殺到さっとうしていることが多おおかったように思おもいます。中小ちゅうしょう企業きぎょうがほとんどの合同ごうどう企業きぎょう説明せつめい会かいや合同ごうどう企業きぎょう選考せんこう会かい、面接めんせつ会かいでも参加さんか者しゃは多おおかったと記憶きおくしています。私わたしが受験じゅけんした企業きぎょうの担当たんとう者しゃの中なかには"まさかうちの企業きぎょうにこれだけ多おおくの方ほうが来くるとは思おもっていなかった"と言いっていた方ほうもいました」とライターページに書かいてくださった。さらに、既すんで卒そつ者しゃカフェでお会あいした女性じょせいの方ほうも、ハローワーク主催しゅさいの面接めんせつ会かいに参加さんかした際さいに、求人きゅうじん２名めいの会社かいしゃに約やく７０名めいが殺到さっとうして面接めんせつを受うけるのに２時間じかん待またされたというお話はなしをされていた。これらの話はなしを聞きくと、マスコミが垂だれ流ながそうとしている言説げんせつの方ほうが虚構きょこうのように思おもえる。


このような俗流ぞくりゅう若者わかもの論ろんを壊こわすために必要ひつようなのは、「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんのように統計とうけいを細こまかいところまで読よむことだと思おもう。以前いぜん「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんはライターページにて、リクルートワークスの調査ちょうさ結果けっかについて「各かく従業じゅうぎょう員いん規模きぼと各かく業種ぎょうしゅへの就職しゅうしょく希望きぼう率りつは、第だい一いち希望きぼうの情報じょうほうをもとに算出さんしゅつされている」、「この調査ちょうさの実施じっし時期じきは就活しゅうかつが本格ほんかく化かしはじめる2月がつ6日にち～3月がつ15日にちであり、そのタイミングで就活しゅうかつ生せいに第だい一いち希望きぼうの就職しゅうしょく先さきを尋たずねたら、それは大だい企業きぎょうになるだろう」と指摘してきしてくださった（http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-290.html）。僕ぼくも実際じっさいに調査ちょうさ結果けっかのpdfを見みたけれど、「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんの分析ぶんせきで間違まちがいないと思おもっている。


確たしかに就活しゅうかつの初期しょきの段階だんかいでは、大手おおて企業きぎょうを中心ちゅうしんに受うける就活しゅうかつ生せいが多おおいだろう。しかしそれでも、大手おおて企業きぎょうに決きまらなかった人ひとは中小ちゅうしょう企業きぎょうに目めを向むけ始はじめるだろうし、また大だい企業きぎょうの選考せんこうが始はじまる４月がつの前まえに（い方いかたは悪わるいけど）面接めんせつの練習れんしゅうとして中小ちゅうしょう企業きぎょうを受うけようとする就活しゅうかつ生せいもたくさんいるのではないか。いくら大手おおて志向しこうが強つよいと言いっても、世よの中なかには４月がつに大手おおて企業きぎょうだけを受うけて、受うからなかったら夏なつ採用さいよう・秋あき採用さいようを受うけて、それも受うからなかったら就職しゅうしょく留年りゅうねんしてまた大だい企業きぎょうを受うける・・・という就活しゅうかつ生せいばかりなのだろうか。さすがにそれは無ないと僕ぼくは思おもいますが。


このような考かんがえから、「学生がくせいが就職しゅうしょく先さきを選えり好ごのみしている」という論調ろんちょうには賛成さんせいできない。少すくなくとも、リクルートワークス研究所けんきゅうじょのデータを根拠こんきょにこのような論調ろんちょうを導みちびくことには同意どういできない。しかし、専門せんもん家かと言いわれる人ひとですらこのデータを根拠こんきょに就活しゅうかつ生せいを悪者わるものにしようとするから情なさけない。特とくに常見つねみ陽平ようへいさんは著書ちょしょ「くたばれ！就職しゅうしょく氷河期ひょうがき」の中なかで「学生がくせいは大手おおて企業きぎょう・有名ゆうめい企業きぎょうしか受うけない」という名なの章しょうを設もうけて、就活しゅうかつ生せいの大手おおて志向しこうを批判ひはんしているから非常ひじょうに厄介やっかいだと思おもう。いくらなんでも「大手おおて志向しこうが強つよい＝大手おおて企業きぎょう・有名ゆうめい企業きぎょうしか受うけない」は無ないだろう。しかも、本文ほんぶんを読よんでみても「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんが指摘してきした統計とうけいの算出さんしゅつ方法ほうほうを全まったく無視むししているし・・・。確かくかビートたけしさんが「良よい批評ひひょうの無ない世界せかいは潰つぶれる」と言いっていたが、現在げんざいの日本にっぽんの就活しゅうかつがエラーだらけなのもそういう理由りゆうなのかもしれない。


とはいっても、僕ぼくも今いままでそんなに統計とうけいを熟読じゅくどくしたことはなかったし、今回こんかいの記事きじは僕ぼくの力ちからではなく「11卒そつ業務ぎょうむ未み経験けいけん無職むしょく」さんの力ちからによって書かけたといってもい過いすぎではない。このブログも無事ぶじに２年ねん目めを迎むかえたことだし、文章ぶんしょうを読よんだり人ひとに話はなしを聞きくだけではなく、統計とうけいを読よむという地道じみちな作業さぎょうもきちんとやっていこうかなと思おもっている。


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昨日きのう、一昨日おとといと、ＮＨＫのハートネットＴＶてれびが「就職しゅうしょく活動かつどう期きの"うつ"」について取とり上あげていた（http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog//900/）。この記事きじでは番組ばんぐみの具体ぐたい的てきな内容ないようについてではなく、番組ばんぐみを見みたある方ほうのツイートを取とり上あげたい。

僕ぼくが感かんじたのは、「学生がくせいの就職しゅうしょく活動かつどう」というくくりをすることへの危機きき感かん。既すでに、大学だいがくを卒業そつぎょうして職しょくを得えていない若者わかものが毎年まいとし10万まん人にん以上いじょう（卒業そつぎょうする学生がくせい全体ぜんたいは約やく65万まん人にん）も出でている状況じょうきょうで、あまりにも配慮はいりょに欠かけた言動げんどうだった。訂正ていせいして欲ほしい。@nhk_heart

— 山口やまぐち宏之ひろゆき（かぴばらふ）さん (@laugh0419) 7月がつ 2, 2012

この山口やまぐちさんは、大学だいがく等とうを卒業そつぎょうし就職しゅうしょく活動かつどうを継続けいぞく中ちゅうの若者わかものが集あつまるコミュニティ「既すんで卒そつ者しゃカフェ」を運営うんえいしている方ほうだ。だからこそ、「学生がくせいの就職しゅうしょく活動かつどう」という括くくりをして、まるで既すんで卒そつで就活しゅうかつをしている人ひとたちの存在そんざいを無視むしするかのような言動げんどうに怒いかりを覚おぼえたのだろう。


山口やまぐちさんの発言はつげんには同意どういできるし、以前いぜんから僕ぼくも、メディアがやたらと「学生がくせいの就職しゅうしょく活動かつどうが・・・」との文脈ぶんみゃくを用もちいることに危機きき感かんを抱だいていた。例たとえば、去年きょねん１１月がつの読売新聞よみうりしんぶん「就活しゅうかつもう過熱かねつ…短期たんき決戦けっせん化かが逆ぎゃく効果こうか、焦こげる学生がくせい」という記事きじにある「再来年さらいねんの春はるに卒業そつぎょうする現げん・大学だいがく３年生ねんせいの就職しゅうしょく活動かつどうのスタートが、今年ことしから２か月げつ遅おそい１２月じゅうにがつとなった」という記述きじゅつを見みたときは「別べつに就活しゅうかつをスタートするのは大学だいがく３年生ねんせいだけじゃないと思おもうんだけどな」と感かんじたのだ（これについては、過去かこ記事きじ「１２月じゅうにがつに、『大学だいがく３年生ねんせい』の就職しゅうしょく活動かつどうのみがスタートするのか？」に詳くわしく書かきました）。既すんで卒そつで就活しゅうかつをする人ひとも当然とうぜんいくらでもいるし、また企業きぎょうも建前たてまえとして「卒業そつぎょう後ご３年ねん以内いないの既すんで卒そつ者しゃ」を新卒しんそつ扱あつかいとして受うけ入いれる方針ほうしんを示しめしている訳わけだから、当然とうぜん既すんで卒そつで就活しゅうかつしている人ひとたちの存在そんざいは無視むしされるべきではない。


メディアの「現げん・大学だいがく３年生ねんせいの就職しゅうしょく活動かつどうがスタートします」とのアナウンスは、メディアが「普通ふつう、就活しゅうかつは大学だいがく３年生ねんせいで始はじめるものだ」との前提ぜんていに縛しばられていることを証明しょうめいしている。別べつに、卒業そつぎょうを来春らいしゅんに控ひかえた４年生ねんせいが３年生ねんせいと同時どうじに就活しゅうかつをスタートさせるという考かんがえ方かたがあっても良よいはずなのだけれど、そのような選択肢せんたくしは「異端いたん」なものと見みなされる。ましてや、既すんで卒そつの就活しゅうかつには「異端いたん」どころか「ダメ人間にんげん」というレッテルが貼はられてしまうかもしれない。


いまさら言いうまでも無ないが、現在げんざい「就活しゅうかつは大学だいがく３年生ねんせいで始はじめるものだ」との考かんがえが主流しゅりゅうになってしまっており、それ以外いがいの選択肢せんたくしを採とる人ひとへの風当かぜあたりは明あきらかに強つよいものになっている。別べつにメディアがそのような社会しゃかいを作つくったとまで言いう気きはないが、「学生がくせいの就職しゅうしょく活動かつどうが・・・」、「現げん・大学だいがく３年生ねんせいの就職しゅうしょく活動かつどうがスタートします」とのアナウンスは、少すくなからず学生がくせいじゃない人ひとが就活しゅうかつすることはおかしいという価値かち観かんを作つくることにつながっていると思おもう。そして、そのような価値かち観かんは既すんで卒そつで就活しゅうかつする人ひとをうつ病びょうへと追おい込こむかもしれない。例たとえば、説明せつめい会かいへの参加さんかにしても既すんで卒そつ者しゃを「周まわりは皆みな大学生だいがくせいに決きまってるんだから、自分じぶんの存在そんざいはおかしいのではないか」と思おもい悩なやませたり・・・。メディアは「学生がくせいの就活しゅうかつが・・・」という旧来きゅうらいのパラダイムから脱だっして「再来年さらいねんの春はるに入社にゅうしゃを希望きぼうする者ものの就職しゅうしょく活動かつどうのスタートが・・・」とか、何なにか別べつの表現ひょうげんを見みつけたいところだ。


もっとも、メディアに限かぎらず、就活しゅうかつ問題もんだいに関心かんしんがある人ひとでも「学生がくせい」が就職しゅうしょく活動かつどうをしているという前提ぜんていに縛しばられている場合ばあいがある。例たとえば、ハートネットＴＶてれびの番組ばんぐみに出演しゅつえんした本田ほんだ由紀ゆき先生せんせいは就活しゅうかつ問題もんだいに関心かんしんを持もつ学者がくしゃの一人ひとりだが、そのような方ほうでも「現代げんだい就活しゅうかつは学生がくせいに大おおきなストレスを与あたえている」と述のべていることから、無意識むいしきのうちに学生がくせいの存在そんざいのみを考かんがえているといえる（http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/900/125175.html）。そういう言動げんどうが既すんで卒そつ就活しゅうかつ生せいにストレスを与あたえうることを本田ほんだ先生せんせいも自覚じかくしなければならない。


ちなみに僕ぼくは、今回こんかいの記事きじで取とり上あげたような問題もんだい意識いしきを大切たいせつにしているので、ブログ記事きじにおいて「学生がくせい」という言葉ことばは殆ほとんど使つかわず、主おもに「就活しゅうかつ生せい」「応募おうぼ者しゃ」という表現ひょうげんを用もちいている。細こまかいことかもしれないけれど、そういったことから意識いしきを変かえていかなければならないと考かんがえるからだ。


就活しゅうかつをしているのは「既すんで卒そつ者しゃ」も同おなじなので、原則げんそくとして「学生がくせいの就活しゅうかつが・・・」という言葉ことばを用もちいるべきではないとの考かんがえに共感きょうかんしてくださる方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします。

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「自分じぶんという存在そんざいを全ぜん否定ひていされたような気きがして……。心しんが壊こわれちゃいました」


2月がつ24日にちの朝日新聞あさひしんぶんデジタルに掲載けいさいされた「否定ひていされ続つづけ、壊こわれる心しん〈シューカツは今いま〉」という記事きじは、ある学生がくせいのこのような発言はつげんから始はじまっている。就活しゅうかつを始はじめて１年ねんが過すぎ、（恐おそらく）５０社しゃ以上いじょう受うけ続つづけたにも関かかわらず内定ないていをもらえなかったことから、精神せいしん的てきに限界げんかいを迎むかえていたという。


この記事きじでは、題名だいめいどおり、主おもに就活しゅうかつがうまくいかないことを苦くに心しんを病やむ人ひとたちの存在そんざいにスポットを当あてている。具体ぐたい的てきには、全国ぜんこくの「新卒しんそつ応援おうえんハローワーク」にいる臨床りんしょう心理しんり士しに対たいして月つきに約やく５００件けんの相談そうだんがあるという事実じじつや、「就職しゅうしょく失敗しっぱい」を理由りゆうに自殺じさつした大学生だいがくせい・専門せんもん学校がっこう生せいが２０１０年ねんに５３人にん（２００７年ねんの約やく３倍ばい）となった事実じじつなどが取とり上あげられている。


記事きじには、多おおくの人ひとを精神せいしん的てきに苦くるしめる現在げんざいの就活しゅうかつに異議いぎを唱となえる人ひとの声こえも載のっている。それが、去年きょねんの秋あきに行おこなわれた「就活しゅうかつぶっこわせデモ」の実行じっこう委員いいん長ちょうである小沼おぬま克之かつゆきさんの声こえである。彼かれは「わずかな面接めんせつ時間じかんに、自分じぶんの何なにを判断はんだんできたのかと疑問ぎもんを感かんじた」、「就活しゅうかつがうまくいかないと努力どりょくが足たりないと言いわれるが、働はたらきたい学生がくせいの心しんを押おしつぶす就活しゅうかつの仕組しくみ自体じたいがおかしい」 と述のべる。３月がつ中旬ちゅうじゅんには国会こっかい内ないで就活しゅうかつに関かんする集会しゅうかいを行おこなうらしい。


朝日新聞あさひしんぶんの書かき方かたが悪わるいのか、それとも小沼おぬまさんの訴うったえ自体じたいが悪わるいのかは分わからないが、どうも「選考せんこうに落おとされ続つづけている人ひとは、企業きぎょうから心しんを踏ふみにじられている。そのような状況じょうきょうを是正ぜせいするべきだ」というメッセージが記事きじに込こめられているように見みえる。僕ぼくは「現在げんざいの就活しゅうかつがおかしい」という姿勢しせいには賛成さんせいなのだけれど、そのおかしさを証明しょうめいするための主張しゅちょうとして「選考せんこうに落おとされ続つづけている人ひとは、企業きぎょうから心しんを踏ふみにじられている」というものを掲かかげるのはおかしいと思おもっている。


確たしかに「何なん十じゅう社しゃもの選考せんこうに落おとされる」のは辛つらいに決きまっている。しかし、就活しゅうかつというのは企業きぎょうが応募おうぼ者しゃを「選抜せんばつ」する場ばである以上いじょう、どうしても落おちる人ひとというのは出でてきてしまう。ひいては、何なん十じゅう社しゃもの選考せんこうに落おとされる人ひとが生うまれてしまうのは仕方しかたが無ないと思おもう。企業きぎょうからしても、採用さいよう試験しけんを受うけに来きた応募おうぼ者しゃを落おとす権利けんりがあるのは当然とうぜんのことだ。このような考かんがえから、「選考せんこうに落おとされ続つづけている人ひとは、企業きぎょうから心しんを踏ふみにじられている」という訴うったえには「甘あまさ」があるのではないかと感かんじる。


以前いぜんコメント欄らんで「デモの主張しゅちょうにも企業きぎょう側がわに改善かいぜんの余地よちありの点てんと企業きぎょう側がわに文句もんく言いっても仕方しかたない点てんとがあるかと思おもいますが、その選択せんたくもせず毎年まいとしデモやっては解散かいさんして・・・の繰くり返かえしだとまともに相手あいてされないのも当然とうぜんです」というご意見いけんをいただいたことがある（http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-149.html#cm）。僕ぼくもこの意見いけんに賛成さんせいで、自分じぶんたちの請求せいきゅうを通とおすために必要ひつような訴うったえを絞しぼり込こまずに、「選考せんこうに落おとされ続つづけている人ひとは、企業きぎょうから心しんを踏ふみにじられている」という分わかりやすい構図こうずを掲かかげて問題もんだい提起ていきをする姿勢しせいはもう止とめたほうが良よいのではないかと思おもっている。純粋じゅんすいに問題もんだい解決かいけつのために逆ぎゃく効果こうかだと思おもうし、それがひいては就活しゅうかつ問題もんだいを訴うったえる人ひとたちの心しんをも疲弊ひへいさせると思おもうから。


「企業きぎょう側がわに改善かいぜんの余地よちあり」の要素ようそを確定かくていするに当あたっては、「現在げんざいの就活しゅうかつには問題もんだいがある」と考かんがえる人ひとの主張しゅちょうと「現在げんざいの就活しゅうかつには問題もんだいは無ない」と考かんがえる人ひとの主張しゅちょうをぶつけ合あうことが有効ゆうこうだと思おもう。しかし、僕ぼくの感覚かんかくでは就活しゅうかつに関かんする「議論ぎろん」は依然いぜんとして不十分ふじゅうぶんである。それぞれが、それぞれ言いいたい意見いけんを言いっているだけで終おわっているような気きがする。


例たとえば「新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう」の件けんに関かんして、就活しゅうかつデモでは「新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう反対はんたい」という訴うったえが主おもになされていたと思おもうけれど、一方いっぽうで「新卒しんそつ一括いっかつ採用さいよう反対はんたい論ろん」に対たいする反論はんろんを主張しゅちょうしている有識者ゆうしきしゃもいる。もうデモが終おわってからしばらく経たっているわけだし、その反論はんろんに対たいする再さい反論はんろんをしても良よいんじゃないかと思おもうけれど、実際じっさいには就活しゅうかつデモ関係かんけい者しゃはその反論はんろんを無視むしするに留とどまっている印象いんしょうがある。これでは、主張しゅちょうが通とおらなくても仕方しかたが無ない。


就活しゅうかつのあり方かたを変かえるためにデモ・国会こっかい内ないでの集会しゅうかいという行動こうどうをとれることは確たしかに凄すごい。しかし、行動こうどうだけではなく妥当だとう性せいのある主張しゅちょうが表現ひょうげんされないと、現在げんざいの就活しゅうかつに異議いぎを唱となえる活動かつどうに対たいする疑念ぎねんの目めは消きえないと思おもう。


ただ、一番いちばん説得せっとく力りょくが無ないのは朝日新聞あさひしんぶんですね。今日きょう取とり上あげた記事きじには、

「学生がくせいがブラック企業きぎょうの誘さそいになびいてしまうのは、企業きぎょうの新卒しんそつ重視じゅうしの採用さいよう方式ほうしきが一向いっこうに変かわらず、『就職しゅうしょくは新卒しんそつの時期じきを逃のがすと、チャンスがぐっと狭せばまる』という不安ふあんが大おおきいためでもある」

という記述きじゅつがある。しかし、朝日新聞社あさひしんぶんしゃの採用さいようホームページを見みると、応募おうぼ資格しかくの項目こうもくに「2013年ねん3月がつに大学だいがくまたは大学院だいがくいんを卒業そつぎょう・修了しゅうりょう見込みこみの方ほうが中心ちゅうしん」と書かかれていることが分わかる。やはりマスコミの就活しゅうかつ報道ほうどうは「奇麗事きれいごと」の寄よせ集あつめに過すぎないのだなと実感じっかんした。


「選考せんこうに落おとされ続つづけている人ひとは、企業きぎょうから心しんを踏ふみにじられている」という分わかりやすい構図こうずを掲かかげて問題もんだい提起ていきをする姿勢しせい、もう止とめるべきでは？という考かんがえに共感きょうかんしてくださる方ほうは、もし宜よろしければクリックをお願ねがいします。

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